Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
■棚から一掴みその2
一週間のご無沙汰です。先週に続いてまた何枚かアルバムを聴いたので瞬間レビューをば。

■ The Raconteurs "Broken Boy Soldiers"

BrokenBoySoldiers.jpg個人的に2枚のアルバムが凄く気に入ってるホワイト・ストライプスジャック・ホワイトがパワー・ポップ系のアーティスト、ブレンダン・ベンソンと組んで作ったプロジェクト・バンド、ということでブレンダン・ベンソンは不勉強ながら知らなかったんだけどアルバム出た時から結構気にはなっていた1枚。シングルヒットした「Steady, As She Goes」がどっちかというと昔のイギリスのパブロック・バンド的な結構レトロな感じだったからジャック・ホワイトのキレ具合に馴染んでいた僕のイメージとは結構外れてて「あれ?」と思ったもんだ。で、アルバム通して聴いて見ると、シングルのイメージと全く同様に60年代~70年代のフーとかスモール・フェイセズとか、あの辺のイメージを彷彿とさせる音作りでちょっと驚いてしまった。作ってる彼らも結構意識してるっぽくて、ジャケもなんだか昔の名盤風なレトロな感じである。ここまでコンセプトをはっきりして徹底してやってくれると「今どき古くさい」ということもなく、結構新鮮だったりするのが面白いところ。「Store Bought Bones」なんてオルガンが暴れて、まるでアイアン・バタフライだし。しかし不思議なのはジャック・ホワイトの毒気みたいなものがあまり感じられないことで、これはきっとブレンダン・ベンソンのオーラが全体を支配してるのかも。ということで次はブレンダン・ベンソンの作品を聴いてみなくては、と思ったのでした。

■ Boston "Boston" (Reissue)

いやー、これはね。(しばし絶句)結構涙ものですよ。ボストンのこのアルバムは、個人的
Boston.jpgにもの凄く思い入れあってね。何せ、30年くらい前に始めて東京に出てきた時に最初に行ったライヴが後楽園(現東京ドーム)のボストンの初来日公演だったんだよね。当時はいい席を確保するテクもコネもなく、2階席最上部分に張り付くようにして見たんだけど、初めて見る本格的ロックバンドのライヴに感動してました。僕が本格的にチャートを聴くようになって、1ヶ月くらいした頃、当時デビューしたばかりの彼らのこのアルバムからのシングル「宇宙の彼方に」(More Than A Feeling)をチャート番組でフェーディングの猛烈に激しいAMラジオのノイズ越しに聴いた時は感動して、すぐアルバムを買いに走ったもんね。それからしばらくというもの歌詞カードを片手にひたすら聴いた甲斐あって、今でも9割方全曲そらで歌えちゃったりする。しかし今聴いてもこれはやはり名盤だな。去年トム・ショルツ自らリマスターした再発盤でしかも紙ジャケという、昔のファンにはたまらない仕様。この発売を教えてくれたけいさんには感謝です。

■ NaS "Hip Hop Is Dead"

HipHopIsDead.jpg英語を母国語としてない我々がアメリカのヒップホップを聴く時に、どうしても楽曲評価サイドに偏らざるを得ないのは致し方のないところ。もちろんだからといってリリックを無視しても良いということにはならず、リリックを押さえるべきアーティストや作品については歌詞カードと向き合ってパフォーマーのメッセージを受け止めるべきであるのはいうまでもない。ただ楽曲的に極めてストイックなビートオンリーのトラックにリリックのメッセージ性だけで高い評価を、というのはやはり我々非英語圏のリスナーに取っては辛い。その点ナスの偉いところはメッセージ性を妥協することなく、かつ楽曲のエンターテインメント性も常に維持してくれるところで、我々としてまず楽曲で引き込まれていくことができるので評価がしやすい。ジェイZとの長らくのビーフも和解をみて、これまでのコロンビアからそのジェイZ率いるデフ・ジャムに移籍したドロップした第1弾、ということでシーンではいやでも注目を集めている本作だけど、本人はそんなこととは関係なく、いきなり繰り出すメッセージが『ヒップホップはもう死んだ』というショッキングなもの。リリックを追ってみると、彼がジェイZとのビーフをやめた理由が何となく判る。今そういう身内の諍いをしてる場合じゃない、最近の成り上がりラッパー達の拝金主義、女やドラッグ、周りへのディスだけしかない貧困なリリックとテクのなさがヒップホップを殺しちまったんだ!という叫び。トラックのクオリティは相変わらず高く、「You Can't Kill Me」「Carry On Tradition」なんて上記のリリックと併せてトラックはひたすら格好いいし、ブラック・アイド・ピーズウィル・アイ・アムと組んだタイトルナンバーはロック調のサンプリングが今までにない感じで新鮮。極めつけはあのナタリー・コールナット・キング・コールの「Unforgettable」をベーストラック・ループにまんま使いきってしまっている「Can't Forget About You」。といってもセルアウトにならずにリズムに乗りきってライムしているナスのテクがあるからこそのトラックの充実度というべきだろう。これからのデフ・ジャムでのナスの活躍が期待できそうな1枚。

ああ、ナスのアルバムは昨年ものでも12月発売で最近だったからつい力が入って書きすぎちゃった。続きはまた来週ね。
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■棚からひと掴み - 2006年の聞き残しアルバム中心に
ええ、皆さん明けましておめでとうございます。なーんて実に5ヶ月半ぶりにブログ更新しておめでとうもないよね。今年は少しまたペースを取り戻して書き込みしてみようかと思うのでまあ許して下さい。

といってもそんなに気合いの入ったものは書けないので、この週末家で久々にCDをまとめて聴いたのでそのコメントをちょっとレビューっぽく書いてみます。達郎先生のマネですが「棚からひとつかみ」ってやつで。実は年末に2006年のアルバムを慌ててまとめ買いしたのだけど、まだ全部聴けてなくてその消化も兼ねてますのでま、おつきあいを。

■ The Beatles "Love"Love.jpg

こういうビートルズの企画物はあまり肩肘張らずに、お遊びと割り切って聴くと素直に聴けて腹も立たないというもの。今回ジョージ・マーティン大先生が息子と組んでリミックスしているというのでヒップホップとかラップロック的な方向性に流れたマッシュアップでなく、結構茶室でお手前を頂きながら正しくお手並みを拝見、といった感じの出来でジョージの生真面目な人柄が伺える出来になっている。中古屋でそのうち1000円以下で出回ると思うので、それから買って聴いてもいいと思うけど、一回聴く価値はあるかもね。まあ一回聴いたら十分という説もあるが。

ModernTimes.jpg■ Bob Dylan "Modern Times"

うーん力強い佳作だと想うけど、ミュージック・マガジンの年間ベストになるほどかなあ。ただここんとこの頑固じいさんボブ・ディランの作品の中では一番精進料理度が低い、つまり意外とメインストリーム的なアプローチもそこここに見せているので、ディランに馴染みのない人も、あのダミ声を気にしなければ結構気にいるトラックの1つ2つは見つけられるのでは?

■ Neko Case "Fox Confessor Brings The Flood"

今回このアルバムで初めて聴いたニーコ・ケイスの気合いの入った作品。実はアーティストFoxConfessorBringsTheFlood.jpg名は前から知っていたが日本好きのインディー・バンド(猫ケース?)だと思っていた。ああ勘違い。実はエミルー・ハリスからキャスリーン・エドワーズにつながる清冽さを持ち味としたカントリー系女性シンガー・ソングライターという、僕のツボにはまるタイプの人だと今回初めて認識。Allmusic.comで「これが2006年のべストの一つでないというなら何がベストなのか?」なんていうえらい気張ったコメントが付いていたので興味本位もあって聴いてみた。のっけからクリスタルのような声でかなりテンションの高い歌声が。これで延々とやられるとちょっと疲れるところだが、一曲一曲が結構短いのでテンポよく聴けた。多分何度も聞き返すうちにどんどんはまっていくのでは、そんなことを思わせる不思議な作品ではある。

■ Dixie Chicks "Taking The Long Way"

TakingTheLongWay.jpgブランクを感じさせず、円熟と貫禄を感じさせる充実作。聴く前の期待に違わず、どっしりとした楽曲展開、嫌味なく心地よくバックの演奏に乗ってストレートに歌声を聞かせる3人。特にラストの「I Hope」のゴスペル的カタルシスに結構はまった。多くの曲が70年代から80年代にかけて僕らの世代が聞き親しんだウェスト・コースト系ロックのエレメントを持っていて、僕ら中年ロックファンはきっと楽しく聴けるだろうし、そのへんが今度のグラミーのアルバム部門にノミネートされた所以でもあるのだろう。「So Hard」のイントロのギターリフを聴いてイーグルスの「In The City」(アルバム『The Long Run』所収)を思い出したのは多分僕だけではないよね。彼らのスタジオワークを収録したDVDも楽しい。
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■ My Chemical Romance "The Black Parade"

なかなかいい。ポップ・エモというか突き抜けていて変に構えていないところが爽快。ヒットした「Welcome To The Black Parade」は楽曲としてもよく出来ているが、他の曲もクオリティという面では粒ぞろいだ。といっても特に奇をてらっているわけでもないし、複雑なことをしているわけではない。メインストリームでも通用するが、ポップに堕することのない、力の入った曲が並んでいて好感度大だね。

■ Spinners "Pick Of The Litter"
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ご存知ライノが再発したデトロイトの誇り、70年代に大活躍した"正しい”ソウル・グループ、スピナーズ1975年の名盤。嫁さんと聞いてて「懐かしい感じだねー」というコメントが出てくる。ホントそんな感じ。「Games People Play」なんて聴くと、純粋にヒットチャートを聴いていた頃(そしてヒットチャートに素敵な曲がいっぱい上ってきていた頃)を思わず思い出してしまってなごんだ。

■ Spinners "New & Improved"New&Improved.jpg   

これも同じくライノのリイシュー盤。こちらも全米ナンバーワンヒット「Then Came You」を含む名盤。日曜の起き抜けに聴いたら気持ちいいかも、と思って起きるなり棚からひっつかんで朝飯食いながら聴いたらやっぱり気持ちいい。音が丸いし、声が暖かいんだよねー。

■ Common "Cool CommonCoolCommonCollected.jpg Collected"



リミックスと未発表バージョン集。やっぱり「The Light」「Come Close」といった聞き慣れた曲のリミックスが耳に心地よい。久々にエリカ・バドゥやQティップの声を聴いて、ヒップホップの楽しさを再認識。コモンもそろそろ新作が聴きたいころ。一昨年の『Be』も良かったしね。


まだまだ「積ん聴くCD」が残ってるのでこの続きはまた来週。
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