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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
【Boonzzy Music】新旧お宝アルバム!#110「Freudian」Daniel Caesar (2017)

#110FreudianDaniel Caesar (Golden Child Recordings, 2017)


新旧お宝アルバムのコラムの読者の皆さん明けましておめでとうございます。え?何で今頃って?実は年末仕事の激務でギリギリまで死ぬ思いだったのと、年明けからは去る1/17に新宿カブキ・ラウンジ吉岡正晴さん「ソウル・サーチン・ラウンジ:第60回グラミー賞大予想」のイベントの準備とそのためのグラミー各賞の予想とブログアップで忙しかったので、その間この「新旧お宝アルバム!」は一ヶ月ほどお休みしていました。このコラムを楽しみにされておられる方々、どうもご心配おかけしました。


そのイベントも好評のうちに終わり、気が付けばあっという間に第60回グラミー賞授賞式の日程。このブログがアップされる頃は15年ぶりにLAからNYに会場を移した節目の第60回グラミー賞の各賞が正に発表されようとするところでしょう。

別途グラミー賞予想のブログでもつらつらとアップしましたが、今年のグラミーは主要部門にブルーノ、ジェイZ、ケンドリック・ラマーといった誰が取ってもおかしくない大物が三つ巴になっている他、チャイルディッシュ・ガンビーノの驚きの主要賞ノミネートや、エド・シーランの驚きの主要賞ノミネート漏れなど話題の多いイベント、数々のパフォーマンスも楽しみ。


そういった中、今年最初の、そして1ヶ月ぶりの「新旧お宝アルバム!」で取り上げるのは、そのグラミー賞最優秀R&Bパフォーマンス部門、および最優秀R&Bアルバム部門に今回初ノミネートを果たしているカナダはオンタリオ州出身のR&Bシンガーソングライター、ダニエル・シーザーのとてもマチュアな雰囲気と今の最先端のR&Bサウンドを兼ね備えたデビュー・フル・アルバム『Freudian』(2017)です。


Daniel Caesar Freudian


本名をアシュトン・シモンズというダニエルがシーンで注目されたのは2014年にストリーミングのみでリリースしたデビューEP『Praise Break』がローリング・ストーン誌の選ぶ「2014年ベストR&Bアルバム」の19位にランキングされたのがきっかけ。その次のEP『Pilgrim's Paradise』(巡礼者の天国)のタイトルでも察せられるように、その生い立ちに宗教的な環境が大きく影響を与えているらしく、曲調も内省的で思索的な雰囲気が色濃く感じられる、そういうR&Bシンガー。

実際、このデビューフルアルバムを聴いて感じるのは、音像的にはシンセサイザーによるクールで浮遊感・荒涼感たっぷりのサウンドが軸となっていてゆったりと聴かせる、今風のR&Bサウンドである一方、随所にギターやピアノやハモンド・オルガンなどアコースティックな楽器も多く使われていて、最近の最先端のR&Bとは一線を画しているようにきこえること、更には楽曲のスタイルというか歌い方というかメロディ回しが非常にゴスペルの要素を感じさせて、教会あたりで歌われても違和感ないこと。美しいメロディと美しい音像、そしてある時は催眠的に迫ってくるダニエルのボーカルが1990年代のオーガニック・ソウルを彷彿とさせる魅力を醸し出していて、何度も何度もこのアルバムを聞き返させる要素になっています。

また、そうしたゴスペル的な要素のせいか、シンセを中心にした音像は最近の東京の寒波を思わせるようなクールで肌寒さを感じさせる一方、どこか遠くから吹いてくる風の中にツクシやフキノトウの香りを感じさせるような、そんなほんのりした暖かさも感じさせるのも、このアルバムを聴くたびにのめり込んで行く一つの理由かもしれません。

Daniel Caesar


このアルバムにフィーチャーされている4人の女性シンガー達も印象的なパフォーマンスと同時に、それぞれが自分のフィーチャー曲をダニエルと共作していて、ダニエルの作品に独得の色と雰囲気を与えています

グラミー賞最優秀R&Bパフォーマンス部門にもノミネートされた冒頭の「Get You」では、タイラー・ザ・クリエイターゴリラズなど、今最先端のメインストリーム・ヒップホップ・サウンドを作るアーティストとの客演で知られるコロンビア移民系のカリ・ウチス嬢が、いかにもフランク・オーシャン+マックスウェル的な浮遊感満点の楽曲で、まるでマーヴィン・ゲイとタミー・テレルのような正統派R&Bデュエットを聴かせてくれます。ここでは「僕の欲しいものはすべて君の太ももの間にある」といった際どい表現もありますが、基本はお互いに求める愛をデュエットで表現している美しいナンバー。「Best Part」ではH.E.R.ことガブリエラ・ウィルソン嬢がアコギのつま弾きに乗りながら楽曲のボーカル展開を逆にリードして、インディア・アリーコリン・ベイリー・レイっぽいオーガニックなソウル・バラードで、とっても暖かいトーンの歌を聴かせてくれます。




フランク・オーシャンを中心とするオッド・フューチャー派のグループ、ジ・インターネットのボーカルで、一昨年のフジロックにも来日したシド・ザ・キッドがフィーチャーされた「Take Me Away」はいかにもオッド・フューチャー的な浮遊感満点の肌寒い残響音を効果的に使ったサウンドの中でシドがだるーい感じの夢想的なボーカルを聴かせてくれる印象的なナンバーですし、トロント出身の白人シンガーソングライター、シャーロット・デイ・ウィルソンがフィーチャーされた「Transform」ではバックに幻想的なシンセ音を置いて、フロントではアコギやエレピといった70年代R&Bの意匠をふんだんに配しながら、白人にはあまり聞こえないさりげなくソウルフルなシャーロットのボーカルがダニエルのボーカルに絡んで来る、ドリーミーな感じの作品

しかしその中であくまでも全体のトーンを統一させながら、ゴスペル的雰囲気で愛や人生に対する思いを、ゆったりとしたリズムに乗せながら歌うという自らのスタイルを能弁に表現しているのは、ダニエルのボーカルであり、そうしたダニエルの立ち位置表明は、これらの曲以外の「We Find Love」「Blessed」といった、正にコンテンポラリー・ゴスペルとでも言うべき楽曲に顕著なのです。



アルバムの最後を飾るタイトル・ナンバー「Freudian」というのは、夢による精神分析で名高いあのフロイトの説を支持するもの、という意味。ここでは例によって浮遊感満点のシンセを軸にした音像をバックに、自分が歌っているのも、自分が今生きているのもあなた(女性)がいて、アドバイスしてくれたからだ、と愛情の対象者である女性に対して感謝を表明する歌です。

曲の後半ではそれが急に母親への言葉となり「時間が僕を変えたんだ。ママ、僕は信仰心を失ってしまった」というフレーズで不安感を誘うピアノ音で一旦曲が終了。そこから1分半の無音の後、ハモンド・オルガンの重厚な音色をバックにダニエルが荘厳な感じのゆっくりとした歌声でこう歌います。その厭世的で破滅的に聞こえるメッセージは、愛をそして光を求めるが故のダニエルの心からのメッセージかもしれません。


素敵じゃないか 人の命を犠牲にするのは

世界はその犠牲を受け入れた

興奮しすぎたが 今我々は命を取り上げている

素敵じゃないか 人の命を犠牲にするのは

必然的な結果なんて嫌いだ 代償が大きすぎる

ただ君らは歓楽を追い求めるだけ

素敵じゃないか 人の命を犠牲にするのは

僕は常に楽な逃げ道を取る 自分が生きてる価値などない

素敵じゃないか 人の命を犠牲にするのは

僕が殉教者だと言ってくれ 僕のエゴにそれを求めてくれ

ただ光が欲しいだけ


このアルバムは昨年のグラミーで話題となったチャンス・ザ・ラッパー同様、デジタル・ダウンロードとストリーミングのみの配信。なので内容は音像こそ今風R&Bですが、楽曲の構成やメッセージは昔ながらのR&Bの要素とゴスペル的要素を内包しながら、正に今の時代の音楽消費に合った形での表現方法を取っていると言えます。

彼がノミネートされた部門は、ブルーノ・マーズやこちらも実力派女性R&Bシンガーのディシ、今年の有力新人の一人SZAなど強力な面子が肩を並べていますので、なかなか受賞は難しいと思いますが、今年3月には代官山UNITで一回きりの初日本公演も予定されているこのダニエル・シーザーという才能、これを機会に今後注目していかれてはいかがでしょうか。


<チャートデータ> 

ビルボード誌全米アルバム・チャート 最高位25位(2017.9.16付)

同全米R&B/ヒップホップ・アルバム・チャート 最高位16位(2017.9.16付)

同全米R&Bアルバム・チャート 最高位6位(2017.9.16付)

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #9(完結編)〜主要4部門〜

さて今週水曜日1/17に新宿カブキ・ラウンジで開催された吉岡正晴さんの「ソウル・サーチン・ラウンジ」でこのグラミー賞大予想大会をテーマにしたトーク&レコード・ライヴに参加してきました。いやあなかなかトークも盛り上がり、面白いお話も飛び出しと楽しい時間を過ごさせて頂きました。吉岡さんには改めて御礼申し上げます。

さてそのイベントでも一足先にご披露した、主要4部門の予想、本企画の締めくくりとして行ってみます。まずは新人部門。


38.最優秀新人賞部門(Best New Artist)

× Alessia Cara
◎ Khalid
  Lil Uzi Vert
  Julia Michaels
○ SZA


Alessia CaraKhalid.jpgLil Uzi VertJulia MichaelsSZA-b.jpg

さて、去年の予想の時にも言いましたが、今回この部門にノミネートされてるアレッシア・カーラ、彼女自身は素晴らしいシンガーだと思いますし、受賞しても何もおかしくないんですが、彼女は去年のグラミー賞の対象期間(2015/10/1-2016/9/30)中にデビュー・ヒットの「Here」は堂々全米5位のヒットでシーンに躍り出ていて、期間終了目前にリリースした「Scars To Your Beautiful」も全米8位の大ヒットになっていたので、当然去年の新人賞にノミネートされるべき人。去年ここでグラミーにありがちな「何でこの人が入ってないの?」の一人としてご紹介したの、ご記憶でしょうか。そのアレッシアが何故か今年ノミネートされて、思い出したのはその前年のメーガン・トレイナー。彼女なんて、第57回のグラミーで「All About That Base」がSOYとROYにノミネートされていて、その翌年の第58回で何と新人賞ノミネートされるという今回のアレッシアと同じパターン、しかも受賞してるんです。

水曜日のカブキ・ラウンジでのイベントでもお話しましたが、大体グラミーが無理矢理感満載のノミネートをする時は、かなりの確率でその人・作品が受賞する、という傾向があります。そこからいくと今回のアレッシア、いやプンプン臭うんですよね。

でも今回の自分の本命◎は、若干18歳でデビュー、表現力満点ながらちょっと今風R&Bの音像による世界感を持ったシンガー、カリードにしました。対抗○は、吉岡さんが本命に推されているこちらも才能ある女性R&Bシンガー(男性版カリードっぽい音像、とイベントでコメントしてます)のSZA。その時も盛んに話しが出ましたが、今回のグラミー黒人系アーティスト・作品の比重がいつになく高いのを反映してこの新人賞部門でもこの2人が双璧、というのが自分の見立てです。

穴×は、やっぱり先ほどメーガン・トレイナーの再来か?と言うご説明をしたアレッシア・カーラに。当初は最近のメインストリーム・ポップ・ヒットの作者として実績を積んできたシーアみたいな立ち位置のジュリア・マイケルズにしてたんですが、昨日アレッシアの話をするうちにひょっとしてアレッシアの可能性結構あるかも、と思い急遽変更することにしました。吉岡さんは対抗にあげられています。

でも全員1990年以降(平成)生まれの候補となった今回のこの部門、さすがにリル・ウジ・ヴァートは厳しいでしょうが、それ以外の4人は誰が来てもおかしくない、久々にみる激戦区の部門になってますね。ちなみに今回普通必ず一人は入ってるカントリーのアーティストが全く不在ですが、これは2011年第53回以来7年ぶり、過去15回のグラミーでもわずか3回目という珍しい事態になってます。


39.最優秀アルバム部門(Album Of The Year)

  "Awaken, My Love!" - Childish Gambino
× 4:44 - Jay-Z
○ DAMN. - Kendrick Lamar
  Melodrama - Lorde
◎ 24K Magic - Bruno Mars


Childish Gambino Awaken My Love 200Jay Z 444 200Kendrick Lamar damn 200Lorde Melodrama 200Bruno Mars 24k magic 200

さて今回のグラミーの2大ポイントは「主要部門でのジェイZ、ケンドリック・ラマー、ブルーノの三つ巴の闘い」というのと「チャイルディッシュ・ガンビーノの主要部門2部門ノミネート」というもの。しかしさすがにPファンクとプリンスのマリアージュみたいな作品のチャイルディッシュ・ガンビーノが(個人的にはかなり好きなんですがね)主要部門をいきなり初ノミネートで取って行くというのはどうも考えにくいので、彼にはアーバン・コンテンポラリー・アルバム部門をガッツリ取ってもらって終わり、と言う予想をしてます。

一方三つ巴の方ですが、水曜日の吉岡さんとの予想イベントでも再三話しに出たように、どうもケンドリック・ラマーブルーノが強力で光り過ぎている一方、ジェイZの今回の作品は昔ながらのオールドスクールな音作りで(スティーヴィー・ワンダーをベタベタにサンプリングするなどやややり過ぎの感もあり)、僕らのような昔からのヒップホップ・ファンにはいいのですが、今回のグラミーを象徴する「今の若いサウンド」という観点からはかなりかけ離れた作品になっている気がしてどうしても本命・対抗が付けづらい、という状況。吉岡さんとの予想でも、主要4部門軒並みジェイZは二人ともに本命・対抗には選ばず、という結果になって「これでジェイZがさらって行ったらどうします?(笑)」などという冗談も出る始末。

で、このアルバム部門。個人的にはやはり今回これまでのアルバムの内省的でストイックな作品スタイルからより多様な楽曲スタイルで違う意味での高い完成度になってるケンドリック・ラマーの『DAMN.』に取って欲しいところですが、ここは敢えてブルーノの『24K Magic』を本命◎にしました。このアルバムも70年代~80年代~90年代の様々なR&B/ファンクの意匠を見事にブレンドして、おいしいところを山ほど盛り込んだ、その手の音のファンにはたまらない作品になってるのはご承知の通り。こういうことをブルーノのような非黒人(彼はプエルトリカン・ジューイッシュの父とフィリピン人の母を持つマルチ・レーシャル)がやるととかく黒人コミュニティから反発を受けるものですが、彼の場合逆に人種関係なく高いリスペクトを得ているのが特異なところ。様々な人種・年齢のミュージシャンや音楽業界関係者で構成されるアカデミーの支持は高いものがあるのでは、ということで本命に。ケンドリック対抗○にしてます。ちなみに吉岡さんは全く逆でケンドリック本命、ブルーノ対抗。

穴×は、主要部門でジェイZがもし何か取るとするとこの部門くらいではないかな、ということで『4:44』に進呈してみました。ううむ、ジェイZが取ったらどうしよう(笑)


40.ソング・オブ・ジ・イヤー(Song Of The Year - 作者に与えられる賞)

× Despacito - Luis Fonsi & Daddy Yankee Featuring Justin Bieber (Ramón Ayala, Justin Bieber, Jason "Poo Bear" Boyd, Erika Ender, Luis Fonsi &  Marty James Garton)
  4:44 - Jay-Z (Shawn Carter & Dion Wilson)
  Issues - Julia Michaels (Benny Blanco, Mikkel Storleer Eriksen, Tor Erik Hermansen, Julia Michaels & Justin Drew Tranter)
◎ 1-800-273-8255 - Logic Featuring Alessia Cara & Khalid (Alessia Caracciolo, Sir Robert Bryson Hall II, Arjun Ivatury & Khalid Robinson)○ That's What I Like - Bruno Mars (Christopher Brody Brown, James Fauntleroy, Phillip Lawrence, Bruno Mars, Ray Charles McCullough II, Jeremy Reeves, Ray Romulus & Jonathan Yip)

Despacito 250Jay Z 444 200Julia Michaels IssuesLogic 1-800-273-8255Bruno Mars Thats What I Like


今回の主要4部門はどれもかなり拮抗していて、ホントに予想が難しい、というのが水曜日のイベントでの吉岡さんとの共通した見解だったんですが、珍しくこのSOYでは吉岡さんと本命◎が「1-800-273-8255」でバッチリかぶりました

自殺相談ホットラインの電話番号をタイトルにしたこの曲、昨年夏のMTVヴィデオ・ミュージック・アウォードロジックアレッシア・カーラカリードがパフォームしたところ、一気に人気が出てHot 100でも29位→9位にジャンプアップ、最高位3位を付ける大ヒットになったばかりでなく、このホットラインの入電数も一気に激増したというバックグラウンドが、いかにもグラミーのアカデミーが好きそうな「多様性や社会的弱者の支持」というメッセージを強烈に出していて、もうこれは本命◎だろうということで意見が一致。歌詞の最初では「僕は生きたくない、今日死にたい」といっていたのが最後の方では「今僕は死にたくない」と変わって行くのがなかなか静かな感動を呼ぶ楽曲、フィーチャーされているアレッシア・カーラとカリードの新人賞ノミネート面子も共作しているということで、授賞式の最後の方でステージにいっぱい集まってこの曲で盛り上がる、ってなイメージすら浮かぶのです。

対抗○はここでも自分にはブルーノが光って見えてしょうがないのと、R&Bソング・チャートで20週1位を独占したこともあってやっぱりここは「That's What I Like」かなあ、と思ってます。

自分が穴×にして、吉岡さん対抗○にしている「Despacito」ですが、どちらかというとSOYというよりもROYの方で目があるのでは、という見立て。16週間Hot 100ナンバーワンである意味2017年を代表する曲であることに間違いないし、もし「Despacito」が取ると、SOY部門では第1回1959年のドメニコ・モドゥーニョの『Volare』以来の外国語曲受賞、という話題もあるのですが、いかんせんこの部門では「1-800-273-8255」とブルーノが光りすぎてるということで穴にさせてもらってます。


さあいよいよ最後の部門、レコード・オブ・ジ・イヤーです。


41.レコード・オブ・ジ・イヤー(Record Of The Year - アーティスト、プロデューサーへの授賞)

  Redbone - Childish Gambino (Ludwig Goransson)
× Despacito - Luis Fonsi & Daddy Yankee Featuring Justin Bieber (Josh Gudwin, Mauricio Rengifo & Andrés Torres)
  The Story Of O.J. - Jay-Z (Jay-Z & No I.D.)
○ HUMBLE. - Kendrick Lamar (Mike Will Mede-It)
◎ 24K Magic - Bruno Mars (Shampoo Press & Curl)


Childish Gambino Redbone Despacito 250 Jay Z The Story Of OJ Kendrick Lamar Humble Bruno Mars 24k magic 200 

2017年を代表するレコードは、楽曲は?というこの部門。普通の年であれば、Hot 100ナンバーワン16週のタイ記録達成、メジャー・アーティストをフィーチャーしたリミックス・バージョンでメインストリームのヒットにつなげるというヒット・フォーミュラを確立(この後Jバルヴィン&ウィリー・ウィリアムス+ビヨンセで「Mi Gente」が大ヒット)するなど、文句なしの実績を残した「Despacito」がこの部門を持っていって全くおかしくないんですが、水曜日の吉岡さんのイベントでもコメントしたように「今年は年が悪かった」(笑)。

やっぱりここでもブルーノケンドリックの一騎打ち的な構造がくっきり出ているのだけど、過去にこの部門で数々のラップ作品がノミネートされていても残念ながら一度も受賞がない、という歴史的事実を考えると、やはりここはブルーノ本命◎かなあ、となってしまいます。プロデューサーは、前作までのプロデューサー・チームのスミージングトンズ(ブルーノ・マーズ、フィリップ・ローレンス、アリ・レヴィン)からアリが抜けて代わりにクリストファー・ブロディ・ブラウンを加えた「シャンプー・プレス&カール」。

ケンドリックは、過去の2枚のアルバム『Good Kid, M.A.A.D. City』(第56回)と『To Pimp A Butterfly』(第58回)がいずれも最優秀アルバム部門でノミネートされてましたが、ROYでは今回が初ノミネート、というのも弱い要素。従って残念ながらここでも対抗○取ってくれると嬉しいんですけどね

穴×は「悪い年に当たってしまった」「Despacito」に。吉岡さんは、この「Despacito」に本命◎を付けておられますが、その気持ちはよく分かります(笑)。ちなみにROYを取ると、こちらも第1回1959年「Volare」以来の外国語曲受賞ということになります。

そしてここでも票が入らなかったジェイZ(笑)。彼もこの部門では第53回の「Empire State Of Mind」(アリシア・キーズと)、第50回の「Umbrella」(リアーナのフィーチャリング)そして第46回の「Crazy In Love」(ビヨンセのフィーチャリング)と過去3回ノミネートされているのですが一度も受賞なし。ラップ部門ではあんなに強いジェイZ主要部門での受賞は今回もないのか。


ということで41部門のグラミー賞大予想、最後までお付き合い頂きありがとうございます。また、水曜日の新宿カブキ・ラウンジ吉岡さんとのイベントにおいで頂いた方々にも感謝です。今回は残念ながら仕事の都合で生ブログはできないのですが、日本時間1/29月曜日の授賞式は録画して見て、来月にはおさらいのブログもアップしたいと思います

主要4部門の闘いはどうなるのか、ジェイZは果たして受賞できるのか(笑)、「Despacito」はどうなるのか、などなどの見所と、数々のパフォーマーとトリビュート・パフォーマンスなども今回もふんだんにあるでしょうから、是非授賞式、楽しみましょう。ではエンジョイ!

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #8 〜ミュージカル、ヴィジュアル・メディア、プロデューサー部門〜

さていよいよ明後日水曜日1/17に迫った新宿カブキ・ラウンジでの音楽評論家、吉岡正晴さんとのグラミー賞大予想イベント、盛り上げますので楽しみにしていて下さい。皆さんのお越しをお待ちしています(^^)

詳細はここで↓
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12337939508.html

では主要賞以外の残りの部門、一気に行ってしまいます。

Hello Dolly 


33.最優秀ミュージカル・シアター・アルバム部門(主なソロイスト/プロデューサー/楽曲作者に与えられる賞)

× Come From Away Original Broadway Cast Recording (- / Ian Eisendrath, August Eriksmoen, David Hein, David Lai & Irene Sankoff / David Hein & Irene Sankoff)
○ Dear Evan Hansen Original Broadway Cast Recording (Ben Platt / Alex Lacamoire, Stacey Mindich, Benj Pasek & Justin Paul / Benj Pasek & Justin Paul)
◎ Hello, Dolly! New Broadway Cast Recording (Bette Midler / Steven Epstein / Jerry Herman)

Come From Away Dear Evan HansenHello Dolly album

今年のこの部門は2014年第56回以来となる、僅か3作のノミネートなので、予想の空振りがないのが嬉しいところ(笑)。ということは単なる順位付けと一緒ということなのですが、ここで一番光ってるのは言うまでもなく、あのベット・ミドラー主演による往年の名ミュージカル『Hello, Dolly!』のリバイバル。既に昨年発表のトニー賞で、最優秀リバイバル・ミュージカル部門と最優秀ミュージカル主演女優賞(ベット・ミドラー)を含む4部門受賞しているこの古典と言ってもいい有名ミュージカル(キャロル・チャニング主演による初演は1964年)が何と言っても本命◎でしょう。

続く対抗○は、メンタルに悩む高校生イヴァン・ハンセンが、ある嘘をきっかけに亡くなった同級生の家族と親密になり、自分を取り戻していくというストーリーの『Dear Evan Hansen』。主演のベン・プラットの演技が高く評価されているようで、トニー賞でも最優秀ミュージカル、最優秀ミュージカル主演男優賞(ベン・プラット)を含む6部門受賞という、『Hello, Dolly!』をしのぐ評価を得ています。

そして残る穴×は、2001年の9-11同時多発テロの際、カナダのニューファウンドランド島に着陸を命ぜられた38機の民間飛行機の乗客を、地元の住民が優しく受け入れた様子を描くストーリーの『Come From Away』。この作品もトニー賞で、最優秀ミュージカル監督賞を受賞しています。


34.ビジュアル・メディア向け最優秀コンピレーション・サウンドトラック部門

× Baby Driver Various Artists
  Guardians Of The Galaxy Vol. 2: Awesome Mix Vol. 2 Various Artists
◎ Hidden Figures: The Album Various Artists
 La La Land Various Artists

  Moana: The Songs Various Artists

Baby DriverGuardians of Galaxy 2Hidden Figures the albumLa La LandMoana.jpg

昨年も多くの話題作の映画のサントラが音楽市場を賑わせました。この部門、昨年はドン・チードルによるマイルス・デイヴィスの半生を描いた『Miles Ahead』のサントラが、ロバート・グラスパーによる素晴らしいプロダクションもあり、余裕で受賞してました。

さて今年はというと、昨年発表のアカデミー賞での最後の『Moonlight』によるどんでん返しを覚えている方だと「なんでMoonlightのサントラが入ってないんだ?」と思わずつぶやいてしまうのでは。まああの映画のサントラって、ヒップホップとR&Bのカットアップのコラージュのような曲が殆どで、またそれが映画のクールな映像に合っていたのですが、この部門にノミネートされるにはちと趣向が違いすぎるのかもしれません。そうなるといやでも「La La Land」が浮上してくるのですが、ここはあえて独断と偏見に基づきあのファレル・ウィリアムスが全面的に音楽を手がけた映画『ドリーム』のサントラ「Hidden Figure: The Album」に本命◎を付けたいと思います。「影に隠されていた人たち」という意味の原題に映画製作者たちの思いを感じることができるこの作品、既にこの1月現在USで1億7000万ドル(約190億円)の興行収入を上げていて、「La La Land」の1億5100万ドル(約166億円)をしのぐ売上を記録しているあたりにもこの映画への強い支持が感じられるからです。

対抗○は「La La Land」として、穴×はこちらもジョン・スペンサー、クイーン、Tレックス、ダムドといった微妙にメインストリームを外した、ニューシネマ風の楽曲を効果的に使った話題のカーチェイス・アクション・ムーヴィー『Baby Driver』のサントラに。うちの娘もこれを見てえらく気に入って、帰宅していきなりYouTubeでダムドの曲を聴きだしたのには何が起きたのかと驚いたもんです。(^^)


35.ヴィジュアル/メディア向け最優秀スコア・サウンドトラック部門(スコア作曲者に贈られる賞)

× Arrival Johann Johannsson
  Dunkirk Hans Zimmer
  Game Of Thrones: Season 7 Ramin Djawadi
 Hidden Figures Benjamin Wallifisch, Pharrell Williams & Hans Zimmer
 La La Land Justin Hurwitz


Arrival.jpgDunkirk.jpgGame Of Thrones Season 7Hidden FiguresLa La Land OST

この前の部門にノミネートされた『ラ・ラ・ランド』『ドリーム(Hidden Figures)』に加え、世界中に突然出現した12個の地球外来の宇宙船とのコミュニケーションを図る米軍所属の言語学者ルイーズ・バンクスの物語『Arrival(メッセージ)』、クリストファー・ノーラン監督の第二次世界大戦中の連合軍のダンケルク脱出の顛末をリアルに描いた『ダンケルク』、そしてケーブルチャンネルのHBOでカルト的な人気を誇る、7つの王国の間での王座を巡っての陰謀や闘いを、邪悪なキャラや伝説的な生き物たちを交えながらおどろおどろしくもファンタジックに描く『Game Of Thrones』といずれ劣らぬ強烈な作品が並んだこの部門。

でも映画のスコアということになると、ここはやはり去年のアカデミー賞でも最優秀オリジナルスコア部門を制した『ラ・ラ・ランド』が本命◎か。対抗○は前の部門でも推した『ドリーム(Hidden Figure)』に。

穴×は大いに迷うところだけど、巨匠ハンス・ジマーの『ダンケルク』もあるかなあとも思いながら、2年前の第58回でスティーヴン・ホーキング博士の半生を描いた『The Theory Of Everything』のスコアで初ノミネートされるも、あの『Birdman』に破れたアイスランド出身の気鋭の映画音楽作曲家、ヨハン・ヨハンセンに進呈しておきましょう。


36.ヴィジュアル・メディア向け最優秀ソング部門(作者に与えられる賞)

◎ City Of Stars (From "La La Land") - Ryan Gosling & Emma Stone (Justin Hurwitz, Benj Pasek & Justin Paul)
× How Far I'll Go (From "Moana: The Songs") - Auli'l Cravalho (Lin-Manuel Miranda)
○ I Don't Wanna Live Forever (Fifty Shades Darker) (From "Fifty Shades Darker") - ZAYN & Taylor Swift (Jack Antonoff, Sam Dew & Taylro Swift)

  Never Give Up (From "Lion") - Sia (Sia Furler & Greg Kurstin)
  Stand Up For Something (From "Marshall") - Andra Day Featuring Common (Common & Diane Warren)

そしてヴィジュアル・メディア部門最後の賞、ソング部門。今年はヒットチャートでも大ヒットした曲というのは官能的な映像で話題を呼ぶ恋愛映画シリーズ3部作の第2作『Fifty Shades Darker』の主題歌で、元ワンダイレクションゼインテイラー・スウィフトが歌う「I Don't Wanna Live Forever」(最高位2位)のみ。当然ながらこの部門は往々にしてアカデミー賞最優秀歌曲賞受賞曲が取るケースが多くて、最近でそのパターンが崩れたのはアカデミーとグラミーでノミネーションがほとんど被らなかった去年、ジャスティン・ティンバーレイクが「Can't Stop The Feeling!」で取ったくらい。ということで本命◎はここでも「ラ・ラ・ランド」の「City Of Stars」が順当でしょうね。で、対抗○はくだんの『Fifty Shades Darker』の主題曲。カントリー部門でもリトル・ビッグ・タウンの「Better Man」の作者としてノミネートされていたテイラー・スウィフトここでも作者としてノミネートされてます

穴×はこの2つの候補がいなかったらディズニー映画の主題歌として間違いなく受賞当確だっただろう、『モアナと伝説の海(Moana)』からハワイ出身のアウリル・クラヴァーリョ嬢が歌う「How Far I'll Go」に。この曲、今回新人賞部門でノミネートされているアレッシア・カーラのバージョンでもヒットしました。




37.最優秀プロデューサー部門(クラシック以外)

  Calvin Harris
× Greg Kurstin
  Blake Mills
○ No I.D.
◎ The Stereotypes

Calvin HarrisGreg KurstinBlake MillsNo IDStereotypes.jpg

今回も他より際立ってこいつが取るだろう、というノミニーがいないこのプロデューサー部門。去年も似た状況でしたが、それでもアデルの「Hello」をプロデュースしたグレッグ・カースティンが納得の受賞でした。今年もそのグレッグ、ノミネートされていて、フーファイの『Concrete And Gold』をプロデュースしたり、ケンドリック・ラマーの「LOVE.」をプロデュースしたりと、結構キモの仕事をしているので普通であればかなり最右翼のはず。しかし2年連続受賞というのは過去この部門、第38回~40回に3回連続受賞のベイビーフェイスのみということもあるのと、今年はやはり主要4部門の作品を多く手がけているプロデューサーに分があるのでは、と思うので、グレッグ穴×としておきます。

で、その分があると思われるプロデューサーですが、本命◎を付けたのは、ブルーノ・マーズの「That's What I Like」をはじめ、アルバム『24K Magic』の楽曲を軒並み手がけたザ・ステレオタイプスことジョナサン・イップ、レイ・ロムラス、ジェレミー・リーヴスレイ・チャールズ・マッカロー2世によるプロデューサー・チーム。ブルーノのプロデューサー・チームは、以前2012年第54回にザ・スミージングトンズブルーノ・マーズ、フィリップ・ローレンスアリ・レヴィン)がノミネートされるも、アデルの「Rolling In The Deep」をやったポール・エプワースに賞をさらわれた過去があります。でも今回はこのチームが取るのでは、というのが見立て。

もう一人強力で対抗○に推すのは、今回8部門ノミネートでグラミーの台風の目の一つになっているジェイZの『4:44』をジェイZとプロデュースしたノーI.D. ことアーネスト・ディオン・ウィルソン。仕事の大きさでは彼も本来充分本命の目はあるのですが、この部門純粋なヒップホップ・プロデューサーが受賞したのはDr.ドレの2001年第43回くらいなのでねえ。

それにしても今回ケンドリック・ラマーの『DAMN.』がほとんど曲ごとに異なるプロデューサーを使っているのでこの部門には登場してないけど、もしあのアルバムのかなりの部分を一人のプロデューサーがやってたらこの部門も大いに迷うところだっただろうなあ。


さて、残すは主要四部門のみ。明日は水曜日の準備等々で予想アップできるかどうか微妙ですが、カブキ・ラウンジでは少なくとも主要四部門の予想はご披露の予定ですので乞うご期待。

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #7 〜アメリカン・ルーツ部門パート2〜

さて、次はブルースとフォーク部門です。

 Rolling Stones Blue Lonesome 


30.最優秀トラディショナル・ブルース・アルバム部門

  Migration Blues - Eric Bibb
○ Elvin Bishop' Big Fun Trio - Elvin Bishiop's Big Fun Trio
× Roll And Tumble - R.L. Boyce
  Sonny & Brownie's Last Train - Guy Davis & Fabrizio Poggi
◎ Blue & Lonesome - The Rolling Stones


Eric Bibb Migration Blues Elvin Bishop Big Fun Trio RL Boyce Roll Tumble Guy Davis sonny  Rolling Stones Blue Lonesome (s) 

ブルーグラス部門もそうですが、このブルース部門や次のフォーク部門にノミネートされるアーティストって、もちろんそれぞれのジャンルの大御所や実力者もある一方、数々のキャリアを経てこのグラミーに始めてノミネートされたアーティストも多いわけで、そういったアーティスト達のことを知る機会としてのグラミー、というのが自分がこの予想を始めた一つの理由でもあったりするわけです。

で、今年もこのブルース部門、明らかにダントツの本命◎としか思えないストーンズのブルースの先達達のカバーアルバムや、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドにいた60年代終わりからこっちアメリカのブルース・ギタリストの実力者として活躍してきたエルヴィン・ビショップに混じって、今年も新しいアーティストと巡り会えるのはありがたいことです。

今回それ以外に新たにノミネートされたのは、MJQのピアニスト、ジョン・ルイスの甥で、幼少の頃からディランピート・シーガーと家族ぐるみの付き合いをする中でアコースティック・ギターによるブルースに磨きをかけた、今はスウェーデンで活動するエリック・ビブ、あのブルース・レジェンド、R.L.バーンサイドの弟子で、52歳でデビュー・アルバムを出したという遅咲きのブルースマン、R.L.ボイス、そしてブルースマンとしてのキャリアもさることながら、80年代は映画にも出演、90年代はブルース・レジェンドのタジ・マハールロバート・ジョンソンを題材にしたミュージカルなどにも出演歴がある異色のブルースマン、ガイ・デイヴィスの3人。

どのアーティストも魅力的なのですが、ストーンズはここで光りすぎなので本命◎、対抗エルヴィン・ビショップ。穴×は迷うところですが、R.L. ボイスに付けておきましょう。


31.最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム部門

  Robert Clay & Hi Rhythm - Robert Clay & Hi Rhythm
  Recorded Live In Lafayette - Sonny Landreth
○ TajMo - Taj Mahal & Keb' Mo')
× Got Soul - Robert Randolph & The Family Band
◎ Live From The Fox Oakland - Tedeschi Trucks Band

Robert Clay Hi RhythmSonny Landreth LIve in LafayetteTajmo.jpgRobert Randolph Got SoulTTB Live from the Fox Oakland

さて、コンテンポラリー・ブルース部門。ブルースって何がコンテンポラリーなんだろうねって(笑)。古くも新しくもないのがこういうブルースとかのジャンルの良さだと思うんだけどね。で、ここで一際光っているのがテデスキ・トラックス・バンドのオークランドでのライヴを収めたアルバム。アナログだと長尺の3枚組のこのアルバム、デレクのエキサイティングなギター・プレイとスーザンのパワフルなボーカルを満喫できる1枚になっていて、本命◎の貫禄充分といったところ。

対抗○は、ブルース・レジェンドのタジ・マハールと、こちらも既にレジェンドの域に達しているケブ・モーの二人のデルタ・ブルースの雄がコラボしたアルバム『TajMo』。何せタジ・マハールというと、あのオールマンがカバーした「Statesboro Blues」のオリジナルという凄い人だし、ケブ・モーも元々はジェファーソン・エアプレインの黒人フィドル・プレイヤー、パパ・ジョン・クリーチに見いだされたという60年代以来の筋金入りのブルースマン。そのとっくに還暦を過ぎた二人が組んだこのアルバム、びっくりするくらい聴きやすいホントにコンテンポラリー・ブルースっていうにふさわしい好アルバムに仕上がっていて超お勧め。アルバム最後なんてジョン・メイヤーのカバーとかやってるし。

穴×は、この間のピーター・バラカン主宰のLive Magicでも来日して日本でライヴバリバリやってたルイジアナのブルース・ギタリスト、ソニー・ランドレスも考えたんだけど、それに劣らず気になったのが元々教会でペダル・スティール・ギターを弾いていたというロバート・ランドルフのアルバム。いやあロバート・ランドルフのスティール・ギターって、今風のグルーヴを発しながら、ホントにデルタを感じるというか凄く気持ちいい音色で個人的には凄く好きなんです




32.最優秀フォーク・アルバム部門

◎ Mental Illness - Aimee Mann
× Semper Femina - Laura Marling
  The Queen Of Hearts - Offa Rex
  You Don't Own Me Anymore - The Secret Sisters
○ The Laughing Apple - Yusuf / Cat Stevens


Aimee Mann Mental Illness Laura Marling Semper Femina Offa Rex Queen Of Hearts Secret Sisters you dont own me Yusuf Laughing Apple 

この部門は2012年第54回に予想を始めて以来、毎年これは来る!と思った作品が必ず外す(笑)なかなか毎回予想に苦労している部門。去年一昨年は対抗○で当てたものの、2年連続本命◎にあげたリアノン・ギデンズは取れずじまいという状況です。

で今年の予想ですが、ざっとラインアップを見て目に付くのはエイミー・マンの本人曰く「これまでで最も悲しくて、スローでアコースティックなアルバム」という9作目『Mental Illness』と、何と今回がグラミー初ノミネートとなったユースフ(イスラム名)ことキャット・スティーヴンスが往年のヒットの数々をプロデュースしたポール・サミュエル・スミスと1978年のアルバム『Back To Earth』以来実に39年ぶりに再会して作ったアルバム『The Laughing Apple』。

で、両方のアルバムをちょっと聴いてみましたが、本命◎エイミー・マンに付けようと思いました。PVを見るとあの凜として美しかったエイミーもさすがに年を取ったなあ、という感慨にふけりますが、アコギをつま弾きながら歌うエイミーの声にはやはり聴く者を動かすものがあるし、50代後半というタイミングで敢えて暗いテーマを選びながら、歌声にはネガティヴなところがないのがいいな、と。一方キャット・スティーヴンスの方も「ああ、相変わらずのあの声だ」と思わせてくれる楽曲が並んでいて、ポールとの再会もいい方向に機能しているようなのですが、残念ながら今回のアルバム収録曲はタイトル曲を含む4曲が1967年の『New Masters』既出(デビュー直後のこのアルバム当時は全く売れず)ということもあり、今回は

穴×はこちらも今回グラミー初ノミネートとなった、UKの新進気鋭の女性シンガーソングライター、ローラ・マーリングの『Semper Femina』。2013年の4作目『Once I Was An Eagle』が音楽誌各誌の年間ベストアルバムリストの上位にランクされるなど、伝統的なフォーク・シンガーのスタイルながら楽曲のクオリティの高さで高く評価されて以来、シーンでの存在感を高めて来ていますが今回のノミネートでメインストリームにも名前が出たわけです。今回の予想も自信はあまりないですが(笑)外すのであればローラが取って外れた、というのであれば自分的にはOKです。



さて主要四部門まであと残すはミュージカル部門、ビジュアル・メディア部門そしてプロデューサー部門。こちらも週末のうちにあげられればいいなあ。では。

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #6 〜アメリカン・ルーツ部門パート1〜

寒い週末がやって来ました。日本海側は雪がもの凄いことになっているようですが、どうか暖かくして雪かきなどで体を痛めたりしないよう、裏日本の皆様にはご留意下さい。

さて、残り16部門、グラミー予想どんどん行きましょう。

Glen Campbell Adios


26.最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス部門

× Killer Diller Blues - Alabama Shakes
  Let My Mother Live - Blind Boys Of Alabama
◎ Arkansas Farmboy - Glen Campbell
○ Steer Your Way - Leonard Cohen
  I Never Cared For You - Alison Krauss




今年でまだやっと4年目となるグラミージャンル部門の中でも最も新しい部門の一つ、アメリカン・ルーツ部門。その中でもメイン部門となるこの部門は過去第57回があのカントリー・レジェンド、ジョニー・キャッシュの娘でここ数年アメリカーナ・シーンで存在感を高めるロザンヌ・キャッシュ、第58回がご存知ステイプルズ・シンガースの主要メンバーで、最近はオルタナ・ロック系のプロデューサーを迎えてオルタナ・ブルース的な新境地を確立しているメイヴィス・ステイプルズ、そして昨年第59回が新進気鋭、瑞々しい楽曲を自ら弾くマンドリンで歌うSSW、サラ・ジャローズといった多彩なメンバーが受賞しています。

さて今年は...とノミニー・リストに目を移すと、あれれここでも大物物故者のガチの一騎打ちの様相が。かたや昨年8月に長らくアルツハイマー病と闘いながらも最近までレコードを出し続け、5年前第55回に生涯功労賞、3年前の第57回では自ら闘病しながら続けたライヴ活動のドキュメンタリー映画『Glen Campbell: I'll Be Me』の主題歌「I'm Not Gonna Miss You」で見事最優秀カントリー・ソングを受賞したグレン・キャンベルの最後のアルバム『Adios』(2017)からの「Arkansas Farmboy」。そしてかたやこちらも7年前第53回に生涯功労賞を受賞、一昨年11月に亡くなった伝説的シンガーソングライター、レナード・コーエンが死の直前にリリースした陰鬱ながら研ぎ澄まされたような楽曲と歌声が印象的だったアルバム『You Want It Darker』から「Steer Your Way」。

いずれ劣らぬ受賞にふさわしい作品ですが、やはりここは過去6回受賞経験もあり、ここ数年もくだんの映画に絡む受賞などでアカデミーメンバーの間でもリスペクトレベルが高まり続けているグレン・キャンベル本命◎コーエン翁対抗とします。

穴×はアリソン・クラウスと迷ったのですが、グラミーのお気に入りアーティストの一つであるアラバマ・シェイクスの「Killer Diller Blues」に。この曲は昨年6月に公開された音楽ドキュメンタリー映画『The American Epic Sessions』のサントラ盤からのカットですが、この映画は音楽録音システムが最初に開発された1925年に実際に使われた有名な録音機を使って、アラバマ・シェイクスの他エルトン・ジョン、ウィリー・ネルソン、ベック、ナズといった様々なジャンルのアーティストが録音を試みたセッションの様子を追った映画らしく、一部で大変話題を呼んだ作品のよう。どうやらホワイト・ストライプスジャック・ホワイトがかなり関与しているらしく、いやあこれは見てみたいな、ということでさっそくYoutubeでいろいろ見てしまいました。アラバマ・シェイクスのパフォーマンスもヤバイですが、ベックがゴスペルシンガーを従えて録音した曲なんかは見てて興奮しますね〜



27.最優秀アメリカン・ルーツ・ソング部門(作者に与えられる賞)

× Cumberland Gap - David Rawlings (David Rawlings & Gillian Welch)
  I Wish You Well - The Mavericks (Raul Malo & Alan Miller)
○ If We Were Vampires - Jason Isbell & The 400 Unit (Jason Isbell)
  It Ain't Over Yet - Rodney Crowell Featuring Rosanne Cash & John Paul White (Rodney Crowell)
◎ My Only True Friend - Gregg Allman (Gregg Allman & Scott Sharrard)


この部門は前の部門の1年前にスタートしていて今年5年目。過去には(コメディアンとしてではなく、バンジョー奏者としての)スティーヴ・マーティンエディ・ブリッケル(第56回)、ロザンヌ・キャッシュ(第57回)、ピュア・プレイリー・リーグのボーカルから今やカントリー界の大御所となって最近はイーグルスのツアーメンバーとしても活躍中のヴィンス・ギル率いるタイム・ジャンパーズ(昨年第59回)、そして今回もノミネートされている元ドライヴ・バイ・トラッカーズジェイソン・イズベルといったメンツが受賞している部門。

ここ数年ジェイソン・イズベルのシーンでの存在感のアップには著しいものがあるし(一昨年はこの部門に加えて最優秀アメリカーナアルバム部門も受賞)今回のアルバム『The Nashville Sound』も非常に出来がよく、自分も年間ベストアルバムの3位にあげたほどなので、ここはジェイソン本命、と行きたいところなのですが、今年のこの部門にはグレッグ・オールマンという強敵がグレッグと言えば言うまでもなくオールマン・ブラザーズ・バンドの創設メンバーにしてボーカリスト、そして昨年5月に惜しくも物故してしまったサザン・ロックの巨人。レナード・コーエン同様、そのグレッグが死の直前に残した最後のアルバム『Southern Blood』がこれまたいい出来なんだよなあ。アルバム自体の出来としては間違いなくジェイソンの方が上なのだけどこの楽曲賞についてはグレッグの「My Only True Friend」に本命◎をあげねばいかんでしょうなあ。ということで死生観と愛する人と何をいつ共有すべきか、といった普遍的なラヴソングの形を歌ってみせたジェイソンの素晴らしい「If We Were Vampires」は対抗

穴×は、これまたアメリカーナ界の大御所でライアン・アダムスウィリー・ネルソンなど数々のアーティストに楽曲を提供してきたギタリスト、デイヴィッド・ローリングスが長年のパートナーであるギリアン・ウェルチと書いた「Cumberland Gap」(ウディ・ガスリーの名唱で知られるフォークのスタンダードで同名曲がありますが異曲です)に。



28.最優秀アメリカーナ・アルバム

○ Southern Blood - Gregg Allman
  Shine On Rainy Day - Brent Cobb
  Beast Epic - Iron & Wine
◎ The Nashville Sound - Jason Isbell & The 400 Unit
× Brand New Day - The Mavericks

Gregg Allman Southern BloodBrent Cobb Shine ONIron Wine Beast EpicJason Isbell the nashville soundThe Mavericks brand new day

前の部門でグレッグに本命付けたから、というわけでもないのですが、この部門の本命◎は僕的にはやはりジェイソン・イズベルがダントツですねグレッグのアルバムも涙なしには聴けない名盤ではあるのですがここは対抗に。

穴×は90年代に登場して以来シーンで根強い人気を誇る、ネオ・トラディショナルというかロカビリーっぽいカントリー・ミュージックを聴かせるボーカルのラウル・マロ率いるザ・メイヴェリックス、前作『Mono』もこの部門ノミネートされていたのでこちらに進呈。ちなみに前回ノミネート時はジェイソンに賞を持って行かれてます(笑)


29.最優秀ブルーグラス・アルバム部門

  Fiddler's Dream - Michael Cleveland
× Laws Of Gravity - The Infamous Stringdusters
  Original - Bobby Osborne
◎ Universal Favorite - Noam Pikelny
 All The Rage - In Concert Volume One [Live] - Rhonda Vincent & The Rage

Michael Cleveland Fiddlers dreamInfamous StringdustersBobby OsborneNoam PikelnyRhonda Vincent All The Rage

さあ今年も不勉強にして知らないアーティストが並んだこの部門ですが、かろうじて知ってる名前も2つほど。その一人、ノーム・ピケルニーは一昨年の東京ブルーノートで見た無茶苦茶カッコいいライヴと、素晴らしいアルバム『The Phosphorescent Blues』(2015)を聴いて以来個人的にハマりまくっているあのパンチ・ブラザーズのバンジョー・プレイヤー。ブルーグラスのバンドをやられて自らもバンジョーを弾かれる知人によると「今ブルーグラス界で一番巧いバンジョーイスト」というノームは、この部門でも既に過去2回単独名義でノミネートされている常連の一人。今回はパンチ・ブラザーズのブレイク後始めてリリースしたソロ・アルバムということで何曲か聴きましたが、いやあやはり演奏技術もさることながら、楽曲の浮揚感というか映画の場面を描くような感覚がバンジョー一本でこれだけできるというのは凄いなあ、と感じ入った次第。彼のボーカルもなかなか味があっていいですねえ。で、本命◎は間違いなくノームで決まりです。

対抗は自らもマンドリン、ギター、フィドルをこなすばかりでなく、他のブルーグラス・バンドやアリソン・クラウスドリー・パートン、アラン・ジャクソンなどカントリー・アーティスト達の作品にも参加、シーンでも有名なブロンドの美人ブルーグラス・シンガー、ロンダ・ヴィンセントのライヴアルバムに。彼女もこの部門では6回目のノミネートとなりますが、果たしてノームを抑えて初受賞なるか。

穴×パンチ・ブラザーズのギタリスト、クリス・エルドリッジが初期のメンバーだったという、5人組のブルーグラス・バンド、インファマス・ストリングダスターズのアルバムに。


アメリカン・ルーツ部門、残りのブルースとフォーク部門も何とか今日明日でアップしますので乞うご期待。

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #5 〜カントリー部門〜

さてどんどん行きますグラミー予想。次はカントリー部門です。

Chris Stapleton


22.最優秀カントリー・ソロ・パフォーマンス部門

  Body Like A Back Road - Sam Hunt
× Losing You - Alison Krauss
○ Tin Man - Miranda Lambert
  I Could Use A Love Song - Maren Morris
◎ Either Way - Chris Stapleton



このグラミー予想で、カントリー部門で毎回言ってるのは前年秋発表のCMA(全米カントリーミュージック協会)アウォードとの相関関係。昔ほどのバッチリの相関関係は最近は薄く、またCMA取ったアーティストや楽曲、アルバムが全くノミネートされなかったり、年をずれて登場したりとここ最近はハッキリ言ってあまり指標としては使えないことも多いのですが、やっぱりCMA受賞内容は押さえなくてはいけません。

で、昨秋の第51回CMAアウォードの結果をおさらいしておきましょう。

*最優秀エンターテイナーGarth Brooks(2年連続6回目の受賞)
*最優秀男性ボーカリストChris Stapleton3年連続受賞
*最優秀女性ボーカリストMiranda Lambert通算7回目の受賞
*最優秀新人賞Jon Pardi
*最優秀ソング"Better Man" by Little Big Town(作者:Taylor Swift
*最優秀アルバム"From A Room: Volume 1" by Chris Stapleton

パッと見てわかるように、クリス・ステイプルトンの強さが際立っているのと、安定したミランダ・ランバート、そして何と言っても最優秀ソング部門何とナッシュヴィルに見切りを付けたはずのテイラー・スウィフトの作品が受賞した、というのが最大の注目点。

で、これを基本にして考えると、何と言っても本命◎クリス・ステイプルトンCMA受賞アルバム『From A Room: Volume 1』からの曲「Either Way」で決まりでしょう。終結に向かおうとしている夫婦関係をエモーショナルに歌い上げるこのアコギ一本のバラードには派手さはないですが、クリスの歌の重みが迫ってくる曲。カントリーの去年のヒット、と言う意味ではサム・ハントの「Body Like A Back Road」がHot 100でも6位と彼初のトップ10、そしてカントリーチャートでは記録となった34週連続1位というオバケヒットでしたが、ここはやはりCMA重視で。

そして対抗CMA女性ボーカリスト賞過去10年中7回受賞しているミランダ・ランバートが一昨年リリースした2枚組の意欲作『The Weight Of These Wings』からの、メアリー・チェイピン・カーペンターあたりを思わせるスケールの大きい曲「Tin Man」。もちろんアメリカのあの曲とは違う彼女のオリジナル。この人も2年前に元旦那のブレイク・シェルトンと別れてから一皮むけて大きくなった感がありますね。

穴×はブルーグラスの女神、アリソン・クラウスが去年リリースして評判よかったカバー・アルバム『Windy City』からのブレンダ・リーのカバー「Losing You」に。


23.最優秀カントリー・デュオ/グループ・パフォーマンス部門

  It Ain't My Fault - Brothers Osborne
○ My Old Man - Zac Brown Band
× You Look Good - Lady Antebellum
◎ Better Man - Little Big Town
  Drinkin' Problem - Midland


で、この部門はさっき説明したCMAアウォードのことを考えると当然本命◎リトル・ビッグ・タウンの「Better Man」しかないわけで。いやあしかしこの曲はポップ・ブレイクする前のテイラーの楽曲、って感じが満載の素晴らしいメロディと、相変わらずテイラーのここずっとの楽曲テーマである「好きだけどどうしようもない男」というメッセージがこれでもかと歌い込まれている、多分ラジオで(スポティファイで?)一回聴いたら耳にこびりついてしまうタイプの曲ですねえ

対抗はこちらは亡き父親との関係を思う素晴らしいアコースティック・バラードザック・ブラウン・バンドの「My Old Man」。ザックは常々ダン・フォーゲルバーグの「Leader Of The Band」のような父親へのトリビュート曲を書きたかったそうで、この曲でその思いを果たしたという気持ちがこもったなかなか感動的な曲。シーンでも大変評判の良かった、アルバム『Welcome Home』からの曲です。

そして穴×は、この部門過去3回ノミネート2回受賞のレディ・アンティベラムに。


24.最優秀カントリー・ソング部門(作者に与えられる賞)

◎ Better Man - Little Big Town (Taylor Swift)
  Body Like A Back Road - Sam Hunt (Zach Crowell, Sam Hunt, Shane McAnally & Josh Osborne)
○ Broken Halos - Chris Stepleton (Mike Henderson & Chris Stapleton)
  Drinkin' Problem - Midland (Jess Carson, Cameron Duddy, Shane McAnally, Josh Osborne & Mark Wystrach)
× Tin Man - Miranda Lambert (Jack Ingram, Miranda Lambert & Jon Randall)


このソング部門も、やはり本命◎テイラー作の「Better Man」が一際光ってるし、これしかない、という感じですね。しかしナッシュヴィルにいずして、ナッシュヴィルの賞やカントリーの賞を取っていくテイラー、やっぱりアーティストとしてレベルが違うことを改めて感じさせてくれます。

対抗はこちらも強そうなクリス・ステイプルトンの『From A Room: Volume 1』のオープニング・ナンバー「Broken Halos」に。「壊れた後光」というこの曲は、友人の死に接して、早く逝きすぎた人々のことを思って書かれたというゆったりとしたテンポでバンドをバックにクリスが情感を込めて歌うカントリー・ゴスペルといってもいい感じの曲。「若くして逝く人々というのは、我々を導くために我々の前に現れた天使で、しかしその役割が終わると去ってしまう。そしてなぜそんなに早く去るのか、我々は理解することにはなっていない」という歌詞を聴くと、若くして逝ってしまった家族のことを思って胸が詰まってしまう、そんな曲です。

そして穴×は安定のミランダ・ランバート。いやあそれにしても今年のカントリー部門の有力ノミネート楽曲はどれも「うた」として素晴らしい作品ばかりだなあ、グスン


25.最優秀カントリー・アルバム部門

  Cosmic Hallelujah - Kenny Chesney
  Heart Break - Lady Antebellum
○ The Breaker - Little Big Town
× Life Changes - Thomas Rhett
◎ From A Room: Volume 1 - Chris Stapleton

Kenny Chesney Cosmic HallelujahLady Antebellum Heart BreakLittle Big Town The BreakerThomas Rhett Life ChangesChris Stapleton From A Room Vol 1

カントリーのアルバム部門は、主要賞に絡むアルバムが確実に受賞するという、ここ数年非常に予想しやすい部門だったんですが、今年は残念ながらカントリー・アーティストが主要賞に全く絡まないという、2004年第46回以来15年ぶりの珍しい年になってしまっています。そうなってくるとCMA絡みの基準になるわけで、そうすると本命◎はどう考えてもクリス・ステイプルトン何だかジンギスカンみたいなジャケットなんですが、前の部門のところでも書いたように、なかなか胸にジーンと来る曲が並んでいて、やっぱこのアルバムも買わんといかんなあ、と改めて思いましたね

対抗テイラーの「Better Man」を含むリトル・ビッグ・タウンの『The Breaker』。新人バンドながら実力ある連中だなあ、と思ってたら彼らも最初のノミネートが2006年第49回の『The Road To Here』なのでもう12年目なんですね

そして穴×は、カントリー・アルバム・チャートでも3週1位、Billboard 200チャートでも初の全米No.1アルバムとなっトーマス・レットの『Life Changes』に。


さあ、あと予想は16部門というところまで来ました。次はアメリカン・ルーツ部門、どんどん行きます。

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #4 〜ラップ部門〜

さて今日のグラミー予想、今回の全体の台風の目となっているジャンル、ラップ部門の予想に行きます。


JayZ.jpg


18.最優秀ラップ・パフォーマンス部門

  Bounce Back - Big Sean
  Bodak Yellow - Cardi B
◎ 4:44 - Jay-Z
○ HUMBLE. - Kendrick Lamar
× Bad And Boujee - Migos Featuring Lil Uzi Vert

さあ、このラップ部門は、主要賞を除くすべてのジャンルで今回ひょっとしたら一番予想が難しい部門かも。何しろ4部門すべてでジェイZケンドリック・ラマーがガチンコで対抗ノミネートされてるから。逆に言えば他のノミニー、受賞チャンスが薄くて可哀想とも言えるよね。で、このラップ・パフォーマンス部門ですが、この部門は歴史的にジェイZが異様に強い部門。過去19回ノミネートされててうち6回受賞、特に2009(第51回)~2013年(第55回)は5年連続受賞という鉄壁さ。なのでこの部門はジェイZケンドリックを凌駕して取ると見てジェイZ本命◎ケンドリック対抗としておきましょう。

穴×はここ数年のトラップ(ドヨーンとしたシンセトラックと打ち込みをバックにゆっくりしたラップとチキチキハイハットや複雑リズムのスネアを配したラップの最近のサブジャンル)の台頭を象徴する、ミゴス最優秀新人賞にもノミネートのリル・ウジ・ヴァートによる2017年の大ヒット(Hot 100 3週間1位)「Bad And Boujee」に。


19.最優秀ラップ/歌唱パフォーマンス部門

  Prblms - 6LACK
  Crew - Goldlink Featuring Brent Faiyaz & Shy Glizzy
◎ Family Feud - Jay-Z Featuring Beyoncé
○ LOYALTY. - Kendrick Lamar Featuring Rihanna
× Love Galore - SZA Featuring Travis Scott


こういうラップの個別部門ではめっぽう強いジェイZ、この部門に至っては過去10回ノミネート中7回受賞という圧倒的な強さを誇っているジェイZに取っては超得意部門。しかも今回は嫁さんのビヨンセをフィーチャーしてのナンバーとあれば、昨年『Lemonade』が最優秀アルバムを逃した雪辱を晴らす絶好のセットアップにしか見えないので、本命◎ジェイZビヨンセケンドリックリアーナのコラボの「LOYALTY.」もかなり強力なんだけどこちらはやっぱり対抗だろうなあ。

穴×は、最優秀新人賞ノミネートのシンガーSZAがラッパーのトラヴィス・スコットをフィーチャーしたこれも評判のいいSZAのアルバム『Ctrl』からの「Love Galore」に付けておこう。



20.最優秀ラップ・ソング部門(作者に与えられる賞)

× Bodak Yellow - Cardi B (Dieuson Octave, Klenord Raphael, Shaftizm, Jordan Thorpe, Washpoppin & J White)
  Chase Me - Danger Mouse Featuring Run The Jewels & Big Boi (Judah Bauer, Brian Burton, Hector Delgado, Jaime Maline, Antwan Patton, Michael Render, Russell Simins & Jon Spencer)
◎ HUMBLE. - Kendrick Lamar (K. Duckworth, Asheton Hogan & M. Williams II)
  Sassy - Rapsody (M. Evans & E. Gabouer)
○ The Story Of O.J. - Jay-Z (Shawn Carter & Dion Wilson)


さて、この部門になってくると、この部門自体が新しいということもあって(2004年第46回にスタート、過去14回)、過去の受賞回数でいくとジェイZが3回に対してケンドリック・ラマーは2回と拮抗していますケンドリックは2015年第58回、翌第59回と2年連続それぞれ「i」と「Alright」で受賞していてここ最近の勢いということでいうとかなりなものがある一方、ジェイZは最後に受賞したのが2013年第55回のカニエとのコラボ曲「N***s In Paris」でそれ以来ノミネートも1回のみという状況。ここから考えると、やっぱりアルバム『DAMN.』のラップ楽曲のクオリティの高さで今回高い評価を受けているケンドリックに分があると考えてるのが自然な気がして。なので本命◎ケンドリック・ラマー、対抗○ジェイZで行ってみます。

穴×は、今年突然ブレイクした、久々のビヤッチ系ラッパー、カーディBのこちらもHot 100で3週1位をゲットした大ヒット「Bodak Yellow」に付けておこうかな。ただケンドリックK. ダックワース名義)やジェイZショーン・カーター名義)と違って彼女はこの曲もライムも書いてないんだよね



21.最優秀ラップ・アルバム部門

○ 4:44 - Jay-Z
◎ DAMN. - Kendrick Lamar
  Culture - Migos
  Laila's Wisdom - Rapsody
× Flower Boy - Tyler, The Creator

Jay Z 444Kendrick Lamar Damnmigos cultureRapsody Lailas WisdomTyler The Creator Flower Boy

これはもうぶっちぎりのケンドリック・ラマーの横綱相撲でしょう。過去の受賞回数はそれぞれ1回、ケンドリックはご存知2016年第58回の『To Pimp A Butterfly』、ジェイZは遙か遡って1999年第41回『Vol. 2...Hard Knock Life』で取ってますが、今回のケンドリックの『DAMN.』はヒップホップ・ファンはもちろんのこと、R&Bやロック・フィールドのファンやアーティスト達からも多くの支持と絶賛を獲得している、自他共に認める2010年代を代表する作品。前回の『To Pimp A Butterfly』が内省的に自分が黒人であることの重さを社会的な観点や、個人的な体験の観点から掘り下げたシリアスな作品であることが評価されたのに対し、今回は純粋にトラックメイキングのクオリティの高さや、楽曲スタイルの多様性(ケンドリックが歌ってる曲もあったりする)等から評価されてて、ホントいうと主要賞の最優秀アルバムを取っても全然違和感ないレベルの作品だけに、ここは堂々たる本命◎でしょう

うちのヒップホップ・ヘッドの息子に言わせると「一回聴いたら充分」というジェイZの『4:44』、まあ一般的にはそこまで厳しい評価ではないにしても、時代性という観点ではやはりケンドリックには後手を取ってる感は否めず、対抗止まりでしょう。

穴×は、この二人がいなかったら充分受賞を狙えるレベルの作品に仕上がってたと思う、オッド・フューチャー系の今風の浮遊感たっぷりのR&B音像をバックにしたタイラー・ザ・クリエイターの『Flower Boy』に。


結論として、ラップ部門はケンドリック・ラマーとジェイZの痛み分け、というのがシナリオ。果たして主要部門ではどうなるか。やっと折り返し点を通過したグラミー予想、まだまだ続きます。

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #3 〜R&B部門〜

成人の日の今日は昼から生憎の雨模様。三連休最終日でもあるし、こういう日は家にこもっていろいろと野暮用を片付けるのに最適。例えばグラミー賞予想ブログのアップとか(笑)。ということで予想第三弾、今日はR&B部門です。

SZA.jpg


13.最優秀R&Bパフォーマンス部門

× Get You - Daniel Caesar Featuring Kali Uchis
  Distraction - Kehlani
  High - Ledisi
○ That's What I Like - Bruno Mars
◎ The Weekend - SZA


ここ数年は第57回のビヨンセ+ジェイZ、第58回のウィークンド、前回のソランジュと、メインストリーム系のアーティストが押さえてきているこの部門、今回はメインストリーム系というとSOYを含む主要三部門ノミネートの泣く子も黙るブルーノ・マーズと、最優秀新人賞ノミネートのSZA(シザ)ことソラーナ・イマニ・ロウ嬢が光ってるので、普通に考えるとブルーノ、というところですが、ここは敢えてSZAに本命◎を。実はこの部門、アフリカン・アメリカン・アーティストが絡まない作品が受賞したことが過去一回もなく、いかにブルーノでもその壁をこの部門で破るのは厳しいというのが見立て。ただ可能性ゼロではないと思うので、ブルーノ対抗

さて穴×。この部門過去4回ノミネート、トータルR&B部門で過去9回ノミネートで無冠のレディシでも、また2年前に最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム部門でノミネートされ、今回が2回目のノミネートのケラーニ嬢でもいいのだけどここは敢えて新人のダニエル・シーザーくんに。カナダ出身のダニエルは、デビューアルバム『Freudian』が最優秀R&Bアルバムにも今回ノミネートされていて、またこの「Get You」という曲がかなり90年代のマックスウェルディアンジェロを彷彿させるような素晴らしい出来なので、こちらにしました。アルバム買わないと



14.最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス部門

  Laugh And Move On - The Baylor Project
○ Redbone - Childish Gambino
  What I'm Feelin' - Anthony Hamilton Featuring The Hamiltones
◎ All The Way - Ledisi
× Still - Mali Music



主要部門のROY最優秀アルバムにノミネートされて今回のグラミーの台風の目となっているチャイルディッシュ・ガンビーノ。ここで、そのアルバム『"Awaken, My Love!"』からのシングルヒット「Redbone」がノミネートされてるけど、このプリンスちっくなスロウファンク・ナンバーがこの「伝統的R&B」部門で受賞はやや厳しいかなあ、ということで対抗どまり。逆にここでこれまでR&B部門9回ノミネートで無冠で来続けていたレディシ嬢、2014年の黒人公民権運動を描いた映画『グローリー/明日への行進(Selma)』でマヘリア・ジャクソンを演じるなど存在感を強めている上に今回のアルバム『Let Love Rule』はかなりシーンでも評判がいいので、そろそろここらで受賞してもおかしくないのでは、ということで本命◎。

穴×は2015年第57回の最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム部門最優秀ゴスペル・パフォーマンス部門で初ノミネート以来のノミネートとなる、アリゾナ出身のシンガーソングライター、マリ・ミュージックに。



15.最優秀R&Bソング部門(作者に与えられる賞)

  First Began - PJ Morton (PJ Morton)
○ Location - Khalid (Alfredo Gonzalez, Olantunji Ige, Samuel David Jiminez, Christopher McClenney, Khalid Robinson & Joshua Scruggs)
× Redbone - Childish Gambino (Donald Glover & Ludwig Goransson)
  Supermodel - SZA (Tyran Donaldson, Terrence Henderson, Greg Landfair Jr., Solana Rowe & Pharrell Williams)
◎ That's What I Like - Bruno Mars (Christopher Brody Brown, James Fauntleroy, Philip Lawrence, Bruno Mars, Ray Charles McCullough II, Jeremy Reeves, Ray Romulus & Jonathan Yip)



さて、先ほどのR&Bパフォーマンス部門では「白人は受賞経験なし」ということでブルーノを対抗にしましたが、このR&Bソング部門は逆に歴史的にパフォーマーや作者の人種に関してはリベラルな部門。古くは1977年第19回ではボズ・スキャッグスLowdown」、翌第20回もレオ・セイヤーYou Make Me Feel Like Dancing」と2年連続で白人シンガーが受賞したこともあるし、最近では2014年第56回にはジャスティン・ティンバーレイクが「Pusher Love Girl」で受賞するなど、人種にはオープンな部門。その他にも白人が作者のナンバーで受賞してる1980年第22回のEW&FAfter The Love Has Gone」、1983年第25回ジョージ・ベンソンTurn Your Love Around」などなど。ブルーノのこの曲も、今年全米R&Bソング・チャートを20週間首位キープするなど、受賞には申し分のないところなので本命◎。

対抗最優秀新人賞にもノミネートのカリードSZAが競っているけど、今年アルバム『American Teen』がシーンでも高く評価、全米R&Bアルバムチャートで10週1位をキープしたカリードのデビュー・シングル「Location」が順当なところか。穴×ROYにもノミネートのチャイルディッシュ・ガンビーノRedbone」に。



16.最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム部門

  Free 6LACK - 6LACK
◎ "Awaken, My Love!" - Childish Gambino
 American Teen - Khalid
× Ctrl - SZA
  Starboy - The Weeknd

6LACK Free 6LACKChildish Gambino Awaken My LoveKhalid American TeenSZA CtrlThe Weeknd Starboy

昨年はアンダーソン・パークKINGなど錚々たるメンツが並ぶ中、ビヨンセが余裕で『Lemonade』でかっさらっていったこの部門、実は過去5回中4回は、主要賞の最優秀アルバム部門にノミネートされている作品が順当に受賞している部門でもあります。その段で行くと、今年の本命◎はやはりチャイルディッシュ・ガンビーノだろうなあ。プリンスPファンクの意匠をヒップホップの色合いでまとっているこのアルバム、ここのところのアーバン部門受賞作品の典型的なスタイルとはやや毛色が違うものの、やはりこれが取るのが順当なところだと思います。

もし万が一これがなかった場合は、対抗カリードの『American Teen』、そして穴×はSZAの『Ctrl』の二人の最優秀新人賞ノミニー同士のバトルになりそう。どちらも個人的には好きなアルバムなのだけど、2017年のNo.2アルバムにあげているカリードに取ってもらいたい、というのが本音かな。


17.最優秀R&Bアルバム部門

× Freudian - Daniel Caesar
◎ Let Love Rule - Ledisi
 24K Magic - Bruno Mars
  Gumbo - PJ Morton
  Feel The Real - Musiq Soulchild


Daniel Caesar Freudian Ledisi Let Love Rule Bruno Mars 24K Magic PJ Morton Gumbo Musiq Soulchild Feel The Real 

この予想をしながら、ブルーノ・マーズがどういう風にどの部門を受賞するかしないか、というのがとても悩ましくなってきてて。いろいろ考えるとやはり主要部門での最右翼はブルーノじゃないか、とするとこのR&B部門では取るのか取らないのか、というのがよく分からなくなってきてます。

そんなこともあって、本命◎は、最優秀トラディショナルR&B部門でも本命にあげたレディシの『Let Love Rule』。何となくブルーノがないとすると、この部門は彼女が取るしかないのでは、とだんだん思えてきました。もし今年無冠のままだとすると12回ノミネートで無冠、というおそらく記録の部類に属する状況になるので、今年は彼女、がっちり受賞するのではないかと。なのでブルーノ対抗を付けておきます。

穴×最優秀R&Bパフォーマンス部門でも穴を付けたダニエル・シーザー君に。


ということで何とか全対象41部門の半分近くまでたどり着いたこのグラミー賞大予想、何とか残りも次の週末までには完了したいと思っています。よろしくお付き合いください。では。

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #2 〜ダンス&ロック部門〜

2018年最初の週末、3連休は今日日曜日もいい天気。午後からはちょっとでかけたいのでグラミー賞大予想の第2弾をアップします。今日はダンス部門とロック部門。

Gorillaz Andromeda


6.最優秀ダンス・レコーディング部門

  Bambro Koyo Ganda - Bonobo Featuring Innov Gnawa
  Cola - Camelphat & Elderbrook
◎ Andromeda - Gorillaz Featuring D.R.A.M.
 Tonite - LCD Soundsystem
× Line Of Sight - Odesza Featuring WYNNE & Mansionair



この部門はここのところ数年はチェインスモーカーズDon't Let Me Down」とか、スクリレックスとか、クリーン・バンディットRather Be」とか、メインストリームでもヒットを飛ばしたアーティストの作品がノミネートされていて、とても予想しやすかった部門。ただ今年はいわゆるメインチャートで大ヒットした作品はひとつもノミネートされておらず、やや予想に悩むところ。ただその中でも一際光ってるのが、2005年第48回のROYで「Feel Good Inc.」がノミネートされるなど、ここ数作必ずどこかにノミネートされてるゴリラズと、7年ぶりの4枚目のアルバム『American Dream』が最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム部門にもノミネートされてる、LCDサウンドシステムことジェイムス・マーフィー君。彼の最初の2枚のアルバムはいずれも最優秀ダンス・アルバム部門でノミネートされてます。

いずれもエレクトロ・ダンス・ミュージックの分野では大御所だけども、過去に主要賞にノミネート経験があるゴリラズがわずかに強いと見て本命◎かな。この「Andromeda」も新進気鋭のラッパーD.R.A.M.をフィーチャーしてる割にはとてもポップなナンバーなので、あのアルバムでも個人的に気に入ってる曲です。対抗LCDサウンドシステム。こちらはややデペッシュ・モードを彷彿させるようなハードなエレクトロ・ダンス・ナンバー。

穴×は、スケールの大きいアンビアントな感じの「Line Of Sight」でノミネートされた、シアトル出身のエレクトロ・デュオ、オデッサに進呈。この曲もなかなか気持ちのいい曲ですね。




7.最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム部門

  Migration - Bonobo
◎ 3-D The Catalogue - Kraftwerk
× Mura Masa - Mura Masa
 A Moment Apart - Odesza
  What Now - Sylvan Esso

Bonobo MigrationKraftwerk 3D The CatalogueMura MasaOdesza A Moment ApartSylvan Esso What Now


やあ、この部門でクラフトワークの光ってること。彼らはグラミー受賞経験はないんだけど、2014年第57回ではグラミー功労賞(Lifetime Achievement Award)受賞してるという意味ではこの中ではダントツのハイ・プロファイルだし、この作品は過去8作のアルバムのライヴバージョンを8枚組ボックスセットにした、という彼らのキャリアを俯瞰するなかなか重要な作品なので、これはもう本命◎でしょう。2枚目に収録の「Radioactivity」は2012年の日本でのライヴで歌詞に福島原発の言及も入れ込んだという、我々日本人にとっても重要な作品なのでYoutubeの画像、ちょっと聴いて見て下さい。日本語歌詞は坂本龍一

対抗は前の部門でちょっと触れたオデッサのアルバムに、そして穴×はエレクトロ・ヒップ・ホップ・ファンク的なスタイルで昨年一部で大きな支持を受けた、ヨーロッパはガーンジー出身のアレックス・クロッサンことムラマサのアルバムに。



8.最優秀ロック・パフォーマンス部門

◎ You Want It Darker - Leonard Cohen
○ The Promise - Chris Cornell

× Run - Foo Fighters
  No Good - Kaleo
  Go To War - Nothing More



いやいやこの部門はまた別の意味で脂っこい(笑)部門ですな。何と言っても目を引くのは、昨年惜しくも物故した二人の偉大なミュージシャン、レナード・コーエンと元サウンドガーデン/オーディオスレイヴのボーカリスト、クリス・コーネル

かたや死や神という重いテーマをその名の通り暗いトーンで、しかし迫力たっぷりに歌ったレナード・コーエンのアルバムタイトル曲、そしてかたや自殺(謀殺説もあり)直前に20世紀初頭の第一次世界大戦の中崩壊したオスマン帝国を舞台にした映画の同名タイトル曲を、張り詰めた曲調で切々とアコギで歌うクリス・コーネル。いやあこれは迷うところだけど、2010年第53回の功労賞受賞経験のあるレナード・コーエンが本命◎かなあ。対抗クリスクリスサウンドガーデン時代に1994年第37回で最優秀ハードロック部門、最優秀メタル部門を受賞していますが、レナードはソロでは初の受賞となります(2007年第50回の最優秀アルバムRiver: The Joni Letters』のフィーチャード・アーティストとしての受賞はあり)。

穴×はグラミーでは毎度おなじみのフーファイに。


9.最優秀メタル・パフォーマンス部門

 Invisible Enemy - August Burns Red
× Black Hoodie - Body Count
  Forever - Code Orange
◎ Sultan's Curse - Mastodon
  Clockworks - Meshuggah

Mastodon Sultans Curse

さあ今年もさっぱりわからんこの部門(笑)。しかもこれまで3回この部門ノミネートのアトランタ出身のメタル・バンド、マストドンと、一昨年始めてこの部門ノミネートされたこちらはペンシルヴァニア州ランカスター出身のメタルコア・バンド、オーガスト・バーンズ・レッド以外は3バンドとも初ノミネート。特に始めて聞いた名前のメシュガはスエーデンのメタル・バンドらしい。

マストドンはこの中でこの部門最もおなじみだし、この曲(「サルタンの呪い」っていかにもなタイトル)を含むアルバム『Emperor Of Sand』は何と今回最優秀ロック・アルバム部門にもノミネートされというこれまでにない大きな扱いなので彼らが取りあえず本命◎かと。対抗はこちらもこの部門2回目のノミネートになるオーガスト・バーンズ・レッドかなあ(ほとんど内容で評価してないw)。

穴×は何とあのベテラン・ラッパーのアイスTがボーカルを務めるLAのメタル・バンド、ボディ・カウントに。ってか、アイスT、何でこういうバンドやってんのかなあ。


10.最優秀ロック・ソング部門(作者に与えられる賞)

 Atlas, Rise! - Metallica (James Hetfield & Lars Ulrich)
  Blood In The Cut - K. Flay (JT Daly & Kristine Flaherty)
× Go To War - Nothing More (Ben Anderson, Jonny Hawkins, Will Hoffman, Daniel Oliver, David Pramik & Mark Vollelunga)
◎ Run - Foo Fighters (Foo Fighters)
  The Stage - Avenged Sevenfold (Zachary Baker, Brian Haner, Matthew Sanders, Jonathan Seward & Brooks Wackerman)



今回のフーファイのアルバム『Concrete And Gold』は、一部を除いていつもの彼らのアルバムに比べてやや内容的にイマイチという評価だったのか、何と最優秀ロック・アルバム部門にはノミネートされてないんだよなあ。フーファイと言えばロック部門のグラミー・ダーリン的バンドなのにこの扱いはちょっと意外でした。で、今回のノミネートは先ほどの最優秀ロック・パフォーマンス部門とこの部門のみという寂しさ。先ほど予想したように、最優秀ロック・パフォーマンス部門は2人の重たい有力候補がいるので、フーファイ取るとしたらこの部門かなあ、ということで過去にも5回ノミネートされて2012年第54回「Walk」で受賞している彼らに本命◎

対抗はこちらもグラミー賞の常連、特にメタル部門では過去7回受賞してるのに今回はメタル部門ではノミネートのないメタリカのアルバム『Hardwired...To Self-Destruct』(こちらは最優秀ロック・アルバム部門にノミネート)からのこの曲に。

穴×は今回この部門と最優秀ロック・アルバム部門で初のノミネートとなった、テキサス州サンアントニオ出身のオルタナ・メタル・バンドのナシング・モアのこの曲に。




11.最優秀ロック・アルバム部門

  Emperor Of Sand - Mastodon
◎ Hardwired...To Self-Destruct - Metallica
  The Stories We Tell Ourselves - Nothing More
 Villains - Queens Of The Stone Age
× A Deeper Understanding - The War On Drugs


Mastodon Emperor of Sand Metalliaca Hardwired Nothing More The Stories QOTSA The VillainsTWOD Deeper Understanding  

ここ数年はオルタナ系のロック・バンドの作品が主にノミネートされてきてたこの部門、今年は何と5枚中4枚がメタル/ハードロック系というこれまでにない傾向に。それでいてフーファイはノミネートされてないという、不思議なラインアップです。

でもその中で光っているのは過去ロック部門で8回受賞を誇るメタリカ。彼らがこの部門でノミネートされるのは2008年第51回の『Death Magnetic』以来2度目ですが、今回この部門初受賞となるか、ということで本命◎。

対抗はいつになくリズムを強調したストイックな楽曲を揃えてて、個人的にも印象に残ったQOTSAの『Villains』に。そして穴×はこの中で唯一メタル・ハードロック系でないザ・ウォー・オン・ドラッグスのアルバムに。このアルバム、僕の年間ベストアルバム8位に入れた個人的にも気に入ってる作品なんで。



12.最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム部門

○ Everything Now - Arcade Fire
◎ Humanz - Gorillaz
  American Dream - LCD Soundsystem
× Pure Comedy - Father John Misty
  Sleep Well Beast - The National


Arcade Fire Everything Now Gorillaz Humanz LCD Soundsystem American Dream Father John Misty Pure Comedy The National Sleep Well Beast 

去年はボウイの★で何の迷いもなく予想できたこの部門、今年は結構同じくらいのレベルの強さのバンドと作品が並んでいて迷うところ。メインは2005年第48回ROYノミネート歴のあるゴリラズと、2010年第53回であっと驚く最優秀アルバムを獲得したアーケイド・ファイヤの一騎打ちなんでしょうね。本来なら受賞歴のある後者を推してもいいところですが、ゴリラズのアルバムは今回かなり良かったと思うので、敢えてここはゴリラズ本命◎アーケイド・ファイヤ対抗にしておきます。

残る穴×はなかなか迷うところですが、その中でグラミーノミネート歴が最も多いLCDサウンドシステムではなく、敢えて元フリート・フォクシズファーザー・ジョン・ミスティのこのアルバムを。この作品、複数の音楽誌でも年間ランキングの結構上位にリストされていたし、何となくグラミー・アカデミーが好きそうかな、と思うので(根拠ないですがw)。


ということで予想第二弾はここまで。引き続きまた予想、アップします。

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【年始恒例企画#3】恒例!第60回グラミー賞大予想 #1 〜ポップ部門〜

皆さん明けましておめでとうございます。今年の正月は静かな、しかし冷え込み厳しい正月になりましたが皆さんはどんなお正月を過ごされたでしょうか。自分は年末の血管キレそうな忙しさから解放されて、カミさんの実家の大阪でゆっくりしてきました。この週末は来週からの職場復帰に備えて心の準備の週末です(笑)。

60th Grammy

さて今年もやって来ましたグラミーシーズン。昨年音楽評論家の吉岡正晴さんにお声掛け頂き、吉岡さん新宿カブキ・ラウンジで定例開催されている「ソウル・サーチン・ラウンジ」でのグラミー賞反省会にお呼び頂いたんですが、今年も有難いことに今度は「グラミー予想大会」ということで、1/17(水)18:30からまたお邪魔させて頂くことに。今回も吉岡さんとのトークも熱が入りそう。是非お立ち寄りください(^^) 詳細はここで。


さて今年も今回の予想の前に前回予想した41部門の結果おさらい


◎(本命予想)で的中=21(的中率 .512)

◎か○(対抗予想)で的中=29(的中率 .707)

×(穴予想)含む印をつけたものどれかで的中=37(的中率 .902)


ということで、すべての部門で「空振りゼロ」の10割だった昨年には及びませんが、半分以上で本命的中で、総合的中率が9割越え、ということで、予想を始めた2007年以来昨年の10割、2012年の.939に次ぐ好成績でした。今年の予想もこのレベルを狙って行きますので乞うご期待。


さて今年は節目の60ということでいつにない盛り上がりの気配を見せているグラミーですが、今年は1月28日(日本時間月曜日29日)で昨年同様ジェームス・コーデン司会で、今回は2003年以来15年ぶりとなるNY開催(マディソン・スクエア・ガーデン)。前回NY開催のグラミーでは、ノラ・ジョーンズが事実上主要4部門独占(SOYの「Don’t Know Why」は作者ではなかったけど)という快挙に沸きましたが、今回はどういうドラマがあるのか。今回の日程だと仕事の関係で月曜日半休取って生ブログ、というわけには行きそうにもないのが残念です。


今回のノミネートの顔ぶれを見ると、アカデミーのこの回に対する意気込みというか、何かこれまでと一線を画そうという思いのようなものが伝わってくる内容になってます。主な注目すべき点としては、

★ 昨年話題を呼んだチャンス・ザ・ラッパーに続き、今年の台風の目は、主要賞のうち2つのROY(「Redbone」)と最優秀アルChildish Gambinoバム部門(『"Awaken, My Love!"』)を含む5部門にノミネートチャイルディッシュ・ガンビーノことダニー・グローヴァ。昨年のチャンス同様ここ数年でR&B/ヒップホップフィールドでシーンでの支持を集めた彼がブルーノ、ジェイZ、ケンドリック・ラマーといった重量級のノミニー連、果ては2017年を代表するヒット「Despacito」にどこまで対応できるかは今年のグラミーの見物の一つ。特に今年エミー賞受賞の俳優としての顔も持つ彼が展開するP-ファンクにも通じるようなファンク・グルーヴを軸としたR&B、というのは主要部門ではなかなか過去にノミネートの例がないだけに、今年のアカデミーのノミネーションポリシーに注目が集まるところです。

★ そのチャイルディッシュ・ガンビーノを凌駕しようとするかのように、今回ROY(「The Story Of O.J.」)、最優秀アルバム(『4:44』)、SOY(「4:44」)を含む最多の8部門にノミネートされたジェイZ。彼は主要部門ではROYで過去3回、SOYで過去1回ノミネートされてますがこれまで一度も受賞なし。自分の庭のはずの最優秀ラップ・アルバム部門でも過去11回のノミネートでわずか1回の受賞(1999年、第41回の『Vol.2...Hard Knowck Life』)のみに終わっているジェイZ今回晴れて初の主要賞受賞となり、昨年のビヨンセの『Lemonade』の雪辱を晴らすのか?

★ そして今年も『DAMN.』で主要賞の最優秀アルバム、「HUMBLE.」でROYにノミネートされたケンドリック・ラマー。これで彼のアルバムは3枚連続最優秀アルバム部門ノミネートとなり、これはラッパーではカニエに次いで二人目の快挙。この部門でラップ・アルバムが最後に受賞したのは2004年第46回のアウトキャストなので、ジェイZも含め久々のラップ作品が受賞するのか?

★ 今年は最優秀新人部門も錚々たる顔ぶれで、去年ノミネートされずに可哀想、とここでコメントしたアレッシア・カーラが何と今年ノミネートされている他、R&B部門部門からシーンでの評価も高いカリードSZA(シザ)、ヒップホップ(というかトラップ)からはリル・ウジ・ヴァート、そしてこれまで同世代のポップ・スター達に曲を提供してきたジュリア・マイケルズと、誰が取ってもおかしくない状況。

★ 今年も昨年物故したミュージシャン達の追悼が行われる「In Memorium」のセグメントが残念ながら注目のセグメントの一つになること必至ですが、今回中でも一際胸を捕まれるのがトム・ペティ、ウォルター・ベッカー(スティーリー・ダン)そして一昨年『Glen Campbell: I'll Be Me』で映像メディア向け最優秀コンピレーション・サウンドトラック賞を受賞したグレン・キャンベルでしょう。この3人についてはオールスターでのトリビュート・パフォーマンスも期待されます

★ 今年の日本人ノミネートは二人部門最多の16回目のノミネートとなる喜多郎の『Secret Journey Of Ku-Kai Vol. 5』が最優秀ニューエイジ・アルバム部門(過去2001年第43回に『Thinking Of You』で受賞)でノミネートされているのと、UCLAのデザイン・コミュニケーション・アート講師、小池正樹さんグレイトフル・デッドのライブ・アルバム『May 1977: Get Shown The Light』で、最優秀ボックスまたはスペシャル・リミテッド・エディション・パッケージ部門4回目のノミネート小池さんは2008年の第50回のこの部門でライノのボックス『What It Is: Funky Soul And Rare Grooves (1967-1977)』で受賞歴もあるアート・ディレクター。


Ed Sheeran

そして毎度毎度ノミネートの発表になると話題になる「何でこれが入ってないの?」ですが、今年の最大の話題は、スポティファイ等のストリーミング・サービスでもトップのストリーミングを誇り、アルバム『÷ (Divide)』とシングル「Shape Of You」が大ヒットしたエド・シーランが何と主要賞部門から一切漏れてしまっていること。これについてエド自身は「別にがっかりはしてない。物事にはバランスってもんもあるし、グラミーの主要賞から漏れる一方で、スポティファイApple Musicでは1位になったし、ビヨンセとの「Perfect」も1位になったし。こういうこともあるってことさ」と余裕のコメント。でも今年もアルバムは最優秀ポップ・ボーカル・アルバム、「Shape Of You」は最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス部門にはノミネートされてるからそこで取れるかどうかが注目の的になりそう


ということで今年もグラミー、いろいろありそうですがまずは例年通り、ポップ部門の予想から参りましょう。


1.最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス部門


  Love So Soft - Kelly Clarkson

  Praying - Kesha

○ Million Reasons - Lady Gaga

× What About Us - Pink

◎ Shape Of You - Ed Sheeran

Kelly Clarkson Love So SoftKesha PrayingLady Gaga Million ReasonsPink What About UsEd Sheeran Shape Of You


今年もグラミー予想の軸となるシナリオ読みを考えてみましたが、どうも今回は「主要部門でジェイZとブルーノの一騎打ち」というのが基本線ではないかと思ってます。従ってその他の主要部門ノミネートは、チャイルディッシュ・ガンビーノはR&B部門、「Despacito」はポップ・デュオ/グループ部門、そしてケンドリック・ラマーはラップ部門でジェイZとがっぷり四つに組んでるので、賞を分け合う、というのが僕の今年のシナリオの見立てです。


一方この部門はさっき触れたように主要部門から外れたエド・シーランが光り過ぎてて、これはもう問答無用の本命◎でしょう。対抗○はこちらもなかなか主要賞には縁がないけれど、業界からも評判が常にいいレディ・ガガ。今年復調なったケシャも気になるところですが、毎回体当たりのパフォーマンス(この間のアメリカン・ミュージック・アウォードでの高層ビルから宙づりのパフォーマンスもヤバかったですね!)を見せてくれるピンクに穴×を進呈。


2.最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門


  Something Just Like This - The Chainsmokers & Coldplay

◎ Despacito - Luis Fonsi & Daddy Yankee Featuring Justin Bieber

○ Thunder - Imagine Dragons

  Feel It Still - Portugal. The Man

× Stay - Zedd & Alessia Cara

Chainsmokers Coldplay SomethingDespacito.jpgImagine Dragons ThunderPortugal The Man Feel It StillZedd Alessia Cara Stay


この部門は、先ほどの僕の今年のシナリオによると、「Despacito」が本命◎。やはり何だかんだ言っても16週全米ナンバーワン、ラテンチャート35週ナンバーワン、という2017年を代表する大ヒットだったし、それのみならずラテンアーティストとメインストリーム・アーティストがリミックスの相乗効果でヒットを飛ばす、というフォーミュラを作り出したことはアカデミーも無視できないだろう、というのが読み。

対抗○には、2013年第56回以来久しぶりのノミネートになるイマジン・ドラゴンズ。前回はROYロック部門で「Radioactive」がノミネートされて見事最優秀ロックパフォーマンスを受賞してますが、今回ポップ部門でのノミネートということで、ここで「Despacito」が落とすようなことがあれば彼らしかいないのでは。先日のAMAでのカリードとのコラボのライブは、前回受賞時のケンドリック・ラマーとのコラボライブを彷彿させる出来で、こういうアウォードものには結構強いのでは、と思ってます。

穴×はこちらも先日のAMAで、アコースティック・ピアノをバックにスローダウンなバージョンで素晴らしいパフォーマンスを見せていた、ゼッドアレッシア・カーラの「Stay」に。


3.最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム部門


◎ What If - The Jerry Douglas Band

× Spirit - Alex Han

○ Mount Royal - Julian Lage & Christ Eldridge

  Prototype - Jeff Lorber Fusion

  Bad Hombre - Antonio Sanchez


Jerry Douglas Band What If Alex Han Spirit J Lage C Aldridge Mount Royal Jeff Lorber Fusion Prototype Antonio Sanchez Bad Hombre 



この部門、ここ2年はスナーキー・パピーの天下だったので予想も簡単だったのだけど、今回はかなり難しい。グラミー登場キャリアでいうと、過去31回ノミネートで14回受賞、しかしこれまではカントリーやブルーグラス部門(含むアリソン・クラウス&ユニオン・ステーションのメンバーとしてのノミネート)やフォーク、アメリカン・ルーツ部門のノミネートに限られていたのに今回ポップ部門で初ノミネートのドブロ・ギターの達人、ジェリー・ダグラスの本命◎は堅いのでは。彼は3年前に別のグループ、The Earls Of Leicesterのメンバーとしても最優秀ブルーグラス部門で受賞していて、この分野ではレジェンドだしね。僕の今年のベストアルバム第6位の、ダン・オーワーバックの『Waiting On A Song』にも客演してました。

問題は対抗○だけど、パンチ・ブラザーズのギタリスト、クリス・オルドリッジとジャズ・ギタリストのジュリアン・レイジの『Mount Royal』かな。何曲か聴いてみたけど、パンチ・ブラザーズにも通じる静謐なサウンドによる自作曲(1曲のみパール・ジャムのカバーあり)をギター2本で構築しているミュージシャンシップが素晴らしい作品のようです。同じパンチクリス・シーリーがジャズ・ピアニストのブラッド・メルドーと組んだアルバム(僕の年間ベストアルバムの9位です)も素晴らしい出来だったのだけど、そちらではなく、クリスのアルバムの方がノミネートされたのは個人的にやや腑に落ちないのだけど。

穴×はグラミー・アカデミーが毎年高校生のジャズミュージシャンを集めて開催する「Grammy Camp - Jazz Session」出身のアルト・サックス奏者、アレックス・ハーンが、マーカス・ミラーのプロデュースで作ったデビュー・アルバムに。


4.最優秀ポップ・ボーカル・アルバム部門


  Kaleidoscope EP - Coldplay

× Lust For Life - Lana Del Rey

  Evolve - Imagine Dragons

  Rainbow - Kesha

○ Joanne - Lady Gaga

◎ ÷ (Divide) - Ed Sheeran

Coldplay Kaleidoscope EPLana Del Rey Lust For LifeImagine Dragons EVolveKesha RainbowLady Gaga JoanneEd Sheeran Divide


伝統的に女性メインストリーム・ボーカルの強いこの部門、しかし今年はわざわざ6作ノミネートにしてるというのは、やはりエド・シーランに道を付けているのでは、と思ってしまうので本命◎はエド。対抗○はこの部門2011年の第53回で『The Fame Monster』で受賞しているレディガガ

穴×はやはり女性ボーカル優位ということでケシャも考えましたが、ここはラナ・デル・レイが大きくヒップホップ・フィールドに踏み出しながらもややオルタナロックっぽいメインストリームに軸足を置いている佳作『Lust For Life』に付けておきましょう。しかし、最優秀アルバム部門ノミネートのロードの『Melodrama』、ここらのポップ部門で陰も形もないのはどういうことなんでしょうか


5.最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム部門


◎ Nobody But Me (Deluxe Version) - Michael Bublé

○ Triplicate - Bob Dylan

  In Full Swing - Seth MacFarlane

  Wonderland - Sarah McLachlan

× Tony Bennett Celebrates 90 - Various Artists (Produced by Dae Bennett)

Micheal Buble Nobody But MeBob Dylan TriplicateSeth MacFarlane In Full SwingSarah McLachlan WonderlandTony Bennette Celebrate 90


この部門もそうそうたるメンツが並んでますが、本命◎はこの部門7回ノミネート、4回受賞という、トニー・ベネットと並んでこの部門の主、マイケル・ブブレでしょう。このアルバムが昨年10月にリリースされた直後、息子さんのノア君がガンの宣告を受けるという厳しいプライベートな状況もあるし、彼が受賞するといいなあと思う次第。対抗○は3年連続この部門ノミネートの御大ボブ・ディラン。去年はノーベル文学賞受賞、という状況もあって一押しの本命◎にしたんですが、無印だったウィリー・ネルソンガーシュイン曲集にやられてしまいました。なので今年は対抗○。

穴×は、この部門15回ノミネート、何とうち13回受賞というトニー・ベネット御大が様々なアーティスト達と共演したTVスペシャル・ライブ・アルバムに


今回はまずこんなところで。今年は授賞式も早めの日程ですし、何とか1/17のカブキ・ラウンジのイベントまでには予想を完了させたいと思ってますのでしばらくお付き合いのほどを。

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