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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
■My Best Album of 2008 - #5 & #6
皆さん、あけましておめでとうございます。いよいよ2009年が明けましたが、東京のここ数日は暖かい日が続いていることもあり、何だかあまり正月という感じがしないのは私だけ?すでに2009/1/9付チャートも発表されてるんですが、取りあえず新年一発目は去年のMyアルバムトップ10のカウントダウンを引き続きご紹介するということで。

My Top 10 Albums of 2008
#6: We Started Nothing - The Ting Tings (Columbia)

TingTings-WeStartedNothing2.jpgこの年になってこんなに楽しく聴けるアルバムが出てくるとは思わなかったね。このアルバムを聴いてすぐに頭に浮かんだのは、自分が大学に入って東京に来て、貸しレコード屋でバイトし始めて間もない頃の約30年前(!)。当時はUKに端を発したニューウェイヴが盛り上がっていた時期と、ちょうどトーキング・ヘッズがあの名盤「Remain In Light」(1980)を出して、ロックが全く異なる色彩を帯び始めていた頃がちょうど交錯していた頃。加えて、そのヘッズのメンバーのティナ・ウェイマス(ベース)とクリス・フラTingTings-WeStartedNothing.jpgンツ(ドラムス)が結成したトム・トム・クラブが衝撃のデビュー作「おしゃべり魔女(Tom Tom Club)」(1981)をリリース、かのヘッズの名作同様、ロックとエスニック・リズムとの衝撃的な融合を完璧なエズゼキューションで見せつけてくれたあの時期だ。ああいう衝撃はもうそうそう巡り会えないもんだと思っていただけに、このティン・ティンズのデビュー・アルバムを聴いた時は正に「Remain In Light」とトム・トム・クラブと出会ったときと同じような気持ちのいいインパクトを感じたものだ。

ティン・ティンズはここ最近20年くらいはいろんな新しい音楽の発信源として名をはせてきたマンTalkingHeads-RemainInLight.jpgチェスター出身の、ケイティー・ホワイト(ギター&ボーカル)とジュールス・ディマルティーノ(ドラムス)の二人組で、ある意味あのホワイト・ストライプスとメンバー構成は同じでありながら、まったく正反対のアプローチからとてもエギゾティックでポップな音楽を実現しているデュオだ。彼らの魅力を感じるのは簡単で、取りあえずアルバム冒頭の「Great DJ」を聴けばよい。特に80年代初頭のニューウェイヴポップ、特に上述のヘッズ系の作品を経過した向きにとって、この曲のサビ部分(そう、あのサントリーのTVCMに使われたあの曲です)は理屈抜きで体は動くし(♪アン・ア・ア・ア・ア・ア・ア・アン♪)、頭の中でドーパミンが飛び出てしまう気持ち良さなのだ。同様のことはUKNo.1となった「That's Not My Name」そして全米でもヒットとなった「Shut Up And Let Me Go」でも言えるが、サウンドのキッチュさといい、ダンスミュージックのスタイルを取りながら実はかなりロック的なグルーヴをとてもミニマルな手法で聴かせているところには非凡なものがあるし、こういう尖っていながら無茶苦茶ポップな音楽をやる連中が新人バンドとして何の苦もなく飛び出してきてしまうUKの今のミュージック・シーンは上記の70年代後半、80年代前半以来久々にとても健全な状態にあるんだなあ、と思ってしまうのだ。この二人、今年は来日も果たし、立派にサマソニでもその雄姿をファンの前で披露して大いに喝采を浴びて帰ったらしい。こういう感じのバンドは実は日本で出てきて全然不思議では無いだけに、ここ数年のJポップブームが、単純なポップ寄りに流れてしまって新たな尖った人材の輩出機能を失っていないことを望むばかりだ。

まあ、とはいえ、そういう小難しい御託は別にして、このレコードは理屈抜きで楽しむべきものだし、特にこれまでいろんな音楽を聴いてきた人たちには特に偏見なしに聴いてほしい、そんなアルバムだ。取り合えずロック好きの仲間が集まる新年パーティのBGMにはもってこいのレコードだと思うんだけどどうだろうか。

My Top 10 Albums of 2008
#5: Cardinology - Ryan Adams & The Cardinals (Lost Highway)

RyanAdams-Cardinology.jpgライアン・アダムスという男はここ数年僕の信頼を堅く守ってきたミュージシャンだ。2001年の「Gold」といい、2005年の「Cold Roses」といい、いずれも彼のシンガーソングライターとしての、そしていわゆる「オルタナ・カントリーの旗手」としての彼の期待されているレベルを必ず達成して、きわめてクオリティの高い、そして聴く者の胸に響いてくる楽曲を常に作品として送り出してきたし、上記の二枚の作品はいずれもその年の僕の年間アルバムNo.1の地位を獲得してきた

今回のアルバム「Cardinology」は去年の「Easy Tiger」から1年をおかずに発表された。前作の「Easy Tiger」もかなり小品ながらかっちりタイトにまとめられた楽曲と演奏がライアンらしさを感じさせてくれた作品だっただけに、この短期間での作品リリースは期待と共にある種のとまどいももって受け止められていたといっていい。その結果リリースされたこの作品、「Go Easy」のように確かにライアンらしくひりりと迫ってくるトラックや、「Magick」のようにスケールの大きいロック色の強いトラックなど、彼らしい楽曲で満タンで、優れた作品に仕上がっている。ただ旧来からのライアン・ファンとしては、あの名盤「Gold」「Cold Roses」あたりとどうしても比べてしまうのは致し方ないところ。しかも今回はライアン&カーディナルズ名義でいわゆるバンドとしての完成度を期待されてしまうクレジットのアルバムとしては、楽曲の質の粒ぞろい度という点で残念ながらやや物足りない感が漂ってしまう。たとえば彼の凄さというのは、本当にツボにはまった楽曲でアルバムを固めてしまうと、スローでもアップでも、フォーク調でもロック調でも、ライアンの思いみたいなものがヒリリヒリリと痛いほど伝わってくるというところにある。今回このアルバムに僕が感じたのは、ちょうど8位のルシンダのアルバムに感じたと同じように、「このアルバムはかなりいい。年間トップ10に入るレベルはクリアしているけど、ルシンダ(ライアン)に求めるレベルに比べるとちょっと足りないよなあ」というものである。ルシンダの場合と同じコメントをここにも残そう。このアルバムが期待していたレベルを100%満たしていたら、年間5位じゃなくて、年間1位か2位になっていたと

それくらいこのアルバムの出来はすばらしいんだけど、ライアンにしては何かがもう少し、という感じが残るのが惜しい。彼の求めるバンド・サウンドをバックにしてのトルバドゥールを例えばアリーナ・ロックっぽい「Magick」で表現しようとしているのであれば、彼にしてはちょっと安直過ぎないか、と言わざるを得ないかなあ、という感じだ。でも一方で「Let Us Down Easy」みたいに本当にダウン・トゥ・アースながら、彼の思いがまっすぐ伝わってくるトラックを聴くと「ああ、やっぱりライアンのファンでよかった」「今回も彼を信じてアルバム買って良かった」と思えてしまうのがファンの弱さだ。いずれにしても過去の名盤と比べるとどちらかというとバンド寄り(カーディナルズを率いているので当たり前だが)のこのアルバム、一般的な洋楽ファンが、今アメリカで一番信頼できるルーツ・ロック系のサウンドを聴きたい、といった場合に文句なく推薦できるレベルは軽くクリアしている。ただ僕が言いたいのは、ライアンはこんなもんじゃない、このラインを前作の「Easy Tiger」同様今後彼が追っていくのであれば、次作にはかなり期待できる作品が待っているに違いない、ということだ。Let's Stay Tuned.
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コメント
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しろいぬてりあさんこんにちは。もちろん覚えていますよ。コメントどうもありがとうございます。また、いつも大変楽しい年賀状、嫁さん共々楽しませて頂いてます。ティンティンズお好きとはお目が高い!今後ともどうかご笑覧下さい。

嫁からもよろしく!とのことでした。ではでは。
2009/01/07 (水) 07:30:12 | URL | Boonzzy #79D/WHSg[ 編集 ]
No title
はじめまして。じゃなくてご無沙汰しています。
奥さんの友人のしろいぬてりあと申します。
年賀状にブログアドレスがありましたので、
早速拝見・コメントしています。

15年程前、ジャマイカへの新婚旅行の途中に、
NYの新居にお邪魔したものですが、
覚えておいででしょうか?
その節は、ほんとうにありがとうございました。

キャロルキングのコンサート、行かれたんですね。
非常にうらやましいです。
ティンティンズもかなり好きです。
ということで、これからも時々お邪魔・読み逃げさせていただきます。
奥さんによろしくお伝えください。
2009/01/06 (火) 00:05:10 | URL | しろいぬてりあ #79D/WHSg[ 編集 ]
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