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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
【年末恒例企画#2】My Top 10 Albums Of 2017 (完結編, 5-1位)

【年末恒例企画#2】My Top 10 Albums of 2017 (完結編, 5-1位)


何とかヤバかった仕事も年内最終日、昨日に決着できてホッとしていたら知らない間にあっという間に年末も押し詰まって明日は大晦日。ということでこの「My Top 10 Albums of 2017」も急いで完結させて、次の【年末恒例企画#3】グラミー予想に移りたいと思います。


5位『Truth Is A Beautiful Thing』London Grammar (Metal & Dust / Ministry Of Sound / Universal)


London Grammar 

告白すると、既に2013年にファーストアルバム『If You Wait』でUK・ヨーロッパやオーストラリアで人気を確立して、ビルボードのアルバムチャートにも登場していたこのノッティンガム出身の3人組のことは今年の夏まで、全くアンテナに引っかかってなくて。では何故彼らのアルバムが年間5位にランクされることになったのか。実は6月出張で渡米した際に寄ったLAで、以前から噂に聞いてた巨大レコード店、アメーバに立ち寄った時に当時リリースされたばかりだったこのアルバムが、新譜コーナーにデカデカと掲示されていて、そのジャケの美しさと神秘的なイメージに思わず目を奪われたのがこのグループとの最初の出会い。「ロンドングラマーってどんなグループ?」とそれ以来ずっと気になっていた。帰国してからYouTubeで曲を聴いたところ、そのスケールの大きい、ジャケ通りの神秘的でシアトリカルなイメージの、美しいハンナ嬢のボーカルが一発で気に入って購入に至ったというわけ。

どの楽曲も独得の浮遊感とアトモスフェリック(宇宙とかを連想するような空気感の)さを持ったサウンドと構成が何といっても魅力で、いろんなメディアとかを見ると、あの同じUKのフローレンス&ザ・マシーンに例えられていたり、聴く人によっては70年代のプログレを想起させるという方もあり、非常に多様な表情を持った楽曲を作り出すバンドという印象。そして何と言っても特徴的で最大な魅力は、大気圏を突き抜けて宇宙空間に達するのでは、と思わせてしまうハイノートから、ぐっと押さえたコントラルトのボーカルまで自由自在に聴かせてくれるハンナ・リードのボーカルですね。ある意味レトロといえばレトロなサウンドのバンドではあるのですが、最近はThe XXとか、ディスクロージャーとか、こういったタイプの音を聴かせるバンドも結構多いので、古臭い感は全くなく、逆に最近のマスプロのヒップホップっぽいポップのヒットとかに比べると新鮮。

残念なことにUSではまだブレイクまでには至っておらず、このアルバムもファーストよりもビルボード・アルバム・チャートでの最高位は低かった(129位)のが、あれだけLAのレコ屋でプッシュされていたのを考えるのが意外だけど、これだけの楽曲とビジュアルもクオリティの高いバンド、USでのブレイクは近いとみてます

(「新旧お宝アルバム!」でのレビュー:http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-378.html



4位『Voyager』Moonchild (Tru Thoughts)


Moonchild Voyager 

2015年のケンドリック・ラマーの21世紀西海岸ヒップホップのみならずR&Bジャンルにおける歴史的アルバムと言っていい『To Pimp A Butterfly』以来、このアルバムに関わった様々なアーティスト達が次々にメジャーな舞台に飛び出してきた。ジャズ・サックス奏者のカマシ・ワシントンしかり、プロデューサーで自らもフュージョンR&Bユニットを率いるテラス・マーティンしかり、今年前半話題を集めたジャズ・フュージョン・R&Bベーシストのサンダーキャットしかり。こういった連中が作り出す浮遊感満点な音像を持ったR&B/フュージョン/ジャズっぽいサウンドは僕に取って2017年のメインテーマの一つとなっていたところ、全く同じような耳障りであるだけでなく、洒脱なボーカルをまとったサウンドを聴かせてくれるこのバンドをある日レコ屋の店頭で耳にして一発に気に入ったというのがこのアルバムとの出会いでした。

しかもYouTubeで彼らを見て更にビックリしたのは彼らがボーカルのアンバーを初めとした3人とも黒人ではなく白人であるという事実。ボーカルと演奏だけ聴いていると正直エリカ・バドゥが90年代UKのアシッド・ジャズを一段洗練した音楽をやっている、としか聞こえないだけにこれは大きな驚きでした。

今年のブルー・ノート・ジャズ・フェスティバルドナルド・フェイゲンが出るというので速攻チケットを取ったところ、同日に彼らともう一人のお気に入りアーティストのリアンナ・ラ・ハヴァスが出るというので大変楽しみにしてたのですが、残念ながらドナルドの来日中止でフェス自体が中止になってしまったので、生ムーンチャイルドを見るチャンスが失ったのが残念。でもまた来日しそうな雰囲気もあるので来たら絶対観に行こう!と心に誓っています。


3位『The Nashville Sound』Jason Isbelle & The 400 Unit (Thirty Tigers / Southeastern)


Jason Isbell Nashville Sound 

僕のここ10数年の音楽的趣味の二つの大きな軸はR&B/ヒップホップとルーツ・ロック。このどちらのジャンルもここ10年くらいは毎年素晴らしい作品が次々にリリースされていて、ファンの自分に取ってはありがたい限りなのですが、今年聴いたルーツ・ロック系の作品の中で僕的にダントツだったのはこのジェイソン・イスベルの新作。今回は2009年以来一緒にアルバムを録音している、マッスル・ショールズの4人組、400ユニットとの共同クレジットの作品となっていて、ジェイソン・イスベル&ザ・400ユニット名義では3枚目の作品になってます。

元々所属していたグループ、ドライヴ・バイ・トラッカースを2007年に脱退してソロ活動を始めてそれまでは知る人ぞ知る、という彼が前作『Something More Than Free』でメインストリームでもブレイクし、アルバムは全米トップ10に、そして第58回グラミー賞最優秀アメリカーナ・アルバム部門を受賞、名実ともにアメリカを代表するアメリカーナ・ロック・アーティストとしての地位を確保。今回満を持してリリースしたこのアルバムは、前作が彼自身影響を受けたと語るニール・ヤングの『渚にて』のスタイルを汲んでいた伝統的スタイルのアコースティック・アルバムとすると、今回は「Cumberland Gap」「Anxiety」「Molotov」といった曲がより社会的メッセージ(明らかにトランプ大統領就任以来のアメリカの分断状況に対するメッセージがあちこちに感じられる)や焦燥感なども漂わせる、よりロック色の強いアルバムになっていて、いわば『Rust Never Sleeps』あたりを想起させるそういうスタイルの作品になってます

また前回よりもザ・400ユニットとのバンド的一体感を大事にしてやってる様子が目に見えていて、「Hope The High Road」のような凜々しさ満点のロック・ナンバーや、今回400ユニットの正式メンバーとなったフィドルのアマンダ・シャイアズのフィドルとバックボーカルをフィーチャーした「Something To Love」など、今のジェイソンの充実ぶりを存分に感じられる仕上がりのこの作品は、よく熟成された、でもちょっと刺すような味わいのあるシングルモルト・スコッチを味わうように楽しめる、そんなアルバム。楽曲のクオリティも高いので、アメリカーナって何を聴けばいいの、とおっしゃる方には是非とも勧めたい作品です。



2位『American Teen』Khalid (RCA)


Khalid American Teen 

今年のグラミー賞新人賞部門に、SZAと共にR&Bフィールドからノミネートされたカリード。年初から話題になっていたのは知ってたし、19歳の新人ながらR&Bアルバムチャートでも延々9週1位を取るなど盛り上がってるのは知ってたのだけど、実際に買って聴いたのは夏過ぎのこと。シングルの「Location」は聴いてて、何か面白そうなやつだな、と思ってたけどそれ以上は突っ込んでいなかったところ、普段は70年代ソウル中心にしか聴いてない弟に「え、まだ聴いてないの?」と煽られたのがきっかけで購入(笑)。

で、聴いてみると、最近のマイブームである浮遊感満点の音像のサウンドをベースとしたR&B、という自分に取ってのツボのスタイルであるばかりでなく、19歳とはとても思えない成熟した、表現力溢れるボーカルなのにビックリ。いわゆる伝統的なR&B的ボーカルでなく、声だけ聴いてるとフニャフニャした感じの歌にきこえるのだが、曲によっては「Another Sad Love Song」のようにロック・ステディっぽいリズムなども取り入れた、結構複雑なリズム構成の楽曲に見事にボーカルが流れるように乗っている、それが快感だったりするのだ。そして彼がR&Bだけでなく、ファーザー・ジョン・ミスティグリズリー・ベア、ジェイムス・ブレイクといったオルタナ・ロック系の影響も受けている、と言うあたりも楽曲の中身に伺えて興味深い。

楽曲のトラックはほとんどプロデューサー達とカリードが作り込んだキーボードと打ち込みなのだけど、不思議に無機的な感じはほとんどなく、シンガー・カリードのパッションと「うた」のぬくもりが直に伝わってくるような、そんな不思議な魅力が結構くせになるそんなアルバムで、結局2017年後半のパワーローテーション入りしたのでした。

「いま」のR&Bを知りたい人は是非聴いて。多分グラミー賞新人賞、カリード取ると思う。

(「新旧お宝アルバム!」でのレビュー:http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-382.html



さて、いよいよMy Top 10 Albums of 2017、1位はそう、このアルバムです。


1位『Drunk』Thundercat (Brainfeeder)


Thundercat Drunk 

4位のムーンチャイルドのところでも触れたのだけど、今年の僕のメインテーマの一つは「ケンドリック・ラマー周辺ミュージシャン達による浮遊感満点の音像のR&B/フュージョン/ジャズ系サウンド」というものでした。で、その代表選手ということになると、今年最大のインパクトだったのがこのサンダーキャット

だいたいとかくベーシストのレコードにはかなり思い入れが高くなりがちな僕、今年も番外のTop 10アルバムリストにはジャコ・パストリアスのレコード・ストア・デイでリリースされたレゾナンス社の蔵出し音源ボックスが入ったりするのですが、このスティーヴン・ブルーナーことサンダーキャット、『To Pimp A Butterfly』の制作にも中心メンバーとしての活動でも名前を目にしていたのですが、音を聴いたのは今回が初めてでした。

その彼のアルバムに耳を惹かれた最大の理由は何と言っても、あのケニー・ロギンズマイケル・マクドナルドをフィーチャーして、80年代ソフトロックの意匠を完全に今2017年の浮遊感R&Bのコンテクストに移植させて完璧な出来を見せた「Show You The Way」。あの曲を始めて聴いた瞬間、僕の体中のあらゆるツボを突かれている感はハンパなかった、それほどドンピシャに今年の自分のメインテーマにハマったのがサンダーキャットでした。そしてそういう音源とあの恐ろしげな『地獄の黙示録』のパロディっぽいジャケとの落差たるや(笑)。そしてアルバムを聴いてみると、あんなにポップな曲はあの曲と「Bus In These Streets」くらいで、あとはそこからフリージャズ・フュージョン的に発展したような楽曲が多く収録されていて、それはそれでとても面白かったし、魅力的でもあったのです。

今年4月初単独来日公演となった恵比寿リキッド・ルームでのライヴには当然駆けつけて、残念ながら「Show You The Way」はやってくれなかったけど、フルアコボディの6弦タイガーストライプ・ベースを抱えて、ニットキャップを被ってポンチョ風のステージ衣装という、およそジャズ・ミュージシャンっぽくない雰囲気で、次々にこのアルバムに収録のドリーミーでアトモスフェリックな音像の楽曲を次々に繰り出すサンダーキャットの演奏を楽しめたのも、このアルバムを更にパワーローテ・ポジション不動の位置にした要因の大きなものでした。

今回のケンドリック・ラマーDAMN.』では「Feel」一曲の参加に止まったサンダーキャット、相変わらずケンドリック周辺アーティスト達との客演は精力的にやっているようですが、次に自分の作品としては何をやってくるのかとても楽しみなアーティストの一人。とにかくこのアルバムは自分にとって今年の自分のメイン・テーマを象徴する作品になった、というのが1位の大きな理由でした。



ということでMy Top 10 Albums of 2017はこれで完結。次のグラミー賞大予想、できれば正月休み中に全部予想発表と行きたいところですがどうなることか。

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【年末恒例企画#2】My Top 10 Albums Of 2017 (Part 1, 10-6位)

【年末恒例企画#2】My Top 10 Albums of 2017 (Part 1, 10-6位)


前回の【年末恒例企画#1】年間チャート予想をやった後、仕事上のタイペイクライシスが本格化してしばらく日本にもおらず、結果確認も含めて何もできてなかったここ数週間でしたが何とか通常状態に復帰の方向に進んできたので、結果確認と次の企画、My Top 10 Albums of 2017にかかりたいと思います。


<年間チャート予想結果確認>


12/12と例年に比べて1週間ほど遅れて発表された2017ビルボード誌Hot 100の年間チャート、そのトップ10は下記のリンクで発表された以下の顔ぶれでした(カッコ内は最高位と僕の予想順位)。

ビルボード誌2017年年間チャートサイト:https://www.billboard.com/charts/year-end/2017/hot-100-songs

Billboard 2017 Year in Music


1. Shape Of You - Ed Sheeran(1位12週、予想1位)

2. Despacito - Luis Fonsi & Daddy Yankee Featuring Justin Bieber(1位16週、予想2位)

3. That's What I Like - Bruno Mars(1位1週、予想3位)

4. Humble. - Kendrick Lamar(1位1週、予想11位)

5. Something Just Like This - The Chainsmokers & Coldplay(3位、予想8位)

6. Bad And Boujee - Migos Featuring Lil Uzi Vert(1位3週、予想4位)

7. Closer - The Chainsmokers Featuring Halsey(1位12週ただし集計期間中1位なし、予想5位)

8. Body Like A Back Road - Sam Hunt(6位、予想7位)

9. Believer - Imagine Dragons(4位、予想10位)

10. Congratulations - Post Malone Featuring Quavo(8位、予想9位)


何とか上位3位はズバリ的中ですが、11位に予想していた「Humble.」が4位に飛び込んできてしまった関係で4位以下の予想はグチャグチャになってしまいました(笑)。それでもトップ10の顔ぶれは順位こそ違ってますが、その「Humble.」以外は一応当たっているという、まあ惜しい結果。うーん、ジェイムス・アーサー君の最高位11位「Say You Won't Let Go」が当たってくれると結構快挙だったのですが。で、今回の予想結果の評価ですが、ここで、トップ10の予想が、順位も的中したものを10点、トップ10内であることは当たったが順位が違ったものを5点とカウントした場合(すべて的中すれば100点)、今回の点数は10点×3 + 5点×6 = 60点ということになりました。で、これはいい成績なのか、そうでないのか?


同じ評価方法で過去10年間の年間チャート予想の成績をみると、


2016年:45点(順位的中なし)

2015年:55点(順位2曲的中)

2014年:55点(順位4曲的中)

2013年:55点(今回同様上位3曲の順位的中)

2012年:55点(今回同様上位3曲の順位的中)

2011年80点上位7曲の順位的中

2010年:55点(上位2曲の順位的中)

2009年:50点(順位2曲的中)

2008年80点(上位4曲を含め7曲の順位的中)

2007年:50点(順位2曲的中)


ということなので、実は今回は過去で3番目にいい成績だった、ということになります。昨年が的中ゼロとひどかったので、まあまずまず、といったところでしょうか。また来年をお楽しみに。(^^)


さて既に12/12に吉祥寺のクアトロラボでやったDJで発表ずみですが、【年末恒例企画#2】My Top 10 Albums of 2017、さっそく10位です。


10位:『DAMN.』Kendrick Lamar (Top Dawg / Aftermath / Interscope)


Kendrick Lamar Damn 




やはり2017年を語る時に欠かせないアルバムの一つでしょうこれは。良くも悪くも今やメインストリームの領域でヒップホップを代表する存在となっているケンドリック・ラマー。何つったってあの『ロッキングオン』が年間アルバムランキングの2位にするくらいですから(笑)。とりあえずこのアルバムを評価しとけばいいだろ、的な感じが透けて見えるのが残念ですねえ。

それはともかく、前回の『To Pimp A Butterfly』が研ぎ澄まされたストイックな音像と、今のアメリカで黒人であることについての内省と社会的なメッセージを色濃く打ち出したリリックの曲が満載の作品だったのに対して、今回はよりR&Bチックなサウンドや楽曲重視で、リアーナU2とかとのコラボ曲もあったりして、3年前のドレイクとかを思い出させた。「LOVE.」なんて凄く気持ちいいし。もちろん「DNA.」とか「ELEMENT.」とかゴリゴリのケンドリックらしいラップもふんだんに聴かせてくれてその切れ味も鋭いからヤバイ。

個人的にはLPが出るのを待っていて、ストリーミングとかでも最初あまり聴かないようにした関係で、アルバム全体の聴きこみが充分ではなかったので10位になってしまったけど、聴きこむほどに凄さを感じさせてくれる盤。グラミー賞でもジェイZなんかぶっ飛ばして受賞して欲しい、そう思わせるアルバムです。


9位:『Chris Thile & Brad MehldauChris Thile & Brad Mehldau (Nonesuch)


Chris Thile Brad Mehldau 




一昨年の衝撃のアルバム『The Phosphorescent Blues』、そして去年のブルーノートでのカッコ良すぎるライヴでここのところずっとマイブームのパンチ・ブラザーズ。その実質リーダーで、元ニッケル・クリークのメンバーでマンドリンの名手、クリス・シーリーと、本来ジャズピアニストでありながらジャンルを問わずポップ・ロック・クラシックのアーティストと縦横無尽にコラボしているブラッド・メルドーが組んで作ったアルバムがこれ。そんじょそこらのロック・アルバムなんかでは経験できないような、スリリングな音楽ジャンルを超えたミュージシャン同士のぶつかり合いが経験できるというのが何にしても新鮮で興奮する。多分80年代にブライアン・イーノがロックでもない、ミュージック・コンクレートでもない音楽を目指して結果アヴァンギャルドな音楽手法にたどり着いた、そういう音楽表現プロセスに近いものがここにあって、しかもそれがオーガニックなマンドリンとピアノの音色で醸し出されているというのがこのアルバムの凄いところ

二人の共作による楽曲もさることながら、ディランの「Don't Think Twice, It's All Right」やフィオナ・アップルの「Fast As You Can」、エリオット・スミスの「Independence Day」のカバーなどは、二人の音楽の興味の幅の広さを示すと共に、それぞれに全く新しい解釈を提示して、あくまでも二人の楽曲に完成されているのが素晴らしいところ。

とにかく今の若手のミュージシャンで、最高の技術と楽曲解釈力を持った二人のこのアルバム、ある意味今年最大の音楽イベントだったと言ってもいいのではないか、そんな気がするアルバムです。




(「新旧お宝アルバム!」でのレビュー:http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-366.html


8位:『A Deeper Understanding』The War On Drug (Atlantic)


The War On Drug A Deeper Understanding 




ザ・ウォー・オン・ドラッグというのは、フィラデルフィア出身のアダム・グランドゥシエル(vo., g.)をリーダーとする6人組のバンドで、簡単にいうといわゆるオルタナティヴ・ロック・バンド、ということになるのだが、彼らのサウンドは多分ベックとかの80年代~90年代のエレクトロサウンドと、70年代の叙情的プログレ・ロックサウンドのいい意味でのマリアージュのようなサウンドが最大の魅力だと思う。大体ここ10年くらいで出てきたオルタナティヴ・バンドって、たいていREMとかスマパンとかを経由している、ギター・ロック・バンド的な奴らが多いのだけど、このザ・ウォー・オン・ドラッグキーボードやシンセを有機的に多用しながら、叙情的なメロディを聴かせてくれるところが素敵なところだと、僕は思ってます。

この前のアルバム『Lost In The Dream』(2014)もそういう路線で、数々の先進的な音楽誌の年間アルバムランキングを飾ったものだけど、このアルバムはさらにそれをメインストリームの方に少しだけ移動させているところが凄いところだと思ってます。

前回のアルバムの高評価で、今回メジャーのアトランティックから出したこのアルバム、80年代UKロックとか好きな方であれば絶対気に入る、素敵なアルバムだと思います。



7位:『Lust For Life』Lana Del Rey (Polydor / Interscope)


Lana Del Rey Lust For Life 




今回、ジャケで笑わないラナ・デル・レイがこのアルバムではニッコリ笑ってるので、果たしてこのアルバム買うべきか、と悩んでいる従来のラナ・ファンの知人がおられた。その悩みはよく分かる。ラナの信条は、普通でないキャラなのに、見かけは1950年代のハリウッド・スターのような美形で、でも歌う曲は無茶苦茶ダウナーで、4レター・ワーズ連発で、という超アナーキーでミスマッチな魅力、というものだったから。

確かに今回楽曲の内容やサウンドは少し従来よりメインストリームよりかも知れないのだけど、これまでになくヒップホップへ接近してそれを自家薬籠中のものとしている凄さとか(2曲でコラボしているエイサップ・ロッキーがまるでラナの子飼いの手下みたいになってるのが印象的)、ショーン・レノンとのドリーミーながら異次元的なコラボとか、この手のキャラの先達のスティーヴィー・ニックスとのコラボでも堂々と自分の存在感を示しているところとか、いやいやどうして今回もラナはラナで、唯我独尊的な凄さを充分発揮しているなあ、というのが僕の感想。

この後に聴いたセント・ヴィンセントのアルバムが、ヒップホップではなくインディーロックの意匠から同様のアプローチをしていて「あちゃあ、時代性の高い音像を自分のものとしていることから言うとセント・ヴィンセント、後輩のラナに飛び越されちゃったかも」と思ってしまった。(ちなみにセント・ヴィンセントの「Masseducation」はMy年間13位でした)



(「新旧お宝アルバム!」でのレビュー:http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-389.html


6位『Waiting On A Song』Dan Auerbach (Easy Eye Sound / Nonesuch)


Dan Auerbach Waiting on a Songgif 

ご存知ブラック・キーズの片割れで、Dr.ジョンレイ・ラモンターニュ、そして先ほどのラナの『Ultraviolence』(2014)のプロデュースなどでも活躍しているダン・オーワーバックの久しぶりのソロアルバム。最近カントリーだけでなくてロック・ミュージシャン達の間でもナッシュヴィル録音が人気で(ホワイト・ストライプスジャック・ホワイトなんてナッシュヴィルでレーベルとスタジオを立ち上げた)、今あらゆるジャンルのスタジオや楽曲出版会社とその周辺の人・もの・金がナッシュヴィルに集まりつつあるけど、このアルバムもナッシュヴィル録音。しかもダンは2010年からナッシュヴィル在住で自分のスタジオ、Easy Eyeを立ち上げてそこで録音されている。

聴く前は、ブラック・キーズのブルースっぽいラウドロックの変形か、オルタナの小難しいことをしてるのか、と思っていたが、聴いてみるとあっけらかんとした、判りやすい、ものによってはとてもポップな(「Shine On Me」なんてジェフ・リンの意匠まんまのポップさ)、伝統的なロックへのオマージュ的な部分もちらほら伺える微笑ましい作品だった。
そう、ルーツロックやアメリカーナ・サウンドの好きな人だったら、とにかく聴いててひたすら気持ちいい作品。デュアン・エディジョン・プライン、果てはブルーグラス・ドブロの名手ジェリー・ダグラスなども登場するこのアルバム、ミュージック・マガジンの年末号でもアメリカ・ロック部門の8位に選ばれていたが、確かに萩原健太氏を含め、僕のようなアメリカン・ロック・ファンなら喜ばずにはいられない作品、一家に一枚です。




(「新旧お宝アルバム!」でのレビュー:http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-374.html


さて、残りトップ5も年内にはアップします。

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【Boonzzy Music】新旧お宝アルバム!#109「Soul Of A Woman」Sharon Jones & The Dap-Kings (2017)

#109Soul Of A WomanSharon Jones & The Dap-Kings (Daptone, 2017)


ちょっとここのところ自分の仕事があり得ないくらい大変だった関係もあってお休みしていたこの「新旧お宝アルバム!」、何とかまたお届けすることが出来る状況になってきました。その間に巷はめっきり師走モードで、今年も気がつけばあとわずか二週間。既にビルボードの年間チャートも発表になり、ちょっと前に自分のブログでやってた予想と比べると何とかトップ3は予想的中できたので一安心。その他各音楽誌や音楽サイトの年間アルバムランキングなども発表になり、音楽ファンには楽しい時期。皆さんもこの時期ならではの楽しみを満喫されますように。


さて久々の「新旧お宝アルバム!」となった今週は、長いキャリアを経てようやく2015年グラミー賞最優秀R&Bアルバム部門ノミネートで第一線のスポットライトを浴びてさあこれから、という時に膵臓ガンを発症、残念ながら昨年11月に他界してしまったにもかかわらず、その他界直前まで現代のR&Bシーンのこれからの中心として期待されていたシャロン・ジョーンズと彼女が率いるR&Bバックアップグループ、ダップ・キングスによる、シャロンの遺作となったアルバム『Soul Of A Woman』(2017)をご紹介します。


Soul Of A Woman

シャロン・ジョーンズというシンガーは、この2010年代としてはかなりレトロといっても差し支えない、ジェームス・ブラウンサム・クック、はたまたアレサオーティスといった70年代ソウル・ファンクの流れを汲むスタイルのR&Bシンガー。そしてそのバックを固めるダップ・キングスは、人種混合のフルバンドにオルガンやホーンセクションを加えた、力強く腰の入ったファンキーなグルーヴを得意とする鉄壁の8人組ソウル・ファンク・バンド

Sharon Jones DapKings


ファンクの帝王、ジェームス・ブラウンと同郷のジョージア州オーガスタ出身のシャロンは、幼少時の60年代にNYに家族と移住、当時はかなり治安も悪く低所得層の住民も多かったブルックリンのベッドフォード・スタイヴェサント地域で育ち、若い頃は近くの刑務所での仕事や現金輸送車護衛の仕事などを行う一方、地元の教会でゴスペルを歌ったり、ローカルのファンク・バンドで歌いながらタレント・ショーに出てはプロデビューを目指して地道に活動してきたという超苦労人。そして彼女がアーシーでファンキーなグルーヴを繰り出すダップ・キングスと出会って始めてアルバム『Dap Dippin' With Sharon Jones & The Dap-Kings』(2002) を出して、世のファンク・ファンやDJの注目を集めたのは既に40代半ばの頃だったから、極めて遅咲きのアーティスト

その後、何枚ものアルバムを発表する一方、ルー・リードデヴィッド・バーン、ジャム・バンドのフィッシュといった幅広いロック系アーティスト達とのコラボでの素晴らしいパフォーマンスで、シーンでの存在感を着々と積み上げていったシャロンダップ・キングスは2014年、6枚目のアルバム『Give The People What They Want』が第57回グラミー賞最優秀R&Bアルバム部門にノミネート、受賞はトニ・ブラクストンのカムバック・アルバム『Love, Marriage & Divorce』に譲ったものの、一気にその名を一般ファンやシーン全体に知らしめたのでした

Sharon Jones


しかしこの頃既にシャロンは精力的なライヴ活動やコラボ活動を進める中胆管ガンの宣告を受けていて、キモセラピーを受けながらもそのエネルギッシュでファンキーなグルーヴを繰り出すパフォーマンスを継続。治療の関係で頭髪を失いながらもカツラを付けることを拒否、禿頭で迫力あるライヴ活動を続けていたといいます。そのシャロンがついに膵臓ガンに発展した病魔に倒れたのが2016年の11月。

ちょうどその年発表され、以前この「新旧お宝アルバム!」でも取り上げたアメリカン・ルーツ・ロックのスタージル・シンプソンの『A Sailor's Guide To Earth』(2016)が今年2月発表された第59回グラミー賞最優秀アルバム部門にノミネート、そのアルバムのバックを全面的に努めたダップ・キングスが、授賞式のスタージルのパフォーマンスのバックで登場、シャロンを支えたあのアーシーでファンキーなサウンドを聴かせてくれた時、会場にいた多くの聴衆・ミュージシャン達はその時既に亡き人となっていたシャロンの存在を強く感じたのではないでしょうか


その生前「女ジェームス・ブラウン」とも呼ばれたシャロンが残した最後の音源を元に作られたアルバムがこの『Soul Of A Woman』。


アルバムののっけから立ち上がってくるダップ・キングスのリーダーのボスコ・マンのベースとホーン・セクションが作り出す60年代R&Bファンクか、と思わせるようなグルーヴで一気に持っていかれてしまう「Matter Of Time」を聴いただけで、既にガンに冒されているにもかかわらず力強く存在感満点のシャロンのファンキーなボーカル・パフォーマンスに圧倒されます。同じくホーン・セクションが楽曲の中心になってドライヴするレトロ感満点のファンク・ナンバー「Sail On!」でもシャロンの熱いボーカルは死期を迎えた人間のそれではなく、生の躍動感に溢れたパフォーマンスです

往年のJBのスロー・ナンバーを思わせる「Just Give Me Your Time」でパッションがほとばしるようなボーカルを聴かせるシャロンの歌が、あたかも「あたしはもっともっと歌っていたいのよ、だからもう少し時間を頂戴!」と言っているように聞こえるのは自分だけか。


スタイルをちょっと変えて爽やかなギター・ストロークに乗ってライト・ファンクな楽曲を軽々と、しかしシャロン独特のグルーヴをしっかりと聴かせてくれる「Come And Be A Winner」、ウォーといったラテン・ファンクバンドの感じを漂わせるややラテン風のアレンジの「Rumors」などなど、シャロンダップ・キングスがゴリゴリのファンクだけではなく、様々な切り口やスタイルでそのファンクネスの引出の多様さを知らしめてくれる楽曲が次々に繰り出されるこのアルバム。サザン・ソウル的なアレンジのハモンド・オルガンの音色に乗って、自らのこの後の運命を知るかのように神への思いをゆったりとシャロンが歌い上げるゴスペル・ナンバー「Call On God」で終わる全11曲まで、一気にャロンダップ・キングスの世界が満喫でき、聴き終わった後に不思議な高揚感を感じると共に、今は亡きシャロンへの思いをつのらせずにはいられません。


決して大ヒットするようなアルバム、作品ではありませんが、この作品、60年代から70年代のR&Bファンク・サウンドのルネッサンスを2010年代に見事に実現させた、その筋のサウンドが好きなファンにはたまらないアルバムに仕上がっています。


Soul Of A Woman (back)


世間は年末で2017年という年を振り返る音楽メディアの報道も多くなってきていますが、華やかなポップ・レコードやEDM、ヒップホップといった今風の音楽が溢れる中で、あくまでも頑固にR&Bファンクという自らの音楽ルーツに根差したスタイルを貫いて、死の直前まで全精力を振り絞ったパフォーマンスを聴かせてくれたャロンの歌声には改めて大きな感動を押さえられません。

バックをしっかり支えるダップ・キングスのサウンドと共に、生きるパワーを感じさせてくれるこのレコード、年末のパーティやイベントで皆さんに聴いて頂けるチャンスが少しでも多いことを祈って、自分でもレコードを回す機会があれば少しでもこのアルバム、プレイしようと思っています。

シャロンの素晴らしい歌声が皆様にいい年末、そしていい新年を呼び込んできてくれますように!


<チャートデータ> 

ビルボード誌全米アルバム・チャート 最高位106位(2017.12.9付)

同全米R&B/ヒップホップ・アルバム・チャート 最高位44位(2017.12.9付)

同全米R&Bアルバム・チャート 最高位10位(2017.12.9付)

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【年末恒例企画#1】ビルボードHot 100年間チャート予想(Part 4、5-1位)

【年末恒例企画#1】ビルボードHot 100年間チャート予想(Part 4、5-1位)


さてこの年間チャート予想もいよいよ完結編、最後のトップ5。ここまでくれば今年のチャートを追ってる人は「あとはあれと、あれ」とだいたい予想は付いてると思いますがその順番がどうか?ではさっそくトップ5予想、行ってみましょう。


5. Closer ▲7 - The Chainsmokers Featuring Halsey

(Hot 100 - 37週、Top 40 - 37週、Top 10 - 17週、Top 5 - 14週)

(2016.9/3-11/19付 12週1位、ただし集計期間中は1位なし)

Chainsmokers Halsey Closer


昨年も12週1位というオバケヒットぶりで、年間チャート10位に食い込んだチェインスモーカーズ、今年も8位予想の「Something Just Like This」と並んで、2年連続年間トップ10入りの予想です。ちょうど去年の秋延々と1位を続け、メジャー・レザーの「Cold Water」とトウェンティワン・パイロッツの「Heathen」の2曲のNo.1を阻止したこの曲、もう一つのポイントとしてはフィーチャーされたホルジーことアシュリー・ニコレット・フランジペイン嬢のキャリア・ブレイクに強力に貢献したことでしょう。この前も彼女は「New Americana」という曲を2015年に小ヒットさせてましたが、この曲で一躍メインストリームに飛び出し、この後ソロで「Now Or Never」(今年7-8月に最高位17位)、そして現在ヒット中の「Bad At Love」(14位上昇中)と立て続けにヒットを飛ばしています。

2年連続年間チャートトップ10というと、もう大分長いこと出てない気がするなあ。今ちょっと過去10年くらい調べてみたけど2年連続で年間トップ10入ってる曲はないので(これから実は出張なので時間がないですが、後でもっと遡って調べてみます)、もしホントにこの予想が大体当たったら久しぶりに実に記録的なオバケヒット、ということになりますね。





4. Bad And Boujee ▲4 - Migos Featuring Lil Uzi Vert

(Hot 100 - 36週、Top 40 - 31週、Top 10 - 14週、Top 5 - 13週)

2017.1.21 & 2.4-11付 3週1位)

Migos Lil Uzi Vert Bad And Boujiee


さあ出ました、今年の新しいラップ・スター2組(アトランタ出身のラップ・トリオ、ミゴスリル・ウジ・ヴァート)のコラボによる今年最大のトラップ・ヒット。一部のヒップホップ・プレスがこの曲をあのジェイムス・ブラウンの「Super Bad」になぞらえてるというほど、昨年10月にリリースされて以来ヒップホップ・コミュニティでの支持を集めた、確かにクールなグルーヴが70年代のJBのファンク・ナンバーの雰囲気に近いものを感じさせる、ただのトラップではないナンバー。

この曲は今年の1月に一気にチャートを上って1位になった次の週にエド・シーランの「Shape Of You」に1位を奪われたのだけど、ちょうど同じタイミングで2017年のゴールデン・グローブ賞授賞式で、TVシリーズの最優秀男優賞を獲得したドナルド・グローヴァーが受賞スピーチで「ミゴスのこの曲、最高だぜ!」とコメントしたのが、スポティファイ等のストリーミングをガツーンとブーストしたこともあり、すぐさま1位をエドから奪回した、という経緯もあった。ちなみにこのダニー・グローヴァーもラッパーで、ラッパーネームをチャイルディッシュ・ガンビーノという。そう、今回の第60回グラミー賞で最優秀アルバム部門を含む5部門でノミネートされた、あのチャイルディッシュ・ガンビーノミゴスのこの曲のヒットに一役買った彼が、同じくグラミーの最優秀ラップ部門でノミネートされたこの曲と並んで見事受賞を果たすか?ちょっと面白そうです。





さて、いよいよトップ3。


3. That's What I Like ▲6 - Bruno Mars

(Hot 100 - 43週、Top 40 - 40週、Top 10 - 28週、Top 5 - 24週)

(2017.5.13付 1週1位)


Bruno Mars Thats What I Like 

おお、この曲ここで登場。1位は一週のみだったけど、トップ10に28週間という、今回の集計曲の中で2番目に長い上位君臨のかいあって、年間予想3位に食い込んだ、ブルーノ・マーズの「That's What I Like」。いやでも今年この曲の強さは凄いものがありました。Hot 100ではこの次に出てくる2曲に阻まれて1週のみの1位でしたが、ホットR&B/ヒップホップ・ソングチャートでは通算10週1位、ホットR&Bソング/チャートでは何と20週1位という、去年のザ・ウィークンド「Starboy」や一昨年のドレイクOne Dance」に匹敵する今年のナンバーワンR&Bヒットでした。

アルバム『24K Magic』の中でも「Versace On The Floor」共々、1,2を争う佳曲だったこの曲、ヒットするべくしてヒットしたという感じで、今回の60回グラミー賞でも堂々ソング・オブ・ジ・イヤーの候補の一角を占めて、かなり本命に近いのでは、と個人的には思っています。

今回からプロデューサーチームを一人入れ替えて、従来のSmeezingtonsブルーノ、フィリップ・ローレンス、アリ・レヴィン)からShampoo Press & Curlブルーノ、フィリップ、ブローディ・ブラウン)と名前も変えたけど、ブリブリの70~80年代のソウル・ファンクへのオマージュ満点のサウンド・プロダクションは変わらず。一部のアフリカン・アメリカン・アーティストから前作リリース時に上がっていたビーフも、最近ではこの実績の前に陰を潜めて名実ともにR&Bシーンのトップ・アーティストとしてのポジションを盤石にしたブルーノ、次の一手が楽しみですね。





2.Despacito ▲8 - Luis Fonsi & Daddy Yankee Featuring Justin Bieber

(Hot 100 - 43週、Top 40 - 30週、Top 10 - 25週、Top 5 - 23週)

(2017.5.27-9.9付 16週1位)

Despacito.jpg


出た~(笑)いろんな意味で2017年のポップ・シーンを代表するというか、後々までも「2017ってデスパシートの年だったよね」と語られるであろう、このヒット、1996年のあの「マカレナ」以来の英語以外の歌詞をメインとするナンバー・ワン・ヒットだったというのと、16週1位という1996年のマライヤ・キャリー&ボーイズIIメンの「One Sweet Day」以来のHot 100 最長ナンバーワン記録に並んだ(新記録はテイラー・スウィフトの「Look What You Made Me Do」に阻止されました)ということで2017年を代表する1曲といっていい

当初はプエルトリコのシンガー、ルイス・フォンジが同じプエルトリカンの「ラガトンの帝王ダディ・ヤンキーをフィーチャーしたラテン・ヒットで、Hot 100には2月にエントリー、下半分をしばらくウロウロしていたのが、ジャスティン・ビーバーをフィーチャーしたリミックス・バージョンが5月にリリースされた途端、48位→9位→4位→3位→1位と急上昇。そこから16週延々1位をキープしたという大ヒットに。

当然ラテンチャートでのパフォーマンスも凄く、何と35週間1位という、2014年エンリケ・イグレシアスがセルフ・カバーで41週間1位を続けた「Bailando」以来の記録的ヒットになりました。

このヒットのおかげで他のラテン・アーティストの曲がHot 100にクロスオーバーするという副次効果もあり、10月には同様のフォーミュラで、J.バルヴィンウィリー・ウィリアムの「Mi Gente」がビヨンセをフィーチャーしたリミックスで最高位3位を付けるなど、時ならぬラテン・ブームでチャートが賑わう状況に

グラミー賞でもレコード・オブ・ジ・イヤーソング・オブ・ジ・イヤーの主要2賞にノミネートされた「Despacito」、来年1月のグラミーでも旋風を起こすのか、乞うご期待。





さていよいよ1位。そう、あの曲ですよねえ。


1. Shape Of You ▲7 - Ed Sheeran

(Hot 100 - 44週、Top 40 - 44週、Top 10 - 33週、Top 5 - 27週)

(2017.1.28 & 2.18-4.29付 12週1位)

Ed Sheeran Shape of You


てっきり「Despacito」が1位だと思ったんですが、蓋を開けてみるとエド・シーラン2017年の年間堂々第1位の予想となりました。ポイント数でもこの曲と「Despacito」がブルーノの「That's What I Like」に大差を付けて、ぶっちぎりのポジションなんですが、この曲と「Despacito」の差もかなりあって、実際の年間チャートでも同様の順位となっているかどうか大いに興味あるところ。

昨年末にリリースされたアルバム『÷(Divide)』からの第1弾シングルのこの曲、それまでの叙情的な歌詞とサウンドのエドの曲とはひと味異なり、シンセ音をサンプルして作ったループをベースに「君の体の形が大好きなんだ」とひたすら直情的に歌うというスタイルの曲。でもこのサンプリング・ループを使ったスタイルは、従来から彼がライヴでよくやっていて、一昨年だったかグラミー賞授賞式でも、ステージ上たった一人でサンプラーを駆使しながら、アコギをパーカッション的に使った音とキーボード音でループを作って、ワンマンバンド・パフォーマンスをしていたのが強く印象に残っています。

このアルバムリリース時は、収録曲が全曲Hot 100にチャートインする、という最近だとドレイク、ビヨンセ、ケンドリック・ラマー、そしてフューチャーといったR&B・ヒップホップ系アーティストしか達成していなかったことを軽々とやってのけるあたり、彼の人気の根強さを物語ってますね。年明け4月に来日延期となったエド、チケットはもう入手困難のようですが、運良くチケット確保できた方は存分に楽しんで来て下さい。あーうらやましい(^^)





ということでいかがだったでしょうか、2017年年間チャート予想。多くの方を今のチャートから遠ざけていると思われるラップ・ヒップホップヒットも、よくよく聴くと結構興味深いアーティストや楽曲もあり、またそうしたラップ・ヒップホップ以外のスタイルのメインストリーム・ポップやEDMなどのヒット曲、はやりものもしっかり上位を占めていることを振り替えることができたのでは、と思ってます。残念ながらロック系のアーティストは今回イマジン・ドラゴンズくらいでやや陰が薄かったのですが、ロック系はどちらかというとストリーミングとライヴでファンを掴んで稼ぐ、というビジネスモデルが最近の主流なのが、Hot 100上位のロック不在の状況に拍車をかけているようです。ただ今年はそのイマジン・ドラゴンズ以外にもオレゴン州ポートランド出身のポーチュガル・ザ・マンがデビューヒット「Feel It Still」で全米4位のヒットを放つなど、いくつかの新しいロック系バンドがHot 100でも躍進してくれましたので2018年には更にそうしたロック系アーティストの躍進を期待したいものですね。



ということで【年末恒例企画】シリーズ第2弾は、My Best Album of 2017を行きたいと思いますが、今日から3日間出張なので(笑)今度の週末あたりまでにポストしたいと思います。ではお楽しみに!

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

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