Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
恒例!第59回グラミー賞大予想 #8〜ミュージカル、ヴィジュアル・メディア、プロデューサー部門〜

さて既にFacebook等でアナウンスされてますが、何とラッキーなことに2/15(水)19:30から、新宿カブキラウンジで行われる音楽評論家の吉岡正晴先生のトークイベントに「グラミー賞詳細分析」というお題でゲスト参加させて頂くことになりました。いやあワクワクするなあ。僕が毎年グラミー賞の予想をしてるのを先生も見てくれてたんだなあ、と思うとこういう地道な努力も続けてなんぼだな、と思った次第。残りの部門の予想も頑張ります。何とかこの週末でメインの最終4部門までたどり着きたいものです。では、ミュージカル部門、メディア部門、そしてプロデューサー部門の予想、いっきに行きます。


Kinky_Boots_(musical_poster).jpg 



33.最優秀ミュージカル・シアター・アルバム部門(主なソロイスト/プロデューサー/楽曲作者に与えられる賞)

  Bright Star – Original Broadway Cast (Carmen Cusack / Jay Alix, Peter Asher & Una Jackman / Steve Martin & Edie Brickell)
× The Color Purple – New Broadway Cast (Danielle Brooks, Cynthia Erivo & Jennier Hudson / Stephen Bray, Van Dean, Frank Filipetti, Roy Furman, Joan Raffe, Scott Sanders & Jhett Tolentino / Stephen Bray, Brenda Russell & Allee Willis)
  Fiddler On The Roof – 2016 Broadway Cast (Danny Burstein / Luoise Gund, David Lai & Ted Sperling / Jerry Bock & Sheldon Harrick)
Kinky Boots – Original West End Cast (Killan Donnelly & Matt Henry / Sammy James, Jr., Cyndi Lauper, Stephen Oremus & Williams Wittman / Cyndi Lauper)
Waitress – Original Broadway Cast (Jessie Mueller / Neal Avron, Sara Bareilles & Nadia DiGiallnardo / Sara Bareilles)


Bright Star Color PurpleFiddler On The Roof 2016 Kinky Boots (Original WE Cast) Waitress.jpg 

去年のグラミーではもう圧倒的な強さで「Hamilton」が賞をかっさらっていったこの部門、ここ数年のミュージカル界の充実ぶりを反映して、毎年強力な作品がしのぎを削っていますが、今年もいずれ劣らぬ話題作がノミネートされました。

近年多いミュージシャンのブロードウェイ進出、最近では今年来日するスティングが曲作りとプロデュースを手掛けた『The Last Ship』が見事ポシャったりして(笑)ミュージカルも簡単ではないぞ、というのを感じさせてくれるわけですが一方で成功組としてはシンディ・ローパーの『Kinky Boots』。日本でも渋谷のスタジオ・オーブでの公演が好評らしいこの人気ミュージカルのロンドンはウェスト・エンドのキャストのバージョンが今回もノミネートされてます。実はこの作品、オリジナルのブロードウェイ・キャストのバージョンで既に2014年(第56回)にこの部門受賞済み、今回受賞すればブロードウェイとウェスト・エンドの両方での受賞制覇ということになります。

一方対抗するのは、あの女性シンガーソングライター、サラ・バレイエスが曲作りとプロデュースに参画、一昨年のグラミー(第57回)で見事この部門受賞したキャロル・キングのミュージカル『Beautiful』(おととしNYで見てきました!)で主演のキャロル役を演じて一躍名を馳せたジェシー・ミューラーが主役を張ってる『Waitress』(実はこのミュージカルには僕の友人の娘さんが出演しているのでちょっと思い入れあり)。大分悩んだんですが、今回キンキー・ブーツの人気を考えて本命◎はキンキー・ブーツ、対抗○に『Waitress』としました。

ノミニーにはもう一つミュージシャンが絡んでいる作品があり、それは『Bright Star』。元々NBCのコメディショウ『Saturday Night Live』で名を馳せたコメディアン、スティーヴ・マーティンは実はプロ顔負けのバンジョー・プレイヤーであり、グラミー賞も過去に受賞経験あり。その彼が嫁さんのエディ・ブリッケル(1988年にNew Bohemiansを率いて「What I Am」を全米7位のヒットにしている)とのコラボでのブルーグラスアルバム『Love Has Come For You』を下敷きにしたミュージカルです。プロデュースにあの大プロデューサーのピーター・アッシャーリンダ・ロンシュタットとの仕事が有名)が絡んでいてこの作品もなかなか侮れません。

でも今回の穴×は2007年(第49回)にノミネートされながら受賞できず、今回ブロードウェイでのリメイクでノミネートされたあのアリス・ウォーカー原作のアフリカン・アメリカンの歴史的ストーリーをミュージカルにした『The Color Purple』に。作詞作曲陣にマドンナとの「True Blue」などの仕事で知られるスティーヴン・ブレイ、ブレンダ・ラッセル、アリー・ウィリスEW&Fの「September」「Boogie Wonderland」の共作者)が参加している素晴らしい作品です。


34.ビジュアル・メディア向け最優秀コンピレーション・サウンドトラック部門(コンピレーション・プロデューサーに与えられる賞)

○ Amy - Various Artists (Salaam Remi & Mark Ronson)
◎ Miles Ahead - Miles Davis & Various Artists (Steve Berkowitz, Don Cheadle & Robert Glasper)
× Straight Outta Compton - Various Artists (O'Shea Jackson (Ice Cube) & Andre Young (Dr. Dre))
  Suicide Squad (Collector's Edition) - Various Artists (Mike Caren, Darren Higman & Kevin Weaver)
  Vinyl: The Essentials Season 1 - Various Artists (Stewart Lerman, Randall Poster & Kevin Weaver)

Amy OSTMiles Ahead OSTStraight OUtta Compton OSTSuicide Squad OSTVinyl Season 1 OST

今年のこの部門も話題作の映画のサントラが出そろいました。昨年は黒人公民権運動を象徴的に描いた映画『グローリー/明日への行進(Selma)』が大本命かと思われたこの部門、何とアルツハイマーで現在はナッシュヴィル郊外で余生を送るグレン・キャンベルの半生を描く映画『Glen Campbell: I'll Be Me』がかっさらって行って大いに驚いたものの大変うれしい受賞でした

で、今年の本命◎はやはりコメディ系俳優のドン・チードルが迫真の演技を見せ、自らもプロデュースに関わった、マイルス・デイヴィスの自伝映画『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス空白の5年間(Miles Ahead)』が順当でしょう。映画でマイルスを演じたドン・チードル自身、このアルバムの総合プロデュースを担当した、今のUSブラック・シーンの最重要人物の一人、ロバート・グラスパー共々サントラのプロデュースもやってます。またアルバムはマイルスの有名曲が多く収録されていますが、ロバグラドン・チードルも新曲を4曲書いています。

対抗○はこちらも世界中の音楽ファンの話題となった、故エイミー・ワインハウスのドキュメンタリー映画のサントラ盤。この映画は既に昨年のグラミー最優秀音楽フィルム部門を受賞してますから、今回受賞すると同じ映画で2度受賞ということになります。また彼女は亡くなった翌年のグラミートニー・ベネット御大とのデュエット「Body And Soul」で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門を受賞しているので、今回受賞すると没後3回目のグラミー受賞ということに。うーん本命対抗どちらも強力だなあ。

穴×については、トウェンティワン・パイロッツの「Heathens」(全米最高位2位)やリル・ウェインウィズ・カリファその他のポッセ・カット「Sucker For Pain」(同15位)などのチャートヒットを次々に生んだDCコミック映画『Suicide Squad』も考えたけど、ここはアカデミー賞最優秀オリジナル脚本賞にノミネートされるなど、映画としてより評価を多く集めた大物ギャングスタ・ラップ・グループ、NWAの1990年代の盛衰を描いたドキュメンタリー映画『Straight Outta Compton』に付けておこう。


35.ヴィジュアル/メディア向け最優秀スコア・サウンドトラック部門(スコア作曲者に贈られる賞)

  Bridge Of Spies - Thomas Newman
  Quentin Tarantino's The Hateful Eight - Ennio Morricone
◎ The Revenant - Alva Noto & Ryuichi Sakamoto
× Star Wars: The Force Awakens - John Williams
○ Stranger Things Volume 1 - Kylie Dixon & Michael Stein
  Stranger Things Volume 2 - Kylie Dixon & Michael Stein

Bridge Of Spies OSTHateful Eight OSTThe Revenant OSTStar Wars Force Awakens OSTStranger Things vol 1 OSTStranger things vol 2

むう。この部門今年は6作品ノミネートと通常の5作品ノミネートより一つ多い。これ自体は特に珍しくもないのだけど、その中でNetflix制作のオリジナルウェブTVドラマシリーズ「Stranger Things」のサントラが何と2枚もノミネートされているのが異常。この作品、突然失踪した少年の友人達が偶然出会った念力で物を動かす超能力を持った少女と少年を探す、というストーリーが核になったウィノナ・ライダーら主演のSFホラー・ドラマなのだが、その映像やストーリー等にスピルバーグジョン・カーペンター、スティーヴン・キングなどの80年代SFホラー映画の影響を強く感じさせることで、たちまちカルト的な人気を獲得した話題作品。そのサントラはSurviveというエレクトロ・バンドのカイリー・ディクソンマイケル・スタインが担当してるのですが、このサウンドがジャン・ミシェル・ジャール、タンジェリン・ドリーム、ヴァンゲリス、ジョルジオ・モロダー(映画『Midnight Express』あたりの)といった70年代後半~80年代のカルト的なシンセ・アーティスト達のサウンドのオマージュになっているあたりもいかにも「らしい」作品です。

しかし!今年のこの部門にはあのアレハンドロ・ニヒャリトゥ監督が昨年のアカデミーで見事最優秀監督賞、主演のディカプリオ主演男優賞を獲得した『レヴェナント:蘇りし者(The Revenant)』のスコア作曲者として、我らが坂本龍一さんがノミネートされてるのです坂本さんは1989年(第31回)、デヴィッド・バーンらとの共作スコアで、映画『The Last Emperor』でこの部門見事受賞してるので、今回2回目の受賞なるか?というのが我々日本人としては大きな関心事になります。去年渡辺謙さんがミュージカル『王様と私』で最優秀ミュージカル・シアター・アルバム部門でノミネートされながら涙を呑んでいるので、今年は是非坂本さんに取って欲しい!ということで期待もこめて本命◎、対抗○は上記のように不気味な存在の『Stranger Things Volume 1』に一応付けておきます。

穴×としては、本来であれば過去この部門10回受賞という圧倒的強さを誇り、坂本さんが1995年(第37回)に『Little Buddha』で2度目のノミネートの時に『Schindler's List』で賞を持って行ってしまった、巨匠ジョン・ウィリアムスの『スター・ウォーズ:フォースの覚醒』に。


36.ヴィジュアル・メディア向け最優秀ソング部門(作者に与えられる賞)

◎ Can't Stop The Feeling! (From "Trolls") - Justin Timberlake (Max Martin, Shellback & Justin Timberlake)
  Heathens (From "Suicide Squad") - twenty one pilots (Tyler Joseph)
  Just Like Fire (From "Alice Through The Looking Glass") - Pink (Oscar Holter, Max Martin, Pink & Shellback)
  Purple Lamborghini (From "Suicide Squad") - Skrillex & Rick Ross (Shamann Cooke, Sonny Moore & William Roberts)
○ Try Everything (From "Zootopia") - Shakira (Mikkel S. Eriksen, Sia Furler & Tor Erik Hermansen)
× The Veil (From "Snowden") - Peter Gabriel (Peter Gabriel)




去年から予想を始めたこの部門、去年は予想通り本命の『グローリー/明日への行進(Selma)』のコモンの曲「Glory」が受賞しました。今年は『Suicide Squad』からの2曲を含めて去年チャートで大ヒットした曲が4曲ずらりと並んでいますが、昨年もこの予想でコメントしたとおり、過去必ずしもヒット曲が受賞していないというこの部門の傾向からいって、まず『Suicide Squad』関係はアウトだろうと(映画のファンの方ごめんなさい)。

残る4曲の中で僕が本命◎に押すのは、ドリームワークス社制作の3Dアニメーション映画『Trolls』に使われた、ジャスティン・ティンバーレイクの「Can't Stop The Feeling!」。この曲、Hot 100でも初登場1位だっただけではなく、ジャスティン久しぶりの新曲で、楽曲の出来もなかなかいいので、今年のグラミーのポップ部門には少なくともノミネートされるだろうと思っていたのに、何と今回のノミネートはこの部門だけという冷たい仕打ち。もともとジャスティングラミーとは相性がいまいちなんですが、今回はせめてこの部門だけは取って欲しいということで本命。作者はジャスティンと、これまで数々のヒット曲を作・プロデュースしてる今年のプロデューサー部門ノミニー、マックス・マーティンシェルバックことカール・ジョハン・シュースター。

対抗○はこちらは作品自体もアカデミー賞最優秀アニメーテッド・フィーチャー・フィルム部門にノミネートされているディズニーの『Zootopia』でシャキーラが歌う主題歌「Try Everything」。この曲、昨年映画公開時になぜかかなりネット上で人気が広がり、一時期YouTubeでヴァイラル化したという曲なので、ひょっとして冷静に見ればこちらの方が本命かも、ということで挙げました。作者は今をときめくシンガーソングライター、シーア(・ファーラー)スターゲイトの二人(M.S.エリクセン&T.E.ハーマンセン)。

穴×はこれも結構不気味な存在で、かの元CIA職員で政府が国民のデータを盗んでいることをウィキリークスで暴露して亡命したエドワード・スノーデンを題材にしたオリヴァー・ストーン監督の映画『スノーデン(Snowden)』の主題歌を歌っているピーター・ゲイブリエルの「The Veil」に。


37.最優秀プロデューサー部門(クラシック以外)

  Benny Blanco
◎ Greg Kurstin
× Max Martin
○ Nineteen85 (Anthony Paul Jefferies)
  Ricky Reed

Benny BlancoGreg KurstinMax MartinNineteen85.jpgRicky Reed

この部門、ここ数年はその昔1996~98年の3年連続ベイビーフェイスが独占したりとか、リック・ルービンがノミネートされればほぼ必ず取ったりとか、何回ノミネートされても何故か取れないジャム&ルイスとか(笑)そういう最初から結果が見えてるレースではなく、よく言えば接戦、悪く言えば突き抜けた候補がなかなかいない、そんな状態になってます。去年も予想に迷って、ベテランの巨匠、ラリー・クラインに本命◎を付けたら、マーク・ロンソンの『Uptown Special』を手がけたジェフ・バスカーが持って行ってしまいました。

で、今年ですが、それぞれの代表作品を列記すると、

  • Benny Blanco - "Love Yourself" by Justin Bieber, "Cold Water" by Major Lazor f/ Justin Bieber & M0, etc.
  • Greg Kurstin - "Hello" by Adele, "Cheap Thrills" by Sia f/ Sean Paul, etc.
  • Max Martin - "Can't Stop The Feeling!" by Justin Timberlake, "Dangerous Woman" by Ariana Grande, "Send My Love (To Your New Lover)" by Adele, etc.
  • Nineteen85 - "Hotline Bling" by Drake, "One Dance" by Drake f/ Wiz Kid & Kyla, etc.
  • Ricky Reed - "No" "Me Too" by Meghan Trainor, etc.

ということでベニー・ブランコジャスティン・ビーバーを中心にしたエレクトロ/ポップ系、グレッグ・カースティンアデルの「Hello」とシーアの「Cheap Thrills」の2016年を代表する2大ヒットのいわば王道系、マックス・マーティンも前の項でコメントしたように数々のチャートヒット、Nineteen85ドレイク作品、そしてリッキー・リードメーガン・トレイナー作品、のそれぞれのプロデュースワークを評価されていることが分かります。

で、結論。本命◎はやはり今回のグラミーがアデルとビヨンセの一騎打ち、ということを踏まえると「Hello」をやってるグレッグ・カースティンしかないかな、と(ビヨンセの『Lemonade』は、本人以外のプロデューサーは一曲ごとに違うのでこの部門は無関係になっているというのも大きい)。対抗○はこちらも2016年のポップ・シーンも含めて席巻したドレイクのアルバムでの仕事を勘案してNineteen85に付けようと思いますが、この部門、ヒップホップのプロデューサーの受賞は2004年(46回)のネプチューンズが最後なんでどうかなあと(2014年第56回でファレルが取ってますが対象作品はいずれもR&Bメインストリーム作品でした)。穴×には2015年第57回で今回同様グレッグ・カースティンと激突して競り勝っているマックス・マーティンに。


さて後残すは主要4部門のみ。何とかこの週末にはアップできそうですのでお楽しみに。

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テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

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