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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
【年末恒例企画#1】2019年ビルボードHot 100年間チャート予想(完結編、5-1位)

朝からジュースWRLDの訃報が飛び込んできてショック受けてます。今年はニプシー中村哲さんのように自分の道を、才能や努力で地道に進んでいる人達が残念な形で物故するケースが例年よりも多い気がしてジュースの冥福を心より祈ります。

さてビルボードHot 100年間チャート予想完結編です。まだビルボードのサイトに発表されてる本チャンの順位は見てませんよー(笑)。でもあと5曲はもうだいたい分かってますよね。では最後の5曲。


5. Bad Guy ▲ - Billie Eilish

Hot 100 - 34週、Top 40 - 34週、Top 10 - 30週、Top 5 -19週)
2019.8.24付 1位1週

Billie Eilish Bad Guy

何だかんだ言っても2019年はビリー・アイリッシュという17歳の無限の可能性を持った若い才能がブレイクした年として長く記憶に止められるに違いない。決して率直には自分を表現せず、屈折した恥じらいと若いが故の辛辣で直裁的な表現で大人達はギョッとするし、僕もどちらかというと彼女の音楽を聴いてザワザワしたものを感じてしまう方なので、やっぱり聴き手としては保守的な部類に属してしまってるのだと思う。ただ分かるのは、彼女とプロデュース・共作者に兄フィニアスの作っている音楽は、今のティーンエイジャーや20代のファンを中心に確実に共感を得ているようだということ。

鼻血を流しながら歌うこのPVも、そして目から黒い涙を流す「When The Party's Over」のPVも、若い衆には「クール」とか「いいんじゃね?」的に許容されて評価されているのだから。

いうまでもなく今年の重要アルバム(でも個人的に好きなアルバムではないが)の一つであるデビューアルバム『When We All Asleep, Where Do We Go?』からの最大のヒットとなったこの曲、アルバムが初登場1位となった4/13付の週(そしてこの週は「Old Town Road」の191位の最初の週)に、他のアルバム収録の9曲と一緒に7位に初登場。一旦11位に落ちるけど、翌週トップ10復帰して、リル・ナズXの下で17週トップ10(うち2位に9週)をキープし、とうとうリル・ナズの201位を阻止して蹴落とし1位をゲットした、チャート的には驚くべき維持力を持った曲だった。UKでも2位に登る大ヒット。

そしてご存知のようにこの曲、今回のグラミーではビリー主要4部門ノミネートの一角としてレコード・オブ・ジ・イヤーとソング・オブ・ジ・イヤーにノミネートされてて、同じく主要4部門ノミネートのリゾと激突してる格好。でもねえ、正直言ってこの曲、ROYはあってもSOYはないような気がしてます。昨日うちのサークルのリユニオンに来て頂いた湯川れい子先生も仰ってたけど、SOYではルイス・キャパルディの「Someone You Loved」(全米全英1位、自分の予想では年間23位)やラナ・デル・レイの「Norman F***king Rockwell」あたりが強いんじゃないかなあと思ってます。もちろん去年のチャイルディッシュ・ガンビーノの例があるから余談は許さないんだけど。さあどうなるんでしょう。


4. Wow. ▲ - Post Malone

Hot 100 - 44週、Top 40 - 41週、Top 10 - 24週、Top 5 -9週)
2019.4.6 & 4.27-5.4付 最高位2位3週

Post Malone Wow

ポスト・マローンってヤツは気のいいおにーちゃん顔してるけど(タトゥーだらけだけどw)結構綿密な戦略に基づいて毎回の作品を造り出してるんだと思う。または綿密な戦略を持ったブレーンがバックについてるのかもしれない。「White Iverson」(201614位)でブレイクした時から、前作の『beerbongs & bentleys』までの彼の楽曲スタイルは典型的なトラップ・ポップだった。そこにあの憎めないキャラとやたら悪趣味のPVを組み合わせて、今の若いファンに受け入れられる重要項目を押さえてしっかりトラップ・ポップ・スターとしての地位を確立していた。

ところが映画『Spider-Man: Into The Spider-Verse』の主題歌としてリリースされた「Sunflower」の1位から完全に様子が変わった。あの曲聴いた時「え!ポスマロ何かすごいポップじゃん。トラップ・ポップですらないし」と驚いたもんだ。そしてリリースされたアルバム『Hollywood's Bleeding』は初週実売20万枚という、ヒップホップアルバムでは今年ナンバーワンの売上で堂々たる初登場1、しかも今年唯一アルバムチャート1位を5週マークする大ヒットアルバムに。そしてその中身は何と半分以上がトラップ・ポップの意匠を脱ぎ捨てた今時のメインストリームR&B風ポップで締められてるという方向転換ぶり。そもそもポスマロはトラップ・ポップを極めようなんていう気はさらさらなく、実はこの『Hollywood's Bleeding』の音楽性こそがやりたかったことで、それをやって受け入れられるためにトラップ・ポップで支持層を作り上げたんじゃないか、なんて勘ぐってしまいたくなるくらい鮮やかなスタイル転換だった。

そんな中でもこの「Wow.」はどちらかというと従来のトラップ・ポップの路線の曲。1/5付で47位に初登場すると次の週は13位にジャンプアップ。そこから2週でもうトップ10にいて、そこから24週間トップ10をウロウロしていた。これもちょうど「Old Town Road」祭りの真っ最中の時期だったので、リル・ナズがいなかったら1週くらい1位は取れてたに違いないUKでも人気でこの曲は最高位3位。今回PVは悪趣味ではなく、なぜかヒゲのオジサンが曲に合わせてなかなか鋭いダンスを披露するというもの。

今年のビルボード誌の選ぶ2019年のアーティストに選ばれたらしいポスマロ、件の「Sunflower」がまだ登場してませんが、ご心配なく。この後重要なランクで登場しますので(^^)


3. Without Me ▲5 - Halsey

Hot 100 - 46週、Top 40 - 46週、Top 10 - 26週、Top 5 -22週)
2019.1.12 & 1.26付 1位2週

Halsey Without Me

ホルジー(アシュリー・ニコレット・フランジパーニ)って、声が特別だと思う。まるでオートチューンでエフェクトかけたような感じの声なんだけどこれは多分地声なんだろうと思う。そんな彼女の声はある時は人工的な感じに聞こえ、またある時は不思議な情感がこめられたような感じを強く感じさせる、そういう意味ではすごくこの声で得してる部分が大きいし、それをうまく使った曲作りやパフォーマンスをしてるな、という感じがする。

ここ数年、彼女も最近のポップスターの多くがそうであるように、既に人気のあるアーティストとのコラボで地位を着々と築いてきて、彼女に取ってのブレイクは2016年、チェインスモーカーズとのコラボシングル「Closer」が全米1位(12週)になったこと。これで多分アーティスト印税がかなり入ってきたであろうホールジーは攻めに出た。2017年のセカンドアルバム『Hopeless Fountain Kingdom』ではベニー・ブランコアデルで知られたグレッグ・カースティンなど一流のプロデューサーを迎えたのが功を奏したか、見事初登場1位。初のソロトップ40ヒット「Now Or Never」(17位)そして大ヒット「Bad At Love」(5位)で一気にポップスターの地位を確立。このブログでもご紹介したベニー・ブランコのヒット曲「Eastside」にフィーチャーされて弾みを付けたタイミングでリリースしたのがこのシングル「Without Me」。以前コラボしたこともあるG-イージーを含めて過去付き合った男達との別れを歌ったというこの曲、サビの部分で使われているジャスティン・ティンバーレイクの「Cry Me A River」のコーラスループと楽曲が見事に溶け込んでいて、不思議なメランコリーさを醸し出してるのが楽曲的な魅力。ここでも彼女の独得の声がすごく効果的UKでも3位の大ヒットになってます。

年明けにはこの曲を含む3作目のアルバム『Manic』のリリースが予定されてて、同じ週の他のアルバム次第だけど、今度も初登場1位は結構固い線だと思う。残念ながら何故か今回のグラミーではブルース同様ガン無視されてるけど、来年以降もホルジーの活躍は間違いなさそうだね。


2. Old Town Road ▲10 - Lil Nas X Featuring Billy Ray Cyrus

Hot 100 - 38週、Top 40 - 36週、Top 10 - 26週、Top 5 -23週)
2019.4.13-8.17付 1位19週

Old Town Road

え、何でここでOld Town Roadが?」と思ったあなた、無理もありません(そういえば去年もこの予想で同じようなこと言ってたような気がw)。何と言っても「One Sweet Day」と「Despacito」の161位の最長記録を軽々と抜き去ってあわや201位か?と恐れられた、2019年をいろんな意味で代表する「Old Town Road」を年間2位に予想してるのですから。1位にならなかったのは、ひとえにHot 100やトップ40滞在週数が1位の曲と10週以上開いているためで、去年も説明したように、僕の集計スキームだとこれみたいに短期間でヒットした曲は弱くなるんですよね。でも自分でもさすがに191位のこの曲が11位の曲に負ける、というのは意外だったけど。

南部はジョージア州出身の今年20歳のラッパー、リル・ナズXモンテロ・ラマー・ヒル)がカントリー風のトラップ・トラックをバックに「おら馬を昔の街の通りにつれてってもうダメだってくらい馬乗るだ」と繰り返すだけ、というまあ鼻歌に毛の生えたようなゆるーいカントリー・トラップという新奇性と、テンガロンハットをかぶって割と単純な振付のダンス(笑)をする動画が受けて、TikTokでそれを真似した動画が一気にアップされてバズった、というのが19週もの全米1位を記録するほどの大ヒットになった、というのは周知の通り。

またオリジナルバージョンはわずか1:53という短い曲で、これはHot 100史上5番目に短いナンバーワンヒットらしい1位は1960年のモーリス・ウィリアムス&ザ・ゾディアックスの「Stay」の1:38。そう、ジャクソン・ブラウンがカバーしてヒットしたあの曲)。この短さも、この曲がそもそもアイディア一発のみの曲だからだろうし、リル・ナズ本人もこれだけの大ヒットになるなんて多分夢にも思わなかっただろう。正しく今時の「動画をアップすればバズると大ヒット」という今時のヒットフォーマットを明確に証明してみせた典型例になった。

そしてこれで多分リル・ナズ以外で一番恩恵を受けたのは、途中からリリースされたリミックス・バージョン(こちらは2:37に膨らましてあるw)にフィーチャーされてちょっとだけ歌ってるビリー・レイ・サイラス(笑)。先月までにRIAAのダイアモンド・レコード(10xプラチナ、1,000万ユニットの売上)を記録してしまったこのヒットで彼のアーティスト印税もものすごいだろうし、このリミックスバージョンは先月発表された、CMA(カントリー・ミュージック・アウォード)でも「年間最優秀ミュージカル・イベント」なる部門を受賞してしまったから、2008年に娘の七光りでヒットした「Ready, Set, Don't Go」(37位)以来のトップ40ヒットを授かったビリーは笑いが止まらないだろうな。このリミックスバージョンのPVも西部劇映画風に仕上げててさすが大ヒット、PVの予算も随分付いたんだろうというのが窺える。その中でクリス・ロックが昔ながらの芸風で怪演してるのがかなり笑える(笑)

先日洋楽好きの友人がタイに遊びに行ったところ、バンコックの街中でも至る所この曲が流れていて、人々が歌ってた(歌詞も単純だし)っていうから、もはや「Old Town Road」祭りはアメリカにとどまらず世界中に広がってるらしい。Lizzoの「Truth Hurts」もそうだったが、Hot 100を急上昇しているアリゾナ・ザーヴァスの「Roxanne」(12/7付、チャートイン4週目で5位)なんかも、自前宅録した曲がTikTokでバズってヒットになってきたから、各レーベルの争奪戦で、先月コロンビアと契約したというから、今後は各レーベルのA&Rもライヴハウス周りではなくてYouTubeTikTokチェックに忙しくなるんだろうな(笑)

今回のグラミーでもさすがにSOYはなかったけど、ROY、アルバムそして新人部門の主要部門にノミネートされてるリル・ナズと「Old Town RoadROYくらいは取ってもしょうがないかな、と思うけど「Despacito」の例もあるし、今年はビリーリズを始め主要賞は激戦なので、まあノミネートされただけでもよし、と考えて欲しいもの(笑)。何せブルースの『Western Stars』を押さえてアルバム部門ノミネートを果たしたんだから(しつこい)。

さて、いよいよ独自年間チャート(笑)の1位です。


1. Sunflower (Spider-Man: Into The Spider-Verse) ▲8 - Post Malone & Swae Lee

Hot 100 - 49週、Top 40 - 49週、Top 10 - 32週、Top 5 -20週)
2019.1.19付 1位1週

Sunflower.jpg

そう、先ほど4位の「Wow.」のところでも触れていたように、それまでの「トラップ・ポップ」というある意味今時のはやり歌の類型的なポジションからぐっとポップ・メインストリームにポスマロが舵を切った、彼にとって新たなフェーズへのスタート曲となったこの曲が自分の年間チャート予想の1位を飾りました。集計期間中のHot 100滞在週数は49週ですが、トータルではHot 100とトップ40の両方に53週とほぼ1年以上に亘ってトップ40から落ちることなくチャートインしたということで、トップ40 53週以上で、トップ40以下がなかったというのは史上、この曲とエド・シーランの「Shape Of You」(2017年、Hot 100/Top 40 59週)の2曲だけ、という圧倒的なヒットでした。1位週数ではリル・ナズには負けるけど(かなり笑)、総合的なヒット度合いということでは、よくよく見ると結構納得の結果なんじゃないでしょうか。


2019年はあれだけのリル・ナズ祭りがありながら、何だかんだ言ってポスマロ大躍進の一年って印象が強い。年の前半はこの曲でいきなりファンを「おっ」と言わせて、「Wow.」そして「Goodbyes」(最高位3位、自分の年間チャート予想では31位)と、最高位1-2-33枚のアルバム先行シングルのヒットでモメンタムをガッチリキープ。そして満を持して9/21付のチャートでアルバム『Hollywood's Bleeding』は489,000EAUsという今年2番目のポイント(1番目はテイラーの『Lover』の867,000EAUs)で堂々の初登場1位、アルバムの全曲がチャートインするというまあこれ以上ない勢いで、今年のトッププレイヤーとしての存在感を示したからね

その後「Circles」も大ヒット、先週のHot 100でこちらも「Rockstar」「Psycho」そしてこの「Sunflower」に続く4曲目の1位をマーク。怒濤の2019年の進撃の締めくくりを見事にして見せた。


この曲は言うまでもなく映画の主題歌というギミックも大ヒットの要素の一つだと思うけど、去年グラミー賞ROYSOYにノミネートされたケンドリック・ラマー&SZAの『All The Stars』と同様、映画のエンディングのローリング・クレジット画面にとても合う感じのナンバーに仕上がっているという楽曲の良さも少なからずこの曲の大ヒットにつながったはず。そしてセカンド・ヴァースを歌ってるスウェイ・リー(レイ・シュレマード)の存在もこの曲のスケールの大きさに貢献していると思う。

そしてこの「Sunflower」もめでたくROYにノミネート。ただ先ほどカリードのところでも書いたけど、今年のグラミーROY部門は異様な激戦状態なので、ポスマロと言えども受賞は難しいとは思うけどね。でもビルボード誌2019年トップ・アーティストに選ばれた訳だし、ポスマロも文句はないでしょう。『Hollywood's Bleeding』は9月のリリースなので、実は来年のグラミーのノミネート対象なので、ポスマロが2年越しでのアルバム部門のノミネート、そして受賞となる可能性もあるということで、なかなか彼の前途は洋々たるもんですね。


ということで何とか1位まで来ました年間チャート予想、いかがだったでしょうか。本チャンのビルボード誌の年間チャートとの答え合わせの楽しみは半減してしまったけど、今年の全米ヒットのおさらい、という感じで読んで頂ければ嬉しいですね2019年はリル・ナズ祭りだけじゃなく、結構いい曲がヒットしてた、ということを実感してもらうためにも(笑)。さてちょっとスケジュールが押し気味なんですが次の【恒例年末企画 #2】は私が選ぶ2018年のベストアルバムです。今週後半には第一弾をアップしたいと思ってますのでお楽しみに。

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【年末恒例企画#1】2019年ビルボードHot 100年間チャート予想(Part 3, 10-6位)

昨日の朝起きてみたら既にビルボード誌が今年の年間チャートを発表した模様で、メールのタイトルを見ると1位はやっぱりなーんも面白くない結果になってるようでちょっと今年はプライベートの関係で出遅れてしまってこの予想ブログも残念なことになっちゃいましたが、ビルボードビルボード、僕の予想は予想ということで(おいおいw)最後まで発表したいと思います(^^)

ということでいよいよトップ10の予想です。


10. Dancing With A Stranger ▲2 - Sam Smith & Normani

Hot 100 - 45週、Top 40 - 41週、Top 10 - 8週)
2019.4.27-5.4 & 5.25付 最高位7位

Dancing With A Stranger

去年の今頃はカリードとのデュエットで映画『Love, Simon』の挿入歌「Love Lies」をヒットさせてた元フィフス・ハーモニーノーマニ嬢、今度はサム・スミスとのタッグのこの曲をまたまたUK3位、全米7位の大ヒットに、そしてHot 100 45週というロングヒットの関係で年間でも(ビルボードは知らんがw)予想トップ10に送り込んで来ました。

何せ歌の巧い二人なので、今風の打ち込み音数の少ないシンプルな楽曲アレンジでもゴージャスなポップソングに仕上がってますが、楽曲構成が今時あんまりないAメロ+サビのみ、というシンプルさなんで、例えばこれ、洋カラとかで歌うと意外とこの重厚さを出すのは難しいかも。サムの前作『Thrill Of It All』(2017)で「Too Good At Goodbyes」(UK1位、全米5位)を一緒に書いてプロデュースしてたスターゲイトサム、ノーマニの共作です。

ノーマニ
もそろそろコラボじゃなくてピンでヒット出さないとジリ貧になりかねないな、と思ってたら今年は初めてのピンヒット「Motivation」が出ましたが、やはりノーマニ一人ではパワー不足なのか、最高位33位に終わってます。いずれにしてもこの曲、そしてサム・スミスのこの間のカルヴィン・スミスとの曲も、2人のそれぞれのアルバム未収録なので、年明けにはこの2人の新作(ノーマニはソロデビューアルバム)が出るんでしょうな。サム201557回グラミーでアルバム以外の主要3部門を総なめして以来一度もノミネートすらされてなくて(今回のこの曲も無視されてます)何だかちょっとパワーがダウンしたような感じもあり2020年は3年ぶりの新作でも出してドカーンと花火を打ち上げて欲しいもんです。


9. 7 Rings - Ariana Grande

Hot 100 - 33週、Top 40 - 32週、Top 10 - 16週、Top 5 -14週)
2019.2.2-3.2 & 3.23-4.6付 1位8週

7 rings 

さあアリアナのもう1曲のNo.1ヒットがここに入ってきてます。シンセ音とチキチキハイハットのトラップ・ポップ風なトラックに乗って最初の数小節が映画/ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の有名曲「私のお気に入り(My Favorite Things」をそのままのメロディで歌い直すという、おそらく彼女のファンの世代には「どっかで聴いたことあるメロディ」的な受け方したと思われますね。そういうこともあってか、これまでのアリアナの曲では一番ヒップホップ寄り(というかまんまトラップ・ポップ)で途中アリアナが歌うんじゃなくてラップっぽくやってる、という彼女としてはやや異色の曲ながらThank U, Next」に続く初登場1位を記録。そこから途中2週間「Shallow」とジョナス兄弟の「Sucker」に1位を抜かれながらトータル81位という、彼女にとっての最大のヒットに

この曲のリリースに先立って、アリアナがこのタイトルを使ったタトゥーを公開したんだけど、日本びいきのアリアナが日本語で「七輪」(笑)と入れちゃったという笑えない話がありました。しかもこれに対するネット上の日本人達からの心ない突っ込みで、彼女が日本語勉強してたのをやめた、なんてニュースが伝わって来てて「突っ込んだ連中も母国語でないことについての誤りに対して容赦なく突っ込み過ぎてて、何だかなあ」と思ってたのですが、その後リリースされたこの曲のPVを見ると、オープニングに品川ナンバーの車は登場するし、タイトルも今度は正しく「七つの指輪」と正しい日本語表記になってたのでちょっと安心しましたね。やっぱ日本に興味ある人に日本や日本人を嫌いになって欲しくないし、と言う気持ちは個人的に強かったりするんで。

さて、この曲、トラップポップ意匠を強く出したということもアリアナには新しい試みですが、歌詞の内容も「お揃いの7つのダイヤの指輪を買って6人の友達(bitches)にあげたの」とか「ティファニーで朝食、シャンパンボトル」なんて何だかブリンブリンの内容の歌詞ってのもここんとこのアリアナっぽくないな、と最初感じてました。ただ彼女のコメントによるとこの歌は「女性を勇気づけるための歌」とのことなんで、別に彼女の軸がぶれてるわけではなさそう。ただエンパワーメントを「お金で買えるもので解決できる」っていう表現されちゃうとちょっととまどうのは事実ですな。あと、一点気になるのは、これだけの大ヒットなのにこの曲、RIAAのゴールド・プラチナ認定を未だに受けてないこと。ということはチャートのポイントの多くはストリーミングってことなんだろうなあ。


8. Talk ▲2 - Khalid

Hot 100 - 41週、Top 40 - 35週、Top 10 - 19週、Top 5 -13週)
2019.6.8-22 & 7.13付 最高位3位

Khalid Talk

さて個人的には待望の(笑)カリードの今年のもう1曲のヒット「Talk」が予想では年間8位にランクイン。アルバム『Free Spirit』から「Better」に続くシングルとしてリリースされたこの曲、「Better」同様、ここんとこ続いてた他のアーティストとのコラボとか、映画のタイインとかそういう要素なしにカリードの「うた」だけ勝負してるのもいいとこだけど、何たってこの曲の楽曲としての魅力とカリードの歌唱が素晴らしいの一言に尽きるね。「Can we just talk?」っていう最初の歌い出しで間違いなくつかまれる。なかなか最初の歌い出しだけで惚れ込める曲ってそうそうないと思う。トラック的にもシンプルな打込みとクラッピングだけで余計なことを一切してないし、何よりカリードが、好きになった相手に対する純粋な気持ちを切々と歌う歌詞の中にswearing wordsf**kとかb***hとかd**nとかあの手の言葉ね)が一切ないというのもとても新鮮、純粋に曲だけで酔えるそんな曲。そういう歌を21歳で歌えちゃうカリードってやつもやっぱりただもんじゃないわ。そしてこの曲、カリードとあのディスクロージャーローレンス兄弟との共作というのを知って、カリードR&Bの魅力たっぷりのメロディと、ディスクロージャーの創り出すシンプルで素敵な打込みビートの化学変化がこの曲の魅力を創り出してるんだなあ、と納得。

チャート的には2/2344位で初登場の後一旦55位まで下がっちゃうんだけど、そこからジリジリ巻き返して4/641→40位という地味なアクションでトップ40入り。ああこんなにいい曲なのにこの曲、20位台どまりかなあ、と思っていたら4/2039→18位にジャンプアップ。更に5/4には見事8位でトップ10入り、その後トップ1019週滞在して、最高位3位を合計4週間マークするという、今時のHot 100ヒットらしくないチャートアクションで立派な大ヒットに

そしてこの曲の人気はR&Bソング・チャートで存分に結果を出していて、この前の151位の「Better」と1位を交代する格好でその後181位を独走。つまり2019年のR&Bソング・チャートの1位の6割はカリードが独占した(後はクリス・ブラウンドレイクの「No Guidance9週、リゾの「Good As Hell5週<12/5付現在>)格好。今回のグラミーではレコード・オブ・ジ・イヤーにノミネートされてるけど、むしろソング・オブ・ジ・イヤーノミネートが妥当だったんじゃないかと思うROYも競争厳しいけど、カリードどういうわけかR&B部門には一切ノミネートされてないので、ここで取ってくれると嬉しいけどなあ。無理かなあ。


7. Happier ▲5 - Marshmello & Bastille

Hot 100 - 39週、Top 40 - 39週、Top 10 - 21週、Top 5 -6週)
2019.2.16位 最高位2位

Marshmello Bastille Happier

出ました怪人マシュメロ(笑)。しかしHot 100史上かぶり物でこれだけ次から次にヒットを飛ばしたアーティストもいないよね。明らかにこのかぶり物スタイルはデッドマウスの影響だと思うんだけど、今やマシュメロEDMやエレクトロのシーンに止まらず、ほとんどのヒットがポップやカントリーなど他のジャンルのアーティストとのコラボというのも異色。ある意味2010年代のポップスターの一類型を見せてくれてる、そんな存在かも。

で、この「Happier」。2014年に「Pompeii」の大ヒット(全米5位、UK2位)を放ったグループ、バスティーユとのコラボで、曲はもともとバスティーユ2人がジャスティン・ビーバー用に書いていた原案をたまたま知り合ったマシュメロと意気投合して自分達の曲としてリリースすることにしたらしい。この曲も、今回このブログの予想に登場してきた「Talk」とか「Dancing With A Stranger」同様、シンプルなメロディでややメランコリックな曲調ながら、歌詞は「君にハッピーになってもらいたいんだ/君の気持ちをよくしてあげたいんだよ」とひたすら繰り返すという、とてもアップビートな内容。それが多分多くの人の琴線に触れたのか、この曲英米両方のチャートで最高位2位を記録Hot 100では一旦3位で最高位を付けながらその後15週間トップ10内をうろうろしながら2/16付で突如2位にジャンプアップするという、ロングヒットに。

そしてロングヒットというと、この曲ヤバいです(笑)。実はダンス・エレクトロニック・ソング・チャートでは、リリース直後の昨年9/29付で1位になってから、何と今に至るまで1位を独走中、12/5付現在で驚きの631位を継続中なんですわ。

でもねえ、この曲のメッセージと、このPV見たらこの曲嫌いになる人、いないと思うな。このPVもヤバいです。多分自分が年取ってきて涙腺がもろくなってるからだけじゃない、と思う。是非見て下さい。


6. Sucker ▲2 - Jonas Brothers

Hot 100 - 38週、Top 40 - 38週、Top 10 - 22週、Top 5 -9週)
2019.3.16付 1位1週

Jonas Bros Sucker

2006年にデビューしたジョナス・ブラザーズが、メンバーのソロ活動後突然グループ解散したのが2013年。その後、ソロでやってたニックは「Jealous」(20157位)「Chains」(同13位)「Close (Featuring Tove Lo)」(201614位)とパラパラとヒットを飛ばし、ジョーDNCEを結成して「Cake By The Ocean」(20159位)をヒットさせてたりしてたけど、何となく地味な状況で、このままソロ活動で先細りしていくのかな、と思ってた。ところが昨年末突如再結成を発表、リリースしたこのシングルが何と彼ら初の1位、しかも初登場1位ですわ。やっぱジョナスのファンって彼らの復活を待ってた人が多かったんだろうなあ。

曲は「僕は君にメロメロなんだ(Im a sucker for you)」というストレートなラブソングで、アップテンポなギター・ロックポップといった、特段目新しさはないんだけど、やっぱこの曲の持つストレートでポジティブなメッセージも受けたと思うカリードの「Talk」やマシュメロ/バスティーユの「Happier」もそうだけど、今年の大ヒットってこういうポジティヴなメッセージのものが多いような気がして、これもトランプ政権を取り巻くネガティブな風潮に救いを求めるオーディエンス心理みたいなものがかなり影響してるのかもしれないな、と思ったりしてます。

そしてこの曲もPVがポイントで、登場する美しい女性達は全てジョナス3兄弟の実の奥さん達だというからなかなか微笑ましいというか、心温まるというか。やっぱこういうのにファン(特に女性ファン)はキュンと来るんでしょうなあ。オジサンから見ててもいいなあ、と思うんだから。この曲の後、3兄弟好調で、6月リリースのアルバム『Happiness Begins』もめでたく解散時期を挟んで3作連続の初登場1初週売上も357,000枚と2019年第2位の初週売上1位はテイラーの「Lover」の679,000枚)を記録、完全復活に華を添えたのでした。


さて、本チャンの年間チャートはもう発表されちゃってますが、この「予想」、最後まで行きますので今少しお付き合いを。

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

【年末恒例企画#1】2019年ビルボードHot 100年間チャート予想(Part 2, 15-11位)

さて、どんどん行きます。次は年間チャート1115位までの予想。


15. I Dont Care - Ed Sheeran & Justin Bieber

Hot 100 - 28週、Top 40 - 28週、Top 10 - 17週、Top 5 - 9週)
2019.5.25-6.1付 最高位2位

Sheeran Beiber I Dont Care

今年エド・シーランがリリースした、ポップからR&Bアーティスト、はてはカーディBチャンス、トラヴィス・スコットといったラッパー達など、多彩なゲストとのコラボ作品を収録したアルバム『No.6 Collaborations Project』からの第一弾シングルカットだった、このエドジャスティン・ビーバーのコラボ・シングル。ジャスティンとは過去にもジャスティンのアルバム『Purpose』に、この前のポストでも登場したベニー・ブランコジャスティンとの共作で「Love Yourself」を提供したり(その年のグラミーSOYにもノミネートされたが惜しくもアデルの「Hello」に敗れる)と、いろいろ一緒にやってるのでこの取り合わせに意外感はないですね。この曲は「Love Yourself」とはまた趣向を変えて、前のアルバム『÷(Divide)』(2017)で目立って登場するようになった打込みトラックをうまく使った、ビートを聴かせながらポップなメロディ、といういかにもここんとこのエドらしいヒット曲になってました。

この曲がHot 1002位に初登場した5/25付の週は、そう、あの「Old Town Road」が7週目の1位を驀進中(笑)。「Old Town Road」には何と5曲が2位止まりを余儀なくされ(うち3曲は2位初登場!)、その4曲目の犠牲者となったこの曲、リル・ナズがいなかったら余裕で1位だったでしょうけど、翌週も2位で頑張った後もトップ10内に17週粘ったんですが、その後はわりかし早めにチャートから消えていったのは、その後チャートインしたカリードとのコラボ・シングル「Beautiful People」(最高位13位、僕の予想では年間40位)に人気を取られたんだろうな。

ちょっと気になるのは、この曲も「Beautiful People」も大ヒットのわりにはRIAAのゴールド・プラチナ・シングルの認定が出てないこと。アルバム自体は7/27付に1位初登場で21位だけど、初週の実売が7万枚と、前回の『÷』が初週32万枚を売った彼にしてははなはだ普通の成績なんですよね。そのことと、201656グラミーで「Thinking Out Loud」でSOY受賞した後は、『÷』も「Shape Of You」や「Perfect」も主要部門にはノミネートされずジャンル部門のみの受賞、そして今度のアルバムも主要部門にはノミネートされず、この曲に至ってはそもそもノミネートなしと、あれだけグラミーのお気に入りかと思われたエドが最近グラミーでパッとしないという状況は何を物語ってるんでしょうね。決して彼の人気が急落してるということはないだろうし、事実ライブをやれば彼一人とサンプラーとギターだけで何万人もの観衆を熱狂させるわけなんでねえ(自分も今年4月の東京ドームライブ、観に行ってきっちり熱狂しましたw)。今回のコラボアルバムなど、その前の同様のコラボEPNo.5 Collaborations Project』(2011)同様なかなか意欲的な内容だと思うので、せめてアルバムだけはポップ・アルバム部門、受賞してほしいもんです。


14. Señorita ▲ - Shawn Mendes & Camila Cabello

Hot 100 - 22週、Top 40 - 22週、Top 10 - 22週、Top 5 -21週)
2019.8.31付 1週1位

Senorita.jpg

先ほどのエド&ジャスティンもそうですが、今年も人気アーティスト同士のデュエット・コラボ・シングルがいろいろヒットした1年でした。去年は「Havana」の大ヒットで完全にキューバン・アメリカン・ポップ・シンガーというユニークなポジショニングを強固なものにしたカミラと、去年はSOYに「In My Blood」がノミネートと名実ともに若いポップ・シンガー世代を代表するアーティストの一人になってきたショーンによる、どちらかというとカミラの色に寄り添ったこの「Senorita」もそうした曲の一つ。ショーンカミラの取り合わせはカミラのブレイクアウト・ヒット「I Know What You Did Last Summer」(2015年最高位20位)以来ですからある意味ハマリのコンビといっていいのかも。ちなみに、この曲にもベニー・ブランコが共作者で名を連ねてます。

でもこの曲の重要なポイントとしては、あの!Old Town Road」が19週の1位驀進中の13週目1位の週に初登場2位でHot 100に登場するも1位を取れず、「ああこの曲も」と思われながらその後も何とかトップ5以内に踏ん張って何とチャートイン9週目で見事1位をゲットしたこと。後で出てきますが、同じく「Old Town Road」の下で9週間2位で粘った後にリル・ナズ1位から引きずり下ろしたビリー・アイリッシュBad Guy」と並んで、今年のHot 100「粘り強くがんばったで賞」を上げたい、そんな粘り腰のヒットでした。

ショーンのアルバム『Shawn Mendes』(2018)に収録されてたこの曲、今週リリース予定のカミラのニューアルバム『Romance』にも収録されるとのことで、再来週のアルバムチャートでは上位ランクインが期待されますが、この曲、グラミーでも最優秀ポップ・デュオ・グループ・パフォーマンス部門にノミネートされてて、ここでもリル・ナズと激突してるので(笑)、チャートだけでなくこっちでも撃破してもらいたいですね。


13. High Hopes ▲4 - Panic! At The Disco

Hot 100 - 37週、Top 40 - 37週、Top 10 - 14週、Top 5 -6週)
2019.1.26付 最高位4位

Panic At The Disco High Hopes

Old Town Road」の191位もたいがい疲れましたが、ここ数年ジャンル別チャートでも延々と1位を続けるパターンが結構多くなってきていて、去年の場合だと、カントリーソングチャート501位とほとんど1年間1位だった(笑)ビービー・レクサ&フロリダ・ジョージア・ラインの「Meant To Be」とか、ダンスチャート331位のゼッド/マレン・モリス/グレイの「The Middle」とかがありました。実は今年もそういう曲がいくつかあって、ブレンダン・ウリエ率いるパニック!アット・ザ・ディスコに取っての最大のヒットとなったこの「High Hopes」、去年の11/10付からホット・ロック・ソングチャートをまず34週間制覇。そして何と自分たちの次のシングル「Hey Look Ma, I Made It」がそれと入れ替わりで111位、そして9/21付チャートからは何と「High Hopes」が返り咲きの1位で、今週発表の12/7付チャート現在で依然46週目の1位を続けてるという凄い状況2019年のロック・ソング・チャートはPATD一色だった、ということになります。

今年はリーダーのブレンダンに取っては自分のグループの成功だけじゃなくて、テイラー・スイフトの久々のシングル「ME!」(最高位2位、僕の予想では年間61位)にフィーチャーされて一気に名前がメジャーになったと言う意味で大きな成功の年だったわけです。6作目で昨年リリース(アルバムチャート初登場1位)のアルバム『Pray For The Wicked』からカットされたこの曲、Hot 100チャートインは去年の9/1付で、そこから22週目で最高位を打っているという、こちらもロングヒット(結構今年のヒット、こういうロングヒット多いね)。肝心の曲はというと(笑)今風の打込みトラックベースのロック、というよりもパワー・ポップ・ナンバーですが、リズムが4/4のマーチ風になってるのがPATD風なんでしょうか。取り敢えず僕の今の興味は「いつこの曲がロック・ソング・チャートの1位から降りるか」なんですが(笑)

そして、長期政権ヒットというと、もっととんでもないのが後で出てきます。乞うご期待(笑)。



12. Sicko Mode ▲7 - Travis Scott

Hot 100 - 37週、Top 40 - 30週、Top 10 - 17週、Top 5 -12週)
2018.12.8付 1週1位

Sicko Mode 

リリース直後から、ヒップホップ・コミュニティだけでなくて、ロック系の音楽プレスやミュージシャン達から絶賛の評価を受けていたトラヴィス・スコットのブレイクアウトアルバム『Astroworld』。昨年8/18付アルバムチャート初登場1位の初週は実売27万枚、絶大な購買力の高いシニアファン層の規模を誇るデイヴ・マシューズ・バンド6年ぶりの新作『Come Tomorrow』の初週売上(28万枚)をあわや上回って2018年の最高初週売上を達成しそうになったという状況からも、リスナーの支持度の高さが分かりますね。

テキサスはヒューストン出身のトラヴィスジャック・バーマン・ウェブスター2)ですが、いわゆるサザン・ラップの枠にはめられるような音楽性ではなくて、20歳そこそこの頃からミックステープをリリースしてカニエGOODミュージックや、T.I.グランド・ハッスル・レコードなどと契約するなど、早くからその才能に対するシーンの評価は高かったようです。そしてカニエの『Yeezus』(2013)のトラックや、ジョン・レジェンド、ビッグ・ショーン、リアーナらのトラックのプロデュースで実績を重ねて、自分の作品では2015年のアルバム『Rodeo』からの「Antidote」(最高位16位)がブレイクヒット、メジャーシーンに名を馳せたというわけ。

彼に取って初の
Hot 100ナンバーワンヒットとなったこの曲も、次々にトラック自体が変化していってあたかも3つくらいの違う曲のミックストラックか?と思わせるという複雑な作りで、しかもそれぞれのパートがそこらの凡百のトラップ・チューンとは一味違う。最初のセグメントはクレジットされてないけどいきなりお馴染みのドレイクのラップで始まって、すぐに曲調がガラリと変わって今度はこれもクレジットされてないスウェイ・リーのフロウが始まるという、なかなか今時のラップ・ファンにはたまらない造りになってます。うちのヒップホップ・ヘッズの息子もこのアルバムが出た時に「今年のベストはAstroworldしかない」と断言してました(笑)。

チャート的には、去年の8/18Hot 1004位で初登場してから27週目で、当時1位を走ってたアリアナの「Thank U, Next」を1週だけ1位から引きずり下ろして1位を達成、その後もチャートインから32週間トップ10に居座るというこれも長ーく上位にいたロングヒットでしたUKでも初めてのトップ10ヒット(9位)を記録。トラヴィスはこの後今年10/19Hot 100ではとうとう究極の初登場1位を「Highest In The Room」で達成。こちらは次のアルバム収録の予定のようなんで、そのアルバムも間違いなく初登場1位。これからドンドンメインストリームででかくなっていくと思われるトラヴィス、来年くらいはグラミー主要部門ノミネートも充分ありそうですね。


11.  Truth Hurts ▲2 - Lizzo

Hot 100 - 29週、Top 40 - 27週、Top 10 - 21週、Top 5 - 16週)
2019.9.7-10/12 & 10/26付 7週1位

Lizzo Truth Hurts 

来ました来ました、今回のグラミー賞の台風の目の一人、リゾ(メリサ・ヴィヴィアン・ジェファーソン)史上初めて、主要4部門ノミネートアーティストが2人激突するという、前代未聞の戦いが見られる今回のグラミー、その4部門を今年の最大の台風の目といっていいビリー・アイリッシュとガチで争うことになるのが、マツコ・デラックス渡辺直美かという立派な体格のリゾというのも、まあ近年のグラミー・アカデミーのダイヴァーシティ重視の象徴みたいなもんですね

彼女を知ったのは7080年代のソウルディスコへのオマージュ満点のチョー楽しい曲、「Juice」(最高位82位)をYouTubeでたまたま聴いたのが最初。まあその大きな体格で楽しそうにこの曲を歌うリゾのテンションの高さと天真爛漫さに一発でハマってたら、すぐにこの、歌い出しからして「DNAテストしたら、あたしは100%ビッチだってわかったんだ」というフツーじゃないリリックでコミカルに半分ラップ、半分歌うような「Truth Hurts」がチャートインしてきた。

実はこの曲、もともとは2017年リリースされたけどヒットせず、この歌い出しの部分をTikTokユーザーが「100%アラブ人」とか「100%イギリス人」だとかはては「100%シュレック(爆)」だとかパロディにしてミーム動画をアップしてバズったのがきっかけでめでたく2年後にHot 100チャートインしたというのがヒットの要因だったよう。そしてその後あれよあれよという間にチャートを上昇して「Old Town Road」祭りが終了したタイミングというのも幸いして(笑)、前述の「Senorita」を引きずり下ろして見事1位に到達。女性ソロラッパーのフィーチャリングのないヒットとしては最長記録となる71位(それまでの記録は2017カーディBの「Bodak Yellow」の31位)という、文句なしの2019年を代表するヒットの一つになったのでした

今回のグラミーのノミネートで、新人賞部門の要件をリゾは既に超えているので(過去30曲以上のトラックをリリースしてる場合は本来対象外)新人賞部門はビリー・アイリッシュの独壇場と思われたところ、グラミー・アカデミーの何というか粋な計らいでめでたくリゾも4部門ノミネートとなった、という事情があるので、1月末のグラミー結果が楽しみというか、予想が大変というか(笑)。


さて、この後は2019年、年間トップ10の予想です。いずれ劣らぬ2019を代表するヒットばかりですよー、お楽しみに。

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【年末恒例企画#1】2019年ビルボードHot 100年間チャート予想(Part 1, 20-16位)

今年もいよいよ師走になってこの季節になってきました、毎年お馴染みの【年末恒例企画】シリーズ。まずは第一弾、年間シングルチャート予想です。

今年は例年と違って自分のプライベートの方がかなり不確定要素が高くなっていて、精神的にもなかなか落ち着いてブログとかやってる場合でもないんですけど、そこはそれ「芸は身を助ける」じゃないけど、こういうことでもやってると気も紛れるし、ポジティブさを何とか維持できるというもの。ということで今年も11月のチャートが全て発表されたので、今週末に年間チャートが発表される前に、例によって独自の集計方法で作成した予想をアップしたいと思います。

あと、今年は2010年代デケイドの最終年ということであちこちで「Best Of The Decade」的な企画が飛び交っているので、もし余裕があったらそういうのもプラスでぶち込みたいと思ってます。いや、できるかなあ、かなり心配(汗)

さてシングル年間チャート予想。2019年というと、一昨年が「Despacito」の年で思い出されるのと同様、何と言っても191位のHot 100最長不倒記録をとうとう樹立してしまったリル・ナズXの「Old Town Road」の年で未来永劫語られる年になってしまいました。だいたい長すぎる1位の曲ってのはあたしゃ基本的に好きじゃないし、この曲だって楽曲的には要は鼻歌が単純にTikTokとかでバズっただけじゃん!と思うのですが、これが今のヒット曲の一つのあり方だというのも事実で、ある程度は受け入れなきゃいかんのですが。でもこいつのアルバムをノミネートして、ブルース・スプリングスティーンのあの評価も高いWestern Stars』を無視するとはグラミー・アカデミーの選考コミッティーおかしいぜよ!と思ってしまうんですが。で、その「Old Town Road」が年間チャート1位取って「ダアア!」っていう結果になるのか、乞うご期待(笑)。

前振りが長くなりました。さっそく20位から16位の予想です。まずは年間20位。ちなみに週数などは全て201812月第1週~201911月最終週のチャートイヤー期間中のものです。その期間の前に最高位を記録した場合は、最高位と日付に「*」が付いてます。


20. Better ▲3 - Khalid

Hot 100 - 39週、Top 40 - 29週、Top 10 - 1週)
2019.4.20付 最高位8位

Khalid Better

去年の今頃、このブログでフィフス・ハーモニーノーマニとのデュエット「Love Lies」を年間17位に予想して盛り上がっていたカリード(結果は年間19位、惜しいw)。その時「34位、ヒット中」と言ってた「Better」がその後見事にヒットして、彼のソロクレジットとしては初のトップ10ヒットになって、今年の年間予想20位にランクイン。

例によって浮遊感満点のシンセトラックとカリードのつぶやくようなボーカルはまごうかたなきカリード・ワールドなんだけど、この曲、トラップポップ的なビートがやけに耳につく「今風のはやり歌」ぽいな、と思ったらこれ、もはや大御所のヒットメイカー、スターゲイトとの共作、プロデュースなのね。

デジタルオンリーの『Suncity』(最近ヴァイナル出たらしい!)にも収録されてたこの曲、続いて今年リリースのアルバム『Free Spirit』からの第一弾シングル。昨年末からジワリジワリとチャートを上がって、何と30週目でトップ10入りしたという最近には珍しいロングヒットになりました。UKでも15位のヒット。

でも彼にはもう一曲、惚れ惚れするようなR&Bヒット「Talk」があるのでこっちがどれくらいにランキングされてるでしょうか、こうご期待(^^)


19. Eastside ▲4 - Benny Blanco, Halsey & Khalid

Hot 100 - 34週、Top 40 - 34週、Top 10 - 2週)
2019.1.19付 最高位9位

Benny Blanco Eastside 

そのカリードがこの「Eastside」でも存在感を放ってます。彼とボーカルをシェアするのは自ら初のNo.1ヒット「Without Me」をマークしながら今度のグラミーではガン無視されてしまったホールジー。そしてメインアーティストはベニー・ブランコ(ジャケに写ってる頭モジャモジャの彼ですw)。

ベニーベンジャミン・ジョセフ・レヴィン)は元々2010年代になってソングライターやプロデューサーとしてブレイクした人で、何度もソングライターの殿堂や音楽出版団体BMIの選ぶ年間最優秀ソングライターに選ばれている当世のヒットソングライター。彼の仕事として有名なのは、ケイティ・ペリーの「Teenage Dream」、マルーン5アギレラの「Moves Like Jagger」、ジャスティン・ビーバーの「Love Yourself」やエド・シーランの「Castle On The Hill」などなどこのデケイドの大ヒットばかり。アーティストとしてのヒットはこれが初めてで、この曲は彼とカリード、ホールジー、そしてエド・シーランも共作者に名を連ねてます。曲は確かにジャスティン・ビーバーエド・シーランの最近の曲調をベースに、ちょっとエレクトロな今風のアレンジを施したキャッチーな曲。チャートインしたのは去年の7/28付56位で、そこからこの曲も27週かけてジワリジワリとチャートを上昇して9位を付けたというロングヒットで、やはり楽曲の良さが支持を集めたんだろうね。

UKでは1位をマークしたこの曲、ベニーはボーカルは取らずにカリードホルジーが歌うパターンで、ベニーは言わばクインシー・ジョーンズ的な立ち位置なのかな。しかしこの曲のPV、ベニーカリードホルジーの日常に迫る、みたいな内容でなかなか微笑ましいなあ。アルバム『Friends Keep Secret』からのカット。


18. Going Bad ▲2 - Meek Mill Featuring Drake

Hot 100 - 37週、Top 40 - 31週、Top 10 - 2週)
2018.12.15付 最高位6位

Meek Mill Going Bad 

普通にトラップベースで、ちょっとゴーストフェース・キラを彷彿させるフロウを聴かせるフィラデルフィア出身のある意味今のヒップホップシーンのメインストリーム的な立ち位置のラッパー、ミーク・ミルロバート・リーミーク・ウィリアムズ)。4枚目になるアルバム『Championship』からの「Dangerous」(最高位31位)に続く第2弾シングルで、ミーク初のトップ10ヒットとなったこの曲もそういうトラック。ある意味面白みには欠けるけど、ジェレミーをフィーチャーしてR&Bラップ・トラック的な「Dangerous」や、エラ・メイちゃんをフィーチャーした「24/7」(最高位54位)よりこういうストイックなトラックの方が人気あるということは彼がそういうスタイルのラッパーとして人気を確立してるということかな。

過去の3枚もいずれもBillboard 200のトップ3に初登場してて、この『Championship』もちょうど一年前の2018/12/15付チャートで229,000 EAU(実売42,000枚)という立派な成績でめでたく2作目『Dreams Worth More Than Money』(2015)に続く2枚目の初登場1位を達成。収録19曲中15曲がHot 100にチャートインするという、最近のヒップホップ系アルバムでは定番のチャートアクションを見せてくれました。以前はビーフをかましあって仲の悪かったドレイク(今はビーフは辞めたらしいw)をフィーチャーしたこの曲はその先頭を切って初登場6位=最高位。おりしも2回目のお勤めからシャバに戻ってこのアルバムを作った(笑)ミークに取っては素晴らしいクリスマスプレゼントになったのでした。何やらハリウッド映画風のPVには、ドレイクとミークだけではなくて先日惜しくも凶弾に倒れたニプシー・ハッスルやT.I.、マスタード他、ヒップホップ・アーティスト達が友情出演しているという豪華な作りで、今回は大いにプロモーション予算もあったんだね(笑)。UKでもこの曲13位のヒットに。


17.  Shallow ▲ - Lady Gaga & Bradley Cooper

Hot 100 - 38週、Top 40 - 28週、Top 10 - 5週、Top 5 - 1週)
2019.3.9付 1週1位

Shallow.png

はい、去年のグラミー賞予想では対象期間ぎりぎりにリリースされて「これはもう完全にグラミー主要賞狙いだろ」と話題にした映画『A Star Is Born(アリー/スター誕生)』の主題歌「Shallow」。リリース直後去年の10/13付チャートに28位初登場、次の週5位で一旦ピークを打った後はダラダラと下降傾向だったんだけど、アカデミー賞授賞式でのガガとブラッドリー・クーパーの素晴らしいパフォーマンスがSMSでバズって、チャートイン22週目のその週に21→1位を達成。でもSOYROYの大本命と目されてたんだけど、どちらもチャイルディッシュ・ガンビーノにかっさらわれてしまったのは記憶に新しいところ。最優秀ポップ・デュオ・パフォーマンス部門とビジュアル・メディア向け最優秀ソング部門は穏当に受賞したのでまあ面目は保ったというところでしょう。UKでも1位を記録。

この映画からは、今回のグラミーでも「Always Remember Us This Way」(最高位41位)が堂々ソング・オブ・ジ・イヤー部門にノミネートされているほか、「I'll Never Love Again (Film Version)」(最高位36位)が昨年の「Shallow」に続いてビジュアル・メディア向け最優秀ソング部門に、そしてサントラがビジュアル・メディア向け最優秀サウンドトラック・コンピレーション部門にノミネートされてますが、この映画、もうすっかり去年の作品のイメージが強いんで、同部門にノミネートされてる「ロケットマン」とか「ライオン・キング」とかに比べると大分鮮度が落ちて受賞は厳しいのかも、という感じがしますねえ。




16. Thank U, Next ▲5 - Ariana Grande

Hot 100 - 26週、Top 40 - 22週、Top 10 - 15週、Top 5 - 12週)
2018.11.17-12/1 & 12/15付 7週1位*

Ariana Grande Thank U Next

昨年はボーイフレンドのマック・ミラーODやマンチェスターのコンサートでのテロなど、辛いことの多かったアリア2019年はいい年になりますように、と去年のこのブログで書いたのだけど、その通り、2019年はアリアナに取って久々に充実した1年になったのでは。中でも、この曲は前のアルバム『Sweetener』から半年を開けずに今年2月にリリースされた同名タイトルアルバムの先行シングルとしてリリース、堂々の初登場1位(女性アーティストのHot 100初登場1位は2015年のアデル「Hello」以来)、その後71位を記録して彼女にとって初のナンバーワンヒットになりました(途中1週だけトラヴィス・スコットSicko Mode』に1位を取られた)。曲中に彼女の過去のボーイフレンド達(ビッグ・ショーンから始まって故マック・ミラーまで)が実名で歌われているのが当時話題になったこの曲、打込みベースのトラックながら彼女が元カレ達に感謝してるというポジティブなイメージが楽曲の印象をホンワカと暖かくしてるし、いっそう彼女への共感を(特に女性ファン)集めたのが彼女の最大のヒットとなった大きな要因だった、というのはいろんなファン達が登場してアリアナをサポートするコメントしてるPVを見ても伝わってくるね。

さて、アリアナはこのアルバムからこれに続くナンバーワンヒット「7 Rings」がヒットしたわけですが、そちらは年間何位にランキング予想されてるか?こちらも乞うご期待。


さてできれば今夜くらいには11位~15位の予想もアップしたいな。続く。

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

【年末恒例企画#1】ビルボードHot 100年間チャート予想(Part 4, 5-1位)

さていよいよ12月に突入、忘年会、正月の準備や年賀状など、何かと年末年始の予定が立て込んでくる時期ですが、今年は一向に寒さが進まないので何か年末感がいつもの年に比べると希薄なような。でもこの年間チャート予想で年末感をガンガン盛り上げて行きましょう(笑)。

ということでいよいよ仕上げ、2018年年間チャートトップ5予想の発表です。


5. I Like It ▲2 Cardi B, Bad Bunny & J Balvin

Hot 100 - 32週、Top 40 - 32週、Top 10 - 21週、Top 5 - 15週)

2018.7.7付 1週1位

Cardi B I Like It 

やっぱり2018年というとこの人をおいては語れないわけで。NYはブロンクス出身、ストリッパーから身を起こし、Vineインスタグラムでポストした内容がいきなりヴァイラルになってネット上セレブとして注目されたのがきっかけでVH1のヒップホップリアリティTV番組のレギュラーとなってそのタレントとしての知名度を確立。満を持して昨年9月にリリースした今時にしてはオールド・スクールなスタイルのビヤッチ・ラップ・シングル「Bodak Yellow (Money Moves)」がたちまちのうちに3週連続のNo. 1となり、昨年の年間チャートでも、後半の期間が対象外にも関わらず、年間24位にランクされる大ヒットに。

今年はその勢いをそのまま持続させて、やれブルーノ・マーズとコラボして「Finesse」(年間チャート予想では22位)のリミックスバージョンを大ヒットさせるは、この予想の最初の方で出てきたマルーン5のナンバーワン・ヒット「Girls Like You」にフィーチャーされてお得意のビヤッチ・ラップをかませるは、4月には待望のフルアルバム『Invasion Of Privacy』リリースと同時に初登場1位になるはと相変わらずのパワーと活躍ぶりを見せ付けているカーディB

年間5位予想にランクされたこの「I Like It」はディバージのあの曲ではなく(笑)、プエルトリコ出身のトラップ/レガトン・シンガーのバッド・バニーと、コロンビア出身のレガトン・シンガー、J バルヴィン(彼は去年全米3位の大ヒットとなった「Mi Gente」をフランス人の黒人DJウィリー・ウィリアムスビヨンセとのコラボで大ヒットさせてた)をフィーチャーした、去年の「Despacito」からこっち、めっきりメインストリームに存在感が増してきたラテン風味のトラップ・チューン。ラテン・ファンならタイトルから分かるように、ピート・ロドリゲス1967年の有名曲「I Like It Like That」(何かのCMでも使われてたような気が)の有名なフレーズを冒頭にサンプリングしててツカミはバッチリのオープニングに、サルサ風のバックトラックに乗ってカーディBがガンガンにラップするという、正に勢いに乗った曲。

上記のように去年くらいから、従来は基本サブジャンル的だったラテン・ポップやラテン・ヒップホップが、「Despacito」「Mi Gente」等のヒットでぐっとメインストリームに出てきた感があってHot 100にも従来にない頻度でラテン系のトラックが入ってくるようになりました。このカーディBのヒットはその辺を見事に狙って当てた、周到なマーケティング戦略を感じる曲で、これにカーディBの勢いが乗ったもんだからえらいもんで(笑)。

4月21日付でいきなり8位に初登場してその後はジリジリ落ちて行ったのが、6月9日付のチャートでその直前にドロップされたオフィシャルPVのおかげでいきなり19位→7位と動きが反転。そこから一気に4週でXXXテンタシオンの「Sad!」を蹴落として1位になるというチャートアクションでした。1位は1週だけだったけど、トップ3に15週も居座るというロングヒットになって今現在もまだチャートイン中。既に「Bodak Yellow」が去年のヒットなのと、去年までに2枚のそれぞれ10曲以上収録のミックステープをリリースしてるので、今年のグラミー賞新人部門には対象外ですが、もし対象であればまあブッチギリの強力候補になったでしょうねえ。正しく2018年を代表する一人、カーディB、まだまだ進撃は続きそうです





4. Psycho ▲3 - Post Malone Featuring Ty Dolla $ign

Hot 100 - 38週、Top 40 - 33週、Top 10 - 21週、Top 5 - 17週)

2018.6.16付 1週1位

Post_Malone_Psycho.png

そしてポスト・マローンのもう一曲、ここに出てきましたな。「Rockstar」とほぼ同じような楽曲フォーマットで、明るいどよ~んとしたシンセトラックをバックに、イントロではチェレスタっぽいバロック鍵盤っぽいサウンドを使ってるのがやや耳新しいくらいで、基本的には「Rockstar」の路線で、いわば「叙情的トラップ・ポップ・ソング」で、どちらかというと夜遅くにチルアウトする時のBGMにも十分使える、そんなメインストリーム性をしっかり確保してるあたりが彼の真骨頂。よく言えば耳あたりがいい、悪く言うと毒にも薬にもならないトラップっぽいポップ・ソングって感じですか。あ、以外と自分は好きですけどね

PVではなぜか荒野を戦車を乗り回しながらラップする(笑)ポスト。途中でどこからともなく登場して同じようなトーンでラップするタイ・ダラ・サイン。まあ彼もフィフス・ハーモニーとかポップ・スターとのコラボを積極的にやってるラッパーなので意外感はないですが。

この曲もチャート的には強力で、ドレイクが「God’s Plan」で1位を独走中にいきなり2位初登場、そこから13週間トップ5を上下しながらうろうろしてて、その間にドレイクは「Nice For What」を連続1位にしたし、チャイルディッシュ・ガンビーノの1位初登場とかあったから「こりゃさすがにこの曲1位はないか」と思ってたらなーんとこれらの曲が息切れしたタイミングの、チャートイン15週目(この間ずっとトップ5)にするっと1週だけ1位を掠め取るという、ソツがないというかポストらしいというか、そんなナンバーワンヒットでした。



というわけでいよいよ年間チャート予想トップ3です。


3. Meant To Be ▲3 Bebe Rexha & Florida Georgia Line

Hot 100 - 49週、Top 40 - 47週、Top 10 - 19週、Top 5 - 11週)

2018.3.31-4.14付 3週2位


Bebe Rexha Meant To Be 

最高位2位ながら、今回集計対象曲中最長の49週間Hot 100滞在(トータルでは52週だからきっちり1年間Hot 100にいたことになる)というロングヒットぶりと、カントリー・シングルチャートではこれまでの記録を大幅に更新する驚きの50週間1位を独走するという大ヒットぶりで見事年間予想3位に入ってきた「Meant To Be」。ビービー・レクサ嬢はご存知の方も多いと思いますが、これまでに白人ラッパーのG-Eazyとのコラボヒット「Me, Myself & I」(2015年最高位7位)やオランダ人DJのマーティン・ガリックスとのコラボヒット「In The Name Of Love」(2016年最高位24位)など、もっぱらいろんなジャンルのアーティストとのコラボヒットでここ数年存在感を上げてきた、ホワイトブロンドがセクシーなR&B寄りのポップ・シンガー。その彼女が今回は、こちらもロック系のアーティストやヒップホップ・アーティストとのジャンル越えのコラボヒットではつとに有名なカントリー・デュオ、フロリダ・ジョージア・ラインと組んで放ったヒットがこの「Meant To Be」。

曲はビービーFGLの片割れのタイラー・ハバードと他2名と共作した、ちょっとマッチョな感じのメインストリーム・カントリー・ポップ、という感じで、歌詞的には道端でヒッチハイクする女の子に「乗ってきなよ、乗ってきなよ/俺達は結ばれる運命だぜ/この後どうなるか試してみようぜ」という男に対して「最近男にひどい仕打ちを受けて傷ついてるの/見せかけの愛はもうたくさん/あなたを信じられるかどうか見せて」と女が返す、という何だか昭和ムード歌謡みたいな(笑)えらくベタな内容なんですが、まあ分かりやすいし、カントリー・ファンには琴線に響くだろうし、それよりも何よりもこのPVのビービーがむちゃくちゃ魅力的に撮られてて、多分にそれがYoutubeのPVプレイ回数6億回越えにつながってチャート上のヒットにつながった部分も多いにあるんじゃないかと。

この曲は他のカーディBポスト・マローン、ドレイクらのヒットと違って、昨年11月11日付61位で初登場してから、地味―に着実にチャートを上昇、22週かけて最高位の2位に到達ポスト・マローンのような勢いは残念ながらなかったか、ドレイクの「God’s Plan」に1位を阻まれて2位どまりでした。それでも、去年サム・ハントが樹立して誰も破れないと思った、カントリー・シングル・チャートの34週1位、という記録を軽々と更新、50週1位の大記録を打ち立てたのでした。

この後ビービーはようやくソロ名義のトップ40ヒット「I’m A Mess」(最高位35位、共作者にメレディス・ブルックスという懐かしい名前が!)をマークして、ソロシンガー、ビービーとしての正念場はこれからでしょうなあ。



さて、注目の年間チャート予想第2位は。


2. God’s Plan ▲8 - Drake

Hot 100 - 36週、Top 40 - 35週、Top 10 - 26週、Top 5 - 22週)

2018.2.3-4.14付 11週1位

Drake Gods Plan

ここで「おいおい、今年最長の11週1位なのに何で年間2位なの?」と思ったあなた、大変ごもっともです。正直言って、本チャンの年間チャートは自分の集計方法(チャート上のランキング順位と週数をポイント化して集計)とは違って、当然毎週のチャートポイント、すなわち実売売上枚数(ダウンロード含む)プラスストリーミング回数とYouTubeなどのSNSでの動画再生回数をアルバム枚数に換算したポイントの積み上げで集計してるはずなので、多分この「God's Plan」、年間1位行ってても全くおかしくないと思います。ではほらあなた、この年間チャート予想なんてなのは、自分のやりたい方法で集計して予想するのが楽しいんであって。もちろん当たれば楽しいけど、当たらなくても自分なりの予想がこうだよ、ってのが発表できれば僕的には十分楽しめてるのですよ

と、何やら言い訳めいたコメントになってしまいましたが、僕の予想では「God's Plan」は年間2位。今回改めて『Scorpion』聴いてみたんですが、やっぱこのアルバム、ドレイクのこれまでの集大成、みたいな感じで鉄板のメインストリームをかなーり意識して作ったアルバムのように聞こえるので、ほとんどオールドスクールヒップホップの雰囲気なんですよね。トラック的にははやりのトラップ・スタイルなんだけど、何やら懐かしさすら感じさせるドレイクのフロウ、もう安定の極みですよね。後ろでチキチキハイハットは鳴ってるし、どよ~んのシンセトラックなんだけど、トラップっぽく聞こえないのはやっぱりドレイクのフロウが安定してるし、自分のスタイルを保ってるからだと思います。安心して聴けるというか。

この曲、最初は「Scary Hours」というEPというかシングルでリリースされた後に、『Scorpion』のシングルとしてリリースされて、初登場1位からそのまま11週突っ走ってしまったお化けヒット。そのまま19週間トップ3、22週間トップ5にステイ、トップ40の35週中、26週はトップ10だったという凄さでした。

今週にはノミネートが発表されるグラミー賞ですが、自分は予想に入れなかったけど、『Scorpion』、アルバム部門にノミネートされるかも、という感じがヒシヒシとしてきましたね。よく出来たアルバムだと思う、ほんとに。



ということでいよいよ年間予想1位です!


1. Perfect ▲4 - Ed Sheeran (Duet with Beyonce)

Hot 100 - 45週、Top 40 - 45週、Top 10 - 24週、Top 5 - 18週)

2017.12.23 - 2018.1.20付 6週1位

Ed Sheeran Perfect

何と6週1位のエド・シーランが11週1位のドレイクを押さえて堂々年間1位。その理由はひとえにHot 100とトップ40の滞在週数が、ドレイクよりもそれぞれ10週多い、という超ロングランヒットとなったこの曲の強みだったと思います。本チャンは順位逆かもしれませんが、少なくとも僕の集計方法だとそこが効いたと

アルバム『÷』からの4枚目のシングルだったこの曲、エドがイビザにあるジェームス・ブラントの家に遊びに行った時に、明け方になぜかフューチャーの曲を聴きながら踊ってた時にふと思いついて書いた曲らしい。エドはこの前のアルバム『X』からの大ヒット「Thinking Out Loud」(名曲!)が自分を定義する曲になったなあ、と思っていて、それを超える曲を書きたい、ということでこの曲を書いたらしいんですね

その思いが楽曲に現れているなあ、と思うのは「Thinking Out Loud」がトルバドゥールっぽい感じの曲だったのに対して、この曲は歌にもコブシが入っているほどちょっとエモーショナルな感じが魅力の曲になってると思うんですよね。そしてこの曲のそういうところを反映してか、最初はエドのソロのバージョンがチャートを上がって行ったんですが、チャートイン11週目、ちょうどトップ3に入ったところでビヨンセとのデュエット・バージョン、その名も「Perfect Duet」というバージョンがリリースされて、それがこの曲を次の週に1位に押し上げた大きな要因だったと思うんです。またその後オペラシンガーのアンドレア・ボッチェリとのデュエット・バージョン「Perfect Symphony」というのもリリースされたりと、ある意味エドの楽曲をいくつもの再定義を重ねて大きなヒットにつながった、そんな楽曲だったような気がします。だから、3年前に「Thinking Out Loud」がソング・オブ・ジ・イヤーを取ったように、この曲は今度のグラミーではソング・オブ・ジ・イヤー、そしてレコード・オブ・ジ・イヤー部門でも台風の目の一つになると思うんだなあ

チャート的には、昨年3月に『÷』がリリースされた時に一瞬35位に初登場して3週だけチャートインした後、改めて去年10/7に再チャートインした時は89位からのスタートで、そこから58位→34位とぐいっとアップして8週目にはもうトップ10入りしていたというまあ横綱相撲のチャートアクションでしたねえ

来年には来日が決まったエド・シーラン、今回はドームというのがちょっと残念だけども、またステージでギター1本とサンプラーだけでいろんなパフォーマンスをしてくれるのを楽しみにしたいと思います。あ、グラミー賞でもきっと素晴らし胃パフォーマンスを見せてくれるだろうな、と期待してます。





ということで年間チャート予想カウントダウン、いかがだったでしょうか?今週の木曜日には多分年間チャートの本チャンが発表になると思うので、今年はどれくらい当たってるか、また集計してこのブログでアップすることにします。次の年末恒例企画は私が選ぶ2018年のベストアルバム、どうぞこうご期待(^^)。

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

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