Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
【新企画】新旧お宝アルバム!#25 「Adventures In Paradise」 Minnie Riperton (1975)

#25Adventures In Paradise(ミニーの楽園)』Minnie Riperton (Epic, 1975)


2015年もいよいよ最終週。年末の大掃除や年賀状、お節の準備など慌ただしくも心弾む毎日を過ごされていることと思います。こういう年末の時期は、やっぱり心落ち着く音楽や気持ちをゆったり持てて一年を振り返ることのできる音楽をゆっくり楽しみたいものですね。

そこで今年最後の「新旧お宝アルバム!」、「旧」のアルバムとして取り上げるのは、ソウルファンのみならず70年代からの洋楽ファンであれば多くの方が名曲で全米No.1ヒットの「Lovin' You」でご存知のミニー・リパートンがその「Lovin' You」を含むアルバム『Perfect Angel』の次にリリースした隠れた名盤『Adventures In Paradise(ミニーの楽園)』を取り上げます。


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ミニー・リパートンといえば、5オクターブの音域を誇るコロラチュラ・ソプラノ・ボイスで有名で、冒頭でも触れた「Lovin' You」の中でもその高音域のボーカルテクニックをとても自然にかつダイナミックに見せつけてくれ、当時の音楽ファンのみならずミュージシャン達の間でも敬愛されていたシンガー。

スティーヴィー・ワンダーの全面プロデュースでその「Lovin' You」の大ヒットを含むアルバム『Perfect Angel』は全米アルバム・チャートで4位に昇る出世作となりましたが、それに続くこのアルバムからは前作のような大ヒットシングルも出ず、アルバム自体もチャートでは前作ほどのヒットにはなっていません。

しかしだからといってこのアルバムが前作に劣るわけではありません。ミニーとソングライティング・パートナーで夫のリチャード・ルドルフは、おりから自分のアルバム『Songs In The Key Of Life』の制作に没頭していたスティーヴーの代わりに、数々の第一線のポップ、ジャズ、R&Bアーティスト達を手がけてきたベテラン・プロデューサーのスチュアート・レヴィンを迎え、3人での共同プロデュース体勢でこのアルバムの制作に着手。

また、こちらも当時間もなく発売されるマーヴィン・ゲイの歴史的名盤『I Want You』(1976)でその名を一躍知られることになるR&Bソングライターのレオン・ウェア3曲でミニー夫婦と共作、さらにはクルセイダーズのメンバーだったギターのラリー・カールトンとキーボードのジョー・サンプルを中心として、トム・スコット(サックス)やジム・ゴードン(ドラムス)といったジャズ・ミュージシャンや名うてのセッションプレイヤー達ががっちりとバックを固める体勢。これで悪いレコードができるわけがなく、前作がど真ん中ストライクのソウル・アルバムだったとすると、このアルバムはよりジャズ・ソウル的なスムーズなグルーヴと魅力をふんだんに湛えた、70年代を代表すべき作品に仕上がっていました。




このアルバム全体を聴いて感じるのは、ジャジーなトラックをタイトな演奏で固めるバックに気持よく身を任せるかのような、ミニーのボーカル。前作では妖精のような高音ボーカルを駆使しながら、ストレートな愛と夢と神への憧憬を歌っていたミニーのボーカルが昼間にさえずる小鳥の声だったとすると、このアルバムでは打って変わったように夜のイメージを喚起させるジャズ・トラックに乗って、レオン・ウェアとの共作曲「Baby, This Love I Have」「Inside My Love」といったセクシーで官能的な男女の愛を歌うミニーの歌声は月夜に佇んでセレナーデを歌う妖艶な美女の歌声といったイメージです。

そんな一方でジョー・サンプルが共作したアルバム・タイトル曲は、正にクルセイダーズっぽいアップテンポなトラックに、ミニーの高音域ボーカルがあたかも楽器の一つのように一体となったパフォーマンスで、また違ったグルーヴを楽しむことができます。

また、アルバム後半、アップテンポなナンバーの後にアコギの爪弾きに始まり、ほっとするような静かなトラックとミニーの美しいボーカルが楽しめる「Alone In Brewster Bay」などの曲もまた違った表情を感じることが出来、このアルバムの楽曲の多様性を感じさせてくれます。


70年代のこうしたジャズとソウルがブレンドされたような楽曲はレア・グルーヴなどと呼ばれて、その後90年代以降のR&Bやヒップホップ・アーティスト達に強い影響を与えていることが多いわけですが、このアルバムの後のR&B・ヒップホップシーンに及ぼす影響はとりわけ大きいものがあり、数々のアーティスト達がこのアルバムにインスピレーションを受けています。

ミニーの歓喜にうめくようなボーカルがアルバム中最も官能的と言われる「Inside My Love」は後にR&Bシンガーのシャンテ・ムーアがカバー、映画監督のクエンティン・タランティーノは映画『Jackie Brown(1997)の一シーンで使うなど、人気の高い曲。

またアルバムのオープニングを飾るこちらも官能的なミニーの歌声が聴くものの興奮を呼ぶナンバー「Baby, This Love I Have」は、90年代を代表するヒップホップ・グループ、ア・トライブ・コールド・クエストの代表曲「Check The Rhyme」にサンプリングされるなど、このアルバムの及ぼす影響を如実に表しています。

ミュージシャンたちに限らず、70年代のR&B・ソウルファンの間では、このアルバムは前作に劣らず根強い人気を誇る盤ですが、残念ながら最近このアルバムが広くラジオなどで紹介されることは少ないのが残念なところです。

Adventures In Paradise_back_2


この後ミニーは乳がんと診断され、乳房除去手術を受けるなどしながら自らが癌であることを公表し、最後までツアーとレコーディング活動を続けていましたが、残念ながら1979712日、31歳の若さで他界しています。

しかし「Lovin' You」とアルバム『Perfect Angel』が後のマライア・キャリーを始めとする90年代以降のR&B女性シンガーたちに大きなインスピレーションを与え、このアルバム『Adventures In Paradise』がこの時代のジャズ・ソウルの代表的名盤の一つとして、そしてヒップホップにおいて人気の高いサンプリング・ソースとして様々な影響を与えていることが、他ならぬミニーのアーティストとしての素晴らしい遺産として受け継がれていることを、最近のR&Bやヒップホップ作品を聴くにつけ感じます。

ミニーの他界当時7歳だった娘のマヤ・ルドルフはその後TV人気コメディ番組『Saturday Night Live』の1999年シーズンのキャストとして頭角を現し、その後も女優・コメディアンヌとして活躍しています。

ミニーの生の歌はもう聴くことができませんが、こうしてミニーのレガシーを感じながら、このアルバムのミニーの素晴らしいボーカルと心地良いグルーヴに身を任せて年末の一時を過ごすのもなかなかオツなものではありませんか。


<チャートデータ>

ビルボード誌全米アルバム・チャート 最高位18位(1975.7.26付)

同全米ソウルLPチャート 最高位5位(1975.8.29付)


Inside My Love

同全米シングル・チャート(Hot 100)最高位76位(1975.8.2330付)

同全米ソウル・シングル・チャート 最高位26位(1975.9.20付)

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【新企画】新旧お宝アルバム!#24 「Nina Revisited: A Tribute To Nina Simone」 Various Artists (2015)

#24『Nina Revisited: A Tribute To Nina Simone』Various Artists (Revive / RCA, 2015)


さていよいよ2015年も押し詰まってきて、今週はクリスマス・ウィーク。今週いっぱいで仕事納めで来週は年末年始のお休み、という方も多いのでは。このコラムも年内今回を含めてあと2回になりました。

そこで今週の「新旧お宝アルバム!」でご紹介する「新」のアルバムは、あのローリン・ヒルを中心に数々のアーティストが集まって作り上げた、1950~70年代にかけてシンガーソングライターとして、ピアニストとして、そして社会活動家として激動の人生を送り、ジャズを中心に様々な作品を発表して今も女性R&Bシンガーからの深い敬愛を集める、アメリカを代表するアーティスト、ニーナ・シモンのトリビュートアルバム『Nina Revisited: A Tribute To Nina Simone』をご紹介します。

Nina Revisited Front

ニーナ・シモンというと、ジャズボーカルファンの間では周知のビッグ・アーティストですが、一般的に日本では80年代に「My Baby Just Care For Me」がシャネルNo.5のTVCMに使われたことで名前とその独特の歌声と歌唱スタイルを知った、という方も多いと思います。

そのニーナ・シモン、欧米では単にジャズ・ボーカリストとしてだけではなく、黒人であることに誇りを持ったシンガーソングライターであり、1963年の人種差別主義者によるアラバマ州バーミンガムの教会爆破事件に抗議した「Mississippi Goddam」を書いたり、昨年映画「Glory」の題材となったアラバマ州セルマからバーミンガムへの人種差別に抗議する行進に参加したり、マーティン・ルーサー・キング牧師の暗殺直後のライブで「Why? (The King Of Love Is Dead)」といった曲を歌ったりと、60年代の黒人市民権運動に積極的に関与した社会活動家としても知られているのです。

そんなニーナのトリビュートアルバムは過去にも何枚か出ているのですが、今回のトリビュート・アルバムは、今年ネットフリックス(先日日本にも進出してきたストリーミング・ビデオ配給会社)企画のドキュメンタリー「What Happened, Miss Simone?」の放映とタイミングを合わせて企画されたもののようです。

昨年のミズーリ州ファーガソンでの黒人少年マイケル・ブラウンの警官による射殺事件による抗議活動に端を発し、ここしばらくアメリカではまた人種間の軋轢が高まっている中、黒人市民権運動に積極的だったニーナのトリビュートアルバムとドキュメンタリーが制作されたことには大きな意味がこめられているものと思います。

そうして作られたこのトリビュートアルバム、いろんな意味でとてもユニークで素晴らしいアルバムに仕上がっています。具体的には、

1.アルバムの構成が、16曲中6曲をあのローリン・ヒルが担当し自らパフォーム、一方7曲を今最もR&B/ジャズシーンでノッているロバート・グラスパーがプロデュースを担当、いずれもクオリティの高い仕事をしていること。

ローリン・ヒルニーナの代表曲の一つ「Feeling Good」を筆頭に、自らのラップでヒップホップ・トラックでニーナを祝福した「I've Got Life (Version)」、ニーナのフランスへの愛着を象徴する「Ne Me Quitte Pas」でアルバムの冒頭を飾り、アルバムの終盤ではもともとフォーク・トラディショナルだったものをニーナが自分のレパートリーにしていた「Black Is The Color Of My True Love's Hair」、同じくスタンダードでニーナのレパートリーであのデヴィッド・ボウイもやっていた「Wild Is The Wind」、そしてニーナの自作曲をインストルメンタルにした「African Mailman」を、彼女独特の情念が渦巻くような雰囲気でパフォームしており、これがある意味このアルバムの「陰」的な部分を高いクオリティで表現しています。

一方、新進気鋭のジャズピアニストで、ロックの楽曲や今の新しいR&B楽曲などをジャズ的解釈でパフォームし、グラミー賞R&B部門2回受賞するなど、今のR&B/ジャズシーンの最先端を行く鬼才、ロバート・グラスパーがアルバムの中心部分でジャズミン・サリヴァン、アッシャー、メアリー・J・ブライジ、グレゴリー・ポッター、コモン&レイラ・ハサウェイといった錚々たるメンバーの楽曲をプロデュース、これがクールな中にも「陽」のパワーを感じさせる見事な仕事をしています。

このアルバムのバランス感満点の印象は、この二人のプロデュースがうまい具合にぶつかり合いながら微妙な調和を保っていることが大きいと思います。


2.収録楽曲が、ニーナ自作のナンバー(わずか4曲)よりも、他の作者の曲ながらもニーナが生前ライヴで自分のレパートリーとしていて、かつ彼女のイメージを強く想起させる曲で占められていること。

このアルバムの素晴らしい特徴の一つは、アルバムの最終トラックが、ニーナの黒人市民権活動への積極的な関与を象徴する、彼女の代表曲の一つ「I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free」(自由になるってどんな感じか判ったらいいのに)でこれが素晴らしいアルバムクロージングになっていることなのですが、この曲は実は彼女の自作ではありません。

同様にローリン・ヒルがアルバム冒頭すごい迫力で歌うニーナの代表曲「Feeling Good」も彼女の作品ではないけどニーナを代表する曲。

もちろん彼女自身の作品で彼女の黒人市民権運動へのコミットメントを象徴する曲で、コモンとレイラ・ハサウェイの素晴らしいパフォーマンスでこのアルバムのハイライトの一つである「We Are Young, Gifted And Black」のようにニーナ自作の曲も収録されてますが、アルバム全体では、彼女の自作曲にこだわらず彼女のキャリアを象徴する曲が取り上げられている、というのはトリビュート・アルバムとしてはなかなかユニークな構成です。

でもローリン・ヒルのパフォーマンス、ロバート・グラスパーの優れたプロデュースとそれに応える各アーティストの素晴らしいパフォーマンスがこのアルバムのユニークさを高いクオリティに導いていると思います。

いろいろ述べるべきことの多いトリビュートアルバムですが、上記に述べたローリン・ヒルロバート・グラスパーの卓越した仕事以外に特筆すべきパフォーマンスがいくつかあります。

7曲目のアッシャーによる「My Baby Just Cares For Me」。そう、冒頭にお話したTVCMで80年代にリバイバルしたあの曲です。

この曲を、アッシャーエイミー・ワインハウスを手がけたことで知られるサラーム・レミのプロデュースで、あたかもクリスマスソングをムードたっぷりに歌うフランク・シナトラのように料理しています。これが実にいい。

正直いってここのところの自分のアルバムでのパフォーマンスなんかよりもアッシャーがナチュラルに歌っていて、遥かに出来がいいと思うほど。


9曲目のグレゴリー・ポッターによる「Sinnerman」。

グレゴリー・ポッターという人は、ジャズ畑に身を置きながら、R&Bメインストリーム的な解釈でのパフォーマンスが素晴らしいアーティストですが、ここでももともとトラディショナル楽曲であったものをニーナが60年代に黒人市民権運動を背景に頻繁にパフォームしていた曲を、その時代の情念を再現するかような素晴らしいパフォーマンスで聴かせてくれます。


10曲目のコモンとレイラ・ハサウェイによるニーナ自作の「We Are Young, Gifted & Black」。

レイラの美しい歌声とコモンのグルーヴのうねりに乗った素晴らしいフロウが楽しめるこのトラック、主題はタイトルにあるように、ブラック・イズ・ビューティフル的なものですが、途中コモンが「Mississippi Goddam, Ferguson Goddam, Staten Island Gaddam, Baltimore Gaddam」と、ニーナの60年代の黒人市民権活動を象徴する曲「Misssissippi Goddam」に言及しながら、昨年のファーガソンでの黒人射殺事件にも触れるというシリアスな内容をグルーヴ満点のトラックで表現しています。


11曲目のアリス・スミスによる「I Put A Spell On You」。

この曲はもともとブルース・ギタリストのスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの有名な持ち歌ですが、60年代ニーナも自らの持ち歌としていたもの。「あなたに呪いをかけるわよ」というもともとたいへんおどろおどろしいテーマの曲を、まだキャリアは浅いながらも一部の評論家筋の評価の高いシンガー、アリス・スミスが素晴らしい迫力とテンションで歌いきっています。

Nina Revisited Back

トリビュートアルバムというのは、とかく対象であるアーティストの曲を、オールスターキャストのパフォーマンスでなぞるだけ、という感じになりがち。また参加アーティストがそれぞれのトラックを提供することで、プロデュースもバラバラになるため、どうしてもただのオムニバス・アルバムになってしまうことが少なくありません。

このアルバムが特殊で素晴らしいのは、アルバム全体が二人のメイン・プロデューサーでバランスを取ってコントロールされていること。またそれに応える各参加アーティストのパフォーマンスも素晴らしいものです。

このアルバムを機会に、ニーナ・シモンという素晴らしいアーティストがパフォームしていた主要楽曲に触れて、彼女の世界を楽しんで頂くと共に、ローリン・ヒルロバート・グラスパーという、今のR&B/ジャズシーンを代表するアーティスト・プロデューサーの手腕が凝縮された、今のR&B作品としてクオリティの高いこの作品を是非楽しんで頂きたいと思います。

<チャートデータ> チャートインなし

【新企画】新旧お宝アルバム!#23 「Pickin' Up The Pieces」 Poco (1969)

#23『Pickin' Up The Pieces』Poco (Epic, 1969)


いよいよビルボード誌の年間チャートや、各音楽誌の2015年年間アルバムランキングなどが出揃いはじめ、先週末はグラミー賞候補も発表、年末に向けて洋楽ファンにとってはいろんな情報に興味の尽きない毎日ですね。

さて今週の「新旧お宝アルバム!」、「旧」のアルバムとして、一気に60年代終盤に時計を戻して、70年代のカントリー・ロック・シーンをキックオフしたという意味では歴史的な名盤、ポコの記念すべきファースト・アルバム『Pickin' Up The Pieces』を取り上げます。


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前々回のマリア・マルダー同様、ポコのこのアルバムはシニアの洋楽ファン、特にアメリカン・ロックに造詣の深い皆さんにとっては定番の一枚ですが「今の若い洋楽ファンや洋楽にあまり詳しくないリスナーに、昔の名盤でもあまり紹介されることのない作品をご紹介する」というこのコラムの趣旨に沿って選ばさせて頂きましたのでご理解下さい。

さて現在アラフォーくらいまでの洋楽ファンにとって、ポコというバンドはどの程度の知名度があるのでしょうか。よくポコについて引き合いに出されるのは、イーグルスの初代ベーシストであり「Take It To The Limit」の名唱で知られるランディ・マイズナーや、同じくイーグルスの2代目ベーシストでこちらも「I Can't Tell You Why」で知られるティモシー・B・シュミットが在籍していたバンド、という説明。

でもこの紹介はイーグルスを知っているアラフィフ以上のシニアなら判りやすいのですが、そもそもイーグルスがリアルタイムでないアラフォーまでの方には今ひとつピンと来ないのでは。

でもポコというこのバンドは70年代を通じてアメリカで確立され大いに盛り上がった、カントリー・ロックというジャンルを代表するイーグルスドゥービー・ブラザーズといったバンドに比べれば地味で知名度も今ひとつなのですが、このジャンルの歴史を語るには欠かせないバンドなのです


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ポコ
の創始メンバーであるリッチー・フューレイ(ギター)、ラスティ・ヤング(ペダル・スティール・ギター、バンジョー、ギター)、そしてジム・メッシーナ(ギター)は、そもそも60年代後半、バーズが切り開いたといってもいい「カントリー・ロック」というジャンルを確立した伝説的バンド、バッファロー・スプリングフィールドに、後にCSN&Y(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)を結成するニール・ヤングスティーヴン・スティルスと共に在籍した、名うてのカントリー・ロック界のミュージシャン達。

1968年、バッファロー・スプリングフィールドがメンバーの対立から解散直後、この3人がベースのランディ・マイズナーとドラムスのジョージ・グランサムを加えて結成したのがこのポコというわけ。

よりエッジの効いたロック寄りの路線を求めたニール・ヤングスティーヴン・スティルス達に比べ、よりカントリー・ロックの可能性を求めたリッチー、ジム、ラスティの3人。アルバム・タイトルの「欠片を拾い集めて」というのは、この3人がバッファロー・スプリングフィールド終結後の活動開始に向けた思いを象徴する意味だったのです。


アルバムは当時の作品にしては曲数の多い13曲(後にCD発売時にアルバム最後の「Do You Feel It Too」が加えられて14曲)のうち、ラスティ作のインスト曲「Grand Junction」を除く全曲でリッチーがペンを取っていることからも、ポコのスタート時点でのリーダーはリッチーだったことがよく判ります。バッファローでもエンジニア的役割だったジムはこのアルバムでもプロデューサーにクレジットされていて、曲作りよりアルバム作りの指揮を取っていました。

フェードインするサウンドが右チャンネルから左チャンネルに移動してくる、といういかにもこの時代を思わせるオープニングで、新しい出発を意識した「Foreward」でアルバムはスタート。

アルバム全体のサウンドは、ある意味カントリー・ロックの60年代と70年代をつなぐような、多彩な楽曲と演奏が満載のとてもクオリティ高いもの。


アルバム前半を飾る「What A Day」(リッチーバッファロー時代の作品)や「Nobody's Fool」「Calico Lady」、そしてアルバム・タイトル曲の「Pickin' Up The Pieces」などは、60年代のこのジャンルの先駆者である、バーズやナッシュヴィルへの傾倒を露わにした『Blonde On Blonde』以降のディラン、フライング・ブリトー・ブラザーズ、そしてバッファローといったバンド達のサウンドを明確に継承したカントリー色の強い楽曲。

一方でそうした先駆者たちと一線を画するかのように、メインストリーム・ポップ、それも後の70年代ポップを思わせるようなキャッチーなメロディの楽曲も多く含まれています。

歌い出しから切ないメロディとリッチーのボーカルで思わずハッとさせられる「First Love」や、イーグルスなどに継承されるコーラス・ワークをうまく使った「Make Me Smile」、70年代初頭のスワンプ・ロックを思わせるジムのボーカルがソウルフルな「Oh Yeah」、ラスティのペダル・スティールで気持よく始まる「Tomorrow」などはいずれも1973~75年頃のイーグルスの初期のアルバムの曲、と言われても全然違和感のない楽曲群。

その後70年代のカントリー・ロックの隆盛にこのアルバムとポコというバンドが果たした影響の大きさを感じさせてくれます。


自らの音楽の理想を追い求めて新たなバンドをスタートさせたリッチージムのこの作品に対する意気込みはかなり大きかったようで、アルバムの最終ミックスダウンのサウンドチェックに二人以外のメンバーを同席させなかったとか。これに憤慨してバンドを離脱したのがランディ

可哀想に彼のリードボーカルパートはドラムスのジョージのボーカルに差し替え、ジャケに彼の顔のイラストが入る場所に犬の絵が入れられるというあまりといえばあまりの仕打ちを受けてしまいました。

でもこのアルバムを聴いて明らかなのはメインソングライターのリッチーとプロデューサーのジムのサウンドメイカーとしての才能。ランディは手堅いミュージシャンですが、アルバムのサウンドをコントロールしたい、という2人が最終のアルバム仕上げを自らの耳にこだわったのは理解できます。

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こうして作られたアルバムは、当時のローリング・ストーン誌のレビューで5つ星を獲得するなど評論筋の高い評価を得ましたが、セールス的には中ヒットに止まる結果に。

一方バッファロー解散で袂を分かったニール・ヤングスティーヴン・スティルスは本作リリース直後の1970年にそれぞれ「After The Gold Rush」(全米アルバムチャート最高位8位)、「Stephen Stills」(同最高位3位)といった大ヒット作を皮切りに華々しいキャリアをスタートさせました。

リッチーはその後ポコのアルバムが商業的には奮わない中、1974年脱退、後に「You're Only Lonely」(1980年Hot 100最高位7位)の大ヒットを放つJ.D.サウザー、バーズフライング・ブリトー・ブラザーズにいたクリス・ヒルマンサウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドで再起を図りますが、このグループも2枚の中ヒットアルバムを発表して解散。

1979年にソロ名義で「I Still Have Dreams」(最高位39位)という何やら当時の彼の気持ちを暗示するようなタイトルのトップ40ヒットを放ちますが、その後一時音楽活動を離れて教会活動に身を投じた時期も。

その後ポコのオリジナル・メンバーで1989年に再結成、アルバム『Legacy』とトップ40ヒット「Call It Love」(最高位18位)のヒットで一線復帰、現在はまた昔のバーズバッファローのメンバーと時々ライブをしながら、今年には久々の新作「Hand In Hand」をリリースし、今でも活動を続けているようです。

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一方ジムポコにアルバム3枚参加後にプロデューサー業に専念するために脱退、ケニー・ロギンズを見いだしてデュオ、ロギンズ&メッシーナとして『Sittin' In』(1971)を初めとするヒットアルバムや「ママはダンスを踊らない(Your Mama Don't Dance)」(1973年最高位4位)などのヒット曲を放ち、リッチーに比して恵まれたキャリアを続けました。1980年代は一貫してAOR畑で活動した後、1989年のポコ再結成に合流。その後はソロアーティスト、及びプロデューサーとして地道に活動を続けているようです。


この『Pickin' Up The Pieces』というアルバムは、この後のリッチージムの様々なキャリアの変遷が起きる前の、まだ瑞々しい意欲と自信と、何か新しいことを始めるんだ、という高揚した気分が、各楽曲に満ちあふれている、そんなとてもポジティヴな雰囲気に満ちた作品です。

また上述のように、とても60年代のアルバムとは思えないような、当時としては先進的な70年代の雰囲気を強く湛えたサウンドは改めてこのアルバムを聴くものを啓発してくれるような雰囲気さえ持っています。

60年代なんて古臭い、と思わず是非一聴されることをお勧めしたい作品です。きっと「ああ、聴いてよかった」と思って頂けると思いますので


<チャートデータ>

ビルボード誌全米アルバム・チャート 最高位63位(1969.9.20付)

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

【年末企画】ビルボード誌Hot 100年間チャート大予想!結果とおさらい 
 さてビルボード誌の年間チャート、現地時間12/9、日本時間では12/10の朝に発表されましたので、先日行った予想結果をご報告しときましょう。
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発表されたHot 100年間チャート、トップ20は下記の通り。(カッコ内は最高位、1位と2位の場合は最高位週数付き)

1. (#1, 14 wks) Uptown Funk! - Mark Ronson Featuring Bruno Mars
2. (#2, 8 wks) Thinking Out Loud - Ed Sheeran
3. (#1, 12 wks) See You Again - Wiz Khalifa Featuring Charlie Puth

4. (#2, 3 wks) Trap Queen - Fetty Wap
5. (#2, 4 wks) Sugar - Maroon 5
6. (#4) Shut Up And Dance - Walk The Moon

7. (#1, 6 wks) Blank Space - Taylor Swift
8. (#3) Watch Me - Silento
9. (#3) Earned It (Fifty Shades Of Grey) - The Weeknd
10. (#1, 6 wks) The Hills - The Weeknd


11. (#1, 6 wks) Cheerleader - OMI
12. (#1, 3 wks) Can't Feel My Face - The Weeknd
13. (#3) Love Me Like You Do - Ellie Goulding
14. (#2, 3 wks) Take Me To Church - Hozier
15. (#1, 1 wk) Bad Blood - Taylor Swift Featuring Kendrick Lamar
16. (#4) Lean On - Major Lazer x DJ Snake Featuring M0
17. (#5) Want To Want Me - Jason Derulo
18. (#1, 4 wks*) Shake It Off - Taylor Swift
19. (#8) Where Are U Now - Skrillex & Diplo Featuring Justin Bieber
20. (#6) Fight Song - Rachel Platten


18位の「Shake It Off」が最高位1位を付けたのは生憎集計期間外だったので、やや低めになっているのは想定内。で、今年の自分の予想との比較結果のポイントは下記の通り。

トップ20の顔ぶれは全て的中!(トップ20「Hit Rate」100%)

毎年の予想で、トップ10、トップ20それぞれについて、メンツを当てた率を「Hit Rate」、順位までピタリと当てた率を「Match Rate」と勝手に呼んでおりますが(笑)今回はHit Rateがトップ10で90%、トップ20に至っては100%!という2007年から毎年末予想を初めた中ではベストの成績でした。何かうれしい。

トップ10のHit Rateも90%で、2008年、2011年に並ぶ好成績

トップ10の順位まで当てた「Match Rate」は1位のマーク・ロンソンと4位のフェティ・ワップの2曲のみ(上記リストでは赤字で表記)ですが、これ以外に7曲を順位はそれぞれ微妙に入れ替わっていたものの、10曲中9曲顔ぶれを当てることができました(上記リストでは緑字で表記)。2位のエド・シーランは僕の予想では3位、思いの外強かったのはやはりHot 100に52週、トップ40に50週という長期にわたるヒットがビルボード誌の集計上優位に働いたのですな。

さて、予想以外に今回の年間チャート結果で特筆すべきことが2つありました(Thanks to あめりかん・ぱい佐藤さん)。

1.アデルの「Hello」が集計期間中僅か3週チャートインで年間35位にランキング

11/14付 Hot 100で初登場1位でチャートインしたアデルの「Hello」は、集計期間中(11月末まで)は1位に3週いただけでした。それだけで年間チャートの35位というのは、たいへんなこと。ちなみに私の純粋順位ポイントと週数ポイントに基づく予想では、この曲は107位だったので、この特異さ、判って頂けると思います。
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ビルボード誌の年間チャート集計も従来は順位ポイントと週数ポイント、及び最高位が上位の曲にはボーナスポイント、というフォーミュラだったようですが、ニールセン・サウンドスキャンによる実際の売上枚数やエアプレイ・ダウンロード・ストリーミング回数でチャートが組まれるようになった1991年以降は、それらのデータを使った、年間を通じた売上枚数やリスニング回数で集計されているようです。ただ、その結果が反映されている毎日のチャートの順位集計とは普通であれば大きく乖離しないはず。それが今回ここまで乖離したのは、やはりその3週間の「Hello」の売上、ダウンロード、エアプレイ、ストリーミングの数が桁外れに大きかったということなのでしょう。チャート新時代を反映する現象といえます。

2. ビルボード年間チャート史上初めてトップ40入りしていないヒットが年間チャート100位内にランキング

僕も毎年年間チャートの集計する時に、まずトップ40ヒットに絞ってデータを集計してきました。だいたい年間にトップ40入りするヒット曲というのは、200曲前後(2015年は186曲)なので、年間100位以内に入るにはトップ40入りしていることが普通は前提だと思われてきたのです。

ところが今年の年間チャートで異変発生。何と年間96位にニッキー・ジャム&エンリケ・イグレシアスの「El Perdon (Forgiveness)」という曲がランクイン。この曲実は、9/26と10/31の2週、最高位としては56位で終わっている曲なのです。なぜそういう曲が年間100位に入ったか?要因としては下記の2つが想定されます。

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  • Hot 100滞在週数が30週と、この順位の曲としては桁違いに長かった…Hot 100滞在30週というのは、大体最高位20位代くらいのヒットの平均的な滞在週数なので、そういう意味でこの曲は異常なロングヒットだったこと。
  • ラテン・ソング・チャートで30週1位のジャンル別ではメガヒットだった…この曲、3/21付から10/10付まで、連続30週、ラテン・ソング・チャートで1位でした。全米の音楽消費人口のかなりの割合がヒスパニック系であることを考えると、売上枚数やエアプレイ・ダウンロードその他でこの曲、かなりポイントを稼いだことが想定できたこと。
いやあ、チャートを長年見てるといろんなことがあります。だからチャート追っかけってやめられないんですよね〜
さて、いよいよグラミー賞候補も発表されたので、来週くらいから、毎年恒例グラミー予想もスタートします。こうご期待。

【新企画】新旧お宝アルバム!#22 「Blood」 Lianne La Havas (2015)

#22BloodLianne La Havas (Warner Bros., 2015)


いよいよ師走に突入、日々の気温もぐっと低めになって冬の到来を感じさせる今日この頃。いよいよ今週はグラミー賞候補の発表や、ビルボード誌の年間チャートの発表など洋楽ファンの年末到来、という時期になってきました。実は私も自分で選ぶ2015年のベスト10アルバムというお題でこの週末DJイベントをやってきたのですが、その中の1枚に選んだアルバムを、今週の「新旧お宝アルバム!」第22回目の「新」のアルバムとしてご紹介することにします。今週ご紹介するのは、今年シーンに登場した新しいタイプのR&Bシンガーソングライター、リアンヌ・ラ・ハヴァスの『Blood』です。

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今日ご紹介するリアンヌ・ラ・ハヴァスは、ロンドン出身で、ジャマイカ人の母親とギリシャ人の父親を持つ、今年26歳のシンガーソングライター。その出自の多様性を反映してか、彼女の創り出す音楽は、単純なR&Bではなく、フォークやジャズなどの多様な音楽要素を渾然と内包した、音象的にとても気持ちのよいグルーヴを生み出す、一つの大きな完成した音世界になっています。

また時には、トーリ・エイモスとか最近のセント・ヴィンセントといった、独特のエッジを持ったアメリカのオルタナティブ女性ロック・アーティストたちのようなサウンドの片鱗を見せる曲もあり、様々な出自を持つ、現在のシーンを生きるアーティストだな、と思わせるような面もあります。

 

リアンヌは、プロのミュージシャンのキャリアをバックコーラスシンガーから始め、2010年にワーナーと契約、2012年にはアコースティックなフォーク・ソウル的な内容の最初のソロアルバム『Is Your Love Big Enough?』を出して全英アルバムチャート5位を記録しています。

しかし彼女のキャリアが大きく動いたのは、2014プリンスがロンドンでツアーを行った際に気に入られ、プリンスのアルバム『Art Official Age』に参加、4曲でボーカルを担当してから。シーンでは「プリンス最近のお気に入りのアーティスト」ということで一気に評判が高まったというわけです。

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そんな中今年リリースされたこの『Blood』。全体的にどちらかというとマイナー調のメロディーの曲がほとんどで、サウンド的にはやや幻想的なイメージを醸し出すようなエレクトロっぽい味付けとカッチリとした重めのリズムの組み合わせが印象的な曲と、アコギやシンプルな楽器構成でシンプルにフォーク・ソウル的な作りの曲とがそれぞれ前半と後半に配されています。そしてどの楽曲も、夢のような世界をイメージさせる音像にリアンヌの、決して熱唱はしないけど耳に残るフレージングで、ややハスキーで不思議な魅力を持ったボーカルが乗っている感じ。

 

アルバムの前半は、冒頭の曲で最初のシングルになったアデルのソングライティング・パートナーで有名なポール・エプワースとの共作「Unstoppable」や「Green & Gold」、エレクトロな音像とソウルフルなメロディとが不思議な魅力の「What You Don’t Do」、「わたしは大都市東京で独りぼっち」と呟くように歌う「Tokyo」などが、1日でいえば夜を思わせるイメージで、何となくこれから何か起きそう、という予感を持たせてくれる楽曲群。


そしてアルバム後半は、ちょっとコリン・ベイリー・レイあたりを思わせる「Grow」や、アコギ一本でフォーキッシュな魅力満点の「Ghost」、アルバムの最後を占める美しいメロディとボーカルが印象的な「Good Goodbye」など「朝から昼下がり」を思わせるような楽曲群で占められています。

一曲だけ変わっているのは、最後から2曲目の「Never Get Enough」。アコギのつま弾きから静かなメロディでスタートするこの曲、リアンヌの声とバックの演奏がサビの後半の部分が「あなたには全然満足できないのよ!」という歌詞の部分になると、急にひずんだ音とリンキン・パークか?と思うようなハードなサウンドに一瞬ガラッと変わり、ちょっとビックリ。またすぐアコギの弾き語りに戻るのですが、この変化が曲の中で23回あり、このアルバムの中での最大のアクセントとなっています。

 

彼女のサウンド的にもファーストから大きく成長したといわれるこのアルバム、音楽評論筋にも概ね評判がよく、おそらく今年の各音楽メディアの年間ベストアルバムリストにはあちこちに顔を出すのではと思われます。

今の「新しい音」を感じさせてくれる、それでいて決して突飛なことはしておらず、かなりしっかりした楽曲作りで自分の世界をフォーク、ソウル、ジャズをミックスした多面的なスタイルで表現しているリアンヌのアルバム、聴けば聴くほど身体に染み渡るようなそんな魅力を持った作品です。是非ご一聴を。

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<チャートデータ>

ビルボード誌全米アルバム・チャート 最高位52位(2015/8/22付)

同全米R&Bアルバム・チャート 最高位8

同全米トップ・モダン・ロック/オルタナティブ・アルバム・チャート 最高位5

 

全英アルバム・チャート 最高位2位(2015/8/7付)

【年末企画】2015年ビルボード年間シングルチャートトップ3大予想!(完結編)
 さあ、昼飯も食ったしいよいよ年間チャートトップ3予想の発表です!
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3: Thinking Out Loud ▲5 - Ed Sheeran
< Hot 100 = 52週、Top 40 = 50週、Top 10 = 23週、Top 5 = 16週、最高位 8週間 2位(1/31〜3/21付)>


年間チャート3位に予想したのは、エド・シーランのとってもとっても素敵なラブ・ソング、「Thinking Out Loud」。「70になっても僕は23の時のように君に首ったけのままに違いない/どんなに年を取って、頭が薄くなって、記憶もろくに定かでなくなって、昔みたいにうまくギターが弾けなくなっても、君は変わらず愛してくれるよね」というストレートに愛を語る歌詞が、多くの人の心に触れたのは間違いなく、この曲は今や結婚式のテーマソング定番曲になっているとか。ジョン・レノンの「Grow Old With Me」などに通じるテーマを、エドにしてはかなりソウルフルなボーカルで切々と歌ってます。古くから親交のあるスコットランド人のシンガーソングライター、エイミー・ワッジエドの共作によるこのロマンチックなバラードは、8週間2位で粘ったけど、マルーン5の「Sugar」同様、マーク・ロンソンの「Uptown Funk!」に阻まれて1位にはなれず。でもUKではちゃんと2週間1位を記録しています。またPVでは、エド自身がこれも珍しく主役を張って、FOX-TVのダンス・コンテスト番組「So You Think You Can Dance」の出演者、ブリタニー・チェリー嬢と見事なダンスを披露してます。個人的にも今年とても好きだった歌の一つですが、本番の年間チャートでは何位に入ってくるのでしょうか。

#2: See You Again ▲3 - Wiz Khalifa Featuring Charlie Puth
< Hot 100 = 36週、Top 40 = 33週、Top 10 =  19週、Top 5 = 17週、最高位 12週間1位(4/25〜5/30 & 6/13〜7/18付)>


年間チャート2位に予想したのは、3位に予想したエド・シーランの曲とは全く違う意味で、でも同じように胸に迫る感動を与えてくれる、ウィズ・カリファ・フィーチャリング・チャーリー・プースの「See You Again」。皆さんご存知の通り、映画「ワイルド・スピード」シリーズ第7作「ワイルド・スピードSKY  MISSION(原題:Furious 7)」のテーマソング。このシリーズのメイン・キャラの一人、ブライアン・オコナー役のポール・ウォーカーが2013年11月30日、40歳の若さで自動車事故で他界した後に完成されたこの7作目、ポールが既に故人にも関わらず、途中まで撮影したセグメントとポールの弟2人の代演で作り上げられていますが、彼の死を知らなかったら、ポールが全編演じていると信じてしまえるほどの出来上がり。その出来の完璧さが余計に悲しみを誘い、エンドシーンでブライアンの車がドミニクの車と分岐で別れて家族の元に帰っていくシーンに被さって流れるこの曲の呼ぶ感動は、特にこのシリーズを追ってきたファンにとっては半端じゃない。映画、是非観て下さい。

またこの曲のピアノバラードの部分を書いたチャーリー・プースはニュージャージー州出身のシンガーソングライターで、2013年にNYのバークレー音楽院を卒業したばかりの、期待の新人。この曲で、そのサム・スミスを思わせるボーカルで一躍注目を集め、この後メーガン・トレイナーとのデュエットで、70年代ソウルへのオマージュ曲「Marvin Gaye」をヒットさせるなど、2015年の新人で際立った活躍をした一人。ラップのパートを書いたウィズ・カリファも家族や友情をテーマにした渋いリリックを、抑えたパフォーマンスでいい感じで演ってます。この曲も2015年を代表する曲には間違いなく、おそらく2015年グラミー賞のレコード・オブ・ジ・イヤーのノミネート候補曲といって間違いないでしょう。UKでも4月に2週間1位を記録しています。

さあ、いよいよ1位の予想ですが...もう判ってますよねw

1: Uptown Funk! ▲9 - Mark Ronson Featuring Bruno Mars
< Hot 100 = 52週、Top 40 = 52週、Top 10 = 31週、Top 5 = 25週、最高位 14週間 1位(1/17〜4/18付)>


年間チャート第1位に予想したのは(って、正直最初からこれになっちゃうよな、と思ってましたが)、マーク・ロンソン+ブルーノ・マーズの「Uptown Funk!」。まあこの曲も今年の前半、どこに行ってもかかりまくってましたよね。何と言ってもテイラーの「Blank Space」を1/17付のチャートで蹴落としてから14週連続1位。そして今回の集計対象曲の中で唯一、期間中全ての週でトップ40入りしてた曲、というか今週現在で未だにトップ40にいて現在トップ40在籍55週目という、まあお化けヒットといっていい曲でしたね。アデルエイミー・ワインハウスなどのプロデューサーとしてサウンド・メイカーとしては既に実績充分のマーク・ロンソンですが、USのトップ40ヒットはこれが初めてながら、900万枚売上ダウンロードを記録。ジェームス・ブラウンプリンス・ファミリーのファンク・グループ、ザ・タイムあたりのオマージュともなっているこのファンク・ポップ・チューン、ブルーノのボーカル起用も大正解で、まさしく英米の2015年を代表するメガ・ヒットとなりました(UKでは3週1位を記録)。しかも集計してみて分かったのは、2位の「See You Again」のポイントの約1.5倍のポイントでブッチギリの1位。アルバム「Uptown Special」よりのカットでした。

2015年のビルボードHot 100年間チャート予想どうだったでしょうか。あなた自身の予想と比較してどうでしたか?また、今年あまり最新ヒットを追っかけていなかった方には、今年のヒットの総括として楽しんで頂ければと思います。また正式にビルボードからの年間チャートが発表されたら、その検証比較ブログもやりますので。

またこの後年末年始企画としては「2015年 My Best Album」「恒例グラミー賞大予想」などを予定していますのでお楽しみに。

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【年末企画】2015年ビルボード年間シングルチャート大予想!(#10〜#4)
 おはようございます。さて週明けには本チャンの年間チャートが発表されてしまうと思うので、急いで残りトップ10の予想を行きます。まずは10位から4位まで。
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#10: Earned It (Fifty Shades Of Grey) ▲4 - The Weeknd
< Hot 100 = 43週、Top 40 = 35週、Top 10 = 18週、Top 5 = 8週、最高位3位(5/2 & 5/23-30付)>


カナダ出身のアベル・マッコネン・テスフェイことザ・ウィークンドの2015年はアリアナ・グランデのトップ10ヒット「Love Me Harder」(最高位7位)にフィーチャーされたことで一気にブレイクへのシナリオを進み始めることで始まった。グラミー賞受賞式での「Love Me Harder」でのパフォーマンスで、ユニークな髪型(笑)と独特の雰囲気を全米に焼き付けたウィークンドは、その直後に封切りされた映画「Fifty Shades Of Grey」にフィーチャーされたこの曲が大々的にパブリシティに使われたことで一気にそのエクスポージャを高めたのです。この曲自体は本来のウィークンドのスタイルを維持した、クールで内省的な、フランク・オーシャンあたりにも通じる「今時の」ヒップホップ・ソウルなのですが、これが一気に全米3位の大ヒットに。でもこれはウィークンドの2015年サクセス・ストーリーのまだ序章に過ぎなかったのです。先に映画「Fifty Shades Of Grey」サントラに収録、その後8月リリースの彼の3枚目のアルバム「Beauty Behind The Madness」にも収録。ビルボード誌ホットR&B/ヒップホップ・ソングチャート2週No.1、ホットR&Bソングチャートなんと14週間No.1、そしてホットR&B/ヒップホップ・エアプレイチャート13週間No.1と、今年を代表するR&Bヒットの一つに。ちなみにこの曲がホットR&B ソングチャートで1位になった4/11付チャート以降、何と現在に至るまで、この「Earned It」「Can't Feel My Face」そして「The Hills」の3曲で36週連続、ホットR&Bソングチャートはウィークンドが独占。名実ともにウィークンドは2015年のR&Bシーンの顔となりました。UKでは最高位4位。

#9: The Hills ▲3 - The Weeknd
< Hot 100 = 25週、Top 40 = 25週、Top 10 = 15週、Top 5 = 14週、最高位6週間1位(10/3〜11/7付)>


そのウィークンドの今年の成功を更に大きなものにしたのが「Can't Feel My Face」に続いて全米No.1を獲得、6週間に亘って王座を維持したこの「The Hills」。曲調は更にインディー時代のとても内省的である意味暗いイメージのヒップホップソウルで、おそらく前の2曲のヒットとエクスポージャがなければチャートインすら難しかったのでは、と思われる、ウィークンド本来のサウンド。物事がうまく回り出すと何をやっても当たる、というゾーンに入ったウィークンドの2015年を象徴するヒットに。Hot 100で自らのNo.1ヒット「Can't Feel My Face」をこの「The Hills」が蹴落として1位を記録するという、過去ビートルズ(1964年に「I Want To Hold Your Hand」「She Loves You」「Can't Buy Me Love」で3曲連続)、ボーイズIIメン(1994年に「I'll Make Love To You」「On Bended Knee」で記録)、パフ・ダディ(1997年に「I'll Be Missing You」「Mo Money Mo Problems」で記録)、ジャ・ルール(2002年に「Always On Time」「Ain't It Funny」で記録)、ネリー(2002年に「Hot In Herre」「Dilemma」で記録)、アウトキャスト(2003年に「Hey Ya!」「The Way You Move」で記録)、アッシャー(2004年に「Yeah!」「Burn」「Confession Pt. II」の組み合わせで2回記録)、T.I.(2008年に「Whatever You Like」「Live Your Life」で2回記録)、ブラック・アイド・ピーズ(2009年に「Boom Boom Pow」「I Gotta Feeling」で記録)、テイラー・スイフト(2014〜5年に「Shake It Off」「Blank Space」で記録)に続く、11組目の連続No.1記録を達成。UKでは最高位3位でした。さてこの後のウィークンドの活動がどうなるか、楽しみでもあり、気にもなります。

#8: Shut Up And Dance ▲3 - Walk The Moon
< Hot 100 = 51週、Top 40 = 37週、Top 10 = 18週、Top 5 = 9週、最高位4位(5/30〜6/27付)>


今年はレイチェル・プラッテン、この後出てくるOMIフェティ・ワップ、そしてこのウォーク・ザ・ムーンと突然現れたように見える新人アーティストがチャートでかなり活躍したある意味シーンにとっては健全な年だったのでは。オハイオ州シンシナティ出身の4人組、ウォーク・ザ・ムーンはそのバンド名をポリスの「Walking On The Moon」から取った、というバンドで、その出自のせいか80年代ポップ・ロックを髣髴とさせるポップなメロディとギターリフが懐かしいこの曲で一気に今年ブレイク。いやーしかしこのPV80年代のMTVそのまんまのコンセプトとイメージで懐かしいやらこっ恥ずかしいやら。でもこれかなり狙ってやってると思うし、それがまんまと当たったのがこの曲の大ヒットにつながったんでしょう。今年は何回かUS出張のチャンスがありましたが、ラジオでも本当によくかかってました。Hot 100でもほぼ1年間に亘ってチャートイン、最高位は4位ですが、トップ・ロック・ソングチャートでは4月から26週間連続1位と半年1位を独占したこれも2015年の春から夏を象徴する大ヒットでした。彼らのメジャー2枚目「Talking Is Hard」からのシングルヒット。UKでも全米同様最高位4位でした。おそらく来年初頭の2015年グラミー賞新人部門と、ポップ・グループ部門の有力ノミネーション候補でしょう。

#7: Cheerleader ▲3 - OMI
< Hot 100 = 30週、Top 40 =  27週、Top 10 = 16週、Top 5 = 13週、最高位6週間1位(7/25〜8/15 & 8/29〜9/5付)>


サイレントの「Watch Me」同様、その昔からアイニ・カモージシャギーなど、何年かいっぺん必ず発生するジャマイカ方面からのレゲエ/トースト風味の大ヒット。今年はこのOMIの「Cheerleader」がその恩恵に預かった格好。ジャマイカ出身のオマール・サミュエル・パスリーことOMIが2008年に書いて2012年に地元ジャマイカでちょっとしたヒットになっていた、女の子讃歌のこの気楽でフィールグッドな曲を、ドイツのDJフェリックス・ヤーエンがちょっとスペーシーなハウスっぽいリミックスバージョンにして地元で流したところ、スウェーデンを皮切りにヨーロッパ中のクラブで火がついたというもの。まずはUKで5月に4週間1位の大ヒットになったのを受け、USでもヒット、何と6週間1位の大ヒットになりました。英米では彼唯一のアルバム「Me 4 U」収録。でもこれ、一発屋の匂いがプンプンしますなあ。

#6: Sugar - Maroon 5
< Hot 100 = 42週、Top 40 =  34週、Top 10 =  21週、Top 5 = 13週、最高位4週間2位(3/28〜4/18付)>


気がついたらマルーン5もすっかりベテラン・アーティストになったなあ。この前のシングル「Animals」はとっても悪趣味なPVでかなり個人的にはマルーンに関する興味を失っていたんですが、アルバム「V」からの次のシングルになったこの曲は曲も久しぶりのストレートなポップ・ソングで好感が持てたのと、マルーンのメンバーがお忍びで普通の人達の結婚式に押しかけ演奏をしてみんなが大騒ぎになる、というとてもフィールグッドなPVが良かったのとで、また少し見直しています。アダム・レヴィーンNBCの「The Voice」の審査員やったり、映画のサントラ書いてアカデミーにノミネートされたりと、大体あらかたやるべきことはやり尽くした感があるので、ここらでもう一度原点に立ち返って、結構ロックロックしたアルバムなんか作ってくれると面白いのに、と僕なんかは思いますが。いいメロディ書けるんだから。この曲、マーク・ロンソンのお化けヒットのおかげで全米では2位どまり、UKでは最高位7位のヒットになってました。

#5: Blank Space ▲7 - Taylor Swift
< Hot 100  = 33週、Top 40 = 29週、Top 10 = 16週、Top 5 = 12週、最高位7週間1位(2014/11/29〜2015/1/10付)>


ウィークンドと並んで2015年ポップ・シーンのもう一人の立役者は言うまでもなくこの人、テイラー・スイフト。アルバム「1989」リリース、ナッシュヴィルからの独立宣言とも言えるNo.1ヒット「Shake It Off」に続いてシングル・カットしたのがこの「Blank Space」。18位Hot 100初登場、13位→1位というスピードアップで自身の「Shake It Off」を蹴落として1位になるという、10組目の記録を達成(上記ウィークンドの項参照)。これまでにテイラーに対して「曲作りの材料のために男と付き合っている」などとタブロイド誌やメディアが創りあげようとしてきたイメージに対して、テイラーがそのイメージを逆手に取って自分が次から次に「ブランク・スペースに名前を書き換えていくように」男を操る性悪女を演じたのがこの歌。PVもそのイメージを反映した、映画調のなかなかの力作で、YouTubeで10億ビューを達成するなど、今年のテイラーウィークンド同様、何をやっても当たる年だったようで。この曲もマックス・マーティンシェルバックとの共作で、UKでは2014年末に最高位4位を記録してます。

#4: Trap Queen ▲ - Fetty Wap
< Hot 100 = 43週、Top 40 = 39週、Top 10 =  25週、Top 5 = 13週、最高位3週間2位(5/16〜30付)>


ヒップホップ・シーンから出てきた2015年の新人たちの中では今のところ一番成功しているのがこのニュージャージー州出身のウィリー・マックスウェルiIことフェティ・ワップ。今年彗星のように現れ、この「Trap Queen」に続き「679」(最高位4位)、「My Way」(最高位7位)と、インディのRGFレーベルからリリースしたデビュー・アルバム「Fetty Wap」から3曲のトップ10ヒットを放つという新人としては異例の快挙を達成。90年代のベース・ミュージックを思わせる重低音の聴いたビートにかなり崩したスタイルのフロウを重ねるという「トラップ・ヒップホップ」という一サブジャンルを、この「Trap Queen」で作り上げてしまいました。子供の時白内障で左目を失明したため、左目がかなり不気味なイメージを醸しだしているのですが、それがまた一つの特徴になっているというやつ。正直個人的にあまり興味のないスタイルのラッパーなのですが、こういうサウンドを求める層は必ずいるようで、この曲は最高位2位の大ヒット。あの映画のメインテーマのヒットがなければ多分1位取れてたかも、という勢いで、2016年に入っても勢いは持続しそうです。

さて、もう残り3曲、わかる人はわかるよね〜この後行きます。
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【年末企画】2015年ビルボード年間シングルチャート大予想!(#15〜#11)
さて昨日に続いて、2015年ビルボードHot 100年間チャート大予想第2弾、今日はまず11位まで行きましょう。
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#15: Take Me To Church ▲5 - Hozier
< Hot 100 = 27週、Top 40 = 26週、Top 10 = 16週、Top 5 = 14週、最高位3週間2位(2014/12/20 - 2015/1/3付)>


昨年末から今年年初にかけて息の長い大ヒットになり、去年のグラミー賞受賞式でも新人ながら堂々たるライブを披露してくれた、アイルランド出身のシンガーソングライター、ホージャーの「Take Me To Church」が年間15位に入ってきました。新人にしてこの曲はグラミー賞のソング・オブ・ジ・イヤーにノミネートされましたが(受賞はサム・スミスStay With Me (Darkchild Version)」)、なぜか彼自身は新人部門にはノミネートされずという、毎度のことながら奇妙な現象が。しかしこういう内省的なバラードが500万枚の売上(含むダウンロード)を記録して、2位まで登りつめるというのは何となくここ数年の世情を反映しているのか。この曲はUKでも同じ最高位2位を記録しています。

#14: Shake It Off ▲8 - Taylor Swift
< Hot 100 = 37週、Top 40 = 32週、Top 10 = 11週、Top 5 = 4週、最高位4週間1位(2014/9/6-13及び11/15-22付)>



テイラーが完全にナッシュヴィルと訣別し、NYにベースを移して昨年リリースした最初のポップ・アルバム『1989』の第1弾シングルが、この「Shake It Off」。当代の売れっ子ポップソングライター・プロデューサーのマックス・マーティン、シェルバックと共作したこのポップ・ナンバーが、タイトルからして彼女の決意を明確に表明していますよね。ヒットの時期がちょうど年間チャートの集計期間をまたがってしまってるのでこの位置ですが、本来であれば年間トップ10は充分狙える大ヒット。去年のグラミー賞でもレコード・オブ・ジ・イヤーソング・オブ・ジ・イヤーにノミネートされましたが、ご存知のようにサム・スミスの前に涙を呑みました。発売の週だけで全米128万7千枚を売った『1989』は既に全世界で900万枚以上を売り上げた、昨年末から今年初頭にかけてのベストセラーアルバムに。UKでもこの曲は最高位2位を記録してます。


13: Love Me Like You Do ▲2 - Ellie Goulding
< Hot 100 = 34週、Top 40 = 31週、Top 10 = 15週、Top 5 = 7週、最高位3位(3/7 & 4/18付)>



イギリスの今のポップ・シーンを代表する歌姫、エリー・ゴールディングの全米での2曲目のトップ10ヒットになったこの曲(もう1曲は全米でのデビューヒットとなった「Lights」〜2012年最高位2位)、彼女自身もペンを取り、彼女の不思議な魅力を湛えた歌声と耳に残るメロディ展開とリフレインが印象的なこの曲、先月リリースされたばかりの彼女の3枚目のアルバム『Delirium』からの第1弾シングル。今年のグラミー賞女性ポップボーカル部門ノミネートの有力候補でしょう。当然本国UKでは、今年の2月〜3月に堂々4週間の1位に輝いています。

12: Can't Feel My Face ▲2 - The Weeknd
< Hot 100 = 23週、Top 40 = 23週、Top 10 = 19週、Top 5 = 13週、最高位3週間1位(8/22 & 9/12 & 9/26付)>



カナダ出身の宅録R&B/ヒップホップ・アーティストとしてカルトなポジションを持っていたウィークンド(「ウィークエンド」ではありません。念のため)でしたが、ダニー・エルフマン監督の今年初頭の映画『50 Shades Of Grey』で「Earned It」(今年最高位3位)がメイントラックとして使われ大ヒットになったことから、一気にメジャーブレイク。この曲はリズムパターンが印象的な、クールなヒップホップ・トラックの多いウィークンドとしてはやや異色な曲ですが、まあ勢いで全米1位を記録。しかし彼の歌い方とかを聴くと、彼は本来クリス・ブラウンニーヨ同様、マイケルズ・チルドレンの一人であることが如実に判って微笑ましいのですが。まあここ1年の大ヒットで自分を見失わず、クオリティの高い作品を発表し続けて欲しいものです。セルアウトかと思ったら意外と良かった、大ヒットアルバム『Beauty Behind The Madness』よりのシングル。

11: Watch Me ● - Silento
< Hot 100 = 38週、Top 40 = 29週、Top 10 = 18週、Top 5 = 14週、最高位3位(7/18 & 8/8-15 & 8/29-9/12付)>

リチャード・ラマー・ホークことサイレントは、ジョージア州アトランタ出身の今年17歳の少年ラッパー。その彼がキャッチーなダンスルーティンと単純な「Whip Whip / Nae Nae」というフレーズがクセになるヒップホップ・トラックでいきなり全米第3位のヒットを飛ばすという現象を起こしたのがこの曲。老若男女も白も黒もいろんな人達がこの曲で踊るPVを見てると、90年代後半のあの「Macarena」のお化けヒットや2013年のバウワーの「Harlem Shake」とかを思い出すね。たいてい3年位に一曲くらいはこういうヒットが出るんだよなあ、アメリカって。また今はYouTubeでこういうのが一気に広がるからね。単純な歌とリズムと踊りの組み合わせは強力ってわけで。まあこの子はグラミー賞にノミネートされることはないでしょうね(笑)。

トップ10の予想は後ほど、できれば今日の夜にアップ予定です。乞うご期待。
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【年末企画】2015年ビルボード年間チャート大予想!(#20〜#16)
 さて今年も年間チャートの季節になりました。ビルボード誌では毎年前年の12月第1週から当年の11月最終週のチャートまでが年間チャートの集計対象週になっているわけですが、この間にHot 100にランクインした曲を、毎年わたくし独自のポイントシステムで集計して、年間チャート予想というのをやってます。だいたい毎年上位20曲については平均して6割程度は的中しているので、まあまあではないでしょうか。ちなみに去年は上位20曲中17曲を予想し、そのうち順位もピッタリだったのが1位のPharrell WilliamsHappy」、4位のIggy Azalea Featuring Charli XCXFancy」、5位のOneRepublicCounting Stars」そして8位のMeghan TrainorAll About That Bass」の4曲というやや不調の年でした。今年の予想はいかに?

取り敢えず今日は20位から16位までカウントダウンです。なおチャートイン週数は、集計期間中のみのものです。

#20: Fight Song ▲2 - Rachel Platten
<Hot 100 = 31週、Top 40 = 26週、Top 10 =  9週、最高位6位(8/29付)>



突如彗星のように現れたように見えるマサチューセッツ州出身の女性シンガーソングライター、レイチェル・パッテンの初のトップ40ヒットが年間20位に入りました。実は彼女当年34歳で、2003年にデビュー・アルバムをリリースしている結構ベテランなんですが、今回力強いメッセージを持ったポップなこの曲で見事ブレイク。この曲はUKではNo.1を記録しています。アルバム『Wildfire』より。

#19: Bad Blood ▲4 - Taylor Swift Featuring Kendrick Lamar
< Hot 100 = 24週、Top 40 = 19週、Top 10 = 13週、Top 5 = 11週、最高位1位1週(6/6付)>



アルバム『1989』からの4曲目のシングルカットのこの曲、アルバムバージョンに今をときめくウェストコースト随一のラッパー、ケンドリック・ラマーをフィーチャーしたバージョンで楽曲としてパワーアップした上に、SFアクション映画なみの特撮と、ジェシカ・アルバ、シンディ・クロフォード、セリーナ・ゴメス、ヘイリー・ウィリアムス、エリー・ゴールディングといった錚々たる女優・女性アーティスト達が出演するPVで一気に人気を集め、5/30に53位に再登場、次の週には一気に1位に登り詰めた、名実ともに今年の話題のヒット曲の一つでしょう。UKでも最高位4位の大ヒットでした。

#18: Where Are U Now ▲2- Skrillex &  Diplo Featuring Justin Bieber
< Hot 100 = 37週、Top 40 = 28週、Top 10 = 3週、最高位8位(7/18付)>



先週アデルが『25』でチャートを席巻する前の週までは英米のシングル・アルバム両チャートを一瞬席巻して見事なカムバックを果たしたジャスティン・ビーバー。そのジャスティンがここ数年の絶不調からの復活のきっかけになったのが、EDMの両スターのシングルに客演したこの曲。エレクトロ・ポップとしての楽曲の良さもあり、UKでも最高位3位の大ヒットになりました。メインクレジットの二人の共作アルバム『Skrillex And Diplo Present Jack Ü』からのシングル・カットですが、ちゃんとジャスティンの新作『Purpose』にも収録されています。

#17: Lean On ▲- Major Lazer x DJ Snake Featuring M0
< Hot 100 = 32週、Top 40 = 27週、Top 10 = 10週、Top 5 = 4週、最高位4位(8/29-9/5付)>



不思議に耳に体に気持ちいいエレクトロのリズムに、デンマーク人女性ボーカリストM0の不思議な歌声が妙にくせになるこの曲、今年を代表するダンスヒットになり、12/12付チャートの時点で、ビルボードのダンス・エレクトロニック・ソングチャートの首位を20週間独走中。メイジャー・レイザーというのは多分ビデオで踊ってるオッサン3人組で、DJスネークはエレクトロのプロデューサーのようです。メイジャー・レイザーのアルバム『Peace Is A Mission』からのシングルで、UKでも堂々2位の大ヒットになりました。結構この曲、頭の中をグルグル回るよね〜

#16: Want To Want Me ▲- Jason Derulo
< Hot 100 = 35週、Top 40 = 29週、Top 10 = 9週、Top 5 = 2週、最高位5位(6/20-27付)>


これでもう5曲目のトップ10ヒットとなるジェイソン・デルーロ君のこちらもポップなナンバーで手堅くヒット。でも、UKではUS以上に大ヒットで、6月に4週間全英No.1を記録しています。4枚目のアルバム『Everything Is 4』からのファーストシングルでした。

続きの予想はまた明日!




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