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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
【年末恒例企画#3】恒例!第61回グラミー賞大予想 #1 〜ポップ部門〜

いよいよ2018年も今日で最後。皆さん年末をどうお過ごしでしょうか。自分はここ数日、正月を迎えるための諸準備、大掃除とか買い出しとか年賀状とかを粛々とこなして、今年はあと大晦日に年賀状メールを発信するだけになりました。そこで今日は例年よりも早めに恒例のグラミー賞大予想ブログの一発目をアップします


さて今年もやってきましたグラミーシーズン。今年の最大の話題は、従来基本5候補ノミネートだった主要四部門(最優秀アルバム、レコード・オブ・ジ・イヤー、ソング・オブ・ジ・イヤー、新人賞)のノミネーションが一気に9候補に拡大されたこと

この候補数拡大がノミネート、そして最終受賞動向にどう影響を与えるのか?興味はつきません。

Grammy Logo 

今年もその辺を、音楽評論家の吉岡正晴さんと一緒に、吉岡さん新宿カブキ・ラウンジで定例開催されている「ソウル・サーチン・ラウンジ40」での1/16(水)開催の「グラミー賞大予想」にお邪魔してまたまた大いに語りあうことになりました。これで吉岡さんグラミーでご一緒するのは3年目。今年もいろいろ音源もかけながらグラミー賞予想・解説をしたいと思いますので、是非お立ち寄りを。

詳細は吉岡さんのブログのこのリンクで。予約しておくと安心ですw↓

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12425996212.html

さて日程その他の関係で、今年1/28のグラミー賞授賞式は何年ぶりかで生ブログはお送りできなかったのですが、来年2月の授賞式は日本では建国記念日の休日放送なので、2年ぶりに生ブログもお届けできそうです。こちらの方もお楽しみに。

その今年1月の第60回予想の結果も簡単におさらいしておきます。

◎(本命予想)で的中=18(的中率 .439)
◎か○(対抗予想)で的中=30(的中率 .732)
×(穴予想)を含む印をつけたものどれかで的中=37(的中率 .902)

ということで、本命的中率は昨年より落ちるものの、総合的中率は昨年と全く同じ.902ということで、昨年同様好調を維持しています。今年は主要部門のノミネーション拡大で予想難易度が一気に上がっていますが、何とかこの水準を維持したいもの。


さてその第61回グラミー賞授賞式は、来年2月10日(日本時間2月11日)、去年のNYからLAに場所を戻していつものステイプルズ・センターで開催。不思議なことに今日時点でホストが誰なのか発表されておらず、2011年の第53回以来のノーホスト状態なのか、それとも昨年まで2年続けてホストを務めたジェームス・コーデンがまたその役を担うのか、不明の状態

一方、再三コメントしているように、今回主要四部門のノミネーション数拡大が、当日の受賞状況にどう影響するのかが最大の話題ですが、その他の注目すべき点は、

A Star Is Born

★ ノミネート発表前から一部のグラミー賞予想通たちの間では話題になっていたが(どーいう人たちの集まりや、それ?)やはり、という感じで主要賞中ROYとSOYの堂々2部門ノミネートとなった、レディー・ガガとブラッドリー・クーパーの映画『アリー/スター誕生(A Star Is Born)』からの主題歌「Shallow」。サントラ盤のアルバム発売は10月だったのに、この曲のみグラミーノミネート対象期限の9月末直前にデジタル・リリースされたことから「これは明らかにグラミー狙い」との評判でもちきりだった。今回のROYSOYそれぞれ9曲ずつノミネートされていずれも強力曲だけど、この経緯から言っても、映画とガガの評判からいっても、本命視されることは間違いないところ

★ そのガガ+クーパーROYSOY部門で激突するのは同じく両部門ノミネート、そして同じく映画(「ブラック・パンサー」)の主題歌のケンドリック・ラマーSZAのデュエット「All The Stars」、そしてあっと驚くアルバム部門も含めて主要3部門ノミネートされたアメリカーナ・カントリーのブランディ・カーライルの「The Joke」、2部門ノミネートの今年1番のヒット、ドレイクの「God's Plan」とチャイルディッシュ・ガンビーノの「This Is America」と、いずれ劣らぬ意欲作が並んだ主要賞争い、激しいことになりそうで、予想する側としては悩む悩む

★ 一方アルバム部門のノミネートもあっと驚くものブランディ・カーライルと『ブラック・パンサー』サントラはROYSOYがらみで順当だし、ドレイクポスト・マローンもある程度予想できた。カントリーのケイシー・マスグレイヴス今年のCMAで最優秀アルバムを取っているのである意味順当。ところが、ジャネル・モネイ、H.E.R.といった若手R&B女性シンガー達、そして極めつけは確かに今年の顔といえば顔のカーディBのアルバムがノミネートされたのは嬉しい驚き。個人的にはケイシーを推してますが、正直受賞戦線は全く混沌としています。

★ 最優秀新人賞部門も今年から9アーティストということなのですが、なぜか事前に本命候補として予想していたカミラ・カベロや、主要部門にノミネートされてるカーディB、そして同じくSOYにノミネートされてる対抗候補だったエレ・メイちゃんといった強力な連中がすっぽりノミネートから抜けているという、やっぱりグラミー絡め手できてます(笑)。一方で嬉しい誤算はボーダーラインだと思っていたH.E.R.のノミネートと、何と今回セカンド・アルバムになるマーゴ・プライスが何故か忽然とノミネート(笑)。こちらも混沌とした賞レースになってます。

★ そして毎年豪華ラインアップで届けられる、その年物故した大物アーティストの追悼トリビュート・ライヴ。今回は当然のごとく、女王アレサのトリビュートが『Aretha! A Grammy Celebration For The Queen Of Soul』と銘打たれて行われることが発表されてます。1/13にLAのシュライン・オーディトリアムで収録される予定のこのトリビュートでは、ジョン・レジェンド、パティ・ラベル、アリシア、ジェニファー・ハドソンらR&Bの大御所達や、ヨランダ・アダムス、シャーリー・シーザー、ビービー・ワイナンズといったゴスペルの大御所達に加え、ケリクラ、アレッシア・カーラ、ブランディ・カーライル、H.E.R、ジェネル・モネイ、SZAといった今年のグラミー賞のノミニー達も交えた一大イベントになる予定。こちらの模様も授賞式の際に見られると思いますのでこれは見物です。

★ 今回のグラミー賞では、日本人アーティストのノミネーションは残念ながらないものの、最優秀アルバム賞ノミネートH.E.R.H.E.R.』のエンジニアに横浜出身、NY在住のエンジニアのツツミ・ミキさんがノミネート。また、オルタナティヴ・ロック・アーティスト、Mitskiこと宮脇ミツキのアルバム『Be The Cowboy』のパッケージ・デザインが最優秀レコーディング・パッケージ部門にノミネートされている(アートディレクターはMary Banas)。また、吉岡さんもブログに挙げられているが、最優秀コンテンポラリー・ブルーズ・アルバム部門にノミネートのファンタスティック・ネグリートのアルバム『Please Don't Be Dead』にギタリストのマサ小浜さんが参加していることも見逃してはいけない

また、アジア関係ということでいくと、最優秀ダンス・エレクトリック・アルバム部門にコリアン・アメリカンのトキモンスタことジェニファー・リーのアルバム『Lune Rouge』がノミネート、またK-PopのBTS(防弾少年団)のアルバム『Love Yourself: Tear』のジャケットがミツキ同様ノミネートされているのが興味を引くところ。

Aretha Tribute

そして、毎年話題になる「どうしてこのアーティスト、作品がノミネートされてないの??」ですが、今年の主なものとしては、
☆ アリアナ・グランデの主要部門ノミネーション逃しアリアナは、ビルボード誌の選ぶ今年のウーマン・オブ・ジ・イヤーにも選ばれるなど、昨年のマンチェスターでの自分のライヴでの爆弾テロ事件以来、ファン達に辛い記憶もあるけれど強く生きよう!といったメッセージで連帯を呼びかけたり、女性としての尊厳を強調する曲をヒットさせたりなどして社会的にもヴィジブルな存在だったし、「No Tears Left To Cry」(3位)「God Is A Woman」(8位)そして現在1位の「Thank U, Next」などのヒットも連発していただけに彼女が全く主要部門にいないのも違和感あり。特にボーイフレンドのマック・ミラーを今年亡くしているだけに残念。

☆ カマシ・ワシントン、グラミーはまったく無視。自分が年間ベストアルバムの4位に入れたから言うわけではないけど、数々の音楽誌等でも今年を代表する傑作アルバムの一つとして評価の高い『Heaven And Earth』が、僕が予想していた最優秀アルバム部門はおろか、ジャズ部門でもまったく無視されているってこれ、どういうこと?

☆ テイラーの『Reputation』はグラミーに嫌がられた?通常であれば、グラミー・ダーリンのはずのテイラー・スイフト、昨年末リリースのアルバム『Reputation』は今回主要部門からははずれ、辛うじて最優秀ポップ・ボーカル・アルバム部門にノミネートされたのみ。

ということで今年のグラミーも新しい意味で楽しみ。ではここからは恒例の予想、まずはポップ部門です。


1.最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス部門

× Colors - Beck
○ Havana (Live) - Camila Cabello
◎ God Is A Woman - Ariana Grande
  Joanne (Where Do You Think You're Goin?) - Lady Gaga
  Better Now - Post Malone

Beck ColorsCamila Cabello HavanaAriana Grande God Is A WomanLady Gaga JoannePost Malone Better Now

今年のグラミー予想の軸は、前述のように「ガガ+クーパーのROY、SOY総ざらい」ということなんですが、このポップ部門には、本来であれば主要賞で名前が出ていておかしくない人がいろいろ顔を出していて、自ずからそういった人たちが有力候補なのかな、と。

具体的には、上述した、主要部門から漏れているアリアナがやはりここは取ってくるだろう、ということで本命◎。そして新人賞部門から何故かこれも名前が漏れていたカミラ・カベロの「Havana (Live)」。何でわざわざライヴバージョンなのかな(笑)という疑問が大きく残りますが、実はこの部門では過去にも、ファレル・ウィリアムスの「Happy」のライヴ・バージョンが2015年第57回で、アデルの「Set The Fire To The Rain」のライヴ・バージョンが2013年第55回で受賞しているという、ライヴ・バージョンが有利な部門(ってどんなんやw)。なので、彼女の新人賞もれも踏まえて対抗○。そしてこちらも場合によってはアルバム部門ノミネートもあり得たベックの『Colors』に穴×を付けておきます。



2.最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門

  Fall In Line - Christina Aguilera Featuring Demi Lovato
  Don't Go Breaking My Heart - Backstreet Boys
× 'S Wonderful - Tony Bennett & Diana Krall
◎ Shallow - Lady Gaga & Bradley Cooper
  Girls Like You - Maroon 5 Featuring Cardi B
  Say Something - Justin Timberlake Featuring Chris Stapleton
○ The Middle - Zedd, Maren Morris & Grey

Christina Aguilera Fall In LineBSB Dont Go BreakingTony Bennett Diana KrallGaga Cooper ShallowMaroon 5 Cardi B Girls Like YouJustin Timberlake C Stapleton Say SomethingZedd Maren Morris The Middle

さて、主要4部門のノミネーション多様化のあおりなのか、この部門は今年多めの7作ノミネート。5部門でノミネートが収まらなかったのは、1997年第39回の6作ノミネート以来、7作ノミネーションは史上初となります。内容的にみると「わざわざ7作にする必要があったのか?」と思う、アギレラバックストリート・ボーイズなんかもありますが、ここでやはり本命◎視せざるを得ないのはガガ+クーパーの「Shallow」なんでしょうなあ。ここ数年は強い作品は、主要賞とジャンル賞の両方を持って行ってしまう、というのがやや傾向なので、ここも「Shallow」が行ってしまうのではないかと。それを阻止する可能性があるのは、やはりROYSOYにノミネートのゼッド/マレン・モリス/グレイの3アーティストによる「The Middle」。主要賞でもそうなんですが、「Shallow」がいなかったらその楽曲のキャッチーさとマレン嬢の歌唱力の力強さで、軽々グラミーを持っていく力のある作品だと思うのですが、今回は相手が悪い。というので対抗○。穴×はなぜかこのポップ部門に登場したトニー・ベネット御大。後述するトラディショナル部門ではぶっちぎりの本命の彼とダイアナ・クラールのこの曲、ちょっと不気味なので穴をつけときます。




3.最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム部門

× The Emancipation Procrastination - Christian Scott aTunde Adjuah
◎ Steve Gadd Band - Steve Gadd Band
  Modern Love - Julian Lage
○ Laid Black - Marcus Miller
  Protocol 4 - Simon Phillips

Christian Scott Emancipation ProcrastinationSteve Gadd BandJulian Lage Modern LoveMarcus Miller Laid BlackSimon Phillips Protocol 4

すいません、正直言って最初のクリスチャン・スコット、知りません(汗)。ニューオーリンズ出身の若手ジャズ・トランペッターらしく、バイオを読むとなかなかバークリー出身の新進気鋭のジャズ・ミュージシャンという、何年か前にいきなり出てきて新人賞を取ったエスペランザ・スポールディングスとよく似た感じなので、何となく穴×を付けてみました。音をちょっと聴いてみると意外とオーセンティックなスタイルのプレイヤーのようです。

で、本命◎ですが、これはよく知ってるというだけでスティーヴ・ガッド・バンド(笑)ジミー・ジョンソンマイケル・ランドーといったどちらかというとロック系のギタリスト達をフィーチャーした、やや硬派なフュージョン、といった感じのアルバム。そして対抗○は、これもよく知ってるということと、年末年始を日本で過ごす模様のマーカス・ミラー(笑)ブルーノート移籍第1弾となるこのアルバムは、ルーサーの相棒だったあのマーカスではなく、ジャズ・ミュージシャン・マーカスといった感じでよりファンキーなグルーヴを聴かせる新境地のアルバムのようです。



4.最優秀ポップ・ボーカル・アルバム部門

× Camila - Camila Cabello
  Meaning Of Life - Kelly Clarkson
○ Sweetener - Ariana Grande
  Shawn Mendes - Shawn Mendes
  Beautiful Trauma - Pink
◎ Reputation - Taylor Swift

Camila Cabello CamilaKelly Clarkson Meaning of LifeAriana Grande SweetenerShawn Mendes AlbumPink Beautiful TraumaTaylor Swift Reputation

そしてこのポップ・ボーカル・アルバム部門。今回テイラーはこの部門だけのノミネートという異例な状態なので、まあ順当ならテイラーが本命◎ということになります。対抗○としては、こちらも今回グラミー主要部門から漏れてしまっているアリアナの大ヒットアルバムに。そして穴×はこちらも新人賞部門もれのカミラ・カベロ、と何だかこの部門、主要部門に漏れた残念賞部門みたいになってしまいました(笑)。その主要部門のSOYにノミネートの黒一点、ショーン・メンデスくんもいるのですが、この顔ぶれの中ではいかにも陰が薄い...



5.最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム部門

◎ Love Is Here To Stay - Tony Bennett & Diana Krall
○ My Way - Willie Nelson
× Nat "King" Cole & Me - Gregory Porter
  Standards (Deluxe) - Seal
  The Music...The Mem'ries...The Magic! - Barbra Streisand

Tony Bennett Diana KrallWillie Nelson My WayGregory Porter Nat King Cole and MeSeal StandardsBarbra Streisand The Music

何と言ってもこの部門では過去16回のノミネートで14勝2敗と圧倒的な強さを誇っているトニー・ベネット御大。その2敗を食らったマイケル・ブブレは今回ノミネートされていないとなると、もうこれ、自動的に本命◎。ましてやダイアナ・クラールとの取り合わせですから取りあえず無敵ですね。対抗○は迷うところですが、昨年第59回でディランや今回ノミネートのバーブラを押さえて見事受賞のウィリー・ネルソン御大のシナトラ・トリビュート・アルバムに。そして同じトリビュート・アルバムということで、若き重鎮ジャズ・シンガー、グレゴリー・ポーターによるナット・キング・コールのトリビュート作に穴×を付けておきましょう。


さていよいよ明日は元旦。皆さんもいいお正月をお迎え下さい。この続きは新年に。
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【年末恒例企画#2】My Best Album of 2018(Part 3 完結編、3 - 1 位)

3位:『Lost & Found』Jorja Smith (FAMM)

Jorja_Smith_-_Lost__Found.png 

さていよいよトップ3、3位は今年サマソニにも来日したジョージャ・スミス

このアルバムもやはりこの【新旧お宝アルバム!】のブログで今年の8月にレビューしてます。各曲ごとの詳しい解説はそちらのブログをご覧下さい。

(新旧お宝アルバム!レビューのリンク)http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-424.html

UK出身のジョージャドレイクの『More Life』(2017)へのフィーチャーがメインストリームへのブレイクのきっかけとなってそこから1年も立たずにリリースしたこのデビューアルバムの『Lost & Found』、新旧お宝アルバム!のブログでも書いたけど、ジャジーなR&Bスタイルの楽曲を浮遊感満点のサウンドをバックに、ちょっと舌っ足らずなUKアクセントがチャーミングなジョージャのコントラルト・ヴォイスのボーカルが最大の魅力。彼女のドリーミーでイメージ想起力の高い表現力を持った歌が既にジョージャにしか作り出せない世界観を持って聴き手に迫ってくるあたり、彼女のアーティストとしての才能を感じます

オープニングの「Lost & Found」ではわくわくするようなメロディ展開で「どうして私達は落ちていくの?」と歌うジョージャに一気にハートを捕まれるし、続く「Teenage Fantasy」では一転メランコリーな曲調でティーネイジャーの女の子の恋に対する切なさをせつせつと歌いながら、エンディングではちょっとふざけて呟くようにくすくすと笑って終わるなんていうキュートなところも見せてくれるし


また一方では「On Your Own」とかパトカーの青いライトに追われる男の子に対し「あなたは何をしたの?」と問い詰める「Blue Light」とかではその舌っ足らずな調子で結構達者なラップを聴かせてくれ、その押さえた感じが同じ年頃のUSのR&Bヒップホップ・女性アーティスト達と比べて一味違うのもまたいい。トム・ミッシュがペンを取ってプロデュースした「Lifeboat (Freestyle)」では、文字通り彼女がフリースタイルを試みるのだけど、USヒップホップでいうフリースタイル、という言葉に感じる攻撃性みたいなものは微塵もなく、自分が常日頃考えていることをトラックに乗せてフロウの形でしゃべってる(そしてここでも「落ちていく」という言葉と「浮かんでいる」という言葉が象徴的に使われてるのが印象的)、ってな風情がどうしようもなく愛おしく聞こえてしまうのは自分がオヤジになってしまったからか(笑)

前回の【新旧お宝アルバム!】でのブログで彼女のこのアルバムを取り上げて以降、いろんな方が彼女のアルバムを「いいんだけどイマイチ」的な論評をされているのを目にして自分的にはすごく違和感があった。それくらいこのジョージャのアルバムは自分にとってとっても聴き心地がよく、歌い手のエモーションとか気持ちとかが曲を通じて如実に感じられる、そんな凄くシンパシーを感じられる作品だったから。正直夏場は彼女のボーカルに清涼感を求めて、というのもあったが、このアルバムが僕のターンテーブルに乗る頻度は極めて高かった

幸いにして事前の僕の予想通り、ジョージャはめでたくグラミー賞の新人賞部門にノミネートを果たした。残念ながら同じ部門のノミニーにはメインの最優秀アルバム部門にもノミネートされてるH.E.R.や、ロックのジャンル部門にもノミネートされてるグレタ・ヴァン・フリートなど強力なメンバーが揃っているので、この部門だけのノミネートのジョージャには厳しいところだけど、ジョージャのチャーミングなキャラとこのアルバムで見せてくれた独特の世界観はきっと次の彼女のステップで大きく成長を見せてくれると信じています。とにかくこのアルバムはホントに自分に取っては2018年、大事なアルバムの一つでした。サマソニに行かなかったことがホントに悔やまれたくらい。


2位:『Golden Hour』Kacey Musgraves (MCA Nashville)

Kacey Musgraves Golden Hour 

そして自分の年間2位アルバムは、今やナッシュヴィル・シーンではカントリーという枠内だけではなく、ナッシュヴィルを本拠地とするアメリカン・メインストリーム・ポップ・アーティストとして唯一無二のステイタスを築き上げた感のあるケイシー・マスグレイヴスの『Golden Hour』

この【新旧お宝アルバム!】でも彼女の前作『Pageant Material』(2015)をご紹介して、そのキャッチーでありながらフォーキッシュなカントリー・ポップな楽曲と、カントリー界のこれまでの常識を覆す、同性愛の率直な肯定やマリファナ嗜好を淡々と語るといったエッジの立った歌詞のアンバランスさに大きな魅力があることをお伝えしましたが、今回の『Golden Hour』では、その楽曲レベルが平均的にグンと上がり、彼女が共作に全てかかわった収録13曲一切捨て曲なし、どれもかなりクオリティの高いポップ・チューンに仕上がっているのがちょっとした驚きでした。いずれの楽曲もキャッチーなメロディをカントリー・ポップのスタイルで組み立てながら、バックのサウンドは全体が靄に包まれたようなとても趣味のいいシンセの使い方と、しっかりとしたビートを刻むリズムが、ちょっと聴いていると今時のシンセポップ寄りのサウンドに聞こえるのですが、そこここにごく控えめにバンジョーの音色があしらわれたりしていることで、辛うじてこのアルバムがカントリーというジャンルに軸足の一部を残していることが判るという感じ。そして一番特筆すべきは、どの曲もケイシーの心地よいコントラルトのボーカルと魅力的なメロディーとリズムで聴く者の気持ちをゆったりと和らげてくれる、そんなアルバムに仕上がっているのです。自分はこのアルバムを聴いて、ルーマーの一連のアルバムを思い出しました。今回のケイシーのアルバムには、あのシンガーの一連のアルバムを想起させるような暖かい音像がふんだんに盛り込まれているのです

一方楽曲の歌詞の内容は、昨年末の結婚というプライベートな環境の変化を反映してか、これまでのようにエッジの強い内容の歌詞はそれほど見られません。むしろ新しい愛を発見した喜びを吐露する「Golden Hour」や「Butterflies」(この曲は夫のラストン・ケリーとナッシュヴィルのブルー・バード・カフェで出会って付き合い始めた頃のことを歌ってるとケイシーが認めてます)、週末に愛する人がそばにいないことの寂しさをポップなメロディに乗せて歌う「Lonely Weekend」、何故か今回のアルバムに頻出するヒーロー達に愛する人を見立てて様々な感情を歌う「Space Cowboy」「Velvet Elvis」「High Horse」(歌詞の最初のところで「あなたは自分のことをジョン・ウェインだと思ってるでしょ/颯爽と登場して悪者を残らず仕留めるそんなヒーロー」と歌ってます)などなど、ケイシーラストンと付き合っていた2017年に書かれた今回のアルバムの殆どの曲は、基本的に自分と自分が大事に思う人との様々な距離感を歌にした楽曲で満ちあふれています


今回アルバムのプロデュースは、彼女をブレイクした2枚のアルバム『Same Trailer, Different Park』(2013)と『Pageant Material』でケイシーと共にプロデューサーチームを組んでいた、ナッシュヴィルのポップ・カントリー界での多くの実績を持つルーク・レアードシェイン・マクナリーというベテラン・チームではなく、ナッシュヴィルでポップ・ロック・バンドで活動していたダニエル・タシアンイアン・フィチャックという新しいチームによるもので、このチームの変更が全体のサウンドをよりポップ・ロック路線に寄り添わせている最大の要因なのでしょう。収録された曲も13曲中この2人と共作しているのが7曲と最多を占めています。もちろんルークシェインとの共作も「Butterflies」「Space Cowboy」「Rainbow」とありますが、今後はこのケイシー/ダニエル/イアンというチームでしばらく新しいケイシーの世界を聴かせ続けてくれるのだろうと思われます

今年の夏のフジロックに来た時は他のステージとかぶって見逃してしまいましたが、観に行った友人達が口を揃えて素晴らしいステージだったと言ってて悔しい思いをしたのを思い出しました。この楽曲、そして彼女自身のプライベートの充実を思えば当然でしたね。惜しいことをしました

そしてこのアルバムはシーンでも評価が高く、今年11月に開催されたカントリー界のグラミー賞、第52回CMAではクリス・ステイプルトンキース・アーバンらを押さえて堂々年間最優秀アルバムを受賞してますし、Apple Musicが選ぶ2018年のベスト・アルバムにも選ばれました。そして今回の第61回グラミー賞でも、カントリー部門ではなく、主要部門の最優秀アルバム部門にノミネートされていますドレイクブランディ・カーライル、ジャネル・モネイといった強力なメンツを見事押さえて初の主要部門受賞なるか?個人的にはかなり期待しています

同じカントリーからポップに踏み出したテイラー・スウィフトが、最近感情の大きな起伏とエッジの立ったリリックでどちらかというと挑戦的な楽曲を発表しているのに比べると、このアルバム、正しくケイシーが今人生の「ゴールデン・アワー」にいるな、というのが肌で伝わってくる、聴いてるだけで幸せに近づけるような気がする、そんなアルバムです。とにかくどの曲を取っても、思わず聴き入ってしまうような魅力ある曲ばかりで、メロディのフックが素晴らしく思わずハッとしてしまう「Happy & Sad」など、完全に70年代ポップを思わせる、世代を超えてアピールできる曲ですので、是非Apple MusicSpotifyなどで聴いて見て下さい。あなたのパワープレイリストの仲間入りすることは間違いなし。お勧めです!


ここまでゾッコンに惚れ込んだケイシーのアルバムを上回るMy Best 10 Album of 2018のナンバーワンアルバムとは?それはこれです(^^)


1位:『Geography』Tom Misch (Beyond The Groove)


Tom Misch Geography 

トム・ミッシュ。ロンドン出身、白人、23歳。ロンドンのR&Bシーンでギタリスト、セッション・ボーカリスト、プロデューサーとして2014年頃から本格的に活動、自らも2本のミックステープや3枚のEPを昨年までにリリースする傍ら、様々なインディー系のUKR&Bアーティストのシングルに客演したり、リアン・ラ・ハヴァス、マイケル・キワヌカといった(自分の大好物のw)今のUKR&Bシーンを代表するアーティスト達のシングルをリミックスしたりと、マルチな活動を展開、徐々にそのシーンでの存在感を確立。

今年に入って、このMy Best Album of 2018の4位にランキングしたジョージャ・スミスの『Lost & Found』収録の「Lifeboat (Freestyle)」の作・プロデュースを行い、プロデューサーとしてもステップアップするのとほぼ同時期に自らの初フル・アルバム『Geography』をリリース、全英アルバムチャート8位に送りこむブレイクを果たす

と、レコードのライナーノーツ風に書いて来ましたが、このトム・ミッシュのアルバム、おそらく70年代後半から80年代にかけての英米のR&B・ソウルが好きで、かつブルー・アイド・ソウルのアーティストに目がない方であれば、はっきり言って無茶苦茶気に入ると思います!

アルバム全体があの時期のソウル・ミュージック、ダンス・ミュージックへのオマージュに溢れていてその手がお好きな方は聴きながら頬っぺたが緩むのを抑えられないでしょう。かくいう自分もそうなんです(笑)。そしてそれでいて今のR&B作品らしく、要所要所に上手にヒップホップの味付けもしていて、それがまたスマート。



シックを想起せざるを得ないタイトでファンキーなカッティング・ギターとスリリングなシンセ・トーンでまんまあの頃のダンス・チューンを再現している「South Of The River」や、聴いた瞬間に体が動かずにはいられないその名も「Disco Yes」、デヴィッド・T・ウォーカーっぽい音色のギターリフとビートの利いた、ゴールドリンクのラップをフィーチャーした「Lost In Paris」、昔のモノクロ映画の一場面を再現したかのようなスキットから、今度はスロウでデヴィッド・T・ウォーカーばりのエロいギターリックをバックにトムが洒脱なソウルネスを湛えて歌う「Movie」、何とあのデ・ラ・ソウルをフィーチャーした、シャッフル・リズムでメランコリー・ファンクとでも言うべき魅力満点の「It Runs Through Me」などなど、特にレコードA面からB面途中までは一気に聴かせてしまう、何とも強力なアルバムなのです

実は自分がトムのことを知ったのは結構遅く、何となく名前は聞いてたけど、と言う程度の認知度だったのが、彼が作・プロデュースのジョージャ・スミスの「Lifeboat (Freestyle)」を聴いて、そのオールド・スクールのヒップホップをリスペクトしながら今どきのR&B感覚の利いたサウンドに興味を持ってちょっと聴いてみたら、あっという間にハマったというわけ

そしてケイシー・マスグレイヴスフジロックでミスし、サマソニに来ていたジョージャ・スミスとこのトムをミスするという、今年の年間ランキングに入れてるアーティスト、軒並みライヴを見逃してるというのも、このアルバムへの執着度を高めたもう一つの理由だったかも(笑)。とにかく夏の終わり頃から秋にかけて、このレコードを聴かない週は多分なかったといっても過言ではないほどで、この時点での年間アルバム1位は当確でした。

とにかく自分がウダウダ言うよりも、Apple MusicSpotifyでこのアルバム、聴いてみてください。あなたがソウル・ミュージック、R&B系ダンス・ミュージック、そしてブルー・アイド・ソウルのファンなら、絶対気に入って頂ける自信があります。

このアルバム、メインのアルバムチャートにはランクインしなかったものの、ビルボード誌コンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートで2位に入るという成績だったので、自分は密かにこのグラミー賞新人賞部門アーバン・コンテンポラリー・アルバム部門にノミネートされるのでは、と期待していたのですが、残念ながらそれはなし。でも、次トムが来日したら絶対観に行こう!と心に決めてます。そしてこの後トムが、自分の作品も含めてどんな仕事をしてくれるか、今から楽しみです。



さあ、My Best 10 Album of 2018、いかがだったでしょうか。もしまだお聴きになってないアルバムがあったら、是非一度ストリーミング等で視聴されてみて下さい。あなたの年末年始を彩る新たなアルバムになるかもしれません。さてここで11位以下20位までもリストしておきます。

11. Out Of The Blues - Boz Scaggs
12. Dirty Computer - Janelle Monáe
13. Piano & Microphone 1983 - Prince
14. Hive Mind - The Internet
15. Zapp VII: Roger & Friends - Zapp
16. Isolation - Kali Uchis
17. Collagically Speaking - R+R=Now (Robert Glasper & Others)
18. The Future And The Past - Natalie Prass
19. See You Around - I'm With Her
20. Scorpion - Drake


ということでこの【年末恒例企画#2】も完結。次はいよいよメインイヴェントの【年末恒例企画#3】第61回グラミー賞大予想!を来週くらいから順繰りにブログアップしていきますのでお楽しみに。

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【年末恒例企画#2】My Best Album of 2018(Part 2, 7 - 4 位)

さて、続いてMy Best Album of 2018、7位です。


7位:『Dear Annie』Rejjie Snow (300/Brace Face/BMG)

Rejjie Snow Dear Annie 

レジー・スノウっていう名前を初めて聞いたのはうちのヒップホップ・トラップ・ヘッズの息子から。去年だったか、毎日チキチキハイハットのトラップトラックを聴きまくり、自分でもトラックを作り始めてた息子は、今時のR&Bの新しいアーティストへの耳も早くて、ブレイク前からThe InternetとかSZAとかジョージャ・スミスとかは「オヤジが好きそうだぜ」と教えてくれててなかなか重宝していたので「今何かお勧めある?」と聞いたら帰ってきたのがこの名前。当時はまだミックステープを出したばっかりだった彼の「D.R.U.G.S.」って曲をYouTubeで聴いたところ、何しろ最近のヒップホップにしてはトラップっぽさが皆無(笑)で、サウンドのアプローチも90年代あたりのネイティヴ・タン系のポップ感覚溢れる感じ(PVもそんな感じのアニメなのも好感度だった)で、当時気に入ってたチャンス・ザ・ラッパー系の明るさが即気に入り、当時の「Song Of The Day」にもすぐアップしたくらい。(Song Of The Day #853)

そのレジーが満を持して今年初フル・アルバムをリリースした。これは買わねばなるまい、ということで即ヴァイナルで購入。このアルバムの収録曲20曲は、アルバムリリース前に2枚のEPに分けて発表されたもの。その楽曲はどれもこれも「D.R.U.G.S.」同様、ヒップホップアルバムとしては90年代あたりのクラシックなスタイルで、3曲にフィーチャーされているデイナ・ウィリアムス嬢などのR&Bシンガーも多数フィーチャーした、70年代っぽいR&B色もかなり濃厚な、クオリティも高い楽曲がずらり並んでいて、我々のように70年代ソウルを下敷きにして、90年代ヒップホップやR&Bに慣れ親しんだリスナーにはたまらない内容。でもそれでいて古臭さは全くなく、使われているサウンドスタイルや音像系は間違いなく今の時代のもの。カリードとかともサウンドは似てるけど、もっとオールドスクールヒップホップの香りと、90年代UKアシッド・ソウルなんかの影響も感じる

とにかくヒップホップが楽しかった時代の記憶を随所で呼び起こさせてくれる楽曲揃いで、デ・ラ・ソウルのトラックにありそうな、メロウでリズミックなトラックに乗ってデイナ嬢のドリーミーナボーカルと去年ブレイクしたラッパー・デュオのアミネのフロウをフィーチャーした「Egyptian Luvr」とか、アルバムラストのシンガーのマイカー・ウィリアムスをフィーチャーした「Greatness」なんかでは「ママは俺が生まれた時スティーヴィー・ワンダーに夢中で/Superstitionを一晩中かけてた」なんてなフロウがぽろっと出てくるあたりも楽しい。キャロライン・スミス嬢をフィーチャーした「23」ではレジーも歌いながら、ドリーミーでラヴリーなサウンドとメロディに乗って口笛なんか吹いてる。「Spaceships」とかも『ファースト・フィナーレ』の頃のスティーヴィー・ワンダーまんまのご機嫌なソウル・ジャムだし。とにかく今時のヒップホップっぽくないけど、ヒップホップとR&Bの楽しさのエキスがぎっしり詰まってるようなそんなアルバムだ。多分このアルバム最初に通して聴いてたとき、自分はニヤニヤしてたと思う(笑)

レジーって、ナイジェリア人の父親とアイリッシュ・ジャメイカンの母親の間に、アイルランドのダブリンに生まれ、フロリダに移り住む18歳までそこで育ったらしい。道理で普通のUSのヒップホップっぽくないわけだ。凄く音の素性がコスモポリタンな感じで、UKアシッド・ソウルの香りがあるのも納得できる。そのレジー、USには数年だけいて、今はダブリンに戻ってそこで活動を続けているらしい。

音的にはチャンスとか、ケイトランダとか、タイラー・ザ・クリエイターとか、最近のフィールグッドなスタイルのヒップホップのまた新しいアーティストが出てきたぞ、こいつはフォローしなきゃ、という感じですので、最近のチャンスとか90年代のネイティヴ・タン系のヒップホップとかがお好きな方には100%お勧めします!




6位:『Good Things』Leon Bridges (LisaSawyer63 / Columbia)


Leon Bridges Good Thing 

こちらは現代におけるネオ・クラシック・ソウルの旗手、という鳴り物入りで2015年に『Coming Home』でデビューしたリオン・ブリッジズの2作目。こちらも今年の5月にここのブログ「新旧お宝アルバム!」でレビューしてますので、詳しい曲ごとの解説とコメントはそちらをご覧下さい。

(新旧お宝アルバム!のリンク)http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-420.html

その時のブログにも書いたのだけど、『Coming Home』の時、あまりに「現代のサム・クック、オーティス」的に売り出されて、ジャケやアルバムの楽曲などもそれをえらく意識しすぎた(と自分は感じた)ために、当時は全くピンと来なかったけど、今回のこの『Good Things』は「クックオーティスの先達の系譜を汲んでリスペクトしてるけど、自分は《いま》のソウルシンガーなんですよ!」という表明をするかのように、クラシックなスタイルの「Bet Ain't Worth The Hand」(こちらは今回の第61回グラミー賞の最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス部門に、自分が8位に挙げたベティ・ラヴェットと共にノミネートされてる)や「Beyond」「Mrs.」など前作の意匠を継続するナンバーだけでなく、シックのダンクラ・チューンかと思うほど軽くモダンでファンキーな「If It Feels Good (Then It Must Be)」や「Forgive You」「You Don't Know」といった70年代後半スタイルの軽快で洒脱なナンバーも軽々とモノにしてるところが素晴らしいところ。結果として、何度聴き返してもその都度発見があり、飽きずに繰り返し聴くことができるアルバムになっていると思う。

そしてアルバムを締める「Georgia To Texas」は南部テキサス出身であるオンの出自を表現するかのように、極めてダウン・トゥ・アースで、黒人霊歌的なフィーリングを持つ楽曲でこれをリオンが静かに、しかしエモーショナルに歌い上げるのを聴くと、今回のアルバムでリオンの引き出しが二重にも三重にもなって、いろんな表現力を発揮できるシンガーになったな、と如実に感じる。そして全曲に共作者として関わっているところも重要。今回グラミー賞最優秀R&Bアルバム部門へのノミネートも順当で、僕はH.E.R.の『H.E.R.』(2017年10月のアルバムなので、今回の自分の2018ランキングに入れられなかったのが残念)との争いになると見てます。早くも次作が楽しみなリオン、ソウル好きであれば聴くべしです。




5位:『Indigo』Kandace Springs (Blue Note / Capitol)


Kandace Springs Indigo 

ブラック・アーティストのアルバムが続きます。5位はついこの間東京国際フォーラムでの素敵なライヴを観てきたばかりの、キャンディス・スプリングスブルー・ノートからの2枚目、『Indigo』。デビュー・アルバムの『Soul Eyes』はややメインストリームR&Bっぽいポップ寄りの王道派のジャズ・ボーカル・アルバムという感じで、あのプリンスYouTubeにアップされていたキャンディスのパフォーマンスを見て気にいって、自分のペイズリー・パークでの『Purple Rain』30周年記念ライヴに特別に招待した、というエピソードで想定されるような凄さはあまり感じなかったもんだ。歌は巧いし、声は魅力的なんだけど。

で、今回のアルバムを聴いてその印象がガラッと変わっていたのにまずおっ、と思った。今回も基本はジャズ・ボーカル・アルバムなんだけど、寄り添っているのがメインストリーム・ポップではなく、かなりヒップホップの気配を感じさせたり、「Piece Of Me」などはシャーデーあたりも想起させるスタイルになっている一方、先頃惜しくも他界したジャズ・サックス奏者ロイ・ハーグローヴをフィーチャーした「Unsophisticated」などは前作を上回るレベルの王道ジャズ・チューンだったりする。チェックしてみると、まず前作はジョニ・ミッチェルの80年代の旦那さんで、彼女の当時の一連作品のプロデュースで知られるメインストリーム系のプロデューサー、ラリー・クラインだったのに対し、今回のアルバムは、あの伝説のヒップホップ・サウンドメイカー、J・ディラの影響を公言して憚らず、同じく90年代以降のヒップホップ・アイコンであるコモンのアルバムに必ずプロデュースで毎回参加している、それでいて本職はジャズ・ドラマーのカリエム・リギンズ。自ずから楽曲やサウンド、アレンジメントへのアプローチが全く違うのも納得だ。

そして、よりジャズのプレイヤーの視点やヒップホップ風ソウル的なグルーヴを重視したカリエムの今回のプロデュース・アプローチの方が、キャンディスのボーカルスタイルの良さをより効果的に引き出していると思う。

そうしたジャズとヒップヒップ風味のグルーヴを作り出しているカリエムの仕事に加えて、このアルバムにアーシーなR&Bの風合いをうまく加えているのが、4曲を作曲、2曲のプロデュースを担当している、NYベースのソングライティング・デュオ、カール・スターケンイヴァン・ロジャーズ。全米トップ40ファンには1991年の全米No.2ヒット「P.A.S.S.I.O.N.」を放ったリズム・シンディケイトの中心メンバーとして知られる彼らは、その後ソングライティング・プロデュース・チームとしてアギレラケリクラのデビュー作に曲を提供したり、あのリアーナを見つけてきたりして数々の新しいアーティストを育ててきたのだけど、ナッシュヴィル出身のキャンディスを見つけてきてドン・ワズのブルー・ノートと契約させたのも彼ら。前述の「Piece Of Me」や「Unsophisticated」、そしてピアノ弾き語りでジャジーなボーカルを聴かせる「Fix Me」など彼らのペンによる曲が、カリエムのプロデュースとうまく調和してキャンディスのパフォーマンスを更に引き立てていると思う。

先日のライヴでキャンディスは基本的にピアノを弾いて歌うのが大好きな一方、その彼女に影響を与えたのはアート・テイタムオスカー・ピーターソンといったジャズの偉大なアーティストだ、というのが判り、改めてこのアルバムを聴くとその彼女の歌への、ピアノへの思いがしっかりプロダクションに反映され、彼女を最大限に表現しているのがわかる。そしてその究極が、ライヴでもアンコールで演って、このアルバムの終盤を飾るロバータ・フラックの「The First Time Ever I Saw Your Face」のカバー。プリンスが彼女をペイズリー・パークに呼んだ時に、彼女をピアノに座らせてリクエストしたというこの曲、多分その時と同様、この歌の静かなパワーが乗り移ったようなパフォーマンスが素晴らしい。引き続き、その動向から目が離せない、そんなアーティストです。



4位:『Heaven And Earth』Kamasi Washington (Shoto Mas / Young Turks)


Kamasi Washington Heaven Earth 

このアルバムを最初聴いた時の圧倒的な迫り来るような楽曲と演奏のテンション、そしてそれらの楽曲やパフォーマンスの完成度から、「これはジャンル関係なしに今年を代表するアルバムだし、絶対グラミーのアルバム部門ノミネートは間違いないな」と思ったものだけど、蓋を開けるとアルバム部門どころか、ジャズ部門でもまったくの蚊帳の外だったのはとても意外だった。同じケンドリック・ラマー人脈のロスのコンテンポラリー・ジャズ・シーンのアーティストで、このカマシのアルバムでも1曲「Agents Of Multiverse」を共作しているクリス・デイヴの『Chris Dave & The Drumhedz』なんかは最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム部門にノミネートされてるのに、同じ人脈・シーンでよりハイ・プロファイルで評価も高いカマシが蚊帳の外、というのも腑に落ちない。ヴァイナルだと長尺5枚組、CDで3枚組(うち1枚はカッターでジャケを切り開かないと出てこないという隠し盤w)という大層さが嫌がられたのか、それともジャズの最先端シーンであるNYから距離を置いてロスでの活動にこだわるカマシに対する一部の批判層のなせる業なのか。

自分は正直ジャズは門外漢に近い。いろいろな洋楽ジャンルは聴き倒してきたが、ジャズについては奥深い森過ぎて下手に足を踏み込むとずるずるになってしまうのでは、という懸念からフュージョンとかを中心に表面的にしか関わってこなかった。その考えを変えたのは13年前、自分が最初に転職する時に部下から贈られたマイルスの『Milestone』で、理屈なしにすっと胸に入ってくる感じが思わぬ快感だった。以来、機会あるごとにジャズの名盤なるものには触れるようにしている。

そんなまだまだジャズ初心者の自分が、今特に同時代性を感じることができるのがこのカマシであり、ロバート・グラスパーでありサンダーキャットといった連中。彼らはケンドリック・ラマ人脈ということでヒップホップ好きの自分に取って何となくシンパシーを感じるところも多い。

そんなカマシの今度のアルバムのオープニング「Fists Of Fury」を聴いて驚いたのが、もはやこれはジャズの範疇を超えて、ビッグバンドによる壮大なエピックの映画スコアのようにこみ上げてくる怒りや哀しみなど様々な感情を表現した圧倒的なトラックであったこと。そして後にこれがあのブルース・リーの映画『ドラゴン怒りの鉄拳』のテーマ曲のリメイクだ、という話を聞いて妙に納得したものだ。

ヴァイナルでは最初2枚、CDでは最初のディスクが「Heaven」、次のヴァイナル2枚、ディスクが「Earth」、そして最後の隠しディスクが「The Choice」と名付けられたこの大作、冒頭の「Fists Of Fury」以降はジャムセッション的スタイルの正統派コンテンポラリージャズ、といった楽曲が次から次に抑えたクールネスを持って登場する。Heavenディスクは、途中スロウな「Connection」やバンドが縦横無尽にジャムってオーセンティックなグルーヴを醸し出す「Tiffakonkae」など、50年代スタイルのジャズ・トラックで気持ち良くしてくれるかと思うと、不協和音や複雑なコードを駆使したノイズ的なカマシのソロからメロウな本編になだれ込む「The Invincible Youth」など、いろんなアプローチでカマシ自作の楽曲群が聴く耳を楽しませてくれる

Earthディスクのスタートは、冒頭の「Fists Of Fury」ほどのインパクトはないものの、またまた大人数のコーラスをバックに壮大な映画スコアのような「The Space Travelers Lullaby」で始まり、Heavenディスクがインストのみだったのに対し、電子処理したボーカルをフィーチャーしたうねる波のような「Vi Lua Vi Sol」、夜のイメージのカマシのソロとピアノでスタートしてパトリス・クインの神に懇願するようなボーカルが入る「Journey」などボーカル入りのジャズ・トラックが4曲フィーチャーされている。そうした王道ジャズ・トラックの中でやや異彩を放っているのが、エレクトロなリズムリフをベースにまたまた映画スコアのようなコーラスをバックにタイトなグルーヴを聴かせる「Street Fighter Mas」。

そして最後の5曲入りThe Choiceディスクは、やはり大コーラスをバックにした「The Secret Of Jinsinson」に始まり、キング/ゴーフィン作で有名な「Will You Still Love Me Tomorrow」とファイヴ・ステアステップスの「Ooh Child」のカバーを含むが、全社は極端にテンポを落としたトーチ・ソング風(ボーカルはパトリス)、後者はサビのフレーズのコーラスループ以外はまったく原曲をとどめず、延々続くジャズのジャムセッション、といった内容。

全体はいわゆるオーセンティックなスタイルのコンテンポラリージャズだし、いくつかのカバーへのユニークなアプローチ以外は、カマシがこのアルバムで取り立てて何か新しいことをしているわけではない。ただこれだけの大作の楽曲のほとんど(21曲中15曲)を一人で書き、アレンジしてこれだけの全体感、楽曲の存在感を実現しているというのは並大抵ではないことはジャズ門外漢の自分でもよく判る。

このジャズアルバムは、小洒落た青山の焼き鳥屋とか代官山のイタリアンとかでBGMで流れるような類のジャズではなく、しっかりと向き合って聴くことを求めるタイプの作品なので、重たいといえば重たいのだけど、ある意味今年の重大なミュージカル・イベントの一つであり、今年の重要作品の一つだと思うのです




さて、My Best Album of 2018のトップ3、遅くとも今週のどこかではアップしますね。お楽しみに。

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

【年末恒例企画#2】My Best Album of 2018(Part 1, 10 - 8 位)

さあいよいよグラミー賞のノミネーションも発表され、ビルボード誌の年間チャートも発表、我々洋楽ファンにとっての年末感がぐんぐん高まってくる今日この頃。それと同時に一気に寒さが増してやっとこれから年末に向かうなあ、という雰囲気が出てきました。自分の【年末恒例企画】も次の「My Best Albums of 2018」に向かうわけですが、その前に、この間発表されたビルボード誌Hot 100 年間チャートと予想との答え合わせとおさらいをしときましょう。今年の年末号の表紙はカミラ・カベロ

2018 Billboard YIM 


<年間チャート予想と結果のおさらい>

今年は自分が予想をアップした直後の12/7に発表されたビルボード誌の「Year In Charts(年間チャート)」、Hot 100部門のトップ10はこうなってました。

Hot 100 年間チャートの発表サイトのリンクはこれ
https://www.billboard.com/charts/year-end/2018/hot-100-songs

1. God's Plan - Drake (111週、予想は2位)
2. Perfect - Ed Sheeran (16週、予想は1位)
3. Meant To Be - Bebe Rexha & Florida Georgia Line (2位、予想3位)
4. Havana - Camila Cabello Featuring Young Thug (11週、予想9位)
5. Rockstar - Post Malone Featuring 21 Savage (18週、ただし集計期間中は3週、予想6位)
6. Psycho - Post Malone Featuring Ty Dolla $ign (11週、予想4位)
7. I Like It - Cardi B, Bad Bunny & J Balvin (11週、予想5位)
8. The Middle - Zedd, Maren Morris & Grey5位、予想7位)
9. In My Feelings - Drake (110週、予想14位)10. Girls Like You - Maroon 5 Featuring Cardi B (17週、予想8位)


今年も去年同様、トップ10のうち9曲の顔ぶれを当てていてそれなりの結果なのですが、残念ながら1位と2位が入れ子になってしまっていて順位も的中したのは3位の「Meant To Be」だけだった、という結果でした。去年と同様の評価式で点数を計算すると、10点x15点x850、ということで、おととしのひどかった結果よりはいいけど、去年のまずまずの結果よりは劣る、まあいたって凡庸なスコアだったということになります。また来年がんばりまーす。


さて、では【年末恒例企画#2My Top 10 Albums of 2018、その10位からご紹介。


10位:『Back Roads & Abandoned MotelsJayhawks (Legacy)

Back Roads Abandoned Motels 

61グラミー賞のノミネーションが発表されて、それまで58回はクリス・ステイプルトン59回はスタージル・シンプソンがそれぞれ最優秀アルバム部門にノミネートされて、アメリカーナというジャンルもいよいよ主要音楽ジャンルとして認知と定着が進んだな、と思ってた矢先の去年60回ではなぜかヒップホップ・ラップ系が3枚もアルバム部門にノミネート、アメリカーナは主要四部門から締め出しを食らっていた。今年は5から8にノミネート数が拡大したこともあって、ブランディ・カーライルケイシー・マスグレイヴスが見事アルバム部門にノミネート。楽しみなグラミーになりそうです

で、19902000年代以降のアメリカーナ勃興に寄与したバンドといえばウィルコやウィスキータウンらと並んで欠かせないのがこのジェイホークス。ご存知の方も多いと思いますが、出世作となった『Hollywood Town Hall(1993)以降、『Tomorrow The Green Grass(1995)等々の名盤をコンスタントにリリースして存在感を築き、ゲイリー・ルイスと共に双頭リーダーの一人、マーク・オルソンが途中脱退するなど紆余曲折を経たものの、再び二人が揃った『Mockingbird Time(2011)ではその変わらぬハーモニーと心和むオルタナ・カントリー楽曲に癒されたものです。

でもその後またマークが抜けて、2016年に出た『Paging Mr. Proust』は正直何だかピンとこない内容でファンとしてはモヤモヤしてたもの。そこへ、昨年あのキンクスレイ・デイヴィーズがアメリカ音楽への憧憬をあらわに綴ったアルバム『Americana(2017)のバックに何とジェイホークスが全面参加してるという面白い展開に。レイの続作の『Our Country: Americana, Act. 2(2018)でもマークをはじめとしたバンドの演奏やコーラス、唯一女性メンバーのカレン・グロトバーグの華やかな歌声も聞こえて、早く彼らのオリジナルアルバムが聴きたいなあ、と思ってたところに届けられたのがこのアルバム。

曲ごとの詳しい解説は、今年の9月にここのブログの【新旧お宝アルバム!】のシリーズで既に書いているので、そちらをご参照頂きたいのですが、基本的な楽曲構成はゲイリーがここ数年他のアーティストに書いたり、誰かと共作したりしてた曲10曲のセルフ・カバーと、2曲のゲイリーの書き下ろしということで、誠にジェイホークスファンにとっては懐かしくもうれしい、力強くも繊細で美しいメロディーとコーラスが満喫できるジェイホークス節炸裂の素敵な盤に仕上がっているというのが最大の魅力と言い切っちゃいます。

(新旧お宝アルバム!のリンク)http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-429.html

個人的にはディキシー・チックスが最初にやった「Everybody Knows」がお気に入りで、この曲ゲイリーのボーカルがめっきり寒くなった今日この頃、心にしみるのです。今年だけでなく、長くジェイホークスのフェイヴァリット作の一つとして聴き続けるだろうな、と思ってます。


9位:『BloodRhye (Loma Vista)

Rhye Blood 

これは最初は完全にジャケ買いPitchforkのレビュー欄をパラパラと見ていたら、いきなり女性の全裸の背中からの写真(ライことマイク・ミロッシュ君のガールフレンドらしい)に目を奪われ、評価も高かったのでApple Musicでちょっと視聴してみたところ、これがここ数年自分のマイブームである浮遊感満載のR&Bチューン集だったので迷わず購入。これも聴けば聴くほどに結構癖になるタイプのレコードで、一時期かなり自分のパワーローテーションに入ってました。

マイク君がカナダ人の白人で、彼のボーカルもかなり中性的でやや声もコントラルトっぽい高めのトーンでささやくように歌う、っていうこともあるんだろうけど、USの最近のオッド・フューチャーとかアーシーでヒップホップに深く根ざした感じとは全く異なり、どちらかというとエレクトロ系ポップに近い感じで、これをこのままBPMを倍くらいにするとまんまThe 1975やThe XXとかみたいになるんじゃないの?的な感じが聴いてる分に凄く気持ちよいのです。

もともとは2010年にベルリンにいたマイク君とデンマーク人のエレクトロ系アーティスト、ロビン・ハニバルとのデュオでスタートしたというライ、ライと言う名前以外は何も明かさずに二人で共作した楽曲をネット上にアップして人気を呼んでいたところでファーストアルバム『Woman(2013)をリリース。その後USに渡ってマイクのソロ・プロジェクトとなったライとしてのアルバムがこの『Blood』。全編を深い霧のように包むエレクトロな音像と、マイクの官能的ともいえるボーカルで独自の世界を作りあげているのですが、「Please」「Song For You」「Stay Safe」「Phoenix」あたりは特にリズムの使い方に伝統的なR&Bの意匠も感じさせるエレクトロ・ポップに仕上がっていて、いわゆるクラブとかで大音量でかかっていても、薄暗いバーとかで控えめの音量で流れていても聴く者の耳を「ん?」と引くであろう、そんなレコードです。

そう、カリフォルニアで作ってるはずなのに明らかに明るい太陽の下で聴く音楽ではない(笑)。そういう意味では今の季節にぴったりかもしれません。


8位:『Things Have ChangedBettye LaVette (Verve)

Bettye LaVette Things Have Changed 


そしてさっきのライのレコードとは全く180度、対極にあるのがこの大ベテランR&Bシンガー(今年72歳!)ベティ・ラヴェットによる、12曲ディランのカバー集の新作アルバム

いやいやA面冒頭のアルバムタイトル曲「Things Have Changed」からガツーン!とぶちかましてくれるのなんの。このアルバムのプロデューサーで、全面バンドのドラムスを担当するスティーヴ・ジョーダンがパワフルなドカスカドラムス叩きながら冒頭「ベティ、気分いいかい?」というのに「いいわよ!」と吐き捨てて、年を全く思わせないパワフルなボーカルでぶちかますベティひたすらカッコええ!

最近ではボズ・スキャッグスの『Memphis(2013)などのブルース・アルバムのプロデューサーで有名なスティーヴ他のバックのミュージシャンも腕利きぞろい。アメリカーナなギターを弾かせたら一流で、ディランの『Love And Theft』(2001) にも参加してたラリー・キャンベルのギター、ジョン・エントウィッスル没後のフーや、ディアンジェロのバンド、そしてスティーヴと一緒にジョン・メイヤー・バンドで活躍してる僕も個人的に好きなピノ・パラディノのベース、そしてあのヴァン・マッコイからアヴリル・ラヴィーンまで様々なアーティストとの活動経験を持つベテラン、リオン・ペンダーヴィスのキーボードが、一体となってベティの熱くもパワフル、表現力抜群でグルーヴ満点のボーカルを包むようにサポートしてるのが聴いていてひたすら気持ちいい

選曲もこの手の企画にありがちの有名曲に偏るということもなく、新旧様々なアルバムからの曲がベティ自身の自信に満ちた解釈での楽曲に料理されているのがいい。特に冒頭の2曲、映画『Wonder Boys』に提供された「Things Have Changed」から「It Ain't Me Babe」(アメリカ南部のラウンジ・バーで聴くようなリヴァーヴの効いたギターが最高)って、実はディランが今年の夏、フジロックで演奏した時のリストの最初の2曲と同じなんですよね。ひょっとしてディランベティのこのアルバム聴いて刺激受けて意識してたんじゃないかな、なんて妄想するのも楽しいのです(^^)

あと「Political World」(1989の『Oh Mercy』収録)ではキース・リチャードがギターで参加して存在感たっぷりのソロを聴かせてくれますが、ベティは全く手綱を放さず自分の世界をがっちり聴かせてくれます

一昨年はシャロン・ジョーンズのひたすらローでかっこいいR&Bファンク・サウンドにやられた後にシャロンの訃報に寂しい思いをしたので、ベティには是非この調子で当分ガツーンというカッコいいR&Bのアルバムをまだまだ聴かせてほしい。なぜなら自分がベティを知ったのはごく最近で、レコードの師匠の柳沢さんにこのアルバムを教えてもらったのがきっかけだったので、彼女の過去の作品もそして今後の新作も是非聴き倒したいなあ、と思うから。


今日は取りあえずここまで。この週末中に、7位〜4位もアップしますのでこうご期待。
【年末恒例企画#1】ビルボードHot 100年間チャート予想(Part 4, 5-1位)

さていよいよ12月に突入、忘年会、正月の準備や年賀状など、何かと年末年始の予定が立て込んでくる時期ですが、今年は一向に寒さが進まないので何か年末感がいつもの年に比べると希薄なような。でもこの年間チャート予想で年末感をガンガン盛り上げて行きましょう(笑)。

ということでいよいよ仕上げ、2018年年間チャートトップ5予想の発表です。


5. I Like It ▲2 Cardi B, Bad Bunny & J Balvin

Hot 100 - 32週、Top 40 - 32週、Top 10 - 21週、Top 5 - 15週)

2018.7.7付 1週1位

Cardi B I Like It 

やっぱり2018年というとこの人をおいては語れないわけで。NYはブロンクス出身、ストリッパーから身を起こし、Vineインスタグラムでポストした内容がいきなりヴァイラルになってネット上セレブとして注目されたのがきっかけでVH1のヒップホップリアリティTV番組のレギュラーとなってそのタレントとしての知名度を確立。満を持して昨年9月にリリースした今時にしてはオールド・スクールなスタイルのビヤッチ・ラップ・シングル「Bodak Yellow (Money Moves)」がたちまちのうちに3週連続のNo. 1となり、昨年の年間チャートでも、後半の期間が対象外にも関わらず、年間24位にランクされる大ヒットに。

今年はその勢いをそのまま持続させて、やれブルーノ・マーズとコラボして「Finesse」(年間チャート予想では22位)のリミックスバージョンを大ヒットさせるは、この予想の最初の方で出てきたマルーン5のナンバーワン・ヒット「Girls Like You」にフィーチャーされてお得意のビヤッチ・ラップをかませるは、4月には待望のフルアルバム『Invasion Of Privacy』リリースと同時に初登場1位になるはと相変わらずのパワーと活躍ぶりを見せ付けているカーディB

年間5位予想にランクされたこの「I Like It」はディバージのあの曲ではなく(笑)、プエルトリコ出身のトラップ/レガトン・シンガーのバッド・バニーと、コロンビア出身のレガトン・シンガー、J バルヴィン(彼は去年全米3位の大ヒットとなった「Mi Gente」をフランス人の黒人DJウィリー・ウィリアムスビヨンセとのコラボで大ヒットさせてた)をフィーチャーした、去年の「Despacito」からこっち、めっきりメインストリームに存在感が増してきたラテン風味のトラップ・チューン。ラテン・ファンならタイトルから分かるように、ピート・ロドリゲス1967年の有名曲「I Like It Like That」(何かのCMでも使われてたような気が)の有名なフレーズを冒頭にサンプリングしててツカミはバッチリのオープニングに、サルサ風のバックトラックに乗ってカーディBがガンガンにラップするという、正に勢いに乗った曲。

上記のように去年くらいから、従来は基本サブジャンル的だったラテン・ポップやラテン・ヒップホップが、「Despacito」「Mi Gente」等のヒットでぐっとメインストリームに出てきた感があってHot 100にも従来にない頻度でラテン系のトラックが入ってくるようになりました。このカーディBのヒットはその辺を見事に狙って当てた、周到なマーケティング戦略を感じる曲で、これにカーディBの勢いが乗ったもんだからえらいもんで(笑)。

4月21日付でいきなり8位に初登場してその後はジリジリ落ちて行ったのが、6月9日付のチャートでその直前にドロップされたオフィシャルPVのおかげでいきなり19位→7位と動きが反転。そこから一気に4週でXXXテンタシオンの「Sad!」を蹴落として1位になるというチャートアクションでした。1位は1週だけだったけど、トップ3に15週も居座るというロングヒットになって今現在もまだチャートイン中。既に「Bodak Yellow」が去年のヒットなのと、去年までに2枚のそれぞれ10曲以上収録のミックステープをリリースしてるので、今年のグラミー賞新人部門には対象外ですが、もし対象であればまあブッチギリの強力候補になったでしょうねえ。正しく2018年を代表する一人、カーディB、まだまだ進撃は続きそうです





4. Psycho ▲3 - Post Malone Featuring Ty Dolla $ign

Hot 100 - 38週、Top 40 - 33週、Top 10 - 21週、Top 5 - 17週)

2018.6.16付 1週1位

Post_Malone_Psycho.png

そしてポスト・マローンのもう一曲、ここに出てきましたな。「Rockstar」とほぼ同じような楽曲フォーマットで、明るいどよ~んとしたシンセトラックをバックに、イントロではチェレスタっぽいバロック鍵盤っぽいサウンドを使ってるのがやや耳新しいくらいで、基本的には「Rockstar」の路線で、いわば「叙情的トラップ・ポップ・ソング」で、どちらかというと夜遅くにチルアウトする時のBGMにも十分使える、そんなメインストリーム性をしっかり確保してるあたりが彼の真骨頂。よく言えば耳あたりがいい、悪く言うと毒にも薬にもならないトラップっぽいポップ・ソングって感じですか。あ、以外と自分は好きですけどね

PVではなぜか荒野を戦車を乗り回しながらラップする(笑)ポスト。途中でどこからともなく登場して同じようなトーンでラップするタイ・ダラ・サイン。まあ彼もフィフス・ハーモニーとかポップ・スターとのコラボを積極的にやってるラッパーなので意外感はないですが。

この曲もチャート的には強力で、ドレイクが「God’s Plan」で1位を独走中にいきなり2位初登場、そこから13週間トップ5を上下しながらうろうろしてて、その間にドレイクは「Nice For What」を連続1位にしたし、チャイルディッシュ・ガンビーノの1位初登場とかあったから「こりゃさすがにこの曲1位はないか」と思ってたらなーんとこれらの曲が息切れしたタイミングの、チャートイン15週目(この間ずっとトップ5)にするっと1週だけ1位を掠め取るという、ソツがないというかポストらしいというか、そんなナンバーワンヒットでした。



というわけでいよいよ年間チャート予想トップ3です。


3. Meant To Be ▲3 Bebe Rexha & Florida Georgia Line

Hot 100 - 49週、Top 40 - 47週、Top 10 - 19週、Top 5 - 11週)

2018.3.31-4.14付 3週2位


Bebe Rexha Meant To Be 

最高位2位ながら、今回集計対象曲中最長の49週間Hot 100滞在(トータルでは52週だからきっちり1年間Hot 100にいたことになる)というロングヒットぶりと、カントリー・シングルチャートではこれまでの記録を大幅に更新する驚きの50週間1位を独走するという大ヒットぶりで見事年間予想3位に入ってきた「Meant To Be」。ビービー・レクサ嬢はご存知の方も多いと思いますが、これまでに白人ラッパーのG-Eazyとのコラボヒット「Me, Myself & I」(2015年最高位7位)やオランダ人DJのマーティン・ガリックスとのコラボヒット「In The Name Of Love」(2016年最高位24位)など、もっぱらいろんなジャンルのアーティストとのコラボヒットでここ数年存在感を上げてきた、ホワイトブロンドがセクシーなR&B寄りのポップ・シンガー。その彼女が今回は、こちらもロック系のアーティストやヒップホップ・アーティストとのジャンル越えのコラボヒットではつとに有名なカントリー・デュオ、フロリダ・ジョージア・ラインと組んで放ったヒットがこの「Meant To Be」。

曲はビービーFGLの片割れのタイラー・ハバードと他2名と共作した、ちょっとマッチョな感じのメインストリーム・カントリー・ポップ、という感じで、歌詞的には道端でヒッチハイクする女の子に「乗ってきなよ、乗ってきなよ/俺達は結ばれる運命だぜ/この後どうなるか試してみようぜ」という男に対して「最近男にひどい仕打ちを受けて傷ついてるの/見せかけの愛はもうたくさん/あなたを信じられるかどうか見せて」と女が返す、という何だか昭和ムード歌謡みたいな(笑)えらくベタな内容なんですが、まあ分かりやすいし、カントリー・ファンには琴線に響くだろうし、それよりも何よりもこのPVのビービーがむちゃくちゃ魅力的に撮られてて、多分にそれがYoutubeのPVプレイ回数6億回越えにつながってチャート上のヒットにつながった部分も多いにあるんじゃないかと。

この曲は他のカーディBポスト・マローン、ドレイクらのヒットと違って、昨年11月11日付61位で初登場してから、地味―に着実にチャートを上昇、22週かけて最高位の2位に到達ポスト・マローンのような勢いは残念ながらなかったか、ドレイクの「God’s Plan」に1位を阻まれて2位どまりでした。それでも、去年サム・ハントが樹立して誰も破れないと思った、カントリー・シングル・チャートの34週1位、という記録を軽々と更新、50週1位の大記録を打ち立てたのでした。

この後ビービーはようやくソロ名義のトップ40ヒット「I’m A Mess」(最高位35位、共作者にメレディス・ブルックスという懐かしい名前が!)をマークして、ソロシンガー、ビービーとしての正念場はこれからでしょうなあ。



さて、注目の年間チャート予想第2位は。


2. God’s Plan ▲8 - Drake

Hot 100 - 36週、Top 40 - 35週、Top 10 - 26週、Top 5 - 22週)

2018.2.3-4.14付 11週1位

Drake Gods Plan

ここで「おいおい、今年最長の11週1位なのに何で年間2位なの?」と思ったあなた、大変ごもっともです。正直言って、本チャンの年間チャートは自分の集計方法(チャート上のランキング順位と週数をポイント化して集計)とは違って、当然毎週のチャートポイント、すなわち実売売上枚数(ダウンロード含む)プラスストリーミング回数とYouTubeなどのSNSでの動画再生回数をアルバム枚数に換算したポイントの積み上げで集計してるはずなので、多分この「God's Plan」、年間1位行ってても全くおかしくないと思います。ではほらあなた、この年間チャート予想なんてなのは、自分のやりたい方法で集計して予想するのが楽しいんであって。もちろん当たれば楽しいけど、当たらなくても自分なりの予想がこうだよ、ってのが発表できれば僕的には十分楽しめてるのですよ

と、何やら言い訳めいたコメントになってしまいましたが、僕の予想では「God's Plan」は年間2位。今回改めて『Scorpion』聴いてみたんですが、やっぱこのアルバム、ドレイクのこれまでの集大成、みたいな感じで鉄板のメインストリームをかなーり意識して作ったアルバムのように聞こえるので、ほとんどオールドスクールヒップホップの雰囲気なんですよね。トラック的にははやりのトラップ・スタイルなんだけど、何やら懐かしさすら感じさせるドレイクのフロウ、もう安定の極みですよね。後ろでチキチキハイハットは鳴ってるし、どよ~んのシンセトラックなんだけど、トラップっぽく聞こえないのはやっぱりドレイクのフロウが安定してるし、自分のスタイルを保ってるからだと思います。安心して聴けるというか。

この曲、最初は「Scary Hours」というEPというかシングルでリリースされた後に、『Scorpion』のシングルとしてリリースされて、初登場1位からそのまま11週突っ走ってしまったお化けヒット。そのまま19週間トップ3、22週間トップ5にステイ、トップ40の35週中、26週はトップ10だったという凄さでした。

今週にはノミネートが発表されるグラミー賞ですが、自分は予想に入れなかったけど、『Scorpion』、アルバム部門にノミネートされるかも、という感じがヒシヒシとしてきましたね。よく出来たアルバムだと思う、ほんとに。



ということでいよいよ年間予想1位です!


1. Perfect ▲4 - Ed Sheeran (Duet with Beyonce)

Hot 100 - 45週、Top 40 - 45週、Top 10 - 24週、Top 5 - 18週)

2017.12.23 - 2018.1.20付 6週1位

Ed Sheeran Perfect

何と6週1位のエド・シーランが11週1位のドレイクを押さえて堂々年間1位。その理由はひとえにHot 100とトップ40の滞在週数が、ドレイクよりもそれぞれ10週多い、という超ロングランヒットとなったこの曲の強みだったと思います。本チャンは順位逆かもしれませんが、少なくとも僕の集計方法だとそこが効いたと

アルバム『÷』からの4枚目のシングルだったこの曲、エドがイビザにあるジェームス・ブラントの家に遊びに行った時に、明け方になぜかフューチャーの曲を聴きながら踊ってた時にふと思いついて書いた曲らしい。エドはこの前のアルバム『X』からの大ヒット「Thinking Out Loud」(名曲!)が自分を定義する曲になったなあ、と思っていて、それを超える曲を書きたい、ということでこの曲を書いたらしいんですね

その思いが楽曲に現れているなあ、と思うのは「Thinking Out Loud」がトルバドゥールっぽい感じの曲だったのに対して、この曲は歌にもコブシが入っているほどちょっとエモーショナルな感じが魅力の曲になってると思うんですよね。そしてこの曲のそういうところを反映してか、最初はエドのソロのバージョンがチャートを上がって行ったんですが、チャートイン11週目、ちょうどトップ3に入ったところでビヨンセとのデュエット・バージョン、その名も「Perfect Duet」というバージョンがリリースされて、それがこの曲を次の週に1位に押し上げた大きな要因だったと思うんです。またその後オペラシンガーのアンドレア・ボッチェリとのデュエット・バージョン「Perfect Symphony」というのもリリースされたりと、ある意味エドの楽曲をいくつもの再定義を重ねて大きなヒットにつながった、そんな楽曲だったような気がします。だから、3年前に「Thinking Out Loud」がソング・オブ・ジ・イヤーを取ったように、この曲は今度のグラミーではソング・オブ・ジ・イヤー、そしてレコード・オブ・ジ・イヤー部門でも台風の目の一つになると思うんだなあ

チャート的には、昨年3月に『÷』がリリースされた時に一瞬35位に初登場して3週だけチャートインした後、改めて去年10/7に再チャートインした時は89位からのスタートで、そこから58位→34位とぐいっとアップして8週目にはもうトップ10入りしていたというまあ横綱相撲のチャートアクションでしたねえ

来年には来日が決まったエド・シーラン、今回はドームというのがちょっと残念だけども、またステージでギター1本とサンプラーだけでいろんなパフォーマンスをしてくれるのを楽しみにしたいと思います。あ、グラミー賞でもきっと素晴らし胃パフォーマンスを見せてくれるだろうな、と期待してます。





ということで年間チャート予想カウントダウン、いかがだったでしょうか?今週の木曜日には多分年間チャートの本チャンが発表になると思うので、今年はどれくらい当たってるか、また集計してこのブログでアップすることにします。次の年末恒例企画は私が選ぶ2018年のベストアルバム、どうぞこうご期待(^^)。

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【年末恒例企画#1】ビルボードHot 100年間チャート予想(Part 3, 10-6位)

ではでは、年間チャートトップ10の予想、まずは10位から。


10. Nice For What ▲3 - Drake

Hot 100 - 25週、Top 40 - 25週、Top 10 - 17週、Top 5 - 14週)

2018.4.21-5/12 & 6/2-9 & 23 & 7.14付 81

Drake Nice For What


またまた出ましたドレイクの『Scorpion』からの2曲目登場。シングルカットの順番では「God's Plan」に続く第2弾シングルだったこの曲、4月21日にいきなり1位に初登場してその「God's Plan」を1位から蹴落とすという勢いで4週1位にステイ、やはり1位初登場のチャイルディッシュ・ガンビーノの「This Is America」に2位に蹴落とされて2週我慢した後、今度はチャイルディッシュ・ガンビーノを蹴落として再び1位に返り咲き。1週だけポスト・マローンの「Psycho」に1位を譲って2位にいたけどまた三度1位に1週だけ返り咲き。そしてちょうどXXXテンタシオンの訃報で1位になった「Sad!」とカーディBとバッド・バニーとJバルヴィンの「I Like It」が1週ずつ1位を取ってる間は6位にまで落ちていたのに、その後4度目の1位に返り咲くという驚異の粘り腰ヒットでした

トラック的にはヒップホップのミックステープっぽくいろんなサンプリングが出てくる中、一際ローリン・ヒルの「Ex- Factor」のフレーズがメインループで登場するのにドレイクのラップが乗る、というやや反則気味の大ネタ使いでこれは売れるわ、って感じ。この『Scorpion』の直前出たミックステープ扱いの『More Life』(2017)や『If You're Reading This It's Too Late』(2015)などではかなり実験的に音像をかなりそぎ落としたトラックでラップしたり、いろんなことしてたけど、この前のフルアルバム『Views』(2016)もこの『Scorpion』も、きっちり今のメインストリーム・ヒップホップの王道を行く路線でしっかりそれをヒットさせる当たり、メインストリーム・アーティストとしてのドレイクの品格を感じさせる、そんなヒットでした。さあもう1曲の1位、「God's Plan」はどの辺にランキングされてるかな?




9. Havana ▲5 - Camila Cabello Featuring Young Thug

Hot 100 - 32週、Top 40 - 32週、Top 10 - 19週、Top 5 - 15週)

2018.1.27付 11

Camila Cabello Havana


さてカミラ・カベロの今年の最大のヒット、「Havana」が9位の予想。彼女自身のキューバの出自をかなり意識させる、ラテンの香りがぷんぷんと漂うミディアム・テンポのこの曲、ダンスナンバーでもないのになぜかクラブの雰囲気をも感じさせるトラックで、そういったところが大いにオーディエンスに受けたのでしょうかね。ある意味カミラというアーティストの「リアルさ」を演出するという上でも大いに効果的な楽曲であったのかもしれません。ちなみにフィーチャーされてるヤング・サグはここではラップではなく、ピアノの音に合わせてちょっとトラップ・フロウ風に「歌って」ます。うーんこのラッパーが「歌う」というのは今年のヒット曲における一つの特徴かもしれないな。

チャートアクション的には、去年の8月末に1週だけ99位に入ってすぐ落ちたのであらら、と思っていたら翌週にはすぐ94位に再登場。そこから地味に10週かけて7位にトップ10入りした後は2位と3位を11週間うろうろしているのでこの曲は2位どまりかな、と思っていたら年明けの1月27日付でエド・シーランの「Perfect」を蹴落としてチャートイン通算23週目で見事1位に輝くというロングヒットになりました。

エラ・メイちゃんのところでも言いましたが、彼女、フィフス・ハーモニーのメンバーだったけど、グラミー賞の新人賞部門の要件にはちゃんと適合しているので、新人賞部門ノミネートはかなり堅い線で、そうなるとかなりの確率で彼女が取ってしまうかなあ、と思ってます。何せオバマ大統領時代にアメリカとの国交正常化を果たしたキューバ・アイデンティティはそれなりにリベラルなグラミー・アカデミーのメンバーにアピールするんじゃないかな、と思ってます。トランプにリベラル層が嫌気がさしているこの状況ですからねえ。注視しましょう。





8. Girls Like You  - Maroon 5 Featuring Cardi B

Hot 100 - 25週、Top 40 - 24週、Top 10 - 24週、Top 5 - 24週)

2018.9.29-11/10付 71

Maroon 5 Girls Like You


ここ2~3年、ケンドリック・ラマーフューチャーSZAなどR&Bやヒップホップの今時のキャラの立ってるアーティストとコラボしたシングルをリリースして、まんまと大ヒットにつなげてきているマルーン5。今回は何と、2018年のヒップホップ・サクセス・ストーリーの体現者、カーディBをフィーチャーしたこの曲をドロップして、見事に1位をしかも7週も独走する、という他人のフンドシもここにきわまれり、ってなヒットにしてます。この曲、今年6月9日に94位に初登場、翌週いきなり4位にドーンと上昇してからは今日現在まで24週間ずっとトップ5なんですから。いかにカーディBの霊験あらたかかってのがわかるってもん(カーディBは巫女かい!w)。

彼らのナンバーワンヒットとしては2007年「Makes Me Wonder」、2011年の「Moves Like Jagger」(そういやあれもアギレラフィーチャーでしたな)、2012年の「One More Night」に続く4曲目で、インタビューでもアダム・レヴィンくんは「久々の1位は嬉しい。1位はやっぱりいい」と手放しの喜びようなんですが、この曲、トラックとしてはかなり地味な曲だし、そもそも毎回その時その時のスターをフィーチャーせんと勝負できんのかい!と僕なんかは思ってしまうけどどうでしょうか。





7. The Middle - Zedd, Maren Morris & Grey

Hot 100 - 40週、Top 40 - 35週、Top 10 - 16週、Top 5 - 4週)

2018.4.28 & 5.12 & 6.2-9付 最高位5

Zedd Maren Morris The Middle


2018年は後にポップ・ヒストリーの中で「それまでもあった、ジャンルを超越したコラボ・シングルの大ヒットが何かよーわからんけどたくさん出た年(笑)」として思い出される年になると思う。その中でも特によくわからんかったのがこのコラボ。どうも曲の原案は、去年、グラミー賞新人賞を獲得した実力派シンガー、アレッシア・カーラちゃんをフィーチャーした「Stay」をヒットさせたDJのゼッドが昨年の頭くらいから作っていて、それにグレイの二人がサウンドを足して、これに合うシンガーをゼッドがずっと探してたらしいのね。聴くところによると、最終的にこのカントリー・シンガーのマレン・モリスに落ち着くまでに、デミ・ロヴァート、カミラ・カベロ(また出てきた!)、アン・マリー、カーリー・レイ・ジェプセン、トーヴ・ロー、ビービー・レクサ、チャーリ・XCX、エレ・キングといった今時を代表するポップ・シンガーを軒並みトライしたらしい。

まあそのゼッドのお眼鏡にかなっただけあって、この曲でのマレン・モリス(昨年のグラミー賞新人賞部門にノミネートされてた実力派カントリーシンガーソングライター)のボーカルはとてもソウルフルだし迫力あるし、キャッチーでポップなフックを持つこの曲を実に巧く歌いこなしてるので、まあこれはラジオでもヒットしますわねえ。そしてこの曲はダンス・チャートでも大きくヒットして、何と今年の2月から9月まで33週も1位を独走するという思わぬ大ヒットになったわけです。

で、「お、そうするとマレンちゃんはテイラーみたいにナッシュヴィルを離れて今後はポップ・フィールドに転じるのか?」ということになるわけですが、この曲の後、彼女は目立った活動や発言をしていないので今後のマレンちゃんの動向は不明であります





6. Rockstar ▲6 - Post Malone Featuring 21 Savage

Hot 100 - 33週、Top 40 - 33週、Top 10 - 17週、Top 5 - 14週)

2018.10.28-12.16付 8週1位*

PostMaloneRockstar.jpg


はい、こちらも2曲目の登場、ポスト・マローン。どよ~んとしたシンセ・トラックとチキチキハイハットはご存知トラップの意匠なのですが、このポスト・マローンが「半分歌いながら」ほとんど叙情的にパフォームするこの曲は、不思議にトラップのトラックがオーディエンスに迫ってくる焦燥感というか緊張感というか、そんなものがかなり希薄で、それこそがこれだけの大ヒットになった最大の要因だと思うのです。音は今時の最先端のヒップホップ(トラップ)風、でもそこはかとない叙情性が不思議なポップ・センスを漂わせている、この「Rockstar」って曲はある意味画期的なヒットなのかもしれません。なーんてね。しかしこのPVの悪趣味さはちょっと引きますなあ

ただ間違いないのは、何だかこの曲が聞こえてきても特に僕らみたいなオジサンの洋楽ファンも、R&B系が好きな人であればあまり違和感を感じずに聴くことができるということ。ポスト・マローン、ホントに不思議なアーティストだなあ、とつくづく思います。自分もフジロックで見とけばよかった。

チャート的には、去年の10月7日付のHot 100で2位にドーンと初登場。この時点でその前のヒット「Congratulations」(2017年最高位8位)で、最初のヒット「White Iverson」(2015年14位)から大分メジャーになってきたな、と思ってたこの男が更に一段階パワーアップする予感があったんですが、案の定カーディBの爆発的ナンバーワンヒット「Bodak Wellow (Money Moves」の下で3週間2位で我慢した後、10月28日から怒濤の8週1位を記録するという大化けぶりでした。残念ながら、ちょうど去年と今年の年間チャート集計期間をまたいで1位になってたので、昨年の年間チャートでも56位、今年は何とかこの順位に登場してるという次第。8週1位がフルに集計期間に入ってたら年間トップ5は堅いとこだったんでしょうけどね。でも、彼の場合、もう1曲のナンバーワンヒット「Psycho」がまだ登場していないのでこちらの健闘に期待ですね。




さあ、あと残すのはトップ5。1日2日の間に何とかアップしたいと思いますのでこうご期待。

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【年末恒例企画#1】ビルボードHot 100年間チャート予想(Part 2, 15-11位)

11月も終わりに近づいてやっぱりだんだん忙しくなってきて、このブログアップもなかなか時間が見つけられない状況。何とか年間チャートが発表される前にカウントダウン終わらせないと。ということで続いて年間チャート予想、15位~11位に行きます。


15. Boo'd Up ▲3 - Ella Mai

Hot 100 - 33週、Top 40 - 27週、Top 10 - 12週、Top 5 - 2週)

2018.7.21-28付 最高位5

Ella Mai Bood Up 

おっと出ましたエラ・メイちゃん。今年はジョージャ・スミスH.E.R.などR&B系新人女性シンガーの当たり年だったと思うんだけど、中でも個人的に一番グッと来てるのがこのロンドン出身、NY育ちの今年24歳のエラ・メイちゃん。

ジャマイカ出身のお母さんが大ファンだったということであの偉大なエラ・フィッツジェラルドの名前を頂いた彼女、ブレイクのきっかけはやはり今風で、サウンドクラウドに楽曲をアップしたのをヒップホップ・ソウル系の大物プロデューサー、DJマスタードが耳にして自分のレーベル10サマーズに契約したもの。

2016年に『Time』『Change』と2枚のそれぞれ6曲入り、5曲入りのEP、昨年にはこの「Boo'd Up」を含む6曲入りのEP『Ready』をすべてデジタル・ダウンロード・オンリーでリリース(この辺も今時な感じ)してたところこの「Boo'd Up」がネットやラジオで火が付いて、何と全米5位まで上がる大ヒット、R&Bシングルチャートでは何と16週1位を記録、R&Bでは今年最大のヒットとなったわけ。

サウンド的には打込みと生音が絶妙にミックスされた明らかに90年代R&Bの意匠を身に纏ったトラックに乗って、かなり正当派のR&Bボーカルを聴かせてくれるシンガー。本人も影響を認めているデビューの頃のアリシア・キーズとか、ブランディとかのイメージが浮かんでくる歌声が、あの年代のR&Bに親しんだファンにはたまらなく気持ち良く感じる、そんな魅力を持ったアーティストです。この曲の最後には彼女の独白で「結局自分のことは自分の心に耳を傾けなきゃいけないのよね。でしょ?」とつぶやく当たりも、かなりセルフ・コンシャスさを感じさせるのが好感度。

個人的には、カミラ・カベログラミー賞新人賞部門に入ってこなければほぼ確実にこのエラ・メイちゃんが取るのでは、とにらんでます。おりしもこの曲を再収録した初のフルアルバム『Ella Mai』がリリースされたばかりで、第2弾シングル「Trip」も順調にチャート上昇中でトップ10入り目前という勢い。彼女のグラミー賞ノミネーション、R&B部門や新人部門はもちろんのこと、この曲のソング・オブ・ジ・イヤー部門のノミネートあるのでは!と密かに楽しみにしております、はい。




14. In My Feelings - Drake

Hot 100 - 20週、Top 40 - 20週、Top 10 - 14週、Top 5 - 12週)

2018.7.21-9/22付 10週間1


Drake In My Feelings


さあドレイクの一発目が出てきました、でいきなりこれが今年の夏全米ナンバーワンを10週間独走した「In My Feelings」。今年アルバムチャート初登場1位のアルバムの中でも最長の5週1位、実売枚数とストリーミングとデジタルダウンロードを加味したAEU(アルバム換算ポイント)でも初週732,000ユニットと去年の12月のテイラー・スイフト『Reputation』の123万8,000ユニット以来の高ポイントでの1位を記録した、名実ともに今年を代表するヒットアルバム『Scorpion』からの5枚目のシングルで、「God's Plan」「Nice For What」(両方1位)に続きこのアルバムから3曲目の全米ナンバーワンヒット。

他の『Scorpion』からの曲同様、この曲もバウンシーなビートを強調したトラップ風味のトラックに、ドレイク今回は比較的R&Bっぽく半分歌いながら、ポイントポイントで軽めのラップを聴かせるというなかなかキャッチーなトラック。で、10週も1位になりながら年間チャート予想では14位かなり低めになってるのは、自分の集計方法だとどうしても長期間チャートインしている曲が有利になるからでして、わずか20週しかチャートインしてないこの曲、他の40週近くチャートインしてる他の曲に比べるとやや割を食ってます。本チャンの年間チャートではトップ10には入ってくるんだろうなあ。

グラミーとの関係で行くと、アルバム『Scorpion』がアルバム部門にノミネートされる可能性が結構ありそうだけど、この間Facebookで上げたグラミー主要部門予想ではこのアルバムは入れておりません。さあそちらの予想もどうなるかな。





13. Sad! ▲2 - XXXTentacion

Hot 100 - 37週、Top 40 - 28週、Top 10 - 6週、Top 5 - 2週)

2018.6.30付 11


XXXTentacion sad


今年の衝撃的なミュージシャン他界のニュースで、ODで逝ってしまったトム・ペティマック・ミラーと同じくらい衝撃的だったのはXXXテンタシオンことジャーセー・ドウェイン・リカルド・オンフロイが強盗に射殺された件。わずか享年20歳だったX(彼は通称こう呼ばれてた)は、ライヴでファンに殴りかかったり、他のヒップホップアーティストと公然とソーシャルメディア上でやり合ったり、インスタで自分が首吊り自殺をする真似をアップしたりと、その破滅的なライフスタイルでもともとシーンでも危なっかしいヤツだった。でもほとんどが自作または共作で、今風のトラップ調と浮遊感ある音像をバックにした楽曲は、歌詞とかメッセージはダークでも今風のヒップホップR&Bシンガーとしては、注目すべきアーティストだったと思う

この曲は3月に17位でいきなりHot 100に初登場、3週目には一度7位で最高位を打った後はジリジリとチャートを下降していたのだけど、6/18にXが射殺された直後のチャートで52位→1位にジャンプアップして、ノトーリアスB.I.G.の「Mo Money Mo Problems」(1997)以来のアーティスト物故直後のNo.1ヒットとなってしまった。

この曲のPVでは年老いたXが若い自分の葬式に参列する、という何ともその後の現実を予感させてしまう内容となっているが、彼の死後にYouTubeで1億回を超える視聴回数を記録したらしい。

実は密かにこの曲、グラミーソング・オブ・ジ・イヤーにノミネートされるのでは、と思っていたが、良く調べると歌詞の内容がかなりヘイトに満ちたものらしいのでノミネートはないかもしれません(笑)。





12. Better Now - Post Malone

Hot 100 - 29週、Top 40 - 29週、Top 10 - 18週、Top 5 - 13週)

2018.10.6 & 20付 最高位3


Post Malone Better Now


2017~18年にかけて一気にヒップホップシーンのみならず、メインストリームのシーンでもビッグ・アクトにのし上がって来た感があるポスト・マローン。今年は堂々フジロックにも出演して、盛り上がるパフォーマンスをやったらしい。あの愛嬌のある白人の風貌と顔面を含めて体中をこれでもかと覆うタトゥーとのアンバランスさとか、真面目にやってるのかよく分からんような、鼻歌っぽく歌ったかと思うとバリバリとタイトなフロウのラップをかますというアンバランスさとかが今のリスナーに受けてるのかな、という感じがします。何しろ普通のラッパーと違って「危険な感じがほとんどない」(笑)あたりがまあ新しい形のポップ・スター的に受け入れられてるのかも。

そのポストが大きくブレイクしたのが今年5月にリリースして毎週交代するアルバムチャートのトップに3週間居座り続けたアルバム『beerbongs & bentleys』と、先行シングルとして昨年10月にリリースされ、いきなりHot 100に2位初登場、翌週から8週間1位を独走した大ヒット「Rockstar」。この「Better Now」はその『beerbongs~』からの3曲目のトップ3ヒット。

Rockstar」がゆったりとしたスローなトラックだったのに対し、この「Better Now」はややアップテンポのトラック。でもちょっと軽めのトラップっぽい打込みチキチキハイハットの入った、浮遊感のある音像をバックにほとんど「歌ってる」この曲はいつものポストのスタイルの楽曲。よく聴くと同じパターンのヴァースの繰り返しなんだけど、結構そのヴァースがポップに出来てるのでなかなか聴いてて気持ちいいね。さて、例の大ヒット「Rockstar」とこのアルバムからのもう一つのナンバーワンヒット「Psycho」はどの辺にランキングされてるでしょうか。




11. Lucid Dreams - Juice WRLD

Hot 100 - 27週、Top 40 - 26週、Top 10 - 23週、Top 5 - 11週)

2018.10.6 & 20付 最高位2


Juice_WRLD_Lucid_Dreams.png


ここんとこ2010年代に入ってからほとんどのヒップホップ・アーティストが何かしらの形で取り入れてるボヨ~ンとダークなシンセトラックにチキチキハイハット、というのが典型的なサウンド上の意匠となっているいわゆる「トラップ」と言われるやつ。典型的なのがフューチャーとかフェティ・ワップとかレイ・シュレマードとかああいう連中で、最初は面白みもあったんだけど、もう猫も杓子もこのサウンド使い始めたここ数年はさすがにうんざりしてきたというのが正直なところ。だから、このトラップの意匠を使いながら、更にサウンド的に一ひねりも二ひねりもしている最近のドレイクとか、さっきのポスト・マローンとかが結構引き立って聞こえて人気を呼んでる、ってな構図が実はあるのでは、と最近思ってます。

それと同じようなアプローチで、ただのトラップ・サウンドではなく、打込みのサウンドもいろんな音色を使ったり、シンセの使い方もダークでボヨ~ンではなく、意外とアップビートで明るいサウンドにしたりと「おっ工夫してるじゃん」と思わせたのが、今年出てきたシカゴ出身のラッパー、ジュースWRLD(ワールド、と読むらしい)ことジャラッド・ヒギンズくん。

5月リリースのデビューアルバム『Goodbye & Good Riddance』からの第一弾シングルとしてカットされ、彼のブレイク・ヒットとなったこの「Lucid Dreams」もそうした「一味違う感じのトラップっぽいヒップホップトラック」というスタイルでネットやラジオで火が付いてヒットに。5/26に74位に初登場して4週でトップ10入り、7週目にはいったん最高位3位を付けたあと一回16位に落ち、その翌週またトップ10に返り咲き、以降だらだらとトップ10に居座ってなぜか20週目にとうとう2位までアップ。すわ1位か?と思ったのですがマルーン5&カーディBの「Girls Like You」に阻まれて2位どまり、でも新人ラッパーのヒットとしてはなかなかのものですな

ラッパーと言いながら、ここもドレイクポスト・マローン同様「かなり歌ってる」(笑)。歌っぽいフロウで結構センスでグルーヴを作りだしてるようなところが実は只者ではないのかも、と思い、先日Facebookにアップしたグラミー賞新人賞部門ノミネート予想にも入れときましたがさあどうなることか。




さていよいよ年間チャートトップ10の予想、明日にはアップできるかな。

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