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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
【年末恒例企画#2】My Top 10 Albums Of 2017 (完結編, 5-1位)

【年末恒例企画#2】My Top 10 Albums of 2017 (完結編, 5-1位)


何とかヤバかった仕事も年内最終日、昨日に決着できてホッとしていたら知らない間にあっという間に年末も押し詰まって明日は大晦日。ということでこの「My Top 10 Albums of 2017」も急いで完結させて、次の【年末恒例企画#3】グラミー予想に移りたいと思います。


5位『Truth Is A Beautiful Thing』London Grammar (Metal & Dust / Ministry Of Sound / Universal)


London Grammar 

告白すると、既に2013年にファーストアルバム『If You Wait』でUK・ヨーロッパやオーストラリアで人気を確立して、ビルボードのアルバムチャートにも登場していたこのノッティンガム出身の3人組のことは今年の夏まで、全くアンテナに引っかかってなくて。では何故彼らのアルバムが年間5位にランクされることになったのか。実は6月出張で渡米した際に寄ったLAで、以前から噂に聞いてた巨大レコード店、アメーバに立ち寄った時に当時リリースされたばかりだったこのアルバムが、新譜コーナーにデカデカと掲示されていて、そのジャケの美しさと神秘的なイメージに思わず目を奪われたのがこのグループとの最初の出会い。「ロンドングラマーってどんなグループ?」とそれ以来ずっと気になっていた。帰国してからYouTubeで曲を聴いたところ、そのスケールの大きい、ジャケ通りの神秘的でシアトリカルなイメージの、美しいハンナ嬢のボーカルが一発で気に入って購入に至ったというわけ。

どの楽曲も独得の浮遊感とアトモスフェリック(宇宙とかを連想するような空気感の)さを持ったサウンドと構成が何といっても魅力で、いろんなメディアとかを見ると、あの同じUKのフローレンス&ザ・マシーンに例えられていたり、聴く人によっては70年代のプログレを想起させるという方もあり、非常に多様な表情を持った楽曲を作り出すバンドという印象。そして何と言っても特徴的で最大な魅力は、大気圏を突き抜けて宇宙空間に達するのでは、と思わせてしまうハイノートから、ぐっと押さえたコントラルトのボーカルまで自由自在に聴かせてくれるハンナ・リードのボーカルですね。ある意味レトロといえばレトロなサウンドのバンドではあるのですが、最近はThe XXとか、ディスクロージャーとか、こういったタイプの音を聴かせるバンドも結構多いので、古臭い感は全くなく、逆に最近のマスプロのヒップホップっぽいポップのヒットとかに比べると新鮮。

残念なことにUSではまだブレイクまでには至っておらず、このアルバムもファーストよりもビルボード・アルバム・チャートでの最高位は低かった(129位)のが、あれだけLAのレコ屋でプッシュされていたのを考えるのが意外だけど、これだけの楽曲とビジュアルもクオリティの高いバンド、USでのブレイクは近いとみてます

(「新旧お宝アルバム!」でのレビュー:http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-378.html



4位『Voyager』Moonchild (Tru Thoughts)


Moonchild Voyager 

2015年のケンドリック・ラマーの21世紀西海岸ヒップホップのみならずR&Bジャンルにおける歴史的アルバムと言っていい『To Pimp A Butterfly』以来、このアルバムに関わった様々なアーティスト達が次々にメジャーな舞台に飛び出してきた。ジャズ・サックス奏者のカマシ・ワシントンしかり、プロデューサーで自らもフュージョンR&Bユニットを率いるテラス・マーティンしかり、今年前半話題を集めたジャズ・フュージョン・R&Bベーシストのサンダーキャットしかり。こういった連中が作り出す浮遊感満点な音像を持ったR&B/フュージョン/ジャズっぽいサウンドは僕に取って2017年のメインテーマの一つとなっていたところ、全く同じような耳障りであるだけでなく、洒脱なボーカルをまとったサウンドを聴かせてくれるこのバンドをある日レコ屋の店頭で耳にして一発に気に入ったというのがこのアルバムとの出会いでした。

しかもYouTubeで彼らを見て更にビックリしたのは彼らがボーカルのアンバーを初めとした3人とも黒人ではなく白人であるという事実。ボーカルと演奏だけ聴いていると正直エリカ・バドゥが90年代UKのアシッド・ジャズを一段洗練した音楽をやっている、としか聞こえないだけにこれは大きな驚きでした。

今年のブルー・ノート・ジャズ・フェスティバルドナルド・フェイゲンが出るというので速攻チケットを取ったところ、同日に彼らともう一人のお気に入りアーティストのリアンナ・ラ・ハヴァスが出るというので大変楽しみにしてたのですが、残念ながらドナルドの来日中止でフェス自体が中止になってしまったので、生ムーンチャイルドを見るチャンスが失ったのが残念。でもまた来日しそうな雰囲気もあるので来たら絶対観に行こう!と心に誓っています。


3位『The Nashville Sound』Jason Isbelle & The 400 Unit (Thirty Tigers / Southeastern)


Jason Isbell Nashville Sound 

僕のここ10数年の音楽的趣味の二つの大きな軸はR&B/ヒップホップとルーツ・ロック。このどちらのジャンルもここ10年くらいは毎年素晴らしい作品が次々にリリースされていて、ファンの自分に取ってはありがたい限りなのですが、今年聴いたルーツ・ロック系の作品の中で僕的にダントツだったのはこのジェイソン・イスベルの新作。今回は2009年以来一緒にアルバムを録音している、マッスル・ショールズの4人組、400ユニットとの共同クレジットの作品となっていて、ジェイソン・イスベル&ザ・400ユニット名義では3枚目の作品になってます。

元々所属していたグループ、ドライヴ・バイ・トラッカースを2007年に脱退してソロ活動を始めてそれまでは知る人ぞ知る、という彼が前作『Something More Than Free』でメインストリームでもブレイクし、アルバムは全米トップ10に、そして第58回グラミー賞最優秀アメリカーナ・アルバム部門を受賞、名実ともにアメリカを代表するアメリカーナ・ロック・アーティストとしての地位を確保。今回満を持してリリースしたこのアルバムは、前作が彼自身影響を受けたと語るニール・ヤングの『渚にて』のスタイルを汲んでいた伝統的スタイルのアコースティック・アルバムとすると、今回は「Cumberland Gap」「Anxiety」「Molotov」といった曲がより社会的メッセージ(明らかにトランプ大統領就任以来のアメリカの分断状況に対するメッセージがあちこちに感じられる)や焦燥感なども漂わせる、よりロック色の強いアルバムになっていて、いわば『Rust Never Sleeps』あたりを想起させるそういうスタイルの作品になってます

また前回よりもザ・400ユニットとのバンド的一体感を大事にしてやってる様子が目に見えていて、「Hope The High Road」のような凜々しさ満点のロック・ナンバーや、今回400ユニットの正式メンバーとなったフィドルのアマンダ・シャイアズのフィドルとバックボーカルをフィーチャーした「Something To Love」など、今のジェイソンの充実ぶりを存分に感じられる仕上がりのこの作品は、よく熟成された、でもちょっと刺すような味わいのあるシングルモルト・スコッチを味わうように楽しめる、そんなアルバム。楽曲のクオリティも高いので、アメリカーナって何を聴けばいいの、とおっしゃる方には是非とも勧めたい作品です。



2位『American Teen』Khalid (RCA)


Khalid American Teen 

今年のグラミー賞新人賞部門に、SZAと共にR&Bフィールドからノミネートされたカリード。年初から話題になっていたのは知ってたし、19歳の新人ながらR&Bアルバムチャートでも延々9週1位を取るなど盛り上がってるのは知ってたのだけど、実際に買って聴いたのは夏過ぎのこと。シングルの「Location」は聴いてて、何か面白そうなやつだな、と思ってたけどそれ以上は突っ込んでいなかったところ、普段は70年代ソウル中心にしか聴いてない弟に「え、まだ聴いてないの?」と煽られたのがきっかけで購入(笑)。

で、聴いてみると、最近のマイブームである浮遊感満点の音像のサウンドをベースとしたR&B、という自分に取ってのツボのスタイルであるばかりでなく、19歳とはとても思えない成熟した、表現力溢れるボーカルなのにビックリ。いわゆる伝統的なR&B的ボーカルでなく、声だけ聴いてるとフニャフニャした感じの歌にきこえるのだが、曲によっては「Another Sad Love Song」のようにロック・ステディっぽいリズムなども取り入れた、結構複雑なリズム構成の楽曲に見事にボーカルが流れるように乗っている、それが快感だったりするのだ。そして彼がR&Bだけでなく、ファーザー・ジョン・ミスティグリズリー・ベア、ジェイムス・ブレイクといったオルタナ・ロック系の影響も受けている、と言うあたりも楽曲の中身に伺えて興味深い。

楽曲のトラックはほとんどプロデューサー達とカリードが作り込んだキーボードと打ち込みなのだけど、不思議に無機的な感じはほとんどなく、シンガー・カリードのパッションと「うた」のぬくもりが直に伝わってくるような、そんな不思議な魅力が結構くせになるそんなアルバムで、結局2017年後半のパワーローテーション入りしたのでした。

「いま」のR&Bを知りたい人は是非聴いて。多分グラミー賞新人賞、カリード取ると思う。

(「新旧お宝アルバム!」でのレビュー:http://boonzzy.blog.fc2.com/blog-entry-382.html



さて、いよいよMy Top 10 Albums of 2017、1位はそう、このアルバムです。


1位『Drunk』Thundercat (Brainfeeder)


Thundercat Drunk 

4位のムーンチャイルドのところでも触れたのだけど、今年の僕のメインテーマの一つは「ケンドリック・ラマー周辺ミュージシャン達による浮遊感満点の音像のR&B/フュージョン/ジャズ系サウンド」というものでした。で、その代表選手ということになると、今年最大のインパクトだったのがこのサンダーキャット

だいたいとかくベーシストのレコードにはかなり思い入れが高くなりがちな僕、今年も番外のTop 10アルバムリストにはジャコ・パストリアスのレコード・ストア・デイでリリースされたレゾナンス社の蔵出し音源ボックスが入ったりするのですが、このスティーヴン・ブルーナーことサンダーキャット、『To Pimp A Butterfly』の制作にも中心メンバーとしての活動でも名前を目にしていたのですが、音を聴いたのは今回が初めてでした。

その彼のアルバムに耳を惹かれた最大の理由は何と言っても、あのケニー・ロギンズマイケル・マクドナルドをフィーチャーして、80年代ソフトロックの意匠を完全に今2017年の浮遊感R&Bのコンテクストに移植させて完璧な出来を見せた「Show You The Way」。あの曲を始めて聴いた瞬間、僕の体中のあらゆるツボを突かれている感はハンパなかった、それほどドンピシャに今年の自分のメインテーマにハマったのがサンダーキャットでした。そしてそういう音源とあの恐ろしげな『地獄の黙示録』のパロディっぽいジャケとの落差たるや(笑)。そしてアルバムを聴いてみると、あんなにポップな曲はあの曲と「Bus In These Streets」くらいで、あとはそこからフリージャズ・フュージョン的に発展したような楽曲が多く収録されていて、それはそれでとても面白かったし、魅力的でもあったのです。

今年4月初単独来日公演となった恵比寿リキッド・ルームでのライヴには当然駆けつけて、残念ながら「Show You The Way」はやってくれなかったけど、フルアコボディの6弦タイガーストライプ・ベースを抱えて、ニットキャップを被ってポンチョ風のステージ衣装という、およそジャズ・ミュージシャンっぽくない雰囲気で、次々にこのアルバムに収録のドリーミーでアトモスフェリックな音像の楽曲を次々に繰り出すサンダーキャットの演奏を楽しめたのも、このアルバムを更にパワーローテ・ポジション不動の位置にした要因の大きなものでした。

今回のケンドリック・ラマーDAMN.』では「Feel」一曲の参加に止まったサンダーキャット、相変わらずケンドリック周辺アーティスト達との客演は精力的にやっているようですが、次に自分の作品としては何をやってくるのかとても楽しみなアーティストの一人。とにかくこのアルバムは自分にとって今年の自分のメイン・テーマを象徴する作品になった、というのが1位の大きな理由でした。



ということでMy Top 10 Albums of 2017はこれで完結。次のグラミー賞大予想、できれば正月休み中に全部予想発表と行きたいところですがどうなることか。

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テーマ:洋楽 - ジャンル:音楽

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