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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
第57回グラミー賞まとめ〜アホカニエ、ブラック主張、予想結果など〜
 今年のグラミー賞はショー自体も、そして受賞結果内容についても当日授賞式を見ていて感動するものが多かったけど、その後の報道やもう一度録画を見返して、次の3つの点に触れておかねば、と思ってまとめブログをアップします。(ちなみに自分はグラミーの翌日から体調を崩して、病院に行ったところ何とインフル陽性反応が出てしまい、今自宅で隔離状態。これもいろんなインパクトのあった今回のグラミーのなせるわざか、ってそんなわけないだろ)


1.The Jackass Kanye Did It Again!(またヤラカシてしまったアホカニエ)

KanyeStormingBeck.jpegすでに各所で報道されてるけど、最優秀アルバム賞発表でプリンスベックの「Morning Phase」の受賞を発表すると同時に、驚いた様子でステージに上がったベックを追うようにして、カニエがステージに上がろうとして、寸前で「うそうそ」とでもいうような仕草をしながら席に戻った。皆さんよくご存知のように、カニエは2009年のMTVビデオ・ミュージック・アウォーズの授賞式で、テイラー・スイフトビヨンセを押さえて最優秀女性ビデオ部門を受賞してステージでスピーチしている最中にステージに乱入して「ビヨンセのビデオの方が最高や!」と叫んで大いに顰蹙を買い、かのオバマ大統領すらこの行為について「アホやん(Jackass)」と評したという前科がある。今回寸前で席に戻ったことで、これでやめておけば「なかなか自分をネタにしてひょうきんなことやるやん」とギャグで終わっていたはずなのだが、よくよくアホなカニエは、授賞式後のE!オンラインのインタビューで「ベックは他のアーティストの芸術的作品をリスペクトすべきだ。賞はビヨンセが取るべきで、ベックは賞をビヨンセに返すべき」などと大真面目でコメントしてしまった(この件に関してはビルボード誌このコラム参照)。

これに対し、既にガーベッジシャーリー・マンソンがまっさきに自身のFacebookページで「他人の芸術的作品をリスペクトしてないんは自分やないか!せっかく才能あるくせにあんなに成功してるのに謙虚なベックみたいなええアーティストにケチつけるとかいう駄々っ子みたいなダサい真似するのはいい加減にしとき!ビヨンセかて、アンタみたいなんに代弁して欲しいなんか絶対思てへんて!」と痛烈にコメント(記事はここ)。続いてカニエとは長年の友人で、大人しい感じ満点のジョン・レジェンドも明確にカニエの授賞式後の言動には賛同できない、ベックは才能あるミュージシャンで既に独自の作品世界を築いてきて自分自身も好きだしリスペクトしているから、ベックの受賞は意外ではあったけど不相応であったとは少しも思わない、とコメントしているくらい(記事はここ)。

彼がステージに駆け上がろうとして瞬間、当のビヨンセも「あかん、カニエ、あかんて!」と口走っていたとか。ホントにこのアホ、何とかして欲しい。

2.Clear Messages In Support Of Blacks Dignity(ブラック人権尊重についての明確なメッセージ性)

去年のグラミー賞授賞式の一つのテーマはLGBT、特に同性愛指向者に対する祝福とサポートだったと思う。授賞式の後半のマドンナのステージの際に場内で数十組の同性カップルの結婚セレモニーがライブで行われ、自らもレズをカミングアウトしているメアリー・ランバートマッケルモア&ライアン・ルイスとのコラボ曲である「Same Love」を歌う、というシーンが鮮明に残っている方も多いだろう。正直言って、最優秀ラップ・アルバムを含むラップ主要部門で本命視されていたケンドリック・ラマーの傑作『good kid, m.A.A.d city』を完全に押さえてマッケルモア&ライアン・ルイスが受賞してしまったのは、この「Same Love」でLGBT支持を明確に表明していたマッケルモアに、アカデミーメンバー(音楽や芸術関係者にはLGBTの方々は多いので)の票が集まったという面もあったのでは、と憶測していた。またそれが一つの決め手として今年のサム・スミス四冠もかなり可能性が高いという予想もしてたわけです(結局3冠だったけど)。

wwfw.png 今年はそれほど政治的なテーマはあまりないかな、と思っていたのだが、一番最後のセグメントにやはりショーの政治的テーマが込められていたようだ。そのセグメントのパフォーマンスは、ビヨンセが黒人男性20人ほどをバックに従え、かのマーティン・ルーサー・キング師の葬式でも歌われたマヘリア・ジャクソンのバージョンで有名な賛美歌「Take My Hand, Precious Lord」を熱唱し、その後、今年のアカデミー賞でも作品賞候補に上がっている、黒人公民権運動時代に当のキング師が先導した、アラバマ州セルマからモンゴメリーへの抗議行進を題材にした『Selma』の主題歌「Glory」をジョン・レジェンドと配役の一人でもあるコモンが、映画の映像をバックに歌い、ラップするという、明らかに黒人の尊厳を高らかに祝福する内容だった。パフォーマンス後、ビヨンセはこのセグメントを、なぜこの曲をやったかについては「黒人の仲間の苦しみについて歌いたかった。我々黒人たちの弱さと強さを表現したかった」と語り、バックの男性達は実はプロのダンサーとかではなく、それぞれ黒人であるがゆえに辛い思いをしたり、家庭内に問題を抱えている一般の黒人男性をオーディションして選んだ、と言っているのを知り「さすがビヨンセ」と思っていたものだった。このビデオはその背景とリハーサルの模様を収めたもの。見ると彼女が伝えたかったことが胸に迫ってくる。



しかし、それだけではなかったことを気づかせてくれたのは、音楽評論家の吉岡正晴さんのブログでの指摘だったこちらのブログを参照。吉岡さんありがとうございます)。既にUSのメディアでも同様の指摘がされ始めているとのことだが、ビヨPharrellHappyPerformance.jpg ンセのセグメントでは、ビヨンセを含めバックの男性達もさかんに「Hands Up, Don't Shoot」のポーズを繰り返しているというのだ。あの、セントルイス州ファーガソンで射殺されてしまった黒人少年、マイケル・ブラウンが警官に射殺された時に取っていたポーズで、その後全米にワイルドファイアのように、黒人射殺事件への抗議スローガンとして広まったフレーズだ。更に個人的にショックだったのは、その前のファレルの「Happy」のパフォーマンスの際、ファレルとダンサー達もこのポーズを取っているとの指摘。うーんこれは完全に見逃してしまってました。再度映像を見ると、曲の歌詞の最初の部分をモノローグ風に4ヶ国語で語った後に楽曲に入る際、曲がマイナー調でスタートしたと同時に、出てきたバックダンサー達は黒ずくめの男性達がフーディー姿で正にマイケル・ブラウン事件を思わせるものだった。そして途中でピアニストのランランのピアノがブレイク・インするところでファレルとバックダンサー達が確かに「Hands Up, Don't Shoot」のポーズを取っている!これ以外にも、このファレルのパフォーマンスに先立ってアルバム部門発表の際、プリンスが「Like books and black lives matter, the albums still matter(本や黒人たちの命と同じように、アルバムもまだ大事なんだ)」とさり気なくコメントするなど、メッセージは一貫して通してあったのに、ショーの表面しか見ずにいた自分が残念。この「Black Lives Matter」というキーフレーズはツイッターのハッシュタグにも既になってるらしい。

つまりはファレルビヨンセも、そしてジョン・レジェンドコモンも、パフォーマンスを通してファーガソンの事件、NYでの黒人少年射殺警官不起訴事件に対する無言の抗議と、黒人人権の尊重と、「Happy」「Take My Hand, Precious Lord」の2曲のメッセージを通じて憎しみ合うことを止めてしっかり繋がろう、というメッセージを伝えていたのだ。何と深かったのか、今年のグラミー。

3.Why Rap Awards Did Not Get On Air?(ラップ部門の発表が放送されなかったのはなぜ?)

一方残念だったのは、今年は昨年の鬱憤を晴らすかのように、最優秀ラップ・ソロ・パフォーマンス部門最優秀ラップ・アルバム部門の2部門を「i」で獲得したケンドリック・ラマーだが、去年はマッケルモア&ライアン・ルイスの受賞が放送で伝えられていたのに、今年は放送時間前に受賞発表があり、本番ではラップ部門は全くカバーされなかったこと。当日帰宅したヒップホップ・ファンのうちの息子に「ケンドリック・ラマー取ったよ!」というと、「おお、見せて見せて」と言われ「いや、放送ではやんなかった」というとガックリしていた。ラップ・ファンに取っては無理もない反応だ。実はあのテイラー・スイフトが熱烈なケンドリック・ラマー・ファンだというのは結構有名な話だが、彼女はケンドリック・ラマーの受賞に「思わず涙した」とのこと。それだけ業界からもリスペクトされているのに放送しないって?(下の動画の中でテイラーケンドリック・ラマーの「Backseat Freestyle」に合わせて口パクしてる様子が出てくるが、これが結構イケてる)


今年は23本という過去最高のパフォーマンス・セグメントがあったというグラミー賞授賞式、時間の制限で真っ先に放送から削られてしまったのがラップ部門だったとすると、それでいいのか?という疑問が湧いてくる。アホのカニエでなくとも「ラップ関係者たちの作品、パフォーマンスをリスペクトしてないのか!」と言いたくなる人は決して少なくないと思うのだが。改めてパフォーマンスの数をもう少し絞って、本来ちゃんとみんなの前でその功績を称えてあげる、という時間を増やしたほうがよいのではないか、と改めて思った次第。この点、誰か何か言わないのか、と思っていたらちゃんとビルボードが論説コラムを出してました(コラムはここ)。ビルボード、気が合うねえ(笑)。


ということで今年のグラミー賞まとめ、いかがでしたか。もう一つのまとめとして僕の予想結果報告しなきゃいかんですね。今年は、本命◎的中19個、対抗◯的中4個、穴☓的中3個、完璧ハズレが7個ということで、予想を始めた2007年以降では2013年に並んで完璧ハズレ率が.212という、空振りが多い年でした。特にロック部門がほぼ全滅で、当たったのはロックアルバムのベックくらい。一方、本命的中率の.576は実は過去最高で、本命+対抗的中率の.697もまずまずの成績だったので、今年は当たりハズレの激しい年だったということのようです(笑)。グラミー賞は終わりましたが、引き続きブログはちょこちょこアップしていきますので今年もよろしくお願いします。では!





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