Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
【Boonzzy Music】新旧お宝アルバム!#104「Subway Recordings」Susan Cagle (2006)

 #104Subway RecordingsSusan Cagle (Lefthook / Columbia, 2006)


秋が深まってきて行楽にアウトドアにいい季節になってきたな、と思ったら先週末からここのところ毎日雨空。こうなってくると、今佳境に入ってきているMLBのポストシーズンの試合を楽しむか、ひたすらインドアで音楽にどっぷり浸るしかないって感じですね。いずれにしても音楽楽しむには絶好の季節。皆さんもいろんないい音に巡り会って、楽しんで下さい。

さて今週の「新旧お宝アルバム!」は、こちらも今から10年ほど前に自分が一時期かなりハマっていたアルバムをご紹介します。ちょうど当時はNYの駐在から帰国して2年、初めての転職も経験してあの刺激満点のNYを懐かしく思い出していた時期だけに、このアルバムにハマったのも自然だったんですが、それだけではなく、音楽を楽しんで演奏するミュージシャンの純粋な魅力に溢れているのもこのアルバムの魅力の大きなところ。ということで、ニューヨークの地下鉄でほとんどバスキングの実況中継のような録音で発表された、女性シンガーソングライター、スーザン・ケイグルのデビュー作『Subway Recordings』(2006)をご紹介します。

Subway Recordings

このアルバムの魅力は、若々しいスーザンがギターを弾きながら伸びのあるボーカルで、2000年代当時のメインストリームだったちょっとR&Bテイストとロック・テイストの乗っかったポップな楽曲をひたすら気持ちよさそうに演奏・歌唱してるところ。正直彼女とこのアルバムのプロデューサーで彼女がNYの地下鉄の駅でバスキングしているところをスカウトしたジェイ・レヴィンの書く楽曲は、特に楽曲としての緻密さや繊細さ、といったものはあまり感じませんが、ストレートに作者(彼女)の感情をぶつけてくれるひたむきさを感じるのと、多くの曲がそこここにキャッチーなフレーズやメロディを備えていて、思わず聴いていると体を曲に合わせて動かしたくなる、そんなミディアム・アップな曲が並んでいます。それは正にNYで地下鉄の駅を歩いていたら向こうの方から聞こえてきたバンドの演奏にふと足を止め、思わず聴き入ってしまう、そういった魅力なのです。彼女はカリブ海の島国、アルバの出身で褐色の肌のキュートな女性ですが、彼女の歌う歌はR&Bやソウル・ブルースに根差しているわけでもなく、若干R&Bの雰囲気は時々感じられますが、あくまでポップ・ロックのメインストリームの楽曲をストレートに歌う、そんなシンガーです。

アルバムの前半はNYのヘソとでもいうべき、タイムズ・スクエア/42丁目駅での通勤乗降客の多い時間帯に録られた、人のざわめきも曲間に聞こえるライヴ収録。ギターはスーザン自身、ベースは妹のキャロライン、ドラムスは弟のジョンという正真正銘の兄弟によるバスキングの録音。NYに行かれたことのある方はご存知ですが、この地下鉄の駅はほぼすべてのニューヨーク地下鉄ラインの集まるターミナル駅であることもあって、とにかく駅の構内がだだっ広く、通常でもそこここでいろんなバンドがバスキングしている(もちろん市の許可が必要ですが)巨大駅。

そこで冒頭歌われるのは、街角で知り合った相手(多分男性)に「知りたいの/あなたはシェイクスピアは好き?ジェフ・バックリーは?/日曜日に映画を観るのは好き?雨の中でキスするのは好き?/あなたが行ってしまう前にあなたが何を好きなのか知らなくては」というひたむきな女の子を心理を歌うど真ん中ストレートなアップテンポの青春ラブソングShakespeare」。この真っ直ぐさにまず持って行かれます。「街の暮らしは辛いことも多いけど、私はもう少し頑張ってみる/ひとの涙を一つでも微笑みに変えられるかどうかやってみる」と、幼い頃から宗教カルトに所属していた両親に連れられて世界中を住み歩いたスーザンがNYでの、おそらくテロなどの都市における問題に対峙する決意を見せているStay」は少しテンポのゆっくりしたロック・ポップチューン。

青春賛歌的な「Dream」や「Be Here」と少しずつテンポを落としながら、「Ain't It Good To Know」では自身の弾くギターのアルペジオに乗って「誰か愛してくれる人がいるって知ってるのっていいわよね」と高低音を行き来するメロディを自由に歌い回すスーザンの歌声が気持ちよし。



そしてタイムズ・スクエアの部の締めは夏のニューヨークのバーで、映画のようにTシャツとジーンズをまとって現れる理想の男性を歌うという、まあ絵に描いたようなティーン・ポップ的歌詞の「Manhattan Cowboy」ですが、曲調や演奏・歌唱のスタイルはシェリル・クロウをちょっと思わせる、そんな成熟した感じの楽曲になっています。なおこの曲は9-11の際に活躍したニューヨークの消防士達にインスピレーションを受けて書いたという説もあります。



アルバム後半は今度は夜の遅い時間に、マンハッタンでは西のタイムズ・スクエアに対する東の42丁目にあるグランド・セントラル駅での収録。ここは日本でいうとJRにあたるメトロ・ノース(NY北部のウェスチェスター郡やコネチカット州とマンハッタンを繋ぐ通勤客で賑わう鉄道)の起点となるターミナル駅。ここも広いコンコースで、内装や造作が20世紀初頭のデザインをそのまま残していることから映画の撮影等に使われることが多いので有名な駅。2階部分に有名なバーがあったり、最近ではその2階部分にアップル・ストアがオープンし、レトロな内装とのアンマッチが不思議な雰囲気を醸し出している場所です


Susan Cagle 

そこでまずぶちかまされるのは「Happiness Is Overrated」。「幸せなんて過大評価されてるわよ」とちょっとメランコリックな詞を、アヴリル・ラヴィーンの「Complicated」そっくりのアップなリフに乗せて歌うキャッチーなナンバーです。流れるようなスーザンのギター・アルペジオに乗って淡々と歌われる「You Know」や親しみやすいメロディで90年代インディ・バンド風のロックな感じとポップさがいいバランスの「Transitional」など、後半でも臨場感溢れるバンドのサウンドをバックに歌うスーザンの魅力が炸裂。アルバム最後の「Ask Me」は「あなたに僕のこと好き?と聞かれると思わずそっぽ向いてしまう/あなたはもう何もなくなったと思うかもしれないけど私にはそんな簡単なことじゃない/あなたには私の心の中見えてるはずと思う一方/私がハッキリ言わないとあなたが傷つくのも知ってる/だから聞いてくれれば私の気持ちを言うわ」と、複雑な女の子の胸のうちを切々と歌う、思わず聞いていて微笑んでしまうようなそんなバラード。

演奏終了後、スーザンの「聞いてくれてありがとう!ちょっと休憩してまた演奏します」という言葉と拍手がフェードアウトしていくのを聞くと、何かの映画を観ていたかのような、そんな気にさせてくれます。


Subway Recordings (back)


とにかく当時NYを離れて間もなく、転職を経験して人生の動乱期にあった自分には、NYの地下鉄での録音であったこと、楽曲がストレートで聞いててすっと入ってきたことから、とてもお気に入りの一枚になりました。

実はこのアルバムリリース時には彼女来日もして、日本を縦断したプロモーション兼ストリートライブもやっていたとのこと。知っていれば是非駆けつけたのに惜しいことをしました


しかしその後彼女は2009年にこのアルバムデビューをバックアップしてくれたコロンビア・レーベルを離れてワーナーに移籍。そして何を思ったかスーザン・ジャスティスと改名して、2012年にはアルバム『Eat Dirt』をキャピトルからリリースする等、音楽活動的には地味な状況が続いています。

このアルバム発表時は25歳だったスーザンも今では36歳の女盛り。この頃の楽曲の瑞々しさを考えると、今のスーザンも歌で表現できることをいろいろこの10年で蓄えているでしょうし、そうした歌を聴きたい、と思っているのは自分だけではないはずです。

ケイグルでもジャスティスでもいいので彼女の新作が届けられることを期待しながら、このアルバムで秋の一時を楽しんで下さい。


<チャートデータ> チャートインなし

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【Boonzzy Music】新旧お宝アルバム!#103「Wildflowers」Tom Petty (1994)

#103『Wildflowers』Tom Petty (Warner Bros, 1994)


秋本番となりつつある気候をよそに、先週は悲しいニュースが続く一週間となりました。ラスヴェガスの中心地で折しもカントリー・ミュージック・フェスティバル開催中に発生した銃乱射事件で59名の犠牲者が発生した事件は、治安がいいと言われるラスヴェガスで、しかも音楽を楽しむために集まった何の罪もない人々が犠牲になり、ことに音楽というものが絡んでいただけに大きなショックを我々音楽ファンに与えました。

そしてそのショックも冷めないうちに我々に届けられたトム・ペティの訃報。


今週の「新旧お宝アルバム!」はあまりにも早く我々の元を去ってしまった、80年代以降のアメリカン・メインストリーム・ロックの良心とも言うべき矜持をことあるごとに示してくれたトム・ペティが、90年代に入ってソロ名義にギアシフトして届けてくれた、一段進化したかのような素晴らしいソロ第2弾アルバム『Wildflowers』(1994)をご紹介して、彼への餞(はなむけ)としたいと思います。


Wallflowers (simple) 

1979年発表の3枚目のアルバム『破壊(Damn The Torpedoes)』と初の全米トップ10ヒット「危険な噂(Don't Do Me Like That)」でメインストリーム・アメリカン・ロック・バンドとして商業的にも大ブレイクしてから、1980年代を通じて次々にアルバムを発表して後を振り返る暇もなく活躍していたトムハートブレイカーズのメンバーにとって、1980年代後半からは新たなフェイズに入って、いい意味で自らのギアを一段落とした活動時期に入った時期でした

トムジェフ・リンのプロデュースによりボブ・ディラン、ロイ・オービソン、ジョージ・ハリスンそしてジェフとのトラヴェリング・ウィルベリーズとして1988年と1990年にアルバムを発表して、名実ともにトムのロック・アイコンとしてのステイタスが確立されたのがこの時期。そしてその間を縫ってリリースされた初のソロ名義での『Full Moon Fever』(1989)は大ヒット、「Free Fallin'」(最高位7位)や「I Won't Back Down」(同12位)といった未だにトムの代表曲とされる楽曲の数々が、ジェフ・リンが施すプロデュースで新たなトムの魅力として受け入れられた、いわば「ジェフ・リン期」。この時期には4年ぶりのハートブレイカーズ名義のアルバム『Into The Great Wide Open』(1991)も発表され、トムに取っての第2充実期だったわけです。


今日ご紹介する『Wildflowers』はそこから2年の期間を空けて発表された作品で、特筆すべきはあれだけヒットフォーミュラ的に成功したジェフ・リンとのコラボから、ジョニー・キャッシュのロックな復活や、レッチリのブレイク、そして後にディキシー・チックスに主要グラミー部門受賞をもたらす名プロデューサーのリック・ルービンにプロデューサーのパートナーをすっぱりと変えたこと。この後ハートブレイカーズ名義の『Songs And Music From "She's The One"』(1996)、『Echo』(1999)と「リック・ルービン期」の作品が続きますが、その最初のコラボにしておそらくトムに取ってキャリアベストを争うレベルの作品が作り出されたのです


Wallflowers (insert)


最初のソロ『Full Moon Fever』のバックが、マーク・キャンベル(g)とベンモンド・テンチ(kbd)というハートブレイカーズの中心メンバー参加はあったものの、メインはトラヴェリング・ウィルベリーズの制作メンバー中心だったのに対し、この『Wildflowers』のバックを固めるのは基本ハートブレイカーズの盟友達。しかも全曲トムの自作曲のみで固められたこの作品は、その意味では実質ハートブレイカーズの作品と言ってもいいのですが、リックの、一つ一つの音を研ぎ澄ましながら、そのアーティストのいいところを十二分に引き出すことに徹するプロデューサーワークと、全体を包むいつもよりも更にレイドバックした雰囲気が、この作品を特別なものにしています。特にジェフ・リン独特のあの重たいドラムビートとどちらかというハーフ・アップテンポの曲調が中心の楽曲構成の作品と比較すると、このアルバムははるかによりダウン・トゥ・アースな印象



アコギの軽やかなストロークリフに乗ってしなやかに歌うタイトルナンバーの「Wildflowers」、このアルバムからドラマーとして参加したスティーヴ・フェロンのガレージで一発録りしたかのようなどっしりした感触のドラムスとディラン風のハーモニカが明らかにジェフ・リン期サウンドへの訣別を象徴するかのような「You Don't Know How It Feels」(最高位13位)は、「だから肝心なポイントを押さえよう/もう一本ジョイントを巻こう/真っ直ぐこの道を進むんだ/俺には行くべき場所がある/そしてその俺がどう感じてるか、君たちには分かるまい」と、新たなサウンドメイキングの方向性への決意を表明する曲。「この先に何があるか分からないが今は前に進む時」とこちらも前向きな決意を歌う軽快なカントリーロック調の「Time To Move On」から初期のハートブレイカーズを思わせるようなストレートなギター・ロック・ナンバー「You Wreck Me」あたりはこうした彼の決意を如実にサウンドで感じさせてくれ、聴いていてテンションが上がります。



レイドバックな曲調でライヴでもよく演奏されていた「It's Good To Be King」や、アコギバックのやや内省的な「Only A Broken Heart」やビーチ・ボーイズカール・ウィルソン(この後1998年に肺ガンで死去)がバックコーラスに入ったこちらもハードなギター・ロック・ナンバー「Honey Bee」など、アルバム全体を通じて感じられるのはハートブレイカーズのメンバーと一体になったバンドサウンドがまたトムの作品に戻ってきている、という感触です。


アコギ一本で弾き語るブルース・ナンバー「Don't Fade On Me」やまた冒頭の「Wildflowers」に戻ったかのようなアコギのストローク中心の軽快なナンバー「To Find A Friend」(リンゴ・スターがドラム参加)、マークがつま弾くギターをバックに歌う「Crawling Back To You」といったシンプルなそれでいてグッとくる楽曲と、後半では「Cabin Down Below」「House In The Woods」といった上述のハートブレイカーズとのバンド・サウンドがロックしているナンバーが絶妙に織りなされて構成されているこのアルバムの最後を締めるのは、映画音楽スコア作曲で有名なマイケル・ケイメンがオーケストラを指揮する「Wake Up Time」。「君は家から遠くまで来た可哀想な少年みたいに感じているかもしれないが/今こそ目を覚まして立ち上がって輝く時だ」とこれからの自分に言い聞かせるかのようなメッセージのこの曲、シンプルなピアノとドラムス、ベースだけの演奏を重厚なオーケストレーションで包み込んでちょっと感動的にアルバムをフィニッシュしています



今回のトムの危篤状態の報に接して多くのファンが「I Won't Back Down」を引き合いに出してトムの復活を信じるメッセージを様々なSNSにアップしていて、その思いはとてもよく理解するものの、あの曲がトムの根本とは少し違うサウンドの「ジェフ・リン期」の楽曲であることもあって、若干の違和感を感じていました。近年あちこちで提起される楽曲の著作権侵害訴訟について、生前レッチリの曲が「Mary Jane's Last Dance」に似てる、といって騒がれた時も「俺はああいう訴訟はしないよ。ロックなんてもともとどこかしら似通ってるわけだからね。ポップソングをネタにしなくても既にこの世には山ほど下らない訴訟が多いんだから」と、あくまで自分の音楽を作って演奏することに専念していたトムのこと、自分の寿命が来たことについては「俺は負けない」などと力み返ることもなく、これも運命と素直に受け入れていたのではないか、と思ったのです。

Wallflowers (back)


それにしてもあまりに若く逝ってしまったトム。ちょうどハートブレイカーズの40周年ツアーのラストをLAのハリウッド・ボウルで前の週飾ったばかりで、「キリがいいからこの辺で」とでもいうかのように自らの人生に幕を引いたトム。彼の残した音楽はこれからも僕らに本当の意味でのアメリカン・メインストリーム・ロックってどうあるべきか、ということを示し続けてくれると思いますし、これからも折に触れて彼の音楽を聴き続けると思います。


実はこのアルバムのために録音されながら未収録となっていた曲(ロッド・スチュアートに提供した「Leave Virginia Alone」もそのうちの一曲です)を入れてリマスターした『Wallflowers』のリマスター完全版の制作を進めていたというトム。彼は逝ってしまいましたが、僕らへのトムからの最後のプレゼントとして何とかそのリマスター完全版をリリースしてもらいたいものです。


 <チャートデータ> 

RIAA(全米レコード産業協会)認定 トリプル・プラチナ・アルバム(300万枚売上)

ビルボード誌全米アルバム・チャート 最高位8位(1994.11.19付)

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【Boonzzy Music】新旧お宝アルバム!#102「You Know How To Love Me」Phyllis Hyman (1979)

 #102『You Know How To Love Me』Phyllis Hyman (Arista, 1979)


いよいよ10月に突入して日々秋の深まりを少しずつ感じ始めている今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。先日のドナルド・フェイゲン来日中止など、残念なニュースもありましたが、音楽を楽しむ秋はこれから本番を迎え、充実した音楽ライフをお楽しみのことと思います。政治の世界は先頃の衆議院突然一方的解散以来、国民のための真の政治家とは何かを日々考えさせられるような状況が続いていますが、一人一人本当に自分たちに取ってベストの政治家を見極めていくしかないですね


さて今週の「新旧お宝アルバム!」は70年代後半、その素晴らしい歌唱表現力とパフォーマーとしての魅力で脚光を浴びながら、本来その才能に相応しいもう一段上の成功を待たずして1995年に45歳の若さで自ら命を絶ってしまった、80年代R&Bシーンを代表するディーヴァの一人、フィリス・ハイマンの4枚目にして彼女の代表作『You Know How To Love Me』(1979)をご紹介します。


You Know How To Love Me 

1970年代の後半にシーンに登場して脚光を浴びたR&B女性シンガーというと、ドナ・サマーに代表されるディスコ・ムーヴメントの勃興に伴って登場した女性シンガーたちが想起されますが、フィリスがミュージシャンとして注目を最初に集めたのは、1976年にジャズ・フュージョンのクロスオーバー・ヒットとなった、ジャズ・ドラマーのノーマン・コナーズの『You Are My Starship』のアルバムで、スタイリスティックスのカバー曲「Betcha By Golly, Wow」のボーカルにフィーチャーされたのがきっかけでした。

これをきっかけにノーマンが所属していたブッダ・レーベルからソロ・デビューアルバム『Phyllis Hyman』(1977)とセカンドの『Sing A Song』(1978)を、ブッダアリスタによる買収に伴いアリスタから『Somewhee In My Lifetime』(1978)といったアルバムを発表。この間彼女の実力はシーンでも広く知られるところとなり、『Somewhere In My Lifetime』では彼女の実力を評価していたというバリー・マニローがタイトル曲のプロデュースをするなど、着実にシーンにおける地歩を固めていっていました。


Phyllis_Hyman.jpg


そのタイミングでリリースされたのが今回ご紹介する『You Know How To Love Me』。このアルバムではそれまでのアルバムでプロデュースを担当していたラリー・アレクサンダー(70年代後半フィリスの夫でもあった)に代わって、ジェイムス・エムトゥーメイレジー・ルーカスがプロデュースを担当。エムトゥーメイ&ルーカスといえば、ちょうど同時期にミュージカル「The Wiz」の主演スターからシンガーに転じて「Whatcha Gonna Do With My Lovin'」「Never Knew Love Like This Before」といった大ヒットを放っていたステファニー・ミルズをブレイクしたプロデューサー・チームであり、後に自らエムトゥーメイ名義で80年代R&B代表曲の1つ「Juicy Fruit」(1983)の大ヒットを放った、この時期最も乗っていたサウンドメイカー・チームの一つ

彼らがほとんどの曲の作曲を手掛けたこのアルバムは、いかにも70年代後半のAORからディスコへとメインストリームの音楽シーンが流れていた、そういった時代背景を如実に感じさせるサウンドで手堅く作りあげられていますが、これがただのディスコR&B作品に堕していないのは、ひとえにある時は力強く、ある時はスケールの大きい歌唱で、そしてある時はデリケートなボーカルで感情をこめたパフォーマンスを聞かせるフィリスのシンガーとしての才能溢れる歌唱パフォーマンスによるところが大なのです



アルバム冒頭のタイトルナンバーは、ボズ・スキャッグスの「Lowdown」を想起させる管楽器のリフをフィーチャーした、時代感満載のディスコ風のチューンですが、フィリスの伸びやかなボーカルがこのアルバムへの期待を高めてくれます。この曲は後にあのリサ・スタンスフィールドもカバーしたという、全米ヒットには至っていませんがある意味70年代後半を代表するダンクラ・チューンの一つとして広く認知されている曲でもあります。続く「Some Way」はぐっとスローダウンしたナンバーで、よりフィリスのボーカルの歌唱表現力が存分に発揮されている曲。彼女はこの数年後、ブロードウェイであのデューク・エリントンを題材にしたミュージカル『Sophisticated Lady』に2年間にわたり出演しトニー賞にもノミネートされていますが、そうしたしっかりとした実力を感じさせる歌唱です。

同時期にエムトゥーメイ&ルーカスが手掛けていたステファニー・ミルズの楽曲の雰囲気にも似たミディアム・アップの軽快なナンバー「Under Your Spell」はステレオタイプなディスコ・チューンとは一線を画する優れた楽曲ですし、LPでいうとA面ラストの「This Feeling Must Be Love」も随所に潜ませた変拍やサビのメリハリのきいたリズムのキメや、予定調和に堕していないメロディー展開が意外に複雑な魅力を醸し出している楽曲ですが、フィリスはこれらの曲を軽々と歌いこなしてくれます



But I Love You」で始まるLPのB面は、この曲も含めて5曲中4曲がエムトゥーメイ&ルーカス以外の作者による作品ということもあってか、残念ながら楽曲の質と統一感がA面ほどのレベルに達していないという嫌いはあるのですが、それでもいくつかの曲でのフィリスの歌唱パフォーマンスは特筆すべきものがあります。例えば「But I Love You」はそれこそジャズシンガーレベルの歌唱力で、ピアノとストリングだけをバックにトーチ・ソングを歌い上げるフィリスのパフォーマンスは素晴らしいものがありますし、B面唯一エムトゥーメイ&ルーカス節炸裂のダンクラ・チューン「Heavenly」では冒頭のタイトル曲レベルのパフォーマンスが楽しめます。そしてアルバム最後を締めくくる「Complete Me」では、サックスのソロに絡んで、表情豊かなボーカルでジャジーで複雑なコード進行のバラードを見事に歌い上げてここでも改めてフィリスの素晴らしいボーカルワークを楽しめます




彼女はこのアルバムリリース後もノーマン・コナーズや「You Are My Starship」でボーカルを担当したマイケル・ヘンダーソン、ジャズ・ピアニストのマッコイ・タイナーといったジャズ・ミュージシャン達とのコラボの傍ら、1981年には前述したブロードウェイ・ミュージカルへも出演、また彼女の最大の商業的成功作となったアルバム『Can't We Fall In Love Again?』(1981)をリリースするなど、精力的な活動を進めていました。

その少し後、1983年にジェームス・ボンド映画『Never Say Never Again』の主題歌を作曲者であるスティーヴン・フォーサイスの依頼で録音したのですが、同映画のスコア担当のミシェル・ルグランが主題歌の作曲権を主張してフォーサイスを訴えるとクレームをつけたことにより、残念ながらフィリスのバージョンが没になるという不幸な事件がありました。後日このバージョンはフォーサイスにより発表されましたが、彼によるとフィリス本人はこの曲の録音が自分に取ってキャリアベストのパフォーマンスだった、と述懐していたとのこと。


You Know How To Love Me (back)


その後も多方面の活動を続けていたフィリスですが、1995年、その夜にアポロ劇場への出演を控えた日にマンハッタンのアパートメントで鎮静剤を大量服用して自殺。残された遺書にはただひたすら「疲れた」と記されていたとのこと。彼女の素晴らしい歌声はまだまだ大きなステージでの活躍の場を与えられるべきだったのですが、残念ながら彼女は帰らぬ人となってしまったのです。


決して全米ヒットを放つことはなかったフィリスですが、R&Bシーン、ジャズシーンでは極めて評価の高いシンガーであった彼女の素晴らしいボーカルを今一度、秋深まるこの季節に楽しんでみてはいかがでしょうか。


 <チャートデータ> 

ビルボード誌全米アルバム・チャート 最高位50位(1980.2.9付)

同全米R&Bアルバム・チャート 最高位10位(1980.2.9付)

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【Boonzzy Music】新旧お宝アルバム!#101「Fox Confessor Brings The Flood」Neko Case (2006)

 #101Fox Confessor Brings The FloodNeko Case (Anti-, 2006)


秋になってきて渡る風も気持ちよいものになり、朝晩はかなり肌寒くなってきて、めっきり過ごしやすくなってきた今日この頃ですが、先々週の台風18号に続いて先週はアメリカではハリケーン・アーマがフロリダを直撃、メキシコでM7.1の大地震が発生、230人を超える犠牲者が出るという自然災害に世界中が震撼した一週間になってしまいました。一人でも多くの方が災害を免れ、また震災地での救助で一人でも多くの方が救出されるよう、ただただ祈るばかりです。


さて、辛いことや厳しいことがあった時のヒーリング・パワーとしての音楽の威力は心当たりのある方も多いと思います。こういう時であるからこそ、心癒やされる音楽に浸りたいものです。今週の「新旧お宝アルバム!」は、ちょうど10年ほど前に自分が初めて出会って、楽曲や歌唱パフォーマンス・スタイルもさることながら、ある曲は浮遊感いっぱい、またある曲はアーシーなフォーク、そしてまたある曲は物憂い雰囲気を称えた映画のようなイメージ喚起力の高い楽曲と、作品の多様性に一発にやられてしまった、オルタナティヴ・フォーク・ロックのシンガーソングライター、ニーコ・ケイスのソロ3作目『Fox Confessor Brings The Flood』(2006)をご紹介します。


Fox Confessor 


彼女の名前はその少し前から目にしていたのですが、Neko Caseという表記のアーティスト名を見て「きっとUrusei Yatsuraとか、ああいった日本語フェチなパンク・バンドか何かなんだろう」と勝手に勘違いしていたので、最初に音を聴いた時、女性の、それも澄み切った声のボーカルで夢の世界に連れて行ってくれそうな楽曲メロディだったのにはギャップがでかくて大いに驚いたものでした。(ちなみにニーコ・ケイスというのは立派な本名です)

アメリカはヴァージニア州生まれながら父親が米国空軍勤務だった関係で子供の頃からUS中のあちこちを転々としたのと、学校に上がるとまもなく両親が離婚したこともあり、15歳で家を出て18歳の頃には地元でバンドのドラマーとしてライヴ活動をしていたとか。

バンクーバーのアートカレッジに入学した頃からバンクーバーに拠点を移し、地元の様々なバンドにドラマーとして参加してミュージシャンとしてのキャリアを積んだニーコ、この頃参加したバンドは、パンク・バンドやカントリー・ベースのバンドなど、当時から多様な音楽性に対応していたよう。

カレッジ卒業直前に出した最初のソロ『The Virginian』(1997)はそんな多様な音楽性を反映してか、ロレッタ・リンパッツィ・クラインのような昔ながらのホンキートンク・カントリー・シンガーを思わせるボーカル・スタイルで、カントリーのカバーの他オリジナルやクイーンのカバーもやっていたようです。

シカゴに拠点を移してリリースした2作目の『Furnace Room Lullaby』(2000)あたりから、今回ご紹介するアルバムにも通じる、本人曰く「カントリー・ノワール」(カントリーにフィルム・ノワールのようなイメージ喚起性を加えた音楽スタイル、というような意味らしい)のスタイルを確立し始めて、シーンで着々と注目を集めていたところにドロップされたのが今回ご紹介する『Fox Confessor Brings The Flood』。

Neko Case


前述のように、澄み切っていてそれでいてパワフルなニーコのボーカル、ある時はナッシュヴィルのカントリー・ホンキートンクで夜一人で弾き語りをするカントリー・シンガーのように、ある時はメンフィスのR&Bジョイントでのライヴを思わせるようなダウン・トゥ・アースなスタイルで、ある時は1950年代のポップ・バラードを思わせるようなシンプルな楽曲で、またある時は映画の一場面を想起させるような、音数少ないのにイメージが浮き上がってくるような浮遊感満点の音像で、まことに聴くごとにリッチな音世界を紡ぎ出してくれるアルバムです。全曲ニーコの自作、またはバンドメンバーとの共作で、バックには昔からのバンドメンバー達に加え、あのザ・バンドガース・ハドソンもピアノとオルガンで参加、全体の音像の完成度を高めるのに一役買っています。



冒頭「Margaret vs. Pauline」はアコギでシンプルに歌われるフォーク・チューンで、そこからラウンジ風のトワンギーなギターとブラッシング・ドラムがいやが上にもR&Bな雰囲気を盛り上げる「Star Witness」、60年代後半のビート・ポップ・ナンバーを彷彿とさせる、自伝的内容を歌った「Hold On, Hold On」と頭三曲聴いただけであっという間にニーコの世界に引き込まれます

A Widow's Toast」はアカペラのコーラス中心に、わずかな楽器があちこちに入ってくるのですが、その音数の少なさが逆に様々なイメージを喚起してくれる印象的な小品。エヴァリー・ブラザーズなどをふと思わせるオールド・ファッションなポップ・バラード「That Teenage Feeling」もあくまで聞こえてくるのはニーコの声(多重コーラス録音したもの)とギターと控えめなドラミングのみ。



このアルバムで一番オルタナ・カントリー・ロックっぽい雰囲気のタイトル曲を挟んで、ちょっとワールド・ミュージックっぽいコーラスで始まり、カントリー・ラグタイム風なメインヴァースに入る感じが独特の「John Saw That Number」、これもアコギとニーコの声だけとシンプルながら素晴らしいボーカルとメロディが胸を震わせてくれる「Dirty Knife」、ナッシュヴィルのライヴが終わった後のクラブで残ったバンドが何となくクールダウンでプレイしてる、その前で昔風のクラシックなマイクをいたわるようにニーコが歌ってる、そんなイメージが喚起される「Lion's Jaws」などなど、アルバム後半も素晴らしい楽曲と、見事に構成された音像世界とのマッチングがあたかもフィルム・ノワールの映画を見ているかのような感覚でアルバムは完結します。



この後もニーコは『Middle Cyclone』(2009)、『The Worse Things Get, The Harder I Fight, The Harder I Fight, The More I Love You』(2013)と、いずれもクオリティの高い作品を出し続けていて、昨年2016年には以前からお互いに気になっていたという、k.d.ラングとやはりオルタナ・フォークのシンガーソングライター、ローラ・ヴェアーズとのユニット、ケイス/ラング/ヴェアーズ名義でのアルバムをリリース、いずれもシーンでは高い評価を受けています。


Fox Confessor (back)




それ以外にも映画サントラへの楽曲提供や、オルタナ・カントリー/フォーク・シーンのアーティスト達の作品への参加の他、カナダのインディ・ロック・バンド、ニュー・ポルノグラファーのボーカリストとしての活動も平行して行っていて、今年リリースのアルバム『Whiteout Conditions』にも2曲でリード・ボーカルを取っているなど、相変わらず多岐に亘る活動を行っているようです。

でも遅れてきたニーコ・ファンとしてはやはり彼女のソロ新作を聴いてみたいところ。ちょうど深まってきた秋の雰囲気にピッタリな彼女の歌声と楽曲の数々を肴に気の合った仲間と旨い酒など酌み交わしてみたいな、とふと思う今日この頃です。


<チャートデータ> 

ビルボード誌全米アルバムチャート最高位54位(2006.3.25付)

同全米インディ・アルバムチャート最高位4位(2006.3.25付)

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【Boonzzy Music】新旧お宝アルバム!#100「American Teen」Khalid (2017)

 #100American TeenKhalid (Right Hand / RCA / Columbia, 2017)


この週末は日本列島をなめるように通過する台風18号でとんだ三連休になってしまっていますが、西日本の台風被害にあった皆様の無事と被害が少しでも少ないことを祈っています。この台風が去った後は名実ともに素晴らしい音楽を充分楽しめる、気持ちのよい秋が到来することを楽しみにすることにしましょう。


早いものでこのコラムをスタートしてから今週の「新旧お宝アルバム!」で節目の100回目を迎えました。個人的にFacebookで毎日一曲アップしている《Song Of The Day》の方も900曲目に近づいていて、来年早々にはこちらも1,000曲目に到達する見込み。これを機に来年早々には何らかの形で日頃聴く機会のない洋楽の素晴らしいレコードを広く聴いて頂けるようなイベントを構想中なので、乞うご期待。ということで記念すべき100回目の「新旧お宝アルバム!」は、彗星のようにシーンに登場、いきなり各方面からの高い評価を集めている、テキサス州エル・パソ在住の今年若干19歳のR&Bシンガーソングライター、カリードことカリード・ロビンソン君のデビュー・アルバム『American Teen』をご紹介します。


American Teen 


最初にカリードのデビュー・シングル「Location」(最高位16位)がヒットチャートに登場した時は、そのレイドバックして成熟した歌唱スタイルや歌声からはとても彼がティーンエイジャーとは思えず驚いたのを覚えています。そしてその成熟した、表現力ありながら一歩引いたようなスタイルはこのシングルだけでなく、今回ご紹介するアルバム『American Teen』全体を通じて一貫していて、若干19歳でありながら、まるでキャリア充分なR&Bシンガーの作品であるかのような完成度を感じさせます。




彼自らペンを取って、ドレイクとの仕事で知られるナッシュヴィルベースのシック・センス(ジョッシュ・スクラッグス)など今の最先端のサウンドメイカー達と共作する楽曲群は、サウンド的には明らかに今メインストリームとなっているフランク・オーシャンオッド・フューチャー系の音響系R&Bサウンドをベースとしてます。従って音数も控えめで、シンセトラックとリズム・マシーンを軸にしたシンプルなものですが、彼の独特の歌声と明らかにR&Bだけではなく、オルタナ・ロック系の影響も受けているであろう楽曲のメロディ構成などが、全体のアルバムの印象をかなりオーガニックなものにしているのが、最近の新進のR&Bアーティスト達とはひと味違うところ。

事実カリード自身も音楽的影響として、ケンドリック・ラマーフランク・オーシャン、チャンス・ザ・ラッパーなどいかにも今時のブラック・ティーンエイジャーが好きそうなアーティスト達だけでなく、ジェームス・ブレイクファーザー・ジョン・ミスティ(元オルタナ・フォーク・ロック・バンドのフリート・フォクシズのメンバー)、グリズリー・ベアといった音響派フォーク系のオルタナ・ロック・バンドを上げているのは興味深いですね。



冒頭のアルバム・タイトル・ナンバーで、シンセドラムのロールから入ってくるカリードのボーカルがその後のR&Bっぽくないポップなメロディーに乗せて、一気にリスナーを彼の世界に引っ張り込み、続く「Young, Dumb & Broke」ではストイックながら何故かぬくもりを感じるドラムビートの打ち込みをバックにしながら、ちょっとカリビアンというかレゲエっぽい雰囲気のグルーヴを醸し出すカリードの歌で「何だこいつ、面白いな」と思わせてくれます。

シングルヒットした「Location」はシック・センスが作ったビートに、当時17歳のカリードがフックのメロディを付けて「君のロケーションを送ってよ/今はメッセージのやりとりに集中しよう/僕には今は成功するための時間と場所が必要なんだ」と、スマホのGPS機能を題材にして男女関係のストーリーを作ったという歌詞をわずか30分ほどで書き上げたという、カリードの才能を感じさせる楽曲。そして先ほど感じたカリビアン/レゲエセンスは、次の「Another Sad Love Song」で全開となり、ドラムス以外はすべてデジタルの打ち込みなのに、コーラスの雰囲気といい、カリードの鼻声でレイドバックした歌といい、思わず体を揺らせながら踊り出したくなるような曲


それ以降も、シンプルなエレクトリック・ギターの使い方がロック的ながらR&Bグルーヴの「Saved」、フランク・オーシャン直系のダウナー系入った音響派R&Bの世界全開の「Coaster」や「Cold Blooded」、そういう音を使いながらメインストリーム・ポップセンス溢れるアップビートなフックが楽しい「8TEEN」や「Hopeless」「Winter」などなど、アルバム全15曲、最後まで飽きることなくあっという間に聴けてしまいます。そして前述したとおり、カリードのティーンエイジャーとはとても思えない(風貌も含めて)成熟して表現力の豊かなボーカルがこのアルバム全体を特別なものにしているのです。


American Teen (back)


最近シーンでの躍進著しいケラーニ、ティナシェ、ギャラント、XXXテンタシオンといった今の若いR&Bアーティスト世代の中でも、このカリードは独特の表現スタイルと存在感で、今後大きくなっていく可能性を大いに秘めたアーティストだと思います。このアルバムも既に全米R&Bアルバム・チャートで堂々1位をマーク、おそらく今年のグラミー賞でも、新人部門やR&B部門で多くにノミネートされるのではないかと思われますし、既に7月に開催されたMTVビデオ・ミュージック・アウォードでは新人賞を受賞。


これから年末にかけて彼の露出も多くなっていくと思いますし、そんな動向を見ながら、今はこれから秋深まる中、彼のこの素晴らしいデビュー作をパワープレイで楽しみたいところです。


<チャートデータ> 

ビルボード誌全米アルバムチャート最高位4位(2017.9.2付)

同全米R&Bアルバムチャート最高位1位(2017.8.5-19 & 9.2-9付 5週1位)

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

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