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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
■2008年My Best Albums - #9 & #10
いやあ皆さんただいま。というわけで2週間強のロンドン出張から22日に帰ってきました。翌23日は天皇誕生日祝日ということで、久々の我が家で掃除とクリスマス・カード作成+発送で一日が終わり、時差ぼけもどこへやら、と言う感じ。どうも日本に帰ってくる方がアジャストしやすいみたいでね。残念ながら滞在中、時間があるようで結構野暮用でつぶれて、結局ライブもミュージカルも見れずじまい。まあ、アデルは見たかったけど到着当日だし、後はロンドン北部のカムデンにあるJazz Cafeという老舗のライブハウスで、最後の週にアンジー・ストーンがやってたのでこれは行きたかったんだけど、結局うまく予定が合わずにだめ。ミュージカルも、『サウンド・オブ・ミュージック』の何回目か判らないリメイクや、『ビリー・エリオット』とかにも食指が動いたんですけどね。まあまた来年の楽しみということで。

JeffBuckley.jpgで、やっぱり予想通りアレクサンドラ・バークの「Hallelujah」、UKチャートの1位を見事獲得してましたねえ(チャートはここでご覧下さい)。それだけでなく、これも噂通り、故ジェフ・バックリーの同じ曲「Hallelujah」が先週30位→2位に急上昇、何と全く同一曲がワンツーフィニッシュという、UKチャート史上1957年1月以来ほぼ半世紀ぶりの快が成し遂げられたのです。前回は、アメリカでも大ヒットしたガイ・ミッチェルの「Singing The Blues」とこれをカバーしたイギリスのトミー・スティールのバージョンが、3週間にわたって1位と2位を交互に取るというバトルを演じたとのこと。

今週の『X-Factor』現象はこれにとどまらず、『X-Factorのファイナルでアレクサンドラビヨンセとパワー・デュエットした、ビヨンセの「Listen」までもが(これダウンロードオンリーでしょうが)8位に初登場するというフィーバー振り。nakamakan君が指摘してくれたGeraldineの「Once Upon A Christmas Song」も好調で5位に初登場するということで、クリスマス・ウィークのUKチャート、とても賑やかなチャートになりました。

ところで全米の方は12/27付のチャートが発表されたんだけど、3位にブリトニーの『Circus』、19位にエイコンの『Beautiful』(スヌープのカバーではない)が初登場という派手さは一部にあるのだけど、それ以外は極めて静かなチャート。ということで、以前にお約束した、今年のMyベストアルバム・トップ10のカウントダウンでもそろそろ始めようかと思います。ところで今日毎年恒例の『ミュージック・マガジン』誌の年末号を購入。ここ5年ほどはMusicMagazin200812.jpg毎年12月はこの号を買ってるんだけど、お目当ては同誌に寄稿する評論家達が選ぶその年のベスト・アルバム・ランキング。とても玄人系の雑誌だけに、かなりコアな人たちが毎年ランキングを飾り、結構いろいろ聴いてるつもりの僕でも、知らないアーティストのアルバムが上位にランクされてたりして勉強になるのと、審査に参加した評論家達が、自分の趣味趣味のトップ10を披露していて、いつも自分のトップ10と重なってる人はいないか、なーんて探すのが結構楽しかったりするのです。で、今日帰りの電車の中でいつものように読みふけっていたところ、自分がトップ10に選んだアルバムが3枚ほど取り上げられていて結構うれしかったりして(『ミュージック・マガジン』のランキングは、「ロック(アメリカ/カナダ)」「ロック(イギリス)」「R&B/ソウル/ブルース」「ハウス/テクノ/ブレイクビーツ」「ワールド・ミュージック」「ラップ/ヒップホップ」「ロック(ヨーロッパ)」と細かく分かれていてそれぞれにトップ10ないしはトップ5を選んでいるのである意味ずるいといえばずるいよね~)。あと気になるのは自分が1位に選んだアルバムを選んでいる評論家がいるかどうかだけど...いやあいました。何とあのピーター・バラカン先生が僕の1位をトップ10に選んでましたよ。え?それって何かって?それはそれ、これからのカウントダウンのお楽しみということで。では10位から。

My Top 10 Albums of 2008
#10: Harps And Angels - Randy Newman (Nonesuch)

RandyNewman_Harps&Angels.jpg今回いきなり『ミュージック・マガジン』の年末号を開いて、このアルバムが「ロック(アメリカ/カナダ)」部門の堂々第1位になっているのを見て一瞬ビックリした。でもよく考えると、この雑誌のこの部門の選者の顔ぶれ(萩原健太×渡辺亨×高橋修)は結構ブライアン・ウィルソンとかヴァン・ダイク・パークスとかいったああいういわゆるバーバンク系の信奉者なので、今回のランディ・ニューマンの新作に反応してもおかしくないな、と思った次第。それくらいこのアルバム、これまでのランディの作品に比しても叙情的な音像を彷彿させるようなサウンドメイキングが際立っていて、とてもヴィジュアルなアルバムで、とても「バーバンクっぽい音像のアルバム」といっていいと思う。

もちろん、相変わらずランディの真骨頂である諧謔性や風刺性は絶好調で、「A Few Words In Defense Of Our Country」なんてレイドバック・カントリー調のサウンドに乗せて、「今のアメリカの指導者は最低だけど、まあ史上最低ってわけでもない/ほら昔にはもっとひどい奴らがいただろ/シーザーとか妹と寝たりとか/ヒットラーとかスターリンとか/ベルギーのレオポルド王なんてアフリカのコンゴを占領して/ダイヤや金銀を搾取して何を残したと思う?/マラリアさ/あっ、あんまりいい例じゃなかったか」なーんて調子でうそぶいてるんだからケッサクなオヤジというしかない。でもこういった歌詞が、この曲だけでなく、素晴らしい華麗なオーケストレーションも交えたまるで美しい映画のサントラのようなサウンドで綴られるのだからたまらない。

まあランディ・ニューマンといえば、80年代までは全米最高位2位を記録した大ヒット「ショート・ピープル」(これも「ちびの奴らは生きる理由がない」なんて歌ったもんだから放送禁止をくらって、それがなければ間違いなく全米1位だったんだろうけど)収録の『小さな犯罪者』(1978)とか、思いっきし自虐的なL.A.賛歌の『トラブル・イン・パラダイス』(1983)を始めとしたメインストリームのポップ・アルバムを出してたんだけど、その後は父親の路線を嗣いだのか、「トイ・ストーリー」(1995)「バグズ・ライフ」(1998)「モンスターズ・インク」(2001)など、ディズニー・アニメ系を中心にクオリティの高い楽曲を提供する映画音楽家としての活動に専念していた(彼の父親アルフレッドは「慕情」「王様と私」などで9回もアカデミー賞を受賞している有名な映画音楽作家。ランディも「モンスターズ・インク」で念願のアカデミー受賞を果たしている)。その彼が実に5年振りに出したこの新作だから、80年代の彼の作品になかった映画的な音像が研ぎ澄まされたようなサウンドになっていて何ら不思議はない。

一般的にはブッシュ批判のポップアルバム、なんていう紹介のされ方もしているが、このアルバムはそれだけではない。歌詞の内容が判らなくとも、バーバンクサウンドを始めとしたゆったりとした上質のアメリカン・ミュージック~ジャズ、ラグタイム、スイング、そしてメインストリーム・ポップなど~を楽しめる向きであれば一時のとてもリラックスした体験ができる。僕の場合名前を知ってるのとジャケ買い(タキシードを着たランディがトタン張りの倉庫の前にオートバイが並んでる前でしかつめらしくオルガンを弾いているの図)で買ったのだが、最初の3曲を聴いて思わずのめりこんだ。そして4曲目がくだんの「A Few Words In Defense~」なんだから。参ったよオヤジ。



My Top 10 Albums of 2008
#9:Með Suð Í Eyrum Við Spilum Endalaust - Sigur Rós (EMI)

SigurRos_Zankyo.jpgアイスランド出身のポスト・ロック・バンド3人組の5作目オリジナル・アルバム。といっても普通にポップ・ソングやチャート・ソングを追いかけている人には「シガー・ロスって何者?」という感じかもしれない。そもそもアイスランド出身というとあのビョークくらいしかいないし、一般のポップ・ファンは少なからず「胡散臭い」印象を持っているだろうから。でもそういう先入観を押し入れに入れて、素直にこいつらの作る音に向かって見ると、これが驚くほどビジュアルで想像力を掻き立てるような壮大さとメロディアスな音楽性で、ちょっと変わったサウンドトラック・ミュージック的な楽しみかたもできるようなそんな広がりのある音を作る奴らなのだ。

メジャーデビュー作の『Von(希望)』(1997)がそういう感じでかなり新鮮で衝撃的だったのだが、その後『()』(2002)、『Takk...(ありがとう)』(2005)と続いた作品がいずれも何だかちょっとこねくり回しすぎたり、必要以上に暗い音像にこだわりすぎたり、あのさわやかなメロディアスさを失っていたりと、期待して買った僕なんかを結構失望させたものだった。で、今回のこのアルバム(どう発音していいんだかさっぱり判らないタイトルだけど、ありがたいことに日本のレコード会社は『残響』といういかにも風情のある邦題をつけてくれている)、実はあまり期待せずに買ったのだけど、ジャケが全裸の少年達が気持ちよさそうに大草原を走り回っている、というもので、ちょっと期待をしていなかったというと嘘になるかもしれない。

で、一曲目の「Gobbledigook」を聴くと、これがまた久々に抜けた感じの、いかにもノルディックという感じも漂わせる楽しい明るい曲。これに限らず、今回のアルバム収録の曲はいずれもアップビートでこれまでの暗いアイスランドの空を思わせるような音はどこに行った?と言う感じの楽曲が並んでいる。そしてこいつらの音もとてもビジュアルなのだ。一番絶好調の頃のベックや昔の出来のいいプログレがそうだったように、彼らのこのアルバムのサウンドもどこか懐かしい、それでいて「今」を意識したイメージを膨らませてくれるそんなイメージを惹起してくれるサウンドだ。それはもはや「ちょっと変わった」ではなく、「かなり出来のいい」「聴いているとアルファ波を発生してくれるような」サウンドトラック的な感じもある。中盤の「Ára Bátur」なんて、壮大なスペクタクル映画のサントラを聴いてるような感じすら受ける。

いずれにしても前のアルバムのジャケからすると今回のアルバムはジャケだけでも彼らの意気込みが知れるというものだ。何せ『Von』なんて奇形胎児みたいなジャケだし、『()』は単にアルバムに()の形の切り込みが入っているだけ(笑)、『Takk...』は何やら寒ーーいアイスランドの冬を思わせるような枯れ木の林の絵、といった感じだったし。そういうこともあってシガー・ロスはとかく前衛的で、先進的で...云々云々といったイメージが一部で持たれていたような気がするが、そんなことはなく、彼らの真骨頂はいかにビジュアルな音像に乗せて美しいメロディとクオリティの高いサウンドを表現するか、というところにあると思ってる。そして今回は彼らはそれをより高いレベルで、そして美しいジャケも合わせて実現してくれた。僕はこの夏、このシガー・ロスのアルバムが結構お気に入りでかなりのパワープレイで車でも鳴らしていたが、きっと家族はそんなバンドの音だなんて意識は全くなかったに違いないなあ。


最初の2発目、いかがでしたか。ちなみにランディ・ニューマンは本文でも触れたとおり『ミュージック・マガジン』の「ロック(アメリカ/カナダ)」部門の1位、シガー・ロスの『残響』は「ロック(ヨーロッパ)」部門の1位をそれぞれ獲得してました。だから偉いということではなく、つまりやっぱりいい音楽はいいし、評価する人はしかるべき評価をしてくれてるということですねえ。ではまたこの続きをお楽しみに。
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