Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #9(完結編)〜主要4部門〜

さて今週水曜日1/17に新宿カブキ・ラウンジで開催された吉岡正晴さんの「ソウル・サーチン・ラウンジ」でこのグラミー賞大予想大会をテーマにしたトーク&レコード・ライヴに参加してきました。いやあなかなかトークも盛り上がり、面白いお話も飛び出しと楽しい時間を過ごさせて頂きました。吉岡さんには改めて御礼申し上げます。

さてそのイベントでも一足先にご披露した、主要4部門の予想、本企画の締めくくりとして行ってみます。まずは新人部門。


38.最優秀新人賞部門(Best New Artist)

× Alessia Cara
◎ Khalid
  Lil Uzi Vert
  Julia Michaels
○ SZA


Alessia CaraKhalid.jpgLil Uzi VertJulia MichaelsSZA-b.jpg

さて、去年の予想の時にも言いましたが、今回この部門にノミネートされてるアレッシア・カーラ、彼女自身は素晴らしいシンガーだと思いますし、受賞しても何もおかしくないんですが、彼女は去年のグラミー賞の対象期間(2015/10/1-2016/9/30)中にデビュー・ヒットの「Here」は堂々全米5位のヒットでシーンに躍り出ていて、期間終了目前にリリースした「Scars To Your Beautiful」も全米8位の大ヒットになっていたので、当然去年の新人賞にノミネートされるべき人。去年ここでグラミーにありがちな「何でこの人が入ってないの?」の一人としてご紹介したの、ご記憶でしょうか。そのアレッシアが何故か今年ノミネートされて、思い出したのはその前年のメーガン・トレイナー。彼女なんて、第57回のグラミーで「All About That Base」がSOYとROYにノミネートされていて、その翌年の第58回で何と新人賞ノミネートされるという今回のアレッシアと同じパターン、しかも受賞してるんです。

水曜日のカブキ・ラウンジでのイベントでもお話しましたが、大体グラミーが無理矢理感満載のノミネートをする時は、かなりの確率でその人・作品が受賞する、という傾向があります。そこからいくと今回のアレッシア、いやプンプン臭うんですよね。

でも今回の自分の本命◎は、若干18歳でデビュー、表現力満点ながらちょっと今風R&Bの音像による世界感を持ったシンガー、カリードにしました。対抗○は、吉岡さんが本命に推されているこちらも才能ある女性R&Bシンガー(男性版カリードっぽい音像、とイベントでコメントしてます)のSZA。その時も盛んに話しが出ましたが、今回のグラミー黒人系アーティスト・作品の比重がいつになく高いのを反映してこの新人賞部門でもこの2人が双璧、というのが自分の見立てです。

穴×は、やっぱり先ほどメーガン・トレイナーの再来か?と言うご説明をしたアレッシア・カーラに。当初は最近のメインストリーム・ポップ・ヒットの作者として実績を積んできたシーアみたいな立ち位置のジュリア・マイケルズにしてたんですが、昨日アレッシアの話をするうちにひょっとしてアレッシアの可能性結構あるかも、と思い急遽変更することにしました。吉岡さんは対抗にあげられています。

でも全員1990年以降(平成)生まれの候補となった今回のこの部門、さすがにリル・ウジ・ヴァートは厳しいでしょうが、それ以外の4人は誰が来てもおかしくない、久々にみる激戦区の部門になってますね。ちなみに今回普通必ず一人は入ってるカントリーのアーティストが全く不在ですが、これは2011年第53回以来7年ぶり、過去15回のグラミーでもわずか3回目という珍しい事態になってます。


39.最優秀アルバム部門(Album Of The Year)

  "Awaken, My Love!" - Childish Gambino
× 4:44 - Jay-Z
○ DAMN. - Kendrick Lamar
  Melodrama - Lorde
◎ 24K Magic - Bruno Mars


Childish Gambino Awaken My Love 200Jay Z 444 200Kendrick Lamar damn 200Lorde Melodrama 200Bruno Mars 24k magic 200

さて今回のグラミーの2大ポイントは「主要部門でのジェイZ、ケンドリック・ラマー、ブルーノの三つ巴の闘い」というのと「チャイルディッシュ・ガンビーノの主要部門2部門ノミネート」というもの。しかしさすがにPファンクとプリンスのマリアージュみたいな作品のチャイルディッシュ・ガンビーノが(個人的にはかなり好きなんですがね)主要部門をいきなり初ノミネートで取って行くというのはどうも考えにくいので、彼にはアーバン・コンテンポラリー・アルバム部門をガッツリ取ってもらって終わり、と言う予想をしてます。

一方三つ巴の方ですが、水曜日の吉岡さんとの予想イベントでも再三話しに出たように、どうもケンドリック・ラマーブルーノが強力で光り過ぎている一方、ジェイZの今回の作品は昔ながらのオールドスクールな音作りで(スティーヴィー・ワンダーをベタベタにサンプリングするなどやややり過ぎの感もあり)、僕らのような昔からのヒップホップ・ファンにはいいのですが、今回のグラミーを象徴する「今の若いサウンド」という観点からはかなりかけ離れた作品になっている気がしてどうしても本命・対抗が付けづらい、という状況。吉岡さんとの予想でも、主要4部門軒並みジェイZは二人ともに本命・対抗には選ばず、という結果になって「これでジェイZがさらって行ったらどうします?(笑)」などという冗談も出る始末。

で、このアルバム部門。個人的にはやはり今回これまでのアルバムの内省的でストイックな作品スタイルからより多様な楽曲スタイルで違う意味での高い完成度になってるケンドリック・ラマーの『DAMN.』に取って欲しいところですが、ここは敢えてブルーノの『24K Magic』を本命◎にしました。このアルバムも70年代~80年代~90年代の様々なR&B/ファンクの意匠を見事にブレンドして、おいしいところを山ほど盛り込んだ、その手の音のファンにはたまらない作品になってるのはご承知の通り。こういうことをブルーノのような非黒人(彼はプエルトリカン・ジューイッシュの父とフィリピン人の母を持つマルチ・レーシャル)がやるととかく黒人コミュニティから反発を受けるものですが、彼の場合逆に人種関係なく高いリスペクトを得ているのが特異なところ。様々な人種・年齢のミュージシャンや音楽業界関係者で構成されるアカデミーの支持は高いものがあるのでは、ということで本命に。ケンドリック対抗○にしてます。ちなみに吉岡さんは全く逆でケンドリック本命、ブルーノ対抗。

穴×は、主要部門でジェイZがもし何か取るとするとこの部門くらいではないかな、ということで『4:44』に進呈してみました。ううむ、ジェイZが取ったらどうしよう(笑)


40.ソング・オブ・ジ・イヤー(Song Of The Year - 作者に与えられる賞)

× Despacito - Luis Fonsi & Daddy Yankee Featuring Justin Bieber (Ramón Ayala, Justin Bieber, Jason "Poo Bear" Boyd, Erika Ender, Luis Fonsi &  Marty James Garton)
  4:44 - Jay-Z (Shawn Carter & Dion Wilson)
  Issues - Julia Michaels (Benny Blanco, Mikkel Storleer Eriksen, Tor Erik Hermansen, Julia Michaels & Justin Drew Tranter)
◎ 1-800-273-8255 - Logic Featuring Alessia Cara & Khalid (Alessia Caracciolo, Sir Robert Bryson Hall II, Arjun Ivatury & Khalid Robinson)○ That's What I Like - Bruno Mars (Christopher Brody Brown, James Fauntleroy, Phillip Lawrence, Bruno Mars, Ray Charles McCullough II, Jeremy Reeves, Ray Romulus & Jonathan Yip)

Despacito 250Jay Z 444 200Julia Michaels IssuesLogic 1-800-273-8255Bruno Mars Thats What I Like


今回の主要4部門はどれもかなり拮抗していて、ホントに予想が難しい、というのが水曜日のイベントでの吉岡さんとの共通した見解だったんですが、珍しくこのSOYでは吉岡さんと本命◎が「1-800-273-8255」でバッチリかぶりました

自殺相談ホットラインの電話番号をタイトルにしたこの曲、昨年夏のMTVヴィデオ・ミュージック・アウォードロジックアレッシア・カーラカリードがパフォームしたところ、一気に人気が出てHot 100でも29位→9位にジャンプアップ、最高位3位を付ける大ヒットになったばかりでなく、このホットラインの入電数も一気に激増したというバックグラウンドが、いかにもグラミーのアカデミーが好きそうな「多様性や社会的弱者の支持」というメッセージを強烈に出していて、もうこれは本命◎だろうということで意見が一致。歌詞の最初では「僕は生きたくない、今日死にたい」といっていたのが最後の方では「今僕は死にたくない」と変わって行くのがなかなか静かな感動を呼ぶ楽曲、フィーチャーされているアレッシア・カーラとカリードの新人賞ノミネート面子も共作しているということで、授賞式の最後の方でステージにいっぱい集まってこの曲で盛り上がる、ってなイメージすら浮かぶのです。

対抗○はここでも自分にはブルーノが光って見えてしょうがないのと、R&Bソング・チャートで20週1位を独占したこともあってやっぱりここは「That's What I Like」かなあ、と思ってます。

自分が穴×にして、吉岡さん対抗○にしている「Despacito」ですが、どちらかというとSOYというよりもROYの方で目があるのでは、という見立て。16週間Hot 100ナンバーワンである意味2017年を代表する曲であることに間違いないし、もし「Despacito」が取ると、SOY部門では第1回1959年のドメニコ・モドゥーニョの『Volare』以来の外国語曲受賞、という話題もあるのですが、いかんせんこの部門では「1-800-273-8255」とブルーノが光りすぎてるということで穴にさせてもらってます。


さあいよいよ最後の部門、レコード・オブ・ジ・イヤーです。


41.レコード・オブ・ジ・イヤー(Record Of The Year - アーティスト、プロデューサーへの授賞)

  Redbone - Childish Gambino (Ludwig Goransson)
× Despacito - Luis Fonsi & Daddy Yankee Featuring Justin Bieber (Josh Gudwin, Mauricio Rengifo & Andrés Torres)
  The Story Of O.J. - Jay-Z (Jay-Z & No I.D.)
○ HUMBLE. - Kendrick Lamar (Mike Will Mede-It)
◎ 24K Magic - Bruno Mars (Shampoo Press & Curl)


Childish Gambino Redbone Despacito 250 Jay Z The Story Of OJ Kendrick Lamar Humble Bruno Mars 24k magic 200 

2017年を代表するレコードは、楽曲は?というこの部門。普通の年であれば、Hot 100ナンバーワン16週のタイ記録達成、メジャー・アーティストをフィーチャーしたリミックス・バージョンでメインストリームのヒットにつなげるというヒット・フォーミュラを確立(この後Jバルヴィン&ウィリー・ウィリアムス+ビヨンセで「Mi Gente」が大ヒット)するなど、文句なしの実績を残した「Despacito」がこの部門を持っていって全くおかしくないんですが、水曜日の吉岡さんのイベントでもコメントしたように「今年は年が悪かった」(笑)。

やっぱりここでもブルーノケンドリックの一騎打ち的な構造がくっきり出ているのだけど、過去にこの部門で数々のラップ作品がノミネートされていても残念ながら一度も受賞がない、という歴史的事実を考えると、やはりここはブルーノ本命◎かなあ、となってしまいます。プロデューサーは、前作までのプロデューサー・チームのスミージングトンズ(ブルーノ・マーズ、フィリップ・ローレンス、アリ・レヴィン)からアリが抜けて代わりにクリストファー・ブロディ・ブラウンを加えた「シャンプー・プレス&カール」。

ケンドリックは、過去の2枚のアルバム『Good Kid, M.A.A.D. City』(第56回)と『To Pimp A Butterfly』(第58回)がいずれも最優秀アルバム部門でノミネートされてましたが、ROYでは今回が初ノミネート、というのも弱い要素。従って残念ながらここでも対抗○取ってくれると嬉しいんですけどね

穴×は「悪い年に当たってしまった」「Despacito」に。吉岡さんは、この「Despacito」に本命◎を付けておられますが、その気持ちはよく分かります(笑)。ちなみにROYを取ると、こちらも第1回1959年「Volare」以来の外国語曲受賞ということになります。

そしてここでも票が入らなかったジェイZ(笑)。彼もこの部門では第53回の「Empire State Of Mind」(アリシア・キーズと)、第50回の「Umbrella」(リアーナのフィーチャリング)そして第46回の「Crazy In Love」(ビヨンセのフィーチャリング)と過去3回ノミネートされているのですが一度も受賞なし。ラップ部門ではあんなに強いジェイZ主要部門での受賞は今回もないのか。


ということで41部門のグラミー賞大予想、最後までお付き合い頂きありがとうございます。また、水曜日の新宿カブキ・ラウンジ吉岡さんとのイベントにおいで頂いた方々にも感謝です。今回は残念ながら仕事の都合で生ブログはできないのですが、日本時間1/29月曜日の授賞式は録画して見て、来月にはおさらいのブログもアップしたいと思います

主要4部門の闘いはどうなるのか、ジェイZは果たして受賞できるのか(笑)、「Despacito」はどうなるのか、などなどの見所と、数々のパフォーマーとトリビュート・パフォーマンスなども今回もふんだんにあるでしょうから、是非授賞式、楽しみましょう。ではエンジョイ!

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #8 〜ミュージカル、ヴィジュアル・メディア、プロデューサー部門〜

さていよいよ明後日水曜日1/17に迫った新宿カブキ・ラウンジでの音楽評論家、吉岡正晴さんとのグラミー賞大予想イベント、盛り上げますので楽しみにしていて下さい。皆さんのお越しをお待ちしています(^^)

詳細はここで↓
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12337939508.html

では主要賞以外の残りの部門、一気に行ってしまいます。

Hello Dolly 


33.最優秀ミュージカル・シアター・アルバム部門(主なソロイスト/プロデューサー/楽曲作者に与えられる賞)

× Come From Away Original Broadway Cast Recording (- / Ian Eisendrath, August Eriksmoen, David Hein, David Lai & Irene Sankoff / David Hein & Irene Sankoff)
○ Dear Evan Hansen Original Broadway Cast Recording (Ben Platt / Alex Lacamoire, Stacey Mindich, Benj Pasek & Justin Paul / Benj Pasek & Justin Paul)
◎ Hello, Dolly! New Broadway Cast Recording (Bette Midler / Steven Epstein / Jerry Herman)

Come From Away Dear Evan HansenHello Dolly album

今年のこの部門は2014年第56回以来となる、僅か3作のノミネートなので、予想の空振りがないのが嬉しいところ(笑)。ということは単なる順位付けと一緒ということなのですが、ここで一番光ってるのは言うまでもなく、あのベット・ミドラー主演による往年の名ミュージカル『Hello, Dolly!』のリバイバル。既に昨年発表のトニー賞で、最優秀リバイバル・ミュージカル部門と最優秀ミュージカル主演女優賞(ベット・ミドラー)を含む4部門受賞しているこの古典と言ってもいい有名ミュージカル(キャロル・チャニング主演による初演は1964年)が何と言っても本命◎でしょう。

続く対抗○は、メンタルに悩む高校生イヴァン・ハンセンが、ある嘘をきっかけに亡くなった同級生の家族と親密になり、自分を取り戻していくというストーリーの『Dear Evan Hansen』。主演のベン・プラットの演技が高く評価されているようで、トニー賞でも最優秀ミュージカル、最優秀ミュージカル主演男優賞(ベン・プラット)を含む6部門受賞という、『Hello, Dolly!』をしのぐ評価を得ています。

そして残る穴×は、2001年の9-11同時多発テロの際、カナダのニューファウンドランド島に着陸を命ぜられた38機の民間飛行機の乗客を、地元の住民が優しく受け入れた様子を描くストーリーの『Come From Away』。この作品もトニー賞で、最優秀ミュージカル監督賞を受賞しています。


34.ビジュアル・メディア向け最優秀コンピレーション・サウンドトラック部門

× Baby Driver Various Artists
  Guardians Of The Galaxy Vol. 2: Awesome Mix Vol. 2 Various Artists
◎ Hidden Figures: The Album Various Artists
 La La Land Various Artists

  Moana: The Songs Various Artists

Baby DriverGuardians of Galaxy 2Hidden Figures the albumLa La LandMoana.jpg

昨年も多くの話題作の映画のサントラが音楽市場を賑わせました。この部門、昨年はドン・チードルによるマイルス・デイヴィスの半生を描いた『Miles Ahead』のサントラが、ロバート・グラスパーによる素晴らしいプロダクションもあり、余裕で受賞してました。

さて今年はというと、昨年発表のアカデミー賞での最後の『Moonlight』によるどんでん返しを覚えている方だと「なんでMoonlightのサントラが入ってないんだ?」と思わずつぶやいてしまうのでは。まああの映画のサントラって、ヒップホップとR&Bのカットアップのコラージュのような曲が殆どで、またそれが映画のクールな映像に合っていたのですが、この部門にノミネートされるにはちと趣向が違いすぎるのかもしれません。そうなるといやでも「La La Land」が浮上してくるのですが、ここはあえて独断と偏見に基づきあのファレル・ウィリアムスが全面的に音楽を手がけた映画『ドリーム』のサントラ「Hidden Figure: The Album」に本命◎を付けたいと思います。「影に隠されていた人たち」という意味の原題に映画製作者たちの思いを感じることができるこの作品、既にこの1月現在USで1億7000万ドル(約190億円)の興行収入を上げていて、「La La Land」の1億5100万ドル(約166億円)をしのぐ売上を記録しているあたりにもこの映画への強い支持が感じられるからです。

対抗○は「La La Land」として、穴×はこちらもジョン・スペンサー、クイーン、Tレックス、ダムドといった微妙にメインストリームを外した、ニューシネマ風の楽曲を効果的に使った話題のカーチェイス・アクション・ムーヴィー『Baby Driver』のサントラに。うちの娘もこれを見てえらく気に入って、帰宅していきなりYouTubeでダムドの曲を聴きだしたのには何が起きたのかと驚いたもんです。(^^)


35.ヴィジュアル/メディア向け最優秀スコア・サウンドトラック部門(スコア作曲者に贈られる賞)

× Arrival Johann Johannsson
  Dunkirk Hans Zimmer
  Game Of Thrones: Season 7 Ramin Djawadi
 Hidden Figures Benjamin Wallifisch, Pharrell Williams & Hans Zimmer
 La La Land Justin Hurwitz


Arrival.jpgDunkirk.jpgGame Of Thrones Season 7Hidden FiguresLa La Land OST

この前の部門にノミネートされた『ラ・ラ・ランド』『ドリーム(Hidden Figures)』に加え、世界中に突然出現した12個の地球外来の宇宙船とのコミュニケーションを図る米軍所属の言語学者ルイーズ・バンクスの物語『Arrival(メッセージ)』、クリストファー・ノーラン監督の第二次世界大戦中の連合軍のダンケルク脱出の顛末をリアルに描いた『ダンケルク』、そしてケーブルチャンネルのHBOでカルト的な人気を誇る、7つの王国の間での王座を巡っての陰謀や闘いを、邪悪なキャラや伝説的な生き物たちを交えながらおどろおどろしくもファンタジックに描く『Game Of Thrones』といずれ劣らぬ強烈な作品が並んだこの部門。

でも映画のスコアということになると、ここはやはり去年のアカデミー賞でも最優秀オリジナルスコア部門を制した『ラ・ラ・ランド』が本命◎か。対抗○は前の部門でも推した『ドリーム(Hidden Figure)』に。

穴×は大いに迷うところだけど、巨匠ハンス・ジマーの『ダンケルク』もあるかなあとも思いながら、2年前の第58回でスティーヴン・ホーキング博士の半生を描いた『The Theory Of Everything』のスコアで初ノミネートされるも、あの『Birdman』に破れたアイスランド出身の気鋭の映画音楽作曲家、ヨハン・ヨハンセンに進呈しておきましょう。


36.ヴィジュアル・メディア向け最優秀ソング部門(作者に与えられる賞)

◎ City Of Stars (From "La La Land") - Ryan Gosling & Emma Stone (Justin Hurwitz, Benj Pasek & Justin Paul)
× How Far I'll Go (From "Moana: The Songs") - Auli'l Cravalho (Lin-Manuel Miranda)
○ I Don't Wanna Live Forever (Fifty Shades Darker) (From "Fifty Shades Darker") - ZAYN & Taylor Swift (Jack Antonoff, Sam Dew & Taylro Swift)

  Never Give Up (From "Lion") - Sia (Sia Furler & Greg Kurstin)
  Stand Up For Something (From "Marshall") - Andra Day Featuring Common (Common & Diane Warren)

そしてヴィジュアル・メディア部門最後の賞、ソング部門。今年はヒットチャートでも大ヒットした曲というのは官能的な映像で話題を呼ぶ恋愛映画シリーズ3部作の第2作『Fifty Shades Darker』の主題歌で、元ワンダイレクションゼインテイラー・スウィフトが歌う「I Don't Wanna Live Forever」(最高位2位)のみ。当然ながらこの部門は往々にしてアカデミー賞最優秀歌曲賞受賞曲が取るケースが多くて、最近でそのパターンが崩れたのはアカデミーとグラミーでノミネーションがほとんど被らなかった去年、ジャスティン・ティンバーレイクが「Can't Stop The Feeling!」で取ったくらい。ということで本命◎はここでも「ラ・ラ・ランド」の「City Of Stars」が順当でしょうね。で、対抗○はくだんの『Fifty Shades Darker』の主題曲。カントリー部門でもリトル・ビッグ・タウンの「Better Man」の作者としてノミネートされていたテイラー・スウィフトここでも作者としてノミネートされてます

穴×はこの2つの候補がいなかったらディズニー映画の主題歌として間違いなく受賞当確だっただろう、『モアナと伝説の海(Moana)』からハワイ出身のアウリル・クラヴァーリョ嬢が歌う「How Far I'll Go」に。この曲、今回新人賞部門でノミネートされているアレッシア・カーラのバージョンでもヒットしました。




37.最優秀プロデューサー部門(クラシック以外)

  Calvin Harris
× Greg Kurstin
  Blake Mills
○ No I.D.
◎ The Stereotypes

Calvin HarrisGreg KurstinBlake MillsNo IDStereotypes.jpg

今回も他より際立ってこいつが取るだろう、というノミニーがいないこのプロデューサー部門。去年も似た状況でしたが、それでもアデルの「Hello」をプロデュースしたグレッグ・カースティンが納得の受賞でした。今年もそのグレッグ、ノミネートされていて、フーファイの『Concrete And Gold』をプロデュースしたり、ケンドリック・ラマーの「LOVE.」をプロデュースしたりと、結構キモの仕事をしているので普通であればかなり最右翼のはず。しかし2年連続受賞というのは過去この部門、第38回~40回に3回連続受賞のベイビーフェイスのみということもあるのと、今年はやはり主要4部門の作品を多く手がけているプロデューサーに分があるのでは、と思うので、グレッグ穴×としておきます。

で、その分があると思われるプロデューサーですが、本命◎を付けたのは、ブルーノ・マーズの「That's What I Like」をはじめ、アルバム『24K Magic』の楽曲を軒並み手がけたザ・ステレオタイプスことジョナサン・イップ、レイ・ロムラス、ジェレミー・リーヴスレイ・チャールズ・マッカロー2世によるプロデューサー・チーム。ブルーノのプロデューサー・チームは、以前2012年第54回にザ・スミージングトンズブルーノ・マーズ、フィリップ・ローレンスアリ・レヴィン)がノミネートされるも、アデルの「Rolling In The Deep」をやったポール・エプワースに賞をさらわれた過去があります。でも今回はこのチームが取るのでは、というのが見立て。

もう一人強力で対抗○に推すのは、今回8部門ノミネートでグラミーの台風の目の一つになっているジェイZの『4:44』をジェイZとプロデュースしたノーI.D. ことアーネスト・ディオン・ウィルソン。仕事の大きさでは彼も本来充分本命の目はあるのですが、この部門純粋なヒップホップ・プロデューサーが受賞したのはDr.ドレの2001年第43回くらいなのでねえ。

それにしても今回ケンドリック・ラマーの『DAMN.』がほとんど曲ごとに異なるプロデューサーを使っているのでこの部門には登場してないけど、もしあのアルバムのかなりの部分を一人のプロデューサーがやってたらこの部門も大いに迷うところだっただろうなあ。


さて、残すは主要四部門のみ。明日は水曜日の準備等々で予想アップできるかどうか微妙ですが、カブキ・ラウンジでは少なくとも主要四部門の予想はご披露の予定ですので乞うご期待。

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #7 〜アメリカン・ルーツ部門パート2〜

さて、次はブルースとフォーク部門です。

 Rolling Stones Blue Lonesome 


30.最優秀トラディショナル・ブルース・アルバム部門

  Migration Blues - Eric Bibb
○ Elvin Bishop' Big Fun Trio - Elvin Bishiop's Big Fun Trio
× Roll And Tumble - R.L. Boyce
  Sonny & Brownie's Last Train - Guy Davis & Fabrizio Poggi
◎ Blue & Lonesome - The Rolling Stones


Eric Bibb Migration Blues Elvin Bishop Big Fun Trio RL Boyce Roll Tumble Guy Davis sonny  Rolling Stones Blue Lonesome (s) 

ブルーグラス部門もそうですが、このブルース部門や次のフォーク部門にノミネートされるアーティストって、もちろんそれぞれのジャンルの大御所や実力者もある一方、数々のキャリアを経てこのグラミーに始めてノミネートされたアーティストも多いわけで、そういったアーティスト達のことを知る機会としてのグラミー、というのが自分がこの予想を始めた一つの理由でもあったりするわけです。

で、今年もこのブルース部門、明らかにダントツの本命◎としか思えないストーンズのブルースの先達達のカバーアルバムや、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドにいた60年代終わりからこっちアメリカのブルース・ギタリストの実力者として活躍してきたエルヴィン・ビショップに混じって、今年も新しいアーティストと巡り会えるのはありがたいことです。

今回それ以外に新たにノミネートされたのは、MJQのピアニスト、ジョン・ルイスの甥で、幼少の頃からディランピート・シーガーと家族ぐるみの付き合いをする中でアコースティック・ギターによるブルースに磨きをかけた、今はスウェーデンで活動するエリック・ビブ、あのブルース・レジェンド、R.L.バーンサイドの弟子で、52歳でデビュー・アルバムを出したという遅咲きのブルースマン、R.L.ボイス、そしてブルースマンとしてのキャリアもさることながら、80年代は映画にも出演、90年代はブルース・レジェンドのタジ・マハールロバート・ジョンソンを題材にしたミュージカルなどにも出演歴がある異色のブルースマン、ガイ・デイヴィスの3人。

どのアーティストも魅力的なのですが、ストーンズはここで光りすぎなので本命◎、対抗エルヴィン・ビショップ。穴×は迷うところですが、R.L. ボイスに付けておきましょう。


31.最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム部門

  Robert Clay & Hi Rhythm - Robert Clay & Hi Rhythm
  Recorded Live In Lafayette - Sonny Landreth
○ TajMo - Taj Mahal & Keb' Mo')
× Got Soul - Robert Randolph & The Family Band
◎ Live From The Fox Oakland - Tedeschi Trucks Band

Robert Clay Hi RhythmSonny Landreth LIve in LafayetteTajmo.jpgRobert Randolph Got SoulTTB Live from the Fox Oakland

さて、コンテンポラリー・ブルース部門。ブルースって何がコンテンポラリーなんだろうねって(笑)。古くも新しくもないのがこういうブルースとかのジャンルの良さだと思うんだけどね。で、ここで一際光っているのがテデスキ・トラックス・バンドのオークランドでのライヴを収めたアルバム。アナログだと長尺の3枚組のこのアルバム、デレクのエキサイティングなギター・プレイとスーザンのパワフルなボーカルを満喫できる1枚になっていて、本命◎の貫禄充分といったところ。

対抗○は、ブルース・レジェンドのタジ・マハールと、こちらも既にレジェンドの域に達しているケブ・モーの二人のデルタ・ブルースの雄がコラボしたアルバム『TajMo』。何せタジ・マハールというと、あのオールマンがカバーした「Statesboro Blues」のオリジナルという凄い人だし、ケブ・モーも元々はジェファーソン・エアプレインの黒人フィドル・プレイヤー、パパ・ジョン・クリーチに見いだされたという60年代以来の筋金入りのブルースマン。そのとっくに還暦を過ぎた二人が組んだこのアルバム、びっくりするくらい聴きやすいホントにコンテンポラリー・ブルースっていうにふさわしい好アルバムに仕上がっていて超お勧め。アルバム最後なんてジョン・メイヤーのカバーとかやってるし。

穴×は、この間のピーター・バラカン主宰のLive Magicでも来日して日本でライヴバリバリやってたルイジアナのブルース・ギタリスト、ソニー・ランドレスも考えたんだけど、それに劣らず気になったのが元々教会でペダル・スティール・ギターを弾いていたというロバート・ランドルフのアルバム。いやあロバート・ランドルフのスティール・ギターって、今風のグルーヴを発しながら、ホントにデルタを感じるというか凄く気持ちいい音色で個人的には凄く好きなんです




32.最優秀フォーク・アルバム部門

◎ Mental Illness - Aimee Mann
× Semper Femina - Laura Marling
  The Queen Of Hearts - Offa Rex
  You Don't Own Me Anymore - The Secret Sisters
○ The Laughing Apple - Yusuf / Cat Stevens


Aimee Mann Mental Illness Laura Marling Semper Femina Offa Rex Queen Of Hearts Secret Sisters you dont own me Yusuf Laughing Apple 

この部門は2012年第54回に予想を始めて以来、毎年これは来る!と思った作品が必ず外す(笑)なかなか毎回予想に苦労している部門。去年一昨年は対抗○で当てたものの、2年連続本命◎にあげたリアノン・ギデンズは取れずじまいという状況です。

で今年の予想ですが、ざっとラインアップを見て目に付くのはエイミー・マンの本人曰く「これまでで最も悲しくて、スローでアコースティックなアルバム」という9作目『Mental Illness』と、何と今回がグラミー初ノミネートとなったユースフ(イスラム名)ことキャット・スティーヴンスが往年のヒットの数々をプロデュースしたポール・サミュエル・スミスと1978年のアルバム『Back To Earth』以来実に39年ぶりに再会して作ったアルバム『The Laughing Apple』。

で、両方のアルバムをちょっと聴いてみましたが、本命◎エイミー・マンに付けようと思いました。PVを見るとあの凜として美しかったエイミーもさすがに年を取ったなあ、という感慨にふけりますが、アコギをつま弾きながら歌うエイミーの声にはやはり聴く者を動かすものがあるし、50代後半というタイミングで敢えて暗いテーマを選びながら、歌声にはネガティヴなところがないのがいいな、と。一方キャット・スティーヴンスの方も「ああ、相変わらずのあの声だ」と思わせてくれる楽曲が並んでいて、ポールとの再会もいい方向に機能しているようなのですが、残念ながら今回のアルバム収録曲はタイトル曲を含む4曲が1967年の『New Masters』既出(デビュー直後のこのアルバム当時は全く売れず)ということもあり、今回は

穴×はこちらも今回グラミー初ノミネートとなった、UKの新進気鋭の女性シンガーソングライター、ローラ・マーリングの『Semper Femina』。2013年の4作目『Once I Was An Eagle』が音楽誌各誌の年間ベストアルバムリストの上位にランクされるなど、伝統的なフォーク・シンガーのスタイルながら楽曲のクオリティの高さで高く評価されて以来、シーンでの存在感を高めて来ていますが今回のノミネートでメインストリームにも名前が出たわけです。今回の予想も自信はあまりないですが(笑)外すのであればローラが取って外れた、というのであれば自分的にはOKです。



さて主要四部門まであと残すはミュージカル部門、ビジュアル・メディア部門そしてプロデューサー部門。こちらも週末のうちにあげられればいいなあ。では。

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #6 〜アメリカン・ルーツ部門パート1〜

寒い週末がやって来ました。日本海側は雪がもの凄いことになっているようですが、どうか暖かくして雪かきなどで体を痛めたりしないよう、裏日本の皆様にはご留意下さい。

さて、残り16部門、グラミー予想どんどん行きましょう。

Glen Campbell Adios


26.最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス部門

× Killer Diller Blues - Alabama Shakes
  Let My Mother Live - Blind Boys Of Alabama
◎ Arkansas Farmboy - Glen Campbell
○ Steer Your Way - Leonard Cohen
  I Never Cared For You - Alison Krauss




今年でまだやっと4年目となるグラミージャンル部門の中でも最も新しい部門の一つ、アメリカン・ルーツ部門。その中でもメイン部門となるこの部門は過去第57回があのカントリー・レジェンド、ジョニー・キャッシュの娘でここ数年アメリカーナ・シーンで存在感を高めるロザンヌ・キャッシュ、第58回がご存知ステイプルズ・シンガースの主要メンバーで、最近はオルタナ・ロック系のプロデューサーを迎えてオルタナ・ブルース的な新境地を確立しているメイヴィス・ステイプルズ、そして昨年第59回が新進気鋭、瑞々しい楽曲を自ら弾くマンドリンで歌うSSW、サラ・ジャローズといった多彩なメンバーが受賞しています。

さて今年は...とノミニー・リストに目を移すと、あれれここでも大物物故者のガチの一騎打ちの様相が。かたや昨年8月に長らくアルツハイマー病と闘いながらも最近までレコードを出し続け、5年前第55回に生涯功労賞、3年前の第57回では自ら闘病しながら続けたライヴ活動のドキュメンタリー映画『Glen Campbell: I'll Be Me』の主題歌「I'm Not Gonna Miss You」で見事最優秀カントリー・ソングを受賞したグレン・キャンベルの最後のアルバム『Adios』(2017)からの「Arkansas Farmboy」。そしてかたやこちらも7年前第53回に生涯功労賞を受賞、一昨年11月に亡くなった伝説的シンガーソングライター、レナード・コーエンが死の直前にリリースした陰鬱ながら研ぎ澄まされたような楽曲と歌声が印象的だったアルバム『You Want It Darker』から「Steer Your Way」。

いずれ劣らぬ受賞にふさわしい作品ですが、やはりここは過去6回受賞経験もあり、ここ数年もくだんの映画に絡む受賞などでアカデミーメンバーの間でもリスペクトレベルが高まり続けているグレン・キャンベル本命◎コーエン翁対抗とします。

穴×はアリソン・クラウスと迷ったのですが、グラミーのお気に入りアーティストの一つであるアラバマ・シェイクスの「Killer Diller Blues」に。この曲は昨年6月に公開された音楽ドキュメンタリー映画『The American Epic Sessions』のサントラ盤からのカットですが、この映画は音楽録音システムが最初に開発された1925年に実際に使われた有名な録音機を使って、アラバマ・シェイクスの他エルトン・ジョン、ウィリー・ネルソン、ベック、ナズといった様々なジャンルのアーティストが録音を試みたセッションの様子を追った映画らしく、一部で大変話題を呼んだ作品のよう。どうやらホワイト・ストライプスジャック・ホワイトがかなり関与しているらしく、いやあこれは見てみたいな、ということでさっそくYoutubeでいろいろ見てしまいました。アラバマ・シェイクスのパフォーマンスもヤバイですが、ベックがゴスペルシンガーを従えて録音した曲なんかは見てて興奮しますね〜



27.最優秀アメリカン・ルーツ・ソング部門(作者に与えられる賞)

× Cumberland Gap - David Rawlings (David Rawlings & Gillian Welch)
  I Wish You Well - The Mavericks (Raul Malo & Alan Miller)
○ If We Were Vampires - Jason Isbell & The 400 Unit (Jason Isbell)
  It Ain't Over Yet - Rodney Crowell Featuring Rosanne Cash & John Paul White (Rodney Crowell)
◎ My Only True Friend - Gregg Allman (Gregg Allman & Scott Sharrard)


この部門は前の部門の1年前にスタートしていて今年5年目。過去には(コメディアンとしてではなく、バンジョー奏者としての)スティーヴ・マーティンエディ・ブリッケル(第56回)、ロザンヌ・キャッシュ(第57回)、ピュア・プレイリー・リーグのボーカルから今やカントリー界の大御所となって最近はイーグルスのツアーメンバーとしても活躍中のヴィンス・ギル率いるタイム・ジャンパーズ(昨年第59回)、そして今回もノミネートされている元ドライヴ・バイ・トラッカーズジェイソン・イズベルといったメンツが受賞している部門。

ここ数年ジェイソン・イズベルのシーンでの存在感のアップには著しいものがあるし(一昨年はこの部門に加えて最優秀アメリカーナアルバム部門も受賞)今回のアルバム『The Nashville Sound』も非常に出来がよく、自分も年間ベストアルバムの3位にあげたほどなので、ここはジェイソン本命、と行きたいところなのですが、今年のこの部門にはグレッグ・オールマンという強敵がグレッグと言えば言うまでもなくオールマン・ブラザーズ・バンドの創設メンバーにしてボーカリスト、そして昨年5月に惜しくも物故してしまったサザン・ロックの巨人。レナード・コーエン同様、そのグレッグが死の直前に残した最後のアルバム『Southern Blood』がこれまたいい出来なんだよなあ。アルバム自体の出来としては間違いなくジェイソンの方が上なのだけどこの楽曲賞についてはグレッグの「My Only True Friend」に本命◎をあげねばいかんでしょうなあ。ということで死生観と愛する人と何をいつ共有すべきか、といった普遍的なラヴソングの形を歌ってみせたジェイソンの素晴らしい「If We Were Vampires」は対抗

穴×は、これまたアメリカーナ界の大御所でライアン・アダムスウィリー・ネルソンなど数々のアーティストに楽曲を提供してきたギタリスト、デイヴィッド・ローリングスが長年のパートナーであるギリアン・ウェルチと書いた「Cumberland Gap」(ウディ・ガスリーの名唱で知られるフォークのスタンダードで同名曲がありますが異曲です)に。



28.最優秀アメリカーナ・アルバム

○ Southern Blood - Gregg Allman
  Shine On Rainy Day - Brent Cobb
  Beast Epic - Iron & Wine
◎ The Nashville Sound - Jason Isbell & The 400 Unit
× Brand New Day - The Mavericks

Gregg Allman Southern BloodBrent Cobb Shine ONIron Wine Beast EpicJason Isbell the nashville soundThe Mavericks brand new day

前の部門でグレッグに本命付けたから、というわけでもないのですが、この部門の本命◎は僕的にはやはりジェイソン・イズベルがダントツですねグレッグのアルバムも涙なしには聴けない名盤ではあるのですがここは対抗に。

穴×は90年代に登場して以来シーンで根強い人気を誇る、ネオ・トラディショナルというかロカビリーっぽいカントリー・ミュージックを聴かせるボーカルのラウル・マロ率いるザ・メイヴェリックス、前作『Mono』もこの部門ノミネートされていたのでこちらに進呈。ちなみに前回ノミネート時はジェイソンに賞を持って行かれてます(笑)


29.最優秀ブルーグラス・アルバム部門

  Fiddler's Dream - Michael Cleveland
× Laws Of Gravity - The Infamous Stringdusters
  Original - Bobby Osborne
◎ Universal Favorite - Noam Pikelny
 All The Rage - In Concert Volume One [Live] - Rhonda Vincent & The Rage

Michael Cleveland Fiddlers dreamInfamous StringdustersBobby OsborneNoam PikelnyRhonda Vincent All The Rage

さあ今年も不勉強にして知らないアーティストが並んだこの部門ですが、かろうじて知ってる名前も2つほど。その一人、ノーム・ピケルニーは一昨年の東京ブルーノートで見た無茶苦茶カッコいいライヴと、素晴らしいアルバム『The Phosphorescent Blues』(2015)を聴いて以来個人的にハマりまくっているあのパンチ・ブラザーズのバンジョー・プレイヤー。ブルーグラスのバンドをやられて自らもバンジョーを弾かれる知人によると「今ブルーグラス界で一番巧いバンジョーイスト」というノームは、この部門でも既に過去2回単独名義でノミネートされている常連の一人。今回はパンチ・ブラザーズのブレイク後始めてリリースしたソロ・アルバムということで何曲か聴きましたが、いやあやはり演奏技術もさることながら、楽曲の浮揚感というか映画の場面を描くような感覚がバンジョー一本でこれだけできるというのは凄いなあ、と感じ入った次第。彼のボーカルもなかなか味があっていいですねえ。で、本命◎は間違いなくノームで決まりです。

対抗は自らもマンドリン、ギター、フィドルをこなすばかりでなく、他のブルーグラス・バンドやアリソン・クラウスドリー・パートン、アラン・ジャクソンなどカントリー・アーティスト達の作品にも参加、シーンでも有名なブロンドの美人ブルーグラス・シンガー、ロンダ・ヴィンセントのライヴアルバムに。彼女もこの部門では6回目のノミネートとなりますが、果たしてノームを抑えて初受賞なるか。

穴×パンチ・ブラザーズのギタリスト、クリス・エルドリッジが初期のメンバーだったという、5人組のブルーグラス・バンド、インファマス・ストリングダスターズのアルバムに。


アメリカン・ルーツ部門、残りのブルースとフォーク部門も何とか今日明日でアップしますので乞うご期待。

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #5 〜カントリー部門〜

さてどんどん行きますグラミー予想。次はカントリー部門です。

Chris Stapleton


22.最優秀カントリー・ソロ・パフォーマンス部門

  Body Like A Back Road - Sam Hunt
× Losing You - Alison Krauss
○ Tin Man - Miranda Lambert
  I Could Use A Love Song - Maren Morris
◎ Either Way - Chris Stapleton



このグラミー予想で、カントリー部門で毎回言ってるのは前年秋発表のCMA(全米カントリーミュージック協会)アウォードとの相関関係。昔ほどのバッチリの相関関係は最近は薄く、またCMA取ったアーティストや楽曲、アルバムが全くノミネートされなかったり、年をずれて登場したりとここ最近はハッキリ言ってあまり指標としては使えないことも多いのですが、やっぱりCMA受賞内容は押さえなくてはいけません。

で、昨秋の第51回CMAアウォードの結果をおさらいしておきましょう。

*最優秀エンターテイナーGarth Brooks(2年連続6回目の受賞)
*最優秀男性ボーカリストChris Stapleton3年連続受賞
*最優秀女性ボーカリストMiranda Lambert通算7回目の受賞
*最優秀新人賞Jon Pardi
*最優秀ソング"Better Man" by Little Big Town(作者:Taylor Swift
*最優秀アルバム"From A Room: Volume 1" by Chris Stapleton

パッと見てわかるように、クリス・ステイプルトンの強さが際立っているのと、安定したミランダ・ランバート、そして何と言っても最優秀ソング部門何とナッシュヴィルに見切りを付けたはずのテイラー・スウィフトの作品が受賞した、というのが最大の注目点。

で、これを基本にして考えると、何と言っても本命◎クリス・ステイプルトンCMA受賞アルバム『From A Room: Volume 1』からの曲「Either Way」で決まりでしょう。終結に向かおうとしている夫婦関係をエモーショナルに歌い上げるこのアコギ一本のバラードには派手さはないですが、クリスの歌の重みが迫ってくる曲。カントリーの去年のヒット、と言う意味ではサム・ハントの「Body Like A Back Road」がHot 100でも6位と彼初のトップ10、そしてカントリーチャートでは記録となった34週連続1位というオバケヒットでしたが、ここはやはりCMA重視で。

そして対抗CMA女性ボーカリスト賞過去10年中7回受賞しているミランダ・ランバートが一昨年リリースした2枚組の意欲作『The Weight Of These Wings』からの、メアリー・チェイピン・カーペンターあたりを思わせるスケールの大きい曲「Tin Man」。もちろんアメリカのあの曲とは違う彼女のオリジナル。この人も2年前に元旦那のブレイク・シェルトンと別れてから一皮むけて大きくなった感がありますね。

穴×はブルーグラスの女神、アリソン・クラウスが去年リリースして評判よかったカバー・アルバム『Windy City』からのブレンダ・リーのカバー「Losing You」に。


23.最優秀カントリー・デュオ/グループ・パフォーマンス部門

  It Ain't My Fault - Brothers Osborne
○ My Old Man - Zac Brown Band
× You Look Good - Lady Antebellum
◎ Better Man - Little Big Town
  Drinkin' Problem - Midland


で、この部門はさっき説明したCMAアウォードのことを考えると当然本命◎リトル・ビッグ・タウンの「Better Man」しかないわけで。いやあしかしこの曲はポップ・ブレイクする前のテイラーの楽曲、って感じが満載の素晴らしいメロディと、相変わらずテイラーのここずっとの楽曲テーマである「好きだけどどうしようもない男」というメッセージがこれでもかと歌い込まれている、多分ラジオで(スポティファイで?)一回聴いたら耳にこびりついてしまうタイプの曲ですねえ

対抗はこちらは亡き父親との関係を思う素晴らしいアコースティック・バラードザック・ブラウン・バンドの「My Old Man」。ザックは常々ダン・フォーゲルバーグの「Leader Of The Band」のような父親へのトリビュート曲を書きたかったそうで、この曲でその思いを果たしたという気持ちがこもったなかなか感動的な曲。シーンでも大変評判の良かった、アルバム『Welcome Home』からの曲です。

そして穴×は、この部門過去3回ノミネート2回受賞のレディ・アンティベラムに。


24.最優秀カントリー・ソング部門(作者に与えられる賞)

◎ Better Man - Little Big Town (Taylor Swift)
  Body Like A Back Road - Sam Hunt (Zach Crowell, Sam Hunt, Shane McAnally & Josh Osborne)
○ Broken Halos - Chris Stepleton (Mike Henderson & Chris Stapleton)
  Drinkin' Problem - Midland (Jess Carson, Cameron Duddy, Shane McAnally, Josh Osborne & Mark Wystrach)
× Tin Man - Miranda Lambert (Jack Ingram, Miranda Lambert & Jon Randall)


このソング部門も、やはり本命◎テイラー作の「Better Man」が一際光ってるし、これしかない、という感じですね。しかしナッシュヴィルにいずして、ナッシュヴィルの賞やカントリーの賞を取っていくテイラー、やっぱりアーティストとしてレベルが違うことを改めて感じさせてくれます。

対抗はこちらも強そうなクリス・ステイプルトンの『From A Room: Volume 1』のオープニング・ナンバー「Broken Halos」に。「壊れた後光」というこの曲は、友人の死に接して、早く逝きすぎた人々のことを思って書かれたというゆったりとしたテンポでバンドをバックにクリスが情感を込めて歌うカントリー・ゴスペルといってもいい感じの曲。「若くして逝く人々というのは、我々を導くために我々の前に現れた天使で、しかしその役割が終わると去ってしまう。そしてなぜそんなに早く去るのか、我々は理解することにはなっていない」という歌詞を聴くと、若くして逝ってしまった家族のことを思って胸が詰まってしまう、そんな曲です。

そして穴×は安定のミランダ・ランバート。いやあそれにしても今年のカントリー部門の有力ノミネート楽曲はどれも「うた」として素晴らしい作品ばかりだなあ、グスン


25.最優秀カントリー・アルバム部門

  Cosmic Hallelujah - Kenny Chesney
  Heart Break - Lady Antebellum
○ The Breaker - Little Big Town
× Life Changes - Thomas Rhett
◎ From A Room: Volume 1 - Chris Stapleton

Kenny Chesney Cosmic HallelujahLady Antebellum Heart BreakLittle Big Town The BreakerThomas Rhett Life ChangesChris Stapleton From A Room Vol 1

カントリーのアルバム部門は、主要賞に絡むアルバムが確実に受賞するという、ここ数年非常に予想しやすい部門だったんですが、今年は残念ながらカントリー・アーティストが主要賞に全く絡まないという、2004年第46回以来15年ぶりの珍しい年になってしまっています。そうなってくるとCMA絡みの基準になるわけで、そうすると本命◎はどう考えてもクリス・ステイプルトン何だかジンギスカンみたいなジャケットなんですが、前の部門のところでも書いたように、なかなか胸にジーンと来る曲が並んでいて、やっぱこのアルバムも買わんといかんなあ、と改めて思いましたね

対抗テイラーの「Better Man」を含むリトル・ビッグ・タウンの『The Breaker』。新人バンドながら実力ある連中だなあ、と思ってたら彼らも最初のノミネートが2006年第49回の『The Road To Here』なのでもう12年目なんですね

そして穴×は、カントリー・アルバム・チャートでも3週1位、Billboard 200チャートでも初の全米No.1アルバムとなっトーマス・レットの『Life Changes』に。


さあ、あと予想は16部門というところまで来ました。次はアメリカン・ルーツ部門、どんどん行きます。

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

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