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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
【年末恒例企画#3】恒例!第62回グラミー賞大予想#3~R&B部門~

いよいよ大晦日で2019年も今日で終わり。来年は自分も年男ですし、本厄の年でもあるのでいろいろ身を引き締めていかねばならん、と考えております。そのまず最初はこのグラミー賞予想(笑)。ということで今年最後のこのブログポスト、R&B部門の予想です。


13.最優秀R&Bパフォーマンス部門

  Love Again - Daniel Caesar & Brandy
◎ Could've Been - H.E.R. Featuring Bryson Tiller
X Exactly How I Feel - Lizzo Featuring Gucci Mane
  Roll Some Mo - Lucky Daye
○ Come Home - Anderson .Paak Featuring André 3000

Daniel Caesar Love AgainHER I Used To Know HerLizzo Cuz I Love YouLucky Daye Roll Some MoVentura.jpg

昨年のこの部門では、レイラ・ハサウェイや、ザ・カーターズ名義のビヨンセの作品など、従来だと余裕で受賞しそうな大御所を差し置いて、去年突如主要4部門にもノミネートされたH.E.R.がダニエル・シーザーとのデュエット曲「Best Part」でかっさらっていった、という印象が凄く強烈でした。いわゆるグラミー・ダーリンの対象の潮目が変わったのでは、と強く思わせた受賞だっただけに、今年のノミニーに再びH.E.R.が登場しているのを見ると、否が応でも注目せざるを得ません。そして今回のノミネーション曲が収録されているアルバム『I Used To Know Her』はフィジカルなしのデジタル・ダウンロードとストリーミングのみのリリース、ということでチャンス・ザ・ラッパー以来の「フォーマットに関係ない評価」で今回も存在感を放っています。なんで、ここの本命◎は彼女しかないのでは。

で、個人的には対抗○に挙げたアンダーソン・パークの今回のアルバム『Ventura』は自分の年間ベストの3位に挙げるくらい好きですし、出来も素晴らしいと思うので、本当はこっちを本命にしたいとこなんですがね。アルバム冒頭を飾り、アンダーソン・パークらしいR&Bトラックに乗って後半アンドレ3000がちょっとイッちゃってる感じのラップを聴かせてくれる「Come Home」もいいんだけど、このアルバムではスモーキー・ロビンソンとのデュエット「Make It Better」が素晴らしいんですよね。

穴Xについては、こちらも基本デジタルとストリーミングのみのリリース『Case Study 01』からのカット、去年のH.E.R.のお相手、フジロックにも来たダニエル・シーザーブランディとデュエットしてる曲と、ニューオーリンス出身の実力派R&Bシンガーソングライター、ラッキー・デイのどっちか、と思ったんですが、どうもここにリゾが登場してるのが気になって。しかもこれが基本他の曲はしっとり目の曲が並んでいるところに、グッチ・メインと一緒に彼女の例のテンションで弾けてるナンバーというのが何かやーな感じがするので、こちらに付けときます。


14.最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス部門

  Time Today - BJ The Chicago Kid
  Steady Love - Indie.Arie
○ Jerome - Lizzo
X Real Games - Lucky Daye
◎ Built For Love - PJ Morton Featuring Jazmine Sullivan

BJ The Chicago Kid Time TodayIndie Arie WorthyLizzo JeromeLucky Daye Real GamesPJ Morton Built For Love

去年は何とこの部門史上初のタイでの2曲受賞で、リオン・ブリッジズPJモートンが受賞したこの部門、そのPJモートンが今年もアルバム『Paul』からのカット「Built For Love」でノミネートされてます。もともとマルーン5のキーボードとして活躍してきたPJ、ここ数年はロスから地元のニューオーリンズに戻って、自分のレーベルを立ち上げて、自分のペースで自分の納得のいくレコードを作ってますが、これがどれも出来がいい。去年の受賞もライブ盤でのビージーズのカバー曲ですから、彼へのグラミー・アカデミーの評価は一貫して高いことがわかり、それは今回もこの部門以外にも『Paul』で最優秀R&Bアルバム部門、「Say So」で最優秀R&Bソング部門にノミネートされていることからも判ります。なので、ここは本命◎は彼しかないでしょうね。

そしてここでも出てきたリゾ(笑)。僕はリゾは主要部門ではROYが最も受賞可能性が高いと思ってますが、意外とボウズの可能性もあると思っていて、その関係もあってこうしてジャンル部門に顔を出すとかなり受賞確率が高いと予想せざるを得ないな、と思ってます。そしてこの「Jerome」も真面目にR&Bしてますから(笑)ここは押さえの意味で対抗○。

穴Xは、この前の部門でも触れた、PJと同様ニューオーリンズ・ベースのラッキー・デイの、ファルセット・ボーカルでなかなかグルーヴィーな味を出している「Real Games」に。


15.最優秀R&Bソング部門(作者に与えられる賞)

◎ Could've Been - H.E.R. Featuring Bryson Tiller (Dernst Emile II, David "Swagg R'Celious" Harris, H.E.R. & Hue "Soundzfire" Strother)
  Look At Me Now - Emily King (Emily King & Jeremy Most)
X  No Guidance - Chris Brown Featuring Drake (Chris Brown, Tyler James Bryant, Nija Charles, Aubrey Graham, Anderson Hernandez, Michael Patrick Lebrun, Joshua Lewis, Noah Shebib & Terry Walton)
○ Roll Some Mo - Lucky Daye (Davie Brown, Dernst Emile II & Peter Lee Johnson)
  Say So - PJ Morton Featuring JoJo (PJ Morton)

HER I Used To Know HerEmily King Look At Me NowChris Brown No GuidanceLucky Daye Roll Some MoPJ Morton Say so

ホントに今年のR&B部門ノミネーションの作品って、デジタルとストリーミングのみとか、LPかCD出てるはずなのにアマゾンにもHMVにも見当たらないものとか。フィジカルに拘りたい自分としては何とか最悪CDでも押さえたいのだけど、今年のR&B部門の重要作品はことごとくこれができないので、そろそろデジタルダウンロードしなきゃな、と思ってるところ。ダニエル・シーザーの『Case Study 01』は偶然出てないはずのヴァイナル(EUのリプロ盤だと思う)をゲットできたけど、H.E.R.の『I Used To Know Her』、PJモートンの『Paul』、ラッキー・デイの『Painted』といった当たりは軒並みそういう状況なのだ。で、このソング部門、本命◎はどうやら新世代のグラミー・ダーリンの一人、H.E.R.で決まりとして、対抗○には是非ともPVからも、そして「もう少し巻いてくれ」という歌詞からも明らかにハッパ・ソングに違いないラッキー・デイのこの恐ろしく官能的で、若いときのディアンジェロラファエル・サディークを掛け合わせてもう一段クールにした感じの「Roll Some Mo」しかないです、ホントに。これ、フィジカルで欲しい!

穴Xはここだけにひょっこりノミネートされた、今年のR&Bソング・チャートで9週1位、ヒップホップ・R&B・エアプレイチャートでは先週時点で19週1位継続中クリス・ブラウン&ドレイクNo Guidance」に。曲も久しぶりになかなかいいしね。でも不思議なのは、このR&B部門で今年はカリードがガン無視なんだよね。Talk」なんてこの部門にノミネート余裕でされると思ってたんだけど。


16.最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム部門

◎ Apollo XXI - Steve Lacy

○ Cuz I Love You (Deluxe) - Lizzo
  Overload - Georgia Anne Muldrow
X Saturn - Nao
  Being Human In Public - Jessie Reyez

Steve Lacy Apollo xxiLizzo Cuz I Love YouGeorgia Anne Muldrow OverloadNao SaturnJessie Reyez Being Human

しかしホントにリゾはR&B部門でソング部門以外全部ノミネートされてるな。リゾのこのアルバム、主要部門の最優秀アルバム部門にもノミネートされちゃってるから、これまでのグラミーのパターンだったらジャンル部門でガッツリ受賞確保するパターンなんだよなあ。でもこのノミニーの並びの中ではどう考えても長いことトラックのみやEPだけのリリースで、フルアルバムが待たれててやっと今年リリース、シーンから高い評価のジ・インターネットスティーヴ・レイシーしかないと思うんだけど。ジ・インターネットでやってる時ほどヒップホップな感じじゃなくて、プリンスの亡霊とかベック初期とかの宅録ポップの世界が万華鏡のようにいろんな表情を見せてくれるこのアルバムが本命◎でなくてどうすんの、という感じ。でもリゾはやはり不気味なので対抗○。

他の3人もそれぞれに個性的でいい作品作ってるんで誰が穴Xでもいいのだけど、前作『For All We Know』からまた一段ソランジュ的な進化を見せてくれている(でも今回のアルバムはUSではチャートインできてない)ネイオの素晴らしい新作『Saturn』に。


17.最優秀R&Bアルバム部門

  1123 - BJ The Chicago Kid
  Painted - Lucky Daye
◎ Ella Mai - Ella Mai
X Paul - PJ Morton
○ Ventura - Anderson .Paak

BJ The Chicago Kid 1123Lucky Daye PaintedElla Mai AlbumPJ Morton PaulVentura.jpg

去年ブラック本来のアーティスト達の復権でノミネーションが統一されて、今や新世代のグラミー・ダーリン、H.E.R.の受賞で盛り上がってこの部門、今年もソリッドな作品が並んでます。去年の対象期間終了後のリリースで今頃ノミネートされ「あれ、今頃?」と思っちゃうエラ・メイちゃんのアルバムをはじめ、先ほどから重要作品として名を挙げているPJモートン、アンダーソン・パーク、ラッキー・デイあたりもそろい踏みしてるし、BJだってこのアルバムなぜかまったくチャートインしてないんだけど、ちょっと聴いた感じではなかなかいいですよ。

で、予想ですが、本命◎はやはり去年「Boo'd Up」で最優秀R&Bソング部門受賞したエラ・メイちゃんのアルバムじゃないかと。やっぱり彼女のキャリアを定義した作品を含むアルバムだし、これでまた新しいR&Bの流れが来たなあ、という感じをもたらしたわけだしね。そして対抗○は僕が個人の年間ベスト3位に入れてるアンダーソン・パークの『Ventura』。自分の年間ベストのブログでも書いたけど、今の先進的なヒップホップ/ファンク/R&Bを突っ走ってるアンダーソン・パークが、伝統的なR&Bに対するリスペクトを存分に表現したとても愛おしいアルバムだからねえ。そして穴Xはラッキー・デイのアルバムとかなり迷ったけど、この分野で受賞経験もあるPJモートンの『Paul』に付けてみました。


ということで恒例のグラミー予想、何とか年内に全体の1/3をカバーすることができました。残りは新年にまたゆっくりと、でも1/15の吉岡さんとのトークイベントには間に合うようにアップしていきたいと思いますので。では皆さんよいお年を!

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【今週の全米No.1アルバム事情 #10 - 2020/1/4付】

とうとうチャートの日付は年を越してしまいましたがまだ今日明日までは2019年。今年最後のこのポスト、よろしくお付き合い下さい(^^)
ところで、今週末のHot 100でマライアの「All I Want For Christmas Is You」が3週目の1位をキープ、これで彼女は90年代、00年代、10年代、20年代と4つのデケイドにまたがって1位を記録した最初のアーティストになった模様。それ以外にもトップ10内はクリスマスソングで埋め尽くされているようですが、逆に言えば今の楽曲のパワーがクリスマスソングに負けてる、ってことなんですかねえ。


さて先週、今週の1位を華々しくカニエの『Jesus Is Born』だ!と宣言してしまいましたが、さすがに彼を買い被りすぎていたようです(笑)。しかもよく聞くとアーティストはカニエではなく、彼がちょうど一年前にスタートしたSunday Service(日曜日の教会でのお務め)で合唱隊を務めるサンデイ・サービス・クワイア名義とのこと。トップ10にも入ってないのでどの辺にエントリーしてるか、後ほど確認してレポートします。

Harry Styles Fine Linie

ということで、今年最後の発表、チャート日付では2020年最初のBillboard 2001位は、先週から81%減の89,000 EAUs(実売47,000枚)ながら2週目の首位をキープしたハリー・スタイルズの『Fine Line』でした。クリスマス・アルバムや今年のヒットアルバムが大きくセールスやストリーミングを伸ばすこのクリスマスウィークにとにかくも1位を維持したことは大きな意味を持つと思うし、ポストワンダイとしてハリーが確実に首一つリードした感がありますね。

さて今週はクリスマスの週の集計ということもあってトップ10内はクリスマスアルバムで満載。6→2位に来たこの時期のアルバムとしては無敵の感もあるマイケル・ブブレの『Christmas』(2011)、8→4位のマライア『Merry Christmas』、7位変わらずのペンタトニックス『The Best Of Pentatonix Christmas』そして11→8位とトップ10入りしたナット・キング・コール『The Christmas Song』(1962)と4枚がチャートイン。これらは来週にはこぞってダウンするでしょうから、来週のチャートはいろいろ動きが激しくなりそうです。

今週トップ10内初登場はありませんが、もう一枚圏外36→10位とトップ10に強力に再登場したのがヤング・サグのNo.1アルバム『So Much Fun』。こちらは集計期間中にボートラを追加したデラックスバージョンがリリースしたのとクリスマスショッピング期間が重なって急進したもの。しかしこれも来週には遠く圏外に消え去るんでしょう。

さて、来週の1位予想ですが、12/27-1/2リリース予定のアルバム自体がそもそもほとんどない中、目につくのはミュージック・ソウルチャイルドの新譜と、昨年リリースが予定されていたけど本人の離婚やら声帯の故障やらで延び延びになっていたマイリー・サイラスの新譜『SHE IS MILEY CYRUS』くらい。この2枚がハリーを1位から引きずり下ろせるかというのはちょっと微妙だなあ。なので7/3くらいの確率でハリーがもう11位に残ると見てます。

ということで今年も今日でおしまい。このポスト、来年も毎週頑張って続けますので乞うご期待。ではまた来年!

#Billboard #Billboard200 #AlbumChart #BoonzzyMusic #洋楽こそわが人生 #HarryStyles #NatKingCole #YoungThug #ハリースタイルズ #ナットキングコール #ヤングサグ

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【年末恒例企画#3】恒例!第62回グラミー賞大予想#2~ダンス&ロック部門~

さて、どんどん参りますグラミー予想。次はダンス部門。


6.最優秀ダンス・レコーディング部門

  Linked - Bonobo
◎ Got To Keep On - The Chemical Brothers
X Piece Of Your Heart - Meduza Featuring Goodboys
  Underwater - Rüfüs Du Sol
○ Midnight Hour - Skrillex & Boys Noize Featuring Ty Dolla $ign

Bonobo LinkedChemical Bros Got To Keep OnMeduza Piece Of Your HeartRufus Du Sol UnderwaterSkrillex Midnight Hour

去年のこの部門と次のアルバム部門は、いずれも若手のフレッシュなDJやサウンドメイカー、プロデューサー達が広くノミネートされて、この新陳代謝の激しいジャンルを象徴するようなラインアップだったけど、今年はそうしたフレッシュな面子もしっかり押さえながら、大御所もしっかり存在感を示す、そんなノミネーションになってます。

ケミカルズ、スクリレックスはいずれもこの部門の常連組だし、2018年第60回に続いての2回目のノミネートになる、ロスをベースに活躍するイギリス人DJ、ボノボも既に20年近くシーンで活躍するベテラン。一方、メドゥーザは今回のノミネート曲「Piece Of Your Heart」が自らの作品としては初、UKではいきなり2位のヒットとなった、イタリアはミラノ出身の3人組ハウス・ユニットだし、オーストラリアの3人組ダンス・ユニット、ルーファス・ドゥ・ソルは今回のノミネート曲「Underwater」収録の去年リリースのアルバム『Solace』が事実上USではブレイク作と、この2組はフレッシュな顔ぶれです。

さてさっきもコメントしたように、ケミカルズはこれが本部門5回目のノミネート(うち2006年第48回に受賞)、スクリレックスはこれが本部門4回目のノミネート(うち2012年第54回、2013年第55回、2016年第58回と3回受賞)してるだけに、本命◎対抗○はこの2組の争いになるのはまあ必定。これまでの戦績からいうとスクリレックスの方が優位に見えるけど、今回のケミカルズのこの曲、あのピーター・ブラウンの「Dance With Me」のフレーズをまーんまループにして、これまでのケミカルズの重ためのイメージから軽ーいキャッチーなダンストラックに仕上げているのに対し、スクリレックスの方は何だか今時のメインストリーム・ポップ的な造りで何となく面白みに欠けるなあ、というのが僕の印象。なので、本命◎ケミカルズ、対抗○スクリレックスに。

穴Xはメドゥーザスウェディッシュ・ハウス・マフィアを思い出させるようなカッコいいエレクトロ・ハウス・ナンバーに。


7.最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム部門

  LP5 - Apparat
◎ No Geography - The Chemical Brothers
○ Hi This Is Flume (Mixtape) - Flume
X Solace - Rüfüs Du Sol
  Weather - Tycho

Apparat LP5Chemical Bros No GeographyFlume Hi This Is FlumeRufus Du Sol SolaceTycho Weather

前の部門でもノミネートのケミカルズルーファス・ドゥ・ソルが目立つこの部門、この2組以外もいずれもベテラン勢がノミネート。アパラットは2000年代初頭から活動しているドイツのエレクトロ・サウンドメイカーで、以前はビートの効いたトラックを作っていたけどこのアルバムはアンビエント系のエレクトロ・ミュージック。この部門で2017年第59回に受賞しているオーストラリアのフルームは音像の作り込みでイメージを想起させるタイプのエレクトロ・サウンドメイカーで、今回ノミネートのミックステープもかなり前衛的な感じの作品です。この部門唯一のアメリカ人ノミネートのタイコーはこの部門3年ぶり2回目のノミネートですが、今回の作品はそれまでのトラックメイカーとしての彼の確立された評価に対してボーカルをかなり導入したため、ネット上の評判は必ずしもよくない模様。

で、ここは横綱相撲のケミカルズが本命◎だと思うのですが、対抗○は受賞実績のあるフルームとして、あとはどれが穴Xでもいいところ。でもそれぞれのトラックを聴いた感じでは、オーストラリアのルーファス・ドゥ・ソルのボーカルとアンビエント・ポップっぽいトラックの感じがよかったので、彼らに穴Xを進呈しておきます。


8.最優秀ロック・パフォーマンス部門

  Pretty Waste - Bones UK
○ This Land - Gary Clark Jr.
◎ History Repeats - Brittany Howard
X Woman - Karen O & Danger Mouse
  Too Bad - Rival Sons

Bones UK Pretty WasteGary Clark Jr This LandBrittany Howard JaimeKaren O Danger Mouse WomanRival Sons Too Bad

さあ、毎回悩むロック部門(笑)。今年の各部門のノミネートを見ると、メタル部門を除いて(笑)例年どおり王道系と新進系がバランス良くノミネートされてます。その中でいくつか頭一つ他をリードしてる作品もあり、このロック・パフォーマンス部門だと、今年の各音楽誌で軒並み高い評価を獲得してる、アラバマ・シェイクスのブリタニー・ハワードのソロ作品。ここでは、アルバム冒頭に収録されてる、プリンスのオーラが憑いたかのような「History Repeats」がノミネートされてます。この作品、自分的にはなかなかピンと来なかったのですが、最近それはこの作品を「アラバマ・シェイクスの延長線の作品」として聴いていたからじゃないか、と思い始めました。改めてこの作品をフラットに聴くと音像が全く違って聞こえてきて最近では結構リピートして聴いてます(笑)。ということでここではこれが本命◎。

対抗○は、今年のフジロックでも骨太のパフォーマンスを聴かせてくれたゲイリー・クラークJr.が、ウディ・ガスリーの「This Land Is Your Land」を彼のスタイルで消化し、今もアメリカに息づく人種差別主義と、それを加速させるようなトランプ政権の政策に対する感情を絞り出すようなステートメント、「This Land」。ひょっとするとこの曲が取るかもしれないね。6分39秒に及ぶ、アメリカ南部の原風景と人種差別の実態を映像で表現したPVも見物です。

穴Xは、僕的には大好きな映画「Her(世界でひとつの彼女)」(2013)に素晴らしい主題歌「The Moon Song」を提供して、5年前のグラミー賞のビジュアルメディア向け最優秀ソングでもノミネートされてた、イエー・イエー・イエーズのリード・ボーカル、カレンOが、あのデンジャー・マウスとコラボしたアルバム『Lux Prima』(2019)からの曲「Woman」。いかにもデンジャー・マウスらしいレトロなビートに乗ってカレンOYYYsのスタイルに戻って自由自在にやってる感じがいいですね。


9.最優秀メタル・パフォーマンス部門

X Astorolus - The Great Octopus - Candlemass Featuring Tony Iommi
  Humanicide - Death Angel
○ Bow Down - I Prevail
  Unleashed - Killswitch Engage
◎ 7empest - Tool

Candlemass.jpgDeath Angel HumanicideI Prevail Bow DownKillswitch Engage UnleashedTool 7empest

毎年とにかくノミネートされてるバンドがよく分からず、PVで曲聴いても特に違いが分からず(笑)予想に苦労するこの部門。今年は全く悩まず予想できました!というのも今年のこの部門、どう考えても90年代に熱くロックを聴いていた人達には胸躍ったであろう、13年ぶりの新作『Fear Inoculum』を今年センセーショナルにリリースしたトゥール以外考えられないから。そのリリースに合わせて、これまでストリーミングに供給されていなかったトゥールの全ての音源(除くライブ+アウトテイク盤の『Salival』(2000))が一斉にストリーミング解禁となって、この『Fear Inoculum』の他に3枚の過去のアルバムがBillboard 200に再登場したことからもシーンの興奮が分かるというもの。しかもこの『Fear Inoculum』、デジタル・ダウンロードと初回限定特別CDパッケージ(未公開映像入4インチHDプレイヤー、2ワットスピーカーと36ページブックレット同梱!)のみの発売というのもこれまでパッケージに拘ってきた彼らの究極の仕様。そのラストを飾る「7empest」は13年前と何ら変わらぬプログレ・メタルとでも言うべき15分超の大作。でも不思議に他のメタルバンドのようにただやかましい(笑)という印象ではなく脳にストレートに飛び込んでくるような感覚が不思議な快感。当然の本命◎です。

こうなると対抗◯穴Xがあまり意味をなさないんだけど(笑)敢えて予想すると、対抗◯は、あの元ブラック・サバスのギタリスト、トニー・アイオミをフィーチャーしたスウェーデンの超ベテラン・メタルバンド、キャンドルマス何で「偉大なタコ」やねん!w)に、穴Xはテイラー・スイフトの「Blank Space」のメタルカバー(笑)で一躍有名になったミシガン州出身のメタルコア・バンド、アイ・プリヴェイルに。ええ、100%気分です(笑)。


10.最優秀ロック・ソング部門(作者に与えられる賞)

  Fear Inoculum - Tool (Danny Carey, Justin Chancellor, Adam Jones & Maynard James Keenan)
  Give Yourself A Try - The 1975 (George Daniel, Adam Hann, Matthew Healy & Ross MacDonald)
◯ Harmony Hall - Vampire Weekend (Ezra Koenig)
X History Repeats - Brittany Howard (Brittany Howard)
◎ This Land - Gary Clark, Jr. (Gary Clark, Jr.)

Tool Fear Inoculum1975 Give YOurself A TryVampire Weekend Harmony HallBrittany Howard JaimeGary Clark Jr This Land

さて全く一転して今年のこの部門、重量級のノミニー揃い。トゥールのアルバムタイトルナンバーは強力だし、ここ以外では影も形もないThe 1975の存在も何やら不気味だし、主要アルバム部門でひょっとしたら取るかもしれないヴァンパイアの存在感も、パフォーマンス部門で最右翼のブリタニーの存在感も半端ないし、ゲイリー・クラークJrの今のアメリカの現実を反映したこの曲には去年のチャイルディッシュ・ガンビーノがダブルし…ああ難しい!

悩みに悩んだ挙句、本命◎にしたのはゲイリー・クラークスの「This Land」。やはりウディ・ガスリーがアメリカを称えた曲を下敷きにしてそれと全く逆の表現でアメリカの今の問題を浮き彫りにする、という楽曲とPVが何か今だからこそこの曲こそが評価されるんじゃないか、と思ってしまったので。対抗○は最初こっちが本命かな、とも思ったヴァンパイアの「Harmony Hall」。やはり今メインストリームのオルタナ・ロック・バンド(変な表現だなw)で一番力のある作品をコンスタントに出してるのがこのバンドだし、今回はこれまでから一段と音楽的に成熟と多様化を果たした、というあたりでどこかで受賞するのでは、と思ってるので。

そして穴Xはこれも全然この曲が取ってもおかしくないほどの今年の多様化するロックを代表するアルバム『Jaime』からの「History Repeats」で。


11.最優秀ロック・アルバム部門

  AMO - Bring Me The Horizon
◎ Social Cues - Cage The Elephant
○ In The End - The Cranberries
X Trauma - I Prevail
  Feral Roots - Rival Sons

Bring Me The Horizon AMOCage The Elephant Social CuesCranberries In The EndI Prevail TraumaRival Sons Too Bad

今年のロック部門で一番不可解なのがこの部門。従来からこの部門のノミニーは、メインのロック・パフォーマンス部門やロック・ソング部門と微妙にずれてる傾向はあるのだけど、だいたいそれらの2部門で圧倒的な作品が一つくらいはノミネートされているもの。ところが今回あれだけそれらの2部門で圧倒的な存在になっているトゥールFear Inoculum』や、ブリタニー・ハワードJaime』、さらにはゲイリー・クラークJr.This Land』といったアルバムが何でここには影も形もないのか?こういうのは3年前の2017年第59回以来なんだけど、その時に受賞したケイジ・ザ・エレファントが偶然にも今回もノミネートされてるのが気になるところ。もともとパンクとかグランジに影響されたスタイルのバンドだったけど、前作くらいから徐々にサウンドを変えてきていて、今回のタイトルナンバーとか、今年オルタナティブ・チャートで6週1位になってた「Ready To Let Goなんか聴くとベックに弟子入りしたR.E.M.、みたいな雰囲気だったりする、そんなバンド。でもロック・チャートでは人気あるので、やっぱり彼らが本命◎なのかも。もう一つ目に付くのが昨年急逝したボーカルのドロレス・オリオダンの残されたボーカルテイクに音を足して作られた、クランベリーズの最後のアルバム『In The End』。こちらも評判いいので、亡くなったドロレスに敬意を表して対抗○にしとこうかな。

そして穴Xはここにも出てきたメタル・コア・バンドのアイ・プリヴェイルに付けときましょう。でも本当にこの部門のノミネーションの選考基準、よく分かりませんな。


12.最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム部門

X U.F.O.F. - Big Thief
  Assume Form - James Blake
◎ i, i - Bon Iver
○ Father Of The Bride - Vampire Weekend
  Anima - Thom Yorke

Big Thief UFOFJames Blake Assume FormBon Iver i iFather Of The BrideThom Yorke Anima

それに引き替えとっても判りやすいのがこちらのオルタナ・アルバム部門。こちらには主要4部門にもノミネートされてるボン・イヴェールヴァンパイアがどーんと存在感を放っているんだけど、それ以外のノミニーも、いずれも今年各音楽誌の評価の高かったものばかり。今年『U.F.O.F.』と『Two Hands』の2枚のアルバムをリリースして、いずれもシーンの評価が高かったNYはブルックリン・ベースの女性ボーカルのエイドリアン・レンカーの消え入るようなボーカルが印象的なビッグ・シーフや、フジロックでも堂々としたライヴを見せてくれたジェイムス・ブレイク、そしてこちらもフジロックに登場したトム・ヨークの短編映画と同時にリリースされた『Anima』など、普通であれば激戦のところ。

しかし今年はボン・イヴェールヴァンパイアの存在感が一枚上だと思うし、今やグラミー・ダーリンでSOY最優秀アルバムの2部門ノミネートのボン・イヴェールがこのジャンル部門では強いと思うので、本命◎。ヴァンパイアは対抗○にしました。

そして穴Xはその楽曲スタイルがレディオヘッドを彷彿とさせるということで、今年かなり各方面で話題を集めたビッグ・シーフの今年リリースの2枚のうちの1枚目(2枚目も各方面の評価は高いけど、10月リリースなので今回の対象外)『U.F.O.F.』へ。


さあ予想ブログも2つ目が終了、次の3つ目はR&B部門です。年内にアップできるか?

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【年末恒例企画#3】恒例!第62回グラミー賞大予想#1〜ポップ部門〜

さて2019年も残すところあと数日となりました。いつものように年末の大掃除や買い出しや年賀状などなどやりながら、今年はグラミー賞の開催が例年より大幅に早い1/25なので、この恒例のグラミー賞大予想ブログもちょっと早めに取りかかってます(去年は大晦日からスタートしてました)。

62nd Grammy CBS Logo

さて今年のグラミー賞の話題の焦点は、去年に続いて2回目となる司会をこなすアリシア・キーズでもなく、今年18年の任期を全うして退任したニール・ポートナウを引き継いで新しいNARAS会長に就任したダイヴァーシティを協力に推進するデボラ・デューガンでもなく、やっぱり主要4部門にノミネートされたビリー・アイリッシュとリゾの一騎打ちですよね~

今年も例年どおり、そのあたりについて音楽評論家の吉岡正晴さんと、吉岡さんの「ソウル・サーチン・ラウンジ」で各部門の大予想と今年のグラミーの見所について、吉岡さん+特別ゲストの方と一緒に大いに語り合うトーク・イベントを1/15(水)に開催します吉岡さんとのこのイベントも今年で4年目。またまたいろんな音源をかけながら(いつもしゃべりに夢中になってなかなか曲がかけられないんですがw)熱い予想・解説を展開しますので、是非お越し下さい!

詳細は吉岡さんのこのブログのリンクをご覧下さい。予約も既に受け付けております(^^)↓

https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12560079095.html?fbclid=IwAR057Es-K2-YFUKxHa94T2JVMpx2rc0n8gZzq_VVKKaCDrsdtOjy0YZV5Uc


今年の第62回グラミー賞授賞式は来年1月26日(日本時間1月27日)、去年に続いてLAのステイプルズ・センターで開催の予定で、上述の通り、今年のMCは去年に続いてアリシア・キーズ。去年のMCぶりがなかなか良かったので今年も期待できそうです。

で、今年の注目点は、

Billie EilishLIzzo.jpg

★ もうここ1ヶ月くらい散々言ってるので耳タコでしょうが、今年の主要4部門すべてにノミネートのビリー・アイリッシュとリゾの大激突。全4部門に2人のアーティストがノミネートされたのは史上初めて。過去にこのチャンスを100%ものにして4部門制覇したのは、1981年第23回のクリストファー・クロスのみ。今回、どちらかがその偉業を再現するのか。しかし前回が白人男性、今回が2人とも女性、しかも1人はアフリカン・アメリカンというのが、近年のグラミーのダイヴァーシティ重視を如実に表してますね。

★ 今回ROYのノミネーションはまあ順当ですが、SOYのノミネートであっと驚いたのは何とタニヤ・タッカーが歌う「Bring My Flowers Now」のノミネート。この曲、共作者に去年主要3部門ノミネートされて旋風を巻き起こしたブランディ・カーライルが名を連ねているのが多分大きな理由でしょう。なかなかこの曲がSOY取るとは思えないですが、ブランディは確実に新世代のグラミー・ダーリン(グラミー・アカデミーに好かれるアーティスト)の1人だということを如実に証明してますね。

★ そして最優秀アルバム部門はリル・ナズXを除いては(笑)実力充分な作品の激突、特にオルタナ・ロックの分野から、こちらも新世代のグラミー・ダーリンの一人、ボン・イヴェールをはじめ、ラナ・デル・レイ、ビリー・アイリッシュ、ヴァンパイア・ウィークエンドと、どれも受賞できそうな作品が満載なのと、もう一人の新世代のグラミー・ダーリンH.E.R.が去年に続いてノミネート。この部門は正直上記のどれが取ってもおかしくないという近年希に見る混戦レースです。

★ そして新人賞部門。今年はビリーになっちゃうんでしょうが、それ以外のノミニーも実力派揃い。個人的に年間アルバム1位のマギー・ロジャーズやニューオーリンズのファンク集団、タンク&ザ・バンガス、今年のラテン・グラミーを席巻したロザリオブラック・キーズダン・オーワーバックがプロデュースしたレトロでスケールの大きいソウル・シンガー、YOLAなどが激突してます。

★ 今年はまだ授賞式当日のパフォーマンスのブッキングが発表されてませんが、間違いなくパフォーマンスするであろう、ビリーリゾ、そしてヴァンパイアボン・イヴェール、ラナ・デル・レイとかがパフォームしたらなかなか凄いことになりそうです。また場所がLAということもあり、3月に凶弾の犠牲になったニプシー・ハッスルを初め、ジュースWRLDなど、ヒップホップ界へのトリビュートなんかもあるといいなあ、と思ってます。

★ 今回のグラミーは例年になく、日本人のノミニーが多いのが注目点。その中で受賞可能性最右翼が、去年も受賞している、ROYとアルバム部門にノミネートのH.E.R.の『Hard Place』のエンジニア、堤幹成(ミキ・ツツミ)さんと、最優秀ラージ・ジャズ・アンサンブル・アルバム部門に『Dancer In Nowhere』でノミネートされている、NY在住でヨーロッパを中心に活動中、2016年ダウンビート誌の選ぶ「未来を担う25人のジャズアーティスト」にアジア人唯一選ばれたジャズ作曲家挾間美帆さん。特に後者の部門では、過去70~80年代にかけて秋吉敏子さんのビッグ・バンドが10回ノミネート(うち最初は6年連続)されながら1度も受賞できず、という因縁の部門でもあるので、是非挟間さんには受賞して欲しいところ。それ以外にも、アルバム部門のヴァンパイア・ウィークエンドFather Of The Bride』のエンジニアのコサカ・タケマサさんタカヤマ・ヒロヤさん、最優秀ボックス・特別限定エディション・パッケージ部門のウッドストック50周年パッケージのアート・ディレクターの小池マサアキさん(50回にこの部門で受賞歴あり)、最優秀ヒストリカル・アルバム部門で日本の80年代のニューエイジ音楽のコンピレーションのプロデューサーの北沢洋祐さんと、6人の日本人がノミネートされています。うち何人が取れるでしょうか?

Western Stars

そして今年も例年どおりグラミーからSnub(ノミネートされていいのに無視)されたアーティストがありました。

☆ もう何度も自分のブログやFacebookでも言ってますが、やはりブルース・スプリングスティーンの『Western Stars』が主要部門はおろか、今年はロック部門やポップ部門ですら全く無視されているのはあまりに酷すぎないか。ダイヴァーシティは大事だけど、ポップソロ部門およびポップボーカル・アルバム部門のノミネートは、ほぼ完全に女性のみのノミネート(ポップ・ボーカル・アルバム部門で辛うじてエド・シーランの『No. 6 Collaborations Project』がノミネートされてるのみ)と、一気に極端に触れてしまった感があります。ダイバーシティでもいいけど、それならリル・ナズXのEPを最優秀アルバム部門にノミネートするくらいだったらボスだろう!とまた言っておきます。

☆ そのダイバーシティの追い風の中でも、今年自身初のナンバーワンヒット「Without Me」の他、「Eastside」へのフィーチャリングなど、かなり頑張っていたホールジーが、なぜか全く無視。何なんでしょうね。


とまあいろいろありますが、あまりグダグダ言っててもしょうがないので、ポジティブな面に目を向けながら、恒例の予想と行きましょう。まずはポップ部門。


1.最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス部門

  Spirit - Beyoncé
○ Bad Guy - Billie Eilish
◎ 7 Rings - Ariana Grande
  Truth Hurts - Lizzo
X You Need To Calm Down - Taylor Swift

Beyonce-Spirit.jpgBillie Eilish Bad Guy7 ringsLizzo Truth HurtsTaylor Swift-You Need To Calm Down

何度も言ってますが、今年のグラミーのメインシナリオは「主要4部門でのビリーとリゾの激突にいかに他のノミニーが食い込むか」というところの読みになりますので、ジャンル部門ではそれを受けて「ビリーとリゾは主要部門を取るからジャンル部門は他に譲られる」と読むのか、「主要部門もジャンル部門も両方独り占め」と読むのかで結果は大きく変わることになります。

それを踏まえると、この部門、ビリーもいるわけですが、自分は今年はどちらかというと前者のシナリオを想定してます。去年のケイシー・マスグレイヴスが主要部門のアルバムを取って、カントリー部門も総なめにするなど後者のシナリオも過去は多いんですが、まずこのポップ部門ではリゾはないだろうと。そして、去年も主要部門から無視されるなど、なかなか正当な評価を受けていない、主要2部門でもビリー&リゾと激突してるアリアが輝ける部門というとここぐらいかな、と思うので、本命◎は彼女の今年を代表する大ヒット「7 Rings」に。

一方それでもビリーのパワーは凄そうだということもあり、対抗ビリーの「Bad Guy」。穴Xはこちらもここのところグラミーからそっぽを向かれているビヨンセテイラーで迷ったのですが、ビヨンセの方は実写版『ライオンキング』からの曲という色物性もあるし、テイラーに利があるかな、と思ってそちらにしたけどどうでしょうか。


2.最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門

  Boyfriend - Ariana Grande & Social House
  Sucker - Jonas Brothers
○ Old Town Road - Lil Nas X Featuring Billy Ray Cyrus
◎ Sunflower - Post Malone & Swae Lee
X Señorita - Shawn Mendes & Camila Cabello

Ariana Grande BoyfriendJonas Bros SuckerOld Town RoadSunflower.jpgSenorita.jpg

この部門はビリーリゾもいないのでいらん事気にせずに予想できるのがいい(笑)。ケアしなきゃいかんのはリル・ナズXの動向のみだな。

で、この部門、一目見て一番光ってるのはリルナズよりもむしろポスマロスウェイ・リーの「Sunflower」ですよねえ。【年末特別企画#1】の年間チャート予想の時もさんざん書いたけど、この曲、彼にとってはある意味新しい創作の方向性を決定付けた分水嶺的楽曲なんだと思うんですわ。それを大ヒットさせてるわけで、そういうのは評価してあげなきゃ、と思うわけです。特に今年もこの曲ROYにノミネートされてるけど恐らく無理だし、去年も主要2部門を含む4部門ノミネートされながらボウズだったポスマロにはそろそろ何か取ってもらいたいよね。だから本命◎。

リルナズは僕は今回はボウズだと見てるんだけど何せ勢いはあるので一応対抗。穴Xは今回ここでしかノミネートされてない「セニョリータ」のお二人に。


3.最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム部門

◎ Ancestral Recall - Christian Scott aTunde Adjuah
  Star People Nation - Theo Croker
X Beat Music! Beat Music! Beat Music! - Mark Guiliana
  Elevate - Lettuce
○ Mettavolution - Rodrigo y Gabriela

Christian Scott Ancestral RecallTheo Croker Star People NationMark Guiliana Beat MusicLettuce ElevateRodrigo y Gabriela Mettavolution

この部門に去年に続いてノミネートされたニューオーリンズ出身の気鋭のジャズ・トランペッター、クリスチャン・スコット・アトゥンデ・アジュア。去年は全く知らなかったんですが「おっ、今年もノミネートされたな」と思っていたところに、先日発売された「ミュージック・マガジン」の年間ベストアルバム号のジャズ部門のトップにこのアルバムが選出されていたので「これは盛り上がってるな」と思い、聴いてみました。タイトルが「祖先から続くものの想起」とあるだけあって、彼が自分のセカンドネームを付けた西アフリカの古く昔のドラムビートをバックに、ある時は歌うように、そしてある時は叫ぶように彼のトランペットが全編響き渡るというなかなかの力作。これは本命◎で受賞しそうな感じがします。一方、この部門、2015年第57回から、それまでの「最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム部門」から現在の部門名に変更されたのと同時に、ノミネート作品にジャズ系のものが多くなった傾向がありますが、そんな中で今回目立っているのが、日本でも人気の高い男女超絶テクのフラメンコ・ギター・デュオ、ロドリゴ&ガブリエラ何と今回が彼らグラミー初ノミネートというのが信じられませんが、このアルバムのタイトル曲なんて聴くと相変わらずフラメンコとフュージョンとロックの間を行ったり来たりするようなかなりカッコいいサウンドを聴かせてくれてます。なんで、期待もこめてこちらが対抗

そしてもう一人注目は、あのボウイーの遺作『Black Star』(2016)のバンドのドラマーとして当時注目を浴びたマーク・ギリアナの全編エレクトロ・ビートを主体にした前衛的な雰囲気の作品『Beat Music! Beat Music! Beat Music!』。マークも今回初ノミネートですが、上記の2組に対抗するとしたらこのアルバムかな、ということで穴Xを付けておきます。


4.最優秀ポップ・ボーカル・アルバム部門

  The Lion King: The Gift - Beyoncé
X When We All Fall Asleep, Where Do We Go? - Billie Eilish
◎ Thank U, Next - Ariana Grande
  No.6 Collaborations Project - Ed Sheeran
○ Lover - Taylor Swift

The Lion King The GiftBillie Eilish When We All Fall AsleepAriana Grande Thank U Next AlbumEd Sheeran No 6 Collaboration ProjectTaylor Swift Lover

この部門は毎年王道の作品が受賞してきているのですが、昨年はテイラーアリアナの一騎打ちでアリアナが『Sweetener』でこの部門を制しています。今年はその一騎打ち再現のところに、今年の台風の目の一つ、ビリー・アイリッシュが絡んできているというなかなかややこしいことになってます(笑)。エドも今年のグラミーでは唯一この部門のみノミネートという寂しい状態だけに取らせてあげたいところですが、この部門は上記の構図がかなりハッキリしてしまってるだけに、残念ながら今年もエドの受賞はお預けとなりそう。まあ去年はノミネートすらなかったんですから。

ということでこの部門、僕の読みはアリアナが去年に続いてテイラーを制するだろう、ということでアリアナ本命◎、テイラー対抗○、そしてビリー穴Xというところです。


5.最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム部門

X Si - Andrea Bocelli
◎ Love (Deluxe Edition) - Michael Bublé
  Look Now - Elvis Costello & The Imposters
  A Legendary Christmas - John Legend
○ Walls - Barbra Streisand

Andrea Bocelli SiMichael Buble LoveElvis Costello Look NowJohn Legend Legendary ChristmasBarbra Streisand Walls

毎年言ってますが、この部門はトニー・ベネット御大マイケル・ブブレが出てきたら決まり、両方がかち合うとこれまでの戦績はトニー御大の4勝2敗と、この二人が圧倒的な強さを誇る部門なんですが、昨年そのトニー御大がウィリー・ネルソンのスタンダード・アルバムにやられるという波乱がありましたマイケルも過去2013年第55回、この部門が3作しかノミネートがなかった年に、普段こういうアルバムを出さないポール卿の『Kisses On The Bottom』にやられるということがありましたから、そういうパターンには要注意、ということになります。

で、今年はマイケルのみ、しかもジャズ・アルバム・チャートで今年37週間1位を独走した『Love』でノミネート、となるとこれはもう本命◎しかないわけで。

問題は対抗ですが、先日うちの大学のビルボード研究会OBOG会にお越し頂いたチャッピー(山本さゆり)さんが今年一押し、というバーブラの『Walls』が妥当かな。トランプ政権に対する批判精神たっぷりの内容もリベラルなグラミー・アカデミーに受けそうですし。それに彼女、この部門これで12回目のノミネートですが受賞経験なしというのも驚きなので、もしマイケルが取りこぼすようなことがあれば、バーブラしかないな、と思います。

穴Xは、こちらも過去にグラミー受賞経験全くなし、というのも結構意外なアンドレア・ボッチェリの、Billboard 200チャートでも1位を獲得した『Si』に。


さて年末年始の準備や大掃除で忙しくなってきた年の瀬、大晦日までにはもう2発くらいはアップしたいと思ってますのでお楽しみに。

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【今週の全米No.1アルバム事情 #9 - 2019/12/28付】

先週のこのポストで予想したアルバムが今週は何とバッチリ、ワンツーフィニッシュを決めてくれました。何だか有馬記念で馬連馬券を当てた気分(笑)。本チャンではなかなかこう行かないんだなあ。

Harry Styles Fine Linie

というわけで今週のBillboard 2001位に初登場してきたのは予想どおりのハリー・スタイルズの2作目『Fine Line』。彼のデビューソロ『Harry Styles』も20176月のチャートで初登場1位を決めてますので、デビューから2連発の初登場1位。これだけでもなかなかのもんですが(何でもUK出身の男性ソロアーティストでは、デビューから2作連続1位初登場は初の記録だそう)、このアルバムの1位がすごいのは、年末ここに来て478,000 EAUsで、実売も393,000枚と、2019年ではテイラーの『Lover』(9/7付、869,000EAUs)、ポスマロ『Hollywoods Bleeding』(9/21付、489,000 EAUs)に続く第3位のポイント数、実売ではテイラーに続く20192番目の売上という、爆発的な売上での堂々一位です。その他にも

  • コロンビア・レーベルグループ(コロンビア、エピックなど)のアルバムでは2016/5/14付のビヨンセ『Lemonade』が記録した653,000 EAUs(実売485,000枚)以来最大のポイント
  • 1991年にニールセン社が実売データをトラックし始めてからUKソロ・アーティストの週間売上としては最大枚数(これまでの記録はクラプトンの『Unplugged』が1992年のクリスマスの週に記録した374,000枚)

とまあ、記録だらけ。例によって、来年早々予定されている彼のツアーのコンサート・チケットとのバンドルによる売上がかなり貢献しているようですが、それにしても初週このボリュームというのは正直予想外でした。ワンダイ、そしてハリーの人気は実はすごかったんですなあ。

彼の本国UKのチャートでは、今週も強かったオーケストラをバックにしたロッド(笑)の『Youre In My Heart』が1位を死守、先週予想のところでちょっと名前を出したラッパーのストームジーの『Heavy Is The Head』が2位初登場に続く3位初登場と、これも堂々たるもんですが、USにはこの2人が敵ではなかった分のこの快進撃につながったということでしょう。

既に一週だけの売上で2019年のアルバム売上ランクの6位になっているというこのアルバム、今回は作品としてもなかなか評判がよさそうです。既に先週トップ40初登場した「Adore You」のPVなんて曲が始まるまで2分半も映画風のストーリーが挿入されている(その後も全編短編映画のようです)というなかなか凝った造りで、コロンビアのプロモーションスタッフの気合いが感じられますねえ。この曲も含め、他のシングル「Lights Up」や「Watermelon Sugar」も楽曲悪くないと思いますね。

Blake Shelton Fully Loaded

で、2位初登場はこれも先週1位の可能性ありと予想していたブレイク・シェルトンのベスト盤『Fully Loaded: Gods Country』ですが、こちらはハリーに比べて随分とおとなしく96,000 EAUs(実売83,000枚)での初登場。ベスト盤としては2011年の『Loaded: The Best Of Blake Shelton』(18位)、2015年の『Reloaded: 20 #1 Hits』(5位)に続く3枚目になりますが、今回は先日のCMAアウォードでシングル・オブ・ジ・イヤーを獲得した「Gods Country」(Hot 100最高位17位)を含むということでBillboard 200での順位はこれまでの最高位になってます。

まあ彼はミランダに逃げられたとはいえ(笑)オリジナルアルバムでも充分Billboard 2001位を取る実力はまだあると思うので、次作での健闘を期待したいものです。

今週のトップ10内初登場はこの2枚だけで、年末のショッピングシーズンというのを反映してか、その他は今週もHot 1001位を死守するかが見物のマライアの『Merry Christmas』が12→8位、ビリー・アイリッシュの『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』が11→9位、そしてテイラーの『Lover』が13→10位と、今年のベストセラー作がトップ10内に駒を戻してきています。来週のクリスマスウィークのチャートをはじめこれから数週間はこういう傾向が強くなりますね。

さて、来週の1位予想ですが、12/20-26リリース予定のアルバムのラインアップにはちょっと前までなかったんですが、何と前作リリースからまだ2ヶ月なのに突然クリスマスの日にドロップされることが明らかになったカニエ・ウェストの『Jesus Is King』の続編作、『Jesus Is Born』がガチで来そうです!何となくUKのチャートっぽくなってきましたが(笑)前作の人気を見るに、クリスマスにイエス生誕、なんてアルバム出たら、真面目なクリスチャンのヒップホップファンだったら買うよなあ。わずか2日間の売上とはいえ、他にめぼしい作品がない中、これが1位になる確率はかなり高いでしょう。どのくらいのEAU、売上になるのかこちらも見物ですね。ではまた来週。

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【今週の全米No.1アルバム事情 #8 - 2019/12/21付】

(今週火曜日にこちらのブログにアップするのを忘れてました。失礼)
アルバムに行く前に、今週末発表のHot 100でとうとうマライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」が1位取っちゃったみたいですね(笑)。ストリーミングの成せる技ですなあ。しかしリリースから25年で1位になるというのはHot 100の記録ですね。


さて、先週の「アナ雪2」サントラの1位は当たったんですが、今回の1位予想は大外れ(笑)。僕が初登場1位に予想したカミラ・カベロの『Romance』は86,000 EAUs(実売54,000枚)と、このショッピングシーズンにしては思ったほど売上・ポイントが伸びず3位初登場止まり。そしてガッチリと101,000 EAUsを叩き出して今週1位初登場を決めたのは、何とカリフォルニアはコンプトン出身アトランタ育ちのラッパー、ロディ・リッチ(Ricchと表記、本名ロドリック・ウェイン・ムーアJr.)のメジャーデビューアルバム『Please Excuse Me For Being Antisocial』。つい2週間ほど前に早逝してしまったジュースWRLDと同い年の21歳の新進ラッパーです。彼もジュースやこの間1位を取ったトリッピー・レッド同様、シリアスで叙情的な感じのトラップのビートをバックに自分の感情やストリートの状況などをストーリー風にラップする、いわゆる「エモ・ラップ」にあたるスタイルのラッパー。

Roddy Ricch

彼がメインストリームに名前を出して来たのは去年の今頃に出所早々(笑)アルバム『Championship』を初登場1位にぶちこんだミーク・ミルの「Splash Warning」(最高位77位)という曲にフューチャーやヤング・サグと一緒にフィーチャーされたのが初めてかな。その後、3/31に射殺されてしまったことで皮肉にもヒットになったニプシー・ハッスルの「Racks In The Middle」(最高位26位)の共作者及びフィーチャリング・アーティストとして、再び名を馳せ、最近ではDJマスタード改めマスタードの今正にヒット中のシングル「Ballin’」(12/14付現在16位)の共作者・フィーチャリング・アーティストとして、ジワジワとシーンで存在感を増して来ていたのは知ってたけど、まさかここで1位を取るとはちょっとビックリした。ちなみにヒップホップアルバムお約束の実売枚数はわずか3,000枚。賛否両論あると思うけど、このジャンルのオーディエンスの音楽消費行動からいったらこのアンバランスさは実は健全というか、正にロディが今ヒップホップ・コミュニティで注目されてることの証なんだと思う。

The Who 2019

しかし個人的に残念だったのは、あの!ザ・フーの何と13年ぶりのニュー・アルバム『Who』が、89,000 EAUs(実売88,000枚!)というめちゃくちゃ大健闘の売上なのに初登場2位に終わってしまったこと。このアルバム、本国UKのアルバムチャートでも、ロッド・スチュアートが王立交響楽団をバックに自分のヒット曲を歌うという(笑)『Youre In My Heart』と、ロビー・ウィリアムスのクリスマス・アルバムに阻まれて初登場3位に沈むという不運さ。せっかく全く「老成」という言葉を想起させない、力強いロックアルバムを出してくれたんだから、ここまで頑張るんだったら1位を取って欲しかったけどね。

Camila Cabello Romance

そして3位初登場は冒頭触れたカミラ・カベロの『Romance』、そして今週もう1枚のトップ10内初登場は、先週名前を出した故XXXテンタシオンの去年1位を記録した『Skins』に続く2枚目の遺作になる『Bad Vibes Forever』が65,000 EAUs(実売16,000枚)が5位初登場。今週1位のロディ・リッチがブレイクするきっかけになった曲の一つが、Xが亡くなったことについてラップした「Die Young」だったことを考えると、今週のトップ10の並びはエモ・ラッパーの勢揃いで何やら因縁めいたものにも見えますね。

XXXTentacion.jpg

そしてエモ・ラッパーといえば故ジュースWRLD2枚のアルバムも今週、先々週の訃報を受けてトップ10に返り咲いてます。再登場したのは、デビューアルバムの『Goodbye & Good Riddance』(2018)が71→6位、今年出た2枚目の『Death Race For Love』が88→10位の2枚。何だかXとジュースの魂がロディを1位に押し上げたような感じがする、と言ったらうがち過ぎでしょうかね。

さて、来週の1位予想ですが、12/13-19リリース予定のアルバムのラインアップを見ると、中粒のリリースが激戦状態で、カントリーのブレイク・シェルトンと元ワンダイレクションのハリー・スタイルズの2作目ソロあたりが有力候補かな。今週のようなことがあるので、ヒップホップ勢の予想外の躍進もあるかもですが、今回目立つのはUKのストームジーとリッチ・ホーミー・クアンくらいなんでまあないかなと。ではまた来週。

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【年末恒例企画 #2】My Best Albums of 2019 (完結編, 3-1位)

さて年末恒例企画の第2弾、僕の2019年ベストアルバム、いよいよトップ3での7枚は女性ボーカル4枚、男性ボーカル3枚とやや女性優勢で来てますが、男女の決着やいかに。

その前に11位以下20位までのランキングも一応紹介しておきましょう。

11. Two Hands - Big Thief
12. On The Line - Jenny Lewis
新旧お宝アルバム!でのレビューのリンクはここhttp://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-467.html
13. Pony - Rex Orange County
14. I Am Easy To Find - The National
15. i, i - Bon Iver
16. Hollywoods Bleeding - Post Malone
17. Green Balloon - Tank And The Bangas
18. Free Spirit - Khalid
19. No. 6 Collaborations Project - Ed Sheeran
20. Igor - Tyler, The Creator

何ともとっちらかった感じのランキングになってしまいましたが(笑)この10枚も含めて、上位20枚はホントに今年を通じてよく聴いたし(レックス・オレンジ・カウンティなんて買ったの11月なのにそれ以来パワロテ状態ですw)、また今年から立川で毎週水曜日のDJ初めてぐっと回数の増えたDJ活動でもあちこちでかけまくったレコード達ばかり。

あともう一つ、11位のビッグ・シーフ18位のボン・イヴェールは、やはりネットで洋楽情報とコメンタリーをサンパウロから発信してる澤田太陽くんのブログを読まなければ多分年間ランキングには登場してなかった(多分ビッグ・シーフなんてアンテナにもかかんなかったかも)盤です。いずれも今の音楽シーンで、真面目に音作り、作品作りに向き合って自分の思うことを素直に表現しているミュージシャン、そういう彼らの盤に耳を向けさせてくれた澤田くんにはただただ感謝です。

さ、というわけでMy Best Albums of 2019、最後のカウントダウン、まず第3位から。


3. Ventura - Anderson .Paak Aftermath Entertainment)

Ventura.jpg

はい、2016年の傑作アルバム(2010年代の僕のランキングには絶対入りますね)『Malibu』に巡り会って以来というもの、本デケイドのアーティストでは多分トップ3に入るくらい気に入ってしまったアンダーソン・パークの最新作『Ventura』です。4位のヴァンパイア・ウィークエンド同様、昨年のフジロックで初めてライヴを体験して(断続的な雨の中だったけど)、レコードだけでは分からない、ドラマーらしいビートをとことん強調したパワフルなステージに大いに興奮させられたのがつい昨日のよう。

彼のクリエイティブ・パワーもここ数年全開のようで、『Malibu』の後一年も開けずにやはりケンドリック・ラマー人脈のプロデューサー、ナレッジ(本名グレン・アール・ブース)とのユニット、NxWorries(ノー・ウォリーズ)名義でこれまたタイトなアルバム『Yes Lawd!』をリリース。そして自己名義でも昨年の『Oxnard』(2018)に続いてこの『Ventura』と、ほぼ毎年1枚のペースでアルバムを発表してます

今時のシンセ打込みを基調とした浮遊感満点の音像によるヒップホップ、ファンク、R&B、ディスコが一体となったアンダーソン・パーク流の「グルーヴ・ミュージック」のクオリティは、そうした立て続けのリリースにもかかわらず一定以上をキープしていて、昨年の『Oxnard』もこの年間アルバムランキングのタイミングまでに聴きこんでいれば結構上位に入れたんじゃないか、と思うほど。ケンドリック・ラマーとコラボしたファンク・ヒップホップ・ダンスナンバーの「Tints」なんて最高で、何度もDJでプレイしました。

今回の『Ventura』は今最前線の音響派的なサウンドによるヒップホップ・ファンク・ソウル路線だった前2作とちょっとアプローチが違ってて、昔ながらのR&Bに思いっきりリスペクトと愛情を表現した作品になっているところが「おっ」と思わせるところ

アルバムの中でラップが登場するのは、冒頭のドリーミーな「Come Home」の後半で例のアブない感じのアンドレ3000のラップが挿入されるくらいで、あとは基本全編男と女の関係を歌ったテーマとしては普遍的な楽曲を、レイラ・ハサウェイ、ジャズミン・サリヴァン、ブランディといった実力派のR&B女性シンガー達と絡みながら歌うという、アンダーソン・パークとしては多分これまでで一番伝統的なアプローチによる素敵なR&Bアルバムに仕上がってるのがまた彼の新しい面を見せてくれてていいところ。

特に個人的に大いに胸が熱くなったのは、御大スモーキー・ロビンソンとのコラボで共作もして、アンダーソン・パークのスモーキーへのリスペクトがビンビンに伝わってくる「Make It Better。最初彼はもう少し今風の情欲を前面に出した歌詞を考えてたらしいけど、スモーキーから「そらあかんで。歌詞はもっとロマンティックにいかな」と指導されて、この微笑ましくも心暖たまるRBラブソングが出来上がったらしい。いいなあ、こういう話。

今のヒップホップR&Bシーンの先端を突っ走るアンダーソン・パークもいいけど、時々こうして、立ち止まってみて、過去からのR&Bやヒップホップのレガシーにリスペクトを払ったこんな作品を作ってくれると、多分彼はずっと僕のフェイバリット・アーティストの一人であり続けるだろうな。そしてこのアルバム、今回のグラミー賞最優秀R&Bアルバム部門にもノミネート、エラ・メイちゃんと激突してるけど、2年前『Malibu』で取れなかったグラミーをここで彼が取ってくれるといいな。


2Turn Off The News (Build The Garden) - Lukas Nelson & Promise Of The Real (Fantasy)

Turn off the news

僕の年間アルバム2位は、あのウィリーの息子のルーカス・ネルソン率いるプロミス・オブ・ザ・リアルコンコード・レーベルからの2枚目『Turn Off The News (Build A Garden)』です。

ウィリーの息子がバンドやってて、親父とツアーとか一緒に回ってるというのは何となく知ってたけど、彼のレコードを聴いたことはこれまでありませんでした。その彼の名前がひょっと目に入ったのは、9月に買ったシェリル・クロウの新旧の有名アーティスト達と全曲共演している新作『Threads』収録の「Cross Creek Road」にニール・ヤングと共にクレジットされてたから。「やっぱオヤジと声そっくりだなあ」と当たり前のことを思いながらいろいろ調べてみると、ルーカスがあのレディ・ガガブラッドリー・クーパーの映画『アリー/スター誕生』でブラッドリーがミュージシャンらしい演技ができるようなコンサルティングをしながらサントラ収録曲の半数をガガと共作してる、ということを知りました。

折から彼のこの新譜がリリースされて、YouTubeで聴いてみたところ、まずはタイトル曲のストレートなアメリカーナ・ロック・サウンドにリフレッシュされるような魅力を感じただけでなく、歌詞を読むと、これがストレートな今のアメリカの混迷状況(そしてトランプ政権の引き起こしている数々の状況)に対して「そんな下らないニュースに一喜一憂するのはやめて、子供達のために、未来のために、僕たちのための庭を造ろう」というメッセージ。

新旧お宝アルバム!」のブログにも書きましたが、本来あるべき優しい心の人間に立ち戻って、くだらない中傷やネガティヴな争いには背を向けて、ほんとに僕らの未来に取って必要なことをやれば幸せになれる、というメッセージはシンプルだけどストレート、心にグッと迫るものがあります。

新旧お宝アルバム!のレビューのリンクはここ
http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-480.html

そうしたメッセージのポジティヴさと共感できる内容もさることながら、このアルバム、楽曲も演奏もさすがに長年ニール・ヤングのツアー・バンドとして実績を積んだメンバーということもあって、けれん味のないストレートで地に足の着いた素晴らしいアメリカーナ・ロック・アルバムに仕上がっていて、今年このジャンルの作品でアンテナにひっかかるものが少ない中で、自分の年間アルバムベスト20の中では唯一このアルバムだけがアメリカーナ系の作品になりました。

そのアルバムの出来とメッセージ性から、ひょっとしてグラミー賞のアメリカーナ部門、あるいは主要部門にノミネートされるのでは?と期待していたのですが、恐らくボスの作品がノミネーションを逃したのとあまり違わない理由でこの作品は残念ながらノミネートはされず。

各音楽メディアでも特に年間アルバムランキング等には入っていませんが、個人的には今年9月以降では多分最も回数聴いたであろうこのアルバム、ヴァイナル盤には7インチシングルが付いていて、そこではタイトル曲がニール・ヤングのオルガンをバックにアコースティックで演奏されていて、そのメッセージ性が一層ぐっとくる仕掛けになっています。一人でも多くの人に聴いて欲しい、そんなアルバムです。


さて、いよいよ僕の年間アルバム1位は、多分今年最初に買ったアルバムの一枚だったと思う、この作品です。


1. Heard It In A Past Life - Maggie Rogers (Debay Sounds / Capitol)

Heard It In A Past Life

僕の選ぶ、2019年ナンバーワンアルバムは、今年メジャー・デビューを果たした、独得のメロディ感覚とエレクトロな音響センスを見事な楽曲にして届けてくれる女性シンガーソングライターマギー・ロジャースのデビュー作『Heard It In A Past Life』です。

これもアルバムを購入して早々、自分の新旧お宝アルバム!」のブログで熱く語って、「個人的にはこの作品でマギーの来年のグラミー賞新人賞部門(ひょっとするとアルバム部門)のノミネートはかなり堅いものではないかと思うくらいです。」とコメントしたところ、さすがにアルバム部門にはノミネートされなかったものの、見事グラミー賞新人賞部門にノミネート。今年はビリーリゾが受賞、というのはわかっていてもこうやって自分が目を付けたアーティストが評価される、というのは気分のいいものです。

新旧お宝アルバム!のレビューのリンクはここ
http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-460.html

そのブログにも詳しく書いたので、詳細の解説はそちらをお読み頂きたいのですが、彼女のブレイク・ヒットとなり、今年1月にビルボード誌のトリプルAチャート(今はアダルト・オルタナティヴ・ポップ・チャートというらしいですが)で見事1位を獲得した「Light On」に象徴されるように、エレクトロなサウンドながら有機感の高い楽曲と、スペース感と浮遊感、スケールの大きさを感じさせるメロディを、コントラルトからジュディ・コリンズ似のメゾソプラノまでを行き来する音域のボーカルで聴かせるというのが彼女の作品の魅力です。

その時も書きましたが、サンプラーや打込みをほとんど使いながら、楽曲的にアコースティックな味わいを失わない、というのはエド・シーランハイム、さらにはヴァンパイア・ウィークエンドといった今の若い世代のクオリティ高い作品を提供するアーティスト達に共通する点。彼女の場合はそれをメインストリーム・ポップのセンスで、特徴のあるフックのメロディが書ける点が素晴らしいところです。

彼女のブレイクのきっかけとなった「Alaska」を聴いたファレル・ウィリアムスが絶賛したという彼女の魅力は、何と言っても彼女の楽曲を聴いて頂くのが一番ですので、まずはYouTubeで「Alaska」と「Light On」の2曲を聴いてみて下さい。

僕のリストでは15位止まりだったボン・イヴェールの作品は各音楽メディアで大絶賛で、今回もグラミーの主要部門にノミネートされたりしてますが、多分マギーがやっていることは、ジャスティン・ヴァーノンが、彼にしかできない作品の表現方法として、エレクトロサウンドと生楽器のコンビネーションとアブストラクトなアプローチで楽曲を構成していることを、ポップなアプローチでエレクトロなサウンドとフックの魅力的なメロディでやっているのであって、アプローチこそ異なりますが、恐らく同じレベルでの創造性とミュージシャンシップを発揮しているのではないか、と思っています。

先のファレルが「Alaska」に対してコメントしている動画もYouTubeで見れますので是非一度それも見て欲しいのですが、曲を聴いた後彼はただ「ワオ」と呟いた後「君は独自のものを持っていて、それをどうすれば表現できるか分かっている。君の作品のようなものは初めて聴いた」とコメントしており、マギーのそうした特性を捉まえた最大級の賛辞です。

そろそろこのアルバムリリースから一年。次のマギーの作品がどうなるのか、楽しみでしかたがありませんね


ということで【年末恒例企画】の第2弾もめでたく終了。次の第3弾はいよいよグラミー賞各部門受賞予想です!お楽しみに。

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

【年末恒例企画 #2】My Best Albums of 2019 (Part 2, 7-4位)

7. Love And Liberation - Jazzmeia HornConcord Jazz)

Love And Liberation

去年のライのアルバム同様、まずこのアルバムも完全にジャケ買い。ブラック・ミュージックが少しでも好きな人で、このハッとするような美しいジャケに目を引かれない人はまずいないんじゃないか。熱帯植生とおぼしき緑豊かなガーデンの中にたたずむ、赤いトールターバンを巻いた、明らかにアフリカ民族的なテーマの鮮やかなスーツとアクセサリーで身を包んだ涼しげな顔をして花を愛でるしゅっとしたたたずまいのエリカ・バドゥを思わせるアフリカン・アメリカン女性。個人的にジャケ買いは6割方内容を伴う、と信じてるので、このジャケを見た瞬間に音が聴きたくなってアップル・ミュージックさんのお世話になったところ、これがまた素晴らしいジャズボーカルのレコード。しかもジャズメイアはまだこのアルバムが2枚目のほぼ新人ながら、既にダウンビート誌の賞や、サラ・ヴォーン・インターナショナル・ジャズ・ボーカルコンテストでも2013年に優勝しているというから、スタイルと実力の両方を持ってる期待のアーティストらしい。

このアルバムも既に新旧お宝アルバム!」のブログで詳しく紹介しているので、詳細はそちらをご覧頂きたいのですが、彼女のボーカルスタイルは、いわゆる最近よくある(特に白人女性ジャズボーカリスト)耳障りのいいスタンダード・ナンバーや、ロックやポップスのカバー曲を小綺麗に歌ってるような、毒にも薬にもならない類のものではなく(あ、そういうアルバムにもいいものはあると思いますが、自分に取ってはそうだということでお許しを)、ジャケのファッションにも窺えるように、アフリカ出自であり、ブラックであることの誇りを品格を以て表現しながら、スタンダード然とした楽曲も自作でやるし、時には延々とスキャットを繰り出して楽曲を支配してしまう、そんな凜々しさとしなやかさを感じる、ジャズボーカル・スタイルなのです

新旧お宝アルバム!のリンクはこちら

http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-481.html

で、実は彼女、先週の木金と、丸の内のコットンクラブで初来日ライブやってたんですよ!しまったー!上記のリンクのブログを書いた時に来日の情報を知って「絶対行かなきゃ!」と言ってたのにもかかわらず、プライベートで何かと気になることが多いここ数ヶ月の中でまんまと抜けてしまってたのでした。うー残念。先週実際に観に行かれた佐藤英輔さんのブログによると、それはもうワイルドなジャズメイアのボーカルバトルが楽しめたんだそう。演奏はピアノトリオの単純な楽器構成で管もなし、あとはただひたすらジャズメイアが9割方はスキャットの猛攻撃だったとか。(佐藤さんのブログhttps://43142.diarynote.jp/201912070741544808/)うーん、一生の不覚。かくなる上は次の来日をとにかく待つしかないかなあ….

実は彼女、今回のグラミー賞の主要4部門の新人部門にもノミネートされるかも、とひそかに思ってたんですが、それはなかった代わりに、最優秀ジャズ・ボーカル・アルバム部門にしっかりこのアルバムがノミネートされてました。ただ同じ部門にエスペランザ・スポールディングの『12 Little Spells』(こちらもかなりいい出来です)もノミネートされてて、この激突はかなり厳しいのでジャズメイアの取れる確率は正直高くない気もするけど、この2枚だったら圧倒的に自分はジャズメイアのアルバムの方を推したいので見事受賞してくれるといいなあ、と思いながら繰り返しこのアルバムを聴くのでありました。


6. Norman F***king Rockwell! - Lana Del Rey Polydor

Norman Fucking Rockwell

ラナはメジャーデビュー盤の『Born To Die』(2012)から今回初めてこのアルバムでグラミー賞主要部門(アルバム、ソング・オブ・ジ・イヤー)にノミネートされるまで、アルバムごとに確実にカリスマ性とシーンでの存在感を増して来ているのは間違いのないところ。前作の『Lust For Life』(2017)を新旧お宝アルバム!」のブログでカバーした時にも書いたけど、ラナのモデル顔負けの美貌とアメリカン・クラシック・ビューティーなイメージと、ゴシックでドリーミーな音像を持った楽曲をバックに、同じく夢の中から語りかけるようなハスキーなボーカルで、swear wordsも交えたビッチでギャングスタで破滅性も感じさせる内容の歌を歌うというこのギャップが彼女独得で最大の吸引力で、この度合いがいろんな意味でアルバムごとにレベルアップしているのがラナの凄さ

(前作『Lust For Life』の「新旧お宝アルバム!」のリンクはここです

http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-389.html

前作では今のポップ・ミュージックの最先端トレンドともいうべきヒップホップ・トラップ系のアーティスト達の音像をまとい、共演しながらもあくまでもラナの世界のコントロールを渡さないあたりに、改めて彼女の凄さを感じて、もう完全にセント・ヴィンセントとかこの分野の先達を超えたなあ、と思い「次はラナはどこに行くんだろう?」と思ったもの。

そうして届けられた今回の『Norman F***king Rockwell』、まずタイトルが最高(笑)、アメリカの伝統的な有名イラストレイターの名前に4文字言葉をあしらうという、ラナのスタイルを端的にこれだけ強烈に表現したタイトルもないよね。で、内容も相当イッちゃってるんだろうな、と思って聴くとこれが全く違う意味で驚かされる内容

前回がトラップヒップホップだったんで、今回はノイズかアヴァンギャルドか?と思って聴くと、これが拍子抜けするくらいの王道ポップスタイルの楽曲が並ぶ内容。ただいわゆるヒットソング的なポップではなく、これがあくまでラナのゴシックでドリーミーなイメージをきっちり体現した、ゆったりとしたメロディと楽曲構成に、シンセやピアノやギターがごくごく控えめに配されて、ラナの歌声があの夢の中から聞こえてくるような感じを最大限に引き出すような音作りになってるのです。そして、前作であれだけヒップホップ・トラップのビートを強調していたのに、今回のアルバムは全体を通じてビートがゆるいしだるそうだし(笑)

結果としてこのアルバム、オープニングのタイトルナンバーから、9分にも及ぶ「Venice Bitch」、いかにもラナな(笑)「F**k It I Love You」、そしてシングルカットされた90年代ミクスチャーロックの名曲、サブライムの「Doin’ Time」のだるそうなカバーまで、聴き進めるほどにクセになり、繰り返し聴いてしまうという、一種の中毒性を発揮してます。シーンでの評価も今回大変高いようで、Allmusicローリングストーン誌が星4.5、ピッチフォークが9.4点、NMEが星5と最大級の評価で、今年の年間アルバムランキングでもピッチフォークなど9誌で年間1位、ローリングストーン誌で3位、TIME、アンカット、ビルボード、Mojoなどで年間トップ10に入るなど、大絶賛状態です。

今年のグラミーの主要賞はビリー・アイリッシュリゾの対決だと思ってるけど、アルバム部門あたりことによるとラナが取るかも。そうなったら面白いなあ、と密かに楽しみにしてます。


5.Western Stars - Bruce Springsteen(Columbia)

Western Stars

さて、そのグラミー賞の主要部門どころか全ての部門でガン無視されてしまっている(笑)ブルース・スプリングスティーンのアルバムです。今回のアルバム、多くの人がボスの作品に対して持っている楽曲イメージ、つまりギターサウンドを中心にしたバンドによるロック楽曲、というイメージを見事に裏切っている、カントリーやテックスメックス的アレンジや、ストリングスやオーケストラを多くの曲に配して、あたかも映画のサントラ盤のようなイメージを提示しているのは皆さんご承知の通り。このサントラ盤的感触というのは、このアルバムを題材にしたドキュメンタリー映画がアルバムリリース後に劇場公開されたということで、ああなるほどね、と納得がいったものだった。

そしてこの従来と異なるサウンド・アプローチで作られた、ロックというよりはよくできたポップ・アルバム的なこのアルバムは、概ね音楽メディアの評価も高く(NME、ローリング・ストーン、Qで星4ピッチフォーク7.8点)、好意的に迎えられていたし、「The Wayfarer」「Tuscon Train」「There Goes My Miracle」「Hello Sunshine」「Moonlight Motel」といった楽曲群の出来もかなりいいな、と思ったので当然グラミーの最優秀アルバム部門の2003年第45回の『Rising』以来のノミネートは確実だろうし、ひょっとすると初受賞もあるかも、と思ってたのであのガン無視は大変驚いた

これはやはり昨年のチャイルディッシュ・ガンビーノROY/SOY受賞に見られたように、グラミーの選考コミティーの若い層の支持と多様性を大きく重視した観点からは、このアルバムは外れてしまったということなんだろうけど、これだけの作品を評価まったくしない(せめてロック部門くらいでノミネートしろよ!)というのもちょっとやり過ぎのような気が凄くするのは僕だけではあるまい

若い音楽ファン達には「オッサン臭い音楽」に聞こえるのかもしれないけど、一曲一曲が演奏される順番や流れなど、サウンドアプローチを別にしても一幅の絵画や映画を見せてもらっているような、そんな胸が温かくなるような感動を与えてくれるこのアルバム、個人的には『Born To Run』(1975) や『Nebraska』(1982)、そして『The Ghost Of Tom Joad』(1995)といった、ボスが自らの心情やあふれ出る楽曲を素直にさらけ出す様子が感動を呼ぶアルバムに匹敵する作品だと思うのだけど


4. Father Of The Bride - Vampire Weekend (Columbia)

Father Of The Bride

一昨年のフジロックヴァンパイアを見て、次のアルバムへの期待がグッと高まっていたところにドロップされたこのアルバム、オープニングからいきなりガツン!とアフロビートが来るかと思ったらさにあらず、ボーカルのエズラハイム3姉妹ダニエル・ハイムの甘ーいポップ・ラブソングのデュエット「Hold You Now」でスタートするというあまりこれまでヴァンパイアのアルバムでなかったパターンダニエルフジロックでも後半登場してエズラと一緒にシン・リジーの「The Boys Are Back In Town」とかを歌ってたから、ここで登場するのもなるほど、と思ったがこのアルバムではこの他にも中盤でエレクトロな感じの「Married In A Gold Rush」と、終盤でスコットランドあたりの民族管楽器をフィーチャーした「We Belong Together」と、アルバムの要所要所でダニエルとのボーカルが配されていて、アルバム全体にこれまでのヴァンパイヤのレコードと違う雰囲気を一本通すのに重要な役割を果たしてる。何でもエズラコンウェイ・トウィッティロレッタ・リンのレコードを聴いて「ああいうカントリーの男女デュオっぽい感じで」ということでやったらしい。

事ほどさようにこのアルバムでは、これまでのアフロビートやワールドミュージック風のサウンドアプローチだけでなく、ヒップホップ、トロピカル、カントリー、エレクトロなど様々なスタイルの音楽の要素をそれこそごった煮のようにぶち込んでるかなり意欲的な造り。それでもアルバム全体、ヴァンパイアのレコードだ、と思うのはやはりお馴染みのエズラのちょっとにやけた(いい意味ですわw)感じのボーカルがあるから。傑作と言われた前作『Modern Vampire Of The City』(2013)から6年、その間バンド創設メンバーでエズラの相棒、ロスタムの脱退とか、エズラ自身もガールフレンドのラシーダ・ジョーンズあのクインシー・ジョーンズの実娘!)との間に息子を授かったりとか、それもあってNYからロスに居を移したりとかいろいろな変化があったってことも、今回のアルバムで今まで以上に様々な音楽的なトライアルをした要因だと思うし、それらのトライアルは概ねにおいてプラスの方向に働いて、このアルバムをキャリアで最も音楽的に多岐に亘った作品にしてると思う。音楽的多岐性という意味ではビートルズホワイト・アルバムに通じるものがあるけど、あそこまでとっちらかってバラバラという感がなく、ヴァンパイアの作品としての不思議な統一感があるのもやはりエズラのボーカルのなせる業か。そして単純に聴いてて楽しい曲が多い。

ダニエルとのデュエット以外でも、イントロのギターから「ん?これってBrown Eyed Girl」とオールドロックファンならヒクッと反応するはずの「This Life」のアップビートなヴァン・モリソンっぽさや、ボトルネックギターっぽいサウンドがジョージ・ハリソンか?という「Big Blue」なんかはクラシック・ロック・テイストをヴァンパイヤ風に消化してるのがとにかく楽しい。一方ビッグ・ビート風のトラックのバックでフラメンコ風のギターとパーカッションが鳴ってる「Sympathy」なんて多分エズラの新境地だし、このアルバムのもう一人の重要ゲスト、ジ・インターネットスティーヴ・レイシーとコラボってる「Sunflower」「Flower Moon」あたりは二人の才能がマッシュアップされててとっても不思議な感じの楽曲に仕上がってるのも面白い。

そして何と!「2021」では細野晴臣が昔無印良品の店内BGM用に書いたという「Talking」を全面的にサンプリングして(というかバックトラックに使って)ダーティ・プロジェクターみたいな感じの曲に仕上げてて、あ、そうだったエズラダーティ・プロジェクターロングストレス兄弟って仲いいんだったなあ、と思ったり。

いずれにしても、これまでのヴァンパイアを聴いて来たファンにとっては一曲一曲に新しいフレッシュな発見と魅力が感じられると思うし、初めてヴァンパイアを聴くという音楽ファンでも、先進性を備えていながら従来からの音楽の提示する可能性へのリスペクトをバランス良く自分の音楽に消化しているこのアルバムは多分いろんな刺激を与えてくれる、そんなアルバムだと思います。要はこのアルバムを聴かずして、2019年を語るなかれ、ということ。そしてこのアルバムもラナ同様グラミー賞の最優秀アルバム部門にノミネートされてて、ひょっとすると受賞するかも、と密かに思っています。


ということであと3枚。明日にはアップしたいと思っているので、お楽しみに!

テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

【年末恒例企画 #2】My Best Album of 2019 (Part 1, 10-8位)

さて【年末恒例企画 #2】は例年どおり「My Best Albums of 2019」ですが、その前に先日ポストした年間チャート予想と、実際のビルボード誌のHot 100年間チャートとの答え合わせをしておきましょう。


<年間チャート予想と結果の答え合わせ>

まだ予想のブログをアップしてる最中に発表されてしまったビルボード誌の「The Year In Charts(年間チャート)」のHot 100部門のトップ10はこうなってました(フルの100曲のランキングはこちらhttps://www.billboard.com/charts/year-end/2019/hot-100-songs

1.  Old Town Road - Lil Nas X Featuring Billy Ray Cyrus191位、予想は2位)
2Sunflower (Spider-Man: Into The Spider-Verse) - Post Malone & Swae Lee11位、予想は1位)
3Without Me - Halsey21位、予想通り
4Bad Guy - Billie Eilish11位、予想は5位)
5Wow. - Post Malone2位、予想は4位)
6Happier - Marshmello & Bastille2位、予想は7位)
77 Rings - Ariana Grande81位、予想は9位)
8Talk - Khalid3位、予想通り
9Sicko Mode - Travis Scott11位、予想は12位)
10Sucker - Jonas Brothers11位、予想は6位)

今年も3年連続でトップ109曲の顔ぶれを当てて、更に去年と全く同じく、1位と2位が入れ子で3位の順位を的中してるのですが、今年は8位の「Talk」も当ててるので、去年よりは若干スコアがよくて10点x25点x755、となりました。その他4位と5位も入れ子になってただけなので、トップ5の顔ぶれは完璧に当ててるということで年々成績に進歩が見られてなかなかよろしい(笑)。来年は2017年以来の上位3曲当て、更には2011年の上位7曲当てに匹敵するような結果が出せるよう、また精進します。

さてでは
年末恒例企画 #2My Best Albums of 2019、まずはその10位からです。


10位Little GhostMoonchild Tru Thoughts

Little Ghost_

前作の『Voyager』(2017)をYouTubeで聴いた直後に渋谷のレコファン店頭で運命の出会いをして即ゲットして以来、ここ数年のマイブームでもある、今風の浮遊感たっぷりの音像を持ったオルタナティブR&Bを聴かせてくれるムーンチャイルドは僕のお気に入りのバンドの一つです。その後前々作(事実上ファースト)の『Please Rewind』(2014)を聴いて、彼らが『Voyager』で大きくその音楽スタイルを発展させているのを改めて確認して、次の作品を楽しみにしていたところ、9月に2年ぶりになるこの『Little Ghost』をリリースしてくれました。昨年来日したこともあって、今回はネット上の音楽メディアも「あのタイラー・ザ・クリエイターロバート・グラスパーも賞賛!」とか「トム・ミッシュ好きは今聴くべき!」と結構あおったコピーを見かけて盛り上がってたので、楽しみながら、ちょっと恐る恐る聴いてみたところ、これが何とまた一段進化して、よりタイトでリズミック、ビートをこれまで以上に意識した素晴らしい出来だったんで、大満足。この後ヘビロテで聴いてたのはもちろんのこと、自分がやるDJでもあちこちでこのレコードをかけてました。

詳しいそれぞれの楽曲の解説やバンドの紹介は例によって新旧お宝アルバム!」のブログに書いてますので、そちらをご覧下さい。彼らの特徴はこれだけネオソウルやジャズを意識した黒っぽいサウンド楽曲を造り出していながら、メンバーが3人とも白人だということと、ボーカルのアンバーの囁くような歌唱が醸し出す浮遊感満点のソウルフルネスにつきます。今回はアンバーが買い込んだ新しいシンセを使ったトラックが全体のビート強化につながってるとのことで、次のアルバムではいったいどんな進化を見せてくれるのか、今から楽しみ。

あ、その前にもう一度来日してくれないかな。彼らのサウンドに身を任せて、ゆったりとした音空間に酔いしれてみたい、そんなことを思わせる、素敵なレコードです。

新旧お宝アルバム!のリンク

http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-485.html

個人的なお気に入りのトラックは、オープニングの「Wise Women」とレコードのB1曲目の特にこの中でもビートが効いた「Strength」、そしてメンバーがボン・イヴェールの影響で生楽器とシンセの融合を試みたという「What You're Doing」あたりかな。でもどの曲もすべていいです。


9位Remind Me TomorrowSharon Van Etten Jagujaguwar)

Remind Me Tomorrow

シャロン・ヴァン・エッテンというニュージャージー生まれでNYを中心に活動するシンガーソングライターのことを知ったのは、前作の『Are We There』(2014)を、僕が信頼する洋楽友達の圭さんから「シャロン・ヴァン・エッテン、なかなかいいですよ。阿多さん好きかも」と言われて聴いてみたのが確か初めだった気がする。走る車のドアを開けて風に髪の毛をなびかせているシャロンのモノクロの写真が印象的なジャケのイメージ通り、ロードムーヴィーのサントラ盤を思わせるような、広がりのあるサウンドをバックにインディー・フォーク的な感じの楽曲を、「シュッとした」感じのシャロンのボーカルが歌っているそのアルバムはしばらく自分の愛聴盤になった。フォーキッシュなんだけど、すごくインディーっぽい。インディーっぽいんだけど、かなり意識していると思われるほどにコーラスワーク(おそらくは自分の声を重ねてると思う)を多用して、決してペナペナではないサウンドを作り上げてる、そのゴージャス感が、結構気に入っていた。当時ピッチフォークとか、意識高い系の音楽メディアからは結構高い評価を取っていたと思う。残念ながらリリース後結構経ってから聴いたので、2014年の自分の年間アルバムランキングには入れられなかったんだけど、もし2014年に聴いてたら結構上位にランクしてたと思う。

そのシャロンが、全編新しい楽曲を取りそろえてリリースしたのが、この『Remind Me Tomorrow』。前作との間に出たEPI Don't Want To Let You Down』(2015)は基本的に『Are We There』のアウトテイクを集めたものだったというから、全編新作という意味ではこのアルバムを聴かねばなるまい、ということでリリースされてすぐ買って聴いた。

まずアルバム冒頭の「I Told You Everything」のピアノのサウンドの清冽さにやられた。『Are We There』もサウンドの清冽さ、という意味ではかなりのものがあったけど、これはちょっとレベルが違うかも、と思わせるものがあったからだ。でもこのアルバムはそれだけじゃなかった。その「I Told You Everything」もピアノ以外は音響派的なシンセとか、打込みを大変上手に使ってベック的なコンテンポラリー感を演出しながら、楽曲の叙情性はむしろ高いものを実現してるのだ。それ以外にもこのアルバム、前作で見られたインディー・フォーク的なアプローチとコーラスをうまく使って楽曲を構成しているというアプローチは基本変わってないのだけど、今回はエレクトロな要素や、ギターノイズを心地よく使ったような、サウンド面での進化が著しいのが大きな変化だと思った。「No One's Easy To Love」のシンセや打込みの使い方なんて、Odelay』の頃のベックを彷彿とさせて興奮するし、もともとはピアノ・バラードとして書かれたという「Comeback Kid」なんて、ドカスカドラムをバックにシャロンがロックンロール・クイーン然とした凄みを見せるトラックに仕上がってて、シャロン的には新境地を切り開いてるのがいい。ルシンダ・ウィリアムスを意識して書いたという「Seventeen」も、バックのギターエフェクトとシャロンの時折シャウトするボーカルがルシンダというよりもニコとヴェルヴェット・アンダーグラウンド的なNYアンダーグラウンドな感じを醸し出しているのだけど、楽曲のシャロンらしい清冽さはこれまでとちょっと違う形ながらちゃんと実現してるのがぐいぐいくるんですよね。

結構90年代のインディーロックやベックあたりの音像音響派的オルタナロックの意匠をそこここに偲ばせながら、最近のボン・イヴェールとかジェイムス・ブレイクとかに通じる感じも根底の部分にあって、2010年代の今の作品アプローチとしてはこういうアプローチが有効なんだ、ということを実感させてくれるそんな不思議なアルバム。シャロンも当分目が離せない存在ですね。


8位:『Youre The ManMarvin GayeTamla/Motown/Universal)

Youre the Man

いえいえ、これはね、リイシュー盤じゃないですよ。厳然としたマーヴィン・ゲイの未発表曲を集めた「新譜」なんです。ただ普通の「新譜」と違うのは、この音源は全て彼があの名作『What's Going On』(1971)の後、創作的にも一番盛り上がってて、脂も乗っていた時期に録音されたもので、当時リリースも予定されてたのだけど、シングルリリースしたタイトル・ナンバーの「You're The Man」(1972年最高位50位)の受けがよくなかったので、マーヴィン自身がお蔵入りにしてしまった、という因縁付きのアルバムだということ。

で、改めてこのアルバム聴いて思うのは「マーヴィンはどうしてこれをお蔵入りにしたんだろう?」ということ。シングルの受けが悪かったからって言ったって、自分の作品に自信があれば『What's Going On』の大ヒットの後だし出しゃあいいのに、と思うんだけど、そう思っちゃうほど、このアルバムの出来は素晴らしいの一語。「You're The Man」の「トラブル・マン」的なグルーヴも素晴らしいけど、いきなり正統派ソウルシンガー然として熱唱する「Piece Of Clay」なんてほれぼれするし、かのG.C. キャメロンもカバーした、バックコーラスとの掛け合いも楽しい「I'm Gonna Give You Respect」なんてホントライヴで聴きたいなあ、と思うくらいウキウキする出来。そしてこのアルバムのハイライトの一つである、サラーム・レミがリミックスした「My Last Chance」「Symphony」「I'd Give My Life For You」なんていずれもマーヴィンのオリジナルのボーカルを最大限美しく聴かせることに徹していて素晴らしい。My Last Chance」のマーヴィンのボーカルなんて、リトル・アンソニー&インペリアルズあたりの正統派ドゥーワップを根底においたR&Bボーカルの素晴らしいパフォーマンスで、ここでのマーヴィンのとろけるようなボーカルだけでもこのアルバムの価値はあるなあ。

とにもかくにも、もう同時代性を経験できないマーヴィンという偉大なR&Bシンガーの素晴らしいパフォーマンスを、50年近い時を超えて今回アルバムリリースにつなげてくれた関係者の皆さんの尽力に、一ソウルファンとして心より感謝する、それしか言葉はありません。ありがとう!


さて、My Best Album of 2019の第一弾はここまで。7位から上も明日以降アップしますのでお楽しみに。

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【今週の全米No.1アルバム事情 #7 - 2019/12/14付】

今週末のBillboard 200チャートの1位の予想、今度はうまいこと的中しました。やはり強力なリリースがやや少なかった今週は、映画の興行成績の方も順調に上積みを続けている『Frozen II(アナと雪の女王2)』のサントラが先週3位から1位にアップ、今年わずか2枚目の「初登場で1位にならなかったアルバム」というステイタスを達成してます(もう1枚は1/19付で2→1位となった、ア・ブギー・ウィット・ダ・フディーの『Hoodie SZN』)。

Frozen 2

『アナ雪2』サントラは、先週予想したとおり、先週の79,000EAUs(実売43,000枚)とほとんど変わらず今週は80,000AEUs(実売37,000枚)で他のアルバムが売上を落とす中、1位をゲット。これっておそらく映画を見に行った家族が帰りとか家に戻ってからサントラ盤を買ってる、という消費行動がそのままポイント、実売数に反映してる気がしますね。今回の映画は前回とコア・キャストは同じでほとんどの楽曲はイディナ・メンゼルら出演者たちがパフォーマンスしているわけですが、サントラにはエンドロール・クレジットで流れると思われる、パニック!アット・ザ・ディスコ、ケイシー・マスグレイヴそしてウィーザーによる、劇中曲のカバーも収録されていてこのあたりもステディな売上に寄与してるのかも。

11/22(金)に公開されて最初の週末でいきなり13,000万ドルの興行成績をあげて、最初の週が18,800万ドル、2週目が9,460万ドルと徐々に下げては来ているものの、昨日までの週末までの累計が既に33,700万ドルに。全世界では既に9億ドルを超える興行成績で、既に2019年の興行成績ランキング8位にランクされてるというからまあサントラも売れるというわけですね。このサントラからは、Hot 100の方にも先週末のチャートにイディナ・メンゼル(雪の女王エルサの声)&オーロラの「Into The Unknown」(55位初登場)、パニック!アット・ザ・ディスコのバージョンの「Into The Unknown」(98位初登場)、そしてイディナ・メンゼル&イヴァン・レイチェル・ウッド(エルサとアナの母、イドゥナの声)の「Show Yourself」(99位初登場)の3曲がランクインしています。

Fabolous Summertime shootout 3

一方今週のその他のトップ10内初登場ですが、7位に先週ちらっと名前を出したファボラスの5年ぶりになる新作『Summertime Shootout 3: Coldest Summer Ever』が44,000EAUs(実売6,000枚)で初登場してます。何で冬のリリースなのに「寒い夏」なんだかは不明です(笑)。ファボラスも頻繁にチャートを賑わしていた2000年代が終わって以降、鳴かず飛ばずで、2010年代はやっとこのアルバムが2枚目のチャートイン、前々作の『The Young OG Project』は最高位12位で、前作の「Summertime Shootout 2: The Level Up」に至ってはアルバムチャートインせずという状態だったので、今回のトップ10復帰は本人に取っては朗報でしょう。ただ音を聴く限りはそこらによくあるトラップ路線なので、シングルヒットは厳しいでしょうけどね。

Michael Buble Christmas

初登場以外で今週トップ10に入ってきたのは3枚あっていずれも季節がらクリスマス・アルバム。まずは17→6位のマイケル・ブブレ『Christmas』。2011年リリースでリリース当時は51位と大いに売れたこのアルバムももはやクラシックの域に入りつつあるようで今週トップ10に復活。先日ビルボード誌が発表した2010年代のアルバムランキングでも24位にランキングされてるくらいのベストセラー・アルバムになってます。僕も実は持ってて、この時期には重宝してます(笑)。2枚目はペンタトニックスの『The Best Of Pentatonix Christmas』が18→8位に上昇。これは今年リリースで、過去の彼らのクリスマスアルバムのベスト盤という、正しくショッピング仕様のアルバム。彼らのアカペラはクリスマス気分満点ですからね。

そして3枚目はこちらも定番アルバム、マライアの『Merry Christmas』が21→9位とえらい勢いでトップ10復帰。毎度お馴染みのクリスマスソング「All I Want For Christmas Is You」もHot 1008回目の再登場で12/7付では18位に急上昇中。昨年は3位まで行ってますから、今年も今週末のHot 100あたりでトップ10入りは固いんでしょうねえ。

Best Of Pentatonix Christmas

さて来週の1位ですが、12/6-12リリース予定のアルバムの目玉は何といってもカミラ・カベロの大ヒット「Senorita」を収録した新作『Romance』なのでこれが最右翼で、これに対抗するのはフレンチ・モンタナの『Montana』、本来デビューアルバムとしてリリースされるはずだったという故XXXテンタシオンの『Bad Vibes Forever』あたりかな。ではまた来週。

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