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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
■2011年My Best Albumカウントダウンその6 - #3 & #2
My Top 10 Albums of 2011


#3: Paper Airplane - Alison Krauss & Union Station (Rounder)

AlisonKrauss_PaperAirplane.jpgブルー・グラス界の女王、アリソン・クラウスとロック界の男神といった風情を漂わせていい感じに老いてきているロバート・プラントがコラボレートした2007年のアルバム『Raising Sand』は何者かに取り憑かれたような(haunting)、という表現がぴったりの名盤だった。あの年のグラミー賞最優秀アルバムを獲得するのもむべなるかな、という高いミュージシャンシップと風格でああいうアルバムを作ってしまったアリソンはこのままロカビリーの方に行ってしまうのか、いったいどうなるのだろう?と思っていたアリソン・ファンも多かったに違いない。彼女自身もいろいろと試行錯誤していたのか、2004年の『Lonely Runs Both Ways』を最後にユニオン・ステーションとのアルバムはリリースされず、僕を含めファンをやきもきさせていた。そんなところに届いたのがこの『Paper Airplane』、実に7年ぶりのユニオン・ステーションとの新作だ。セピア色に装丁されたジャケも品が良く、CD屋で一目見て内容への期待が盛り上がったのを覚えている。

で、中身を聴いてみて感じたこと。女王アリソンユニオン・ステーションのコラボレーションは何一つ指向性を変えてAlisonKrauss.jpgない、いやそれどころか、アリソンロバート・プラントとのコラボを経たことによるミュージシャンとしての幅が更に広がったこともあり、更にアリソンを中心としたバンドとしてのフォーカスが研ぎ澄まされたようにさえ思える、そんなアルバムに仕上がっていた。殆どの楽曲がどちらかというと哀愁をたたえた、情感をたっぷりと蓄えた楽曲でありながら、あくまでもシンプルでかつ美しい。アリソンの歌声もこれまでに増して澄み切っていて、バックのギターやバンジョー、そしてアリソンのフィドルも必要充分な存在感でバンド全体の演奏をクオリティの高いものにしていて、聴けば聴くほどに引き込まれていくような、そんな作品であることがファンとしては嬉しい限り。収録曲はどれも粒ぞろいだが、このアルバム全体の流れを決定づけているのが冒頭のアコギのアルペジオで静かに始まるタイトルナンバー「Paper Airplane」、ちょうど6曲目でアルバム全体の真ん中に位置する、リチャード・トンプソンの美しくも悲しい、消えゆく愛の行方を歌うバラードのカバー「Dimming Of The Day」、そして全体メランコリー色の強いアルバムに相応しく、最後にオプティミスティックなトーンながら別れの悲しみを切々と歌う、これまたジャクソン・ブラウンの素晴らしいカバー「My Opening Farewell」の3曲だ。この3曲の間には「Dust Bowl Children」「Lay My Burden Down」などアップテンポからミディアムテンポのブルーグラスナンバーが配されていて、この3曲を軸にしたアルバム構成がくっきり浮き上がるようなプロダクションとなっているのが印象的だ。全11曲中、「Dust Bowl Children」「On The Outside Looking In」「Bonita And Bill Bulter」のいかにもオーセンティックなブルーグラス・ナンバーでメンバーのダン・ティミンスキーアリソンに代わりリードボーカルを取っているのもいいアクセントになっている。

AlisonKrauss_LonelyRunsBothWays.jpgブルーグラス、というとどうにも一世代前の音楽、という感じを持ってしまうリスナーも多いかも知れないが、アリソンユニオン・ステーションの紡ぎ出す音楽は、音楽形態としてはブルーグラスという形を取っているが、非常に完成度の高いバンドサウンドとアリソンの美しいボーカルを聴かせてくれるという点において、例えば70年代後半のジョニ・ミッチェルや、『Surfacing』あたりまでのサラ・マクラクラン(ややスタイルは違うが)とか、ああいった存在感が強く歌声の美しい女性シンガーソングライターが好きな洋楽ファンの方には是非とも一聴をお勧めしたい。特にこの作品とこの前の『Lonely Runs Both Ways』は気に入ってもらえると思う。最後の「My Opening Farewell」のラストのギターストローク音が余韻を残して消えていくこのアルバム、今回のグラミーでも本作はベスト・ブルーグラス・アルバム部門だけでなく、ベスト・エンジニア・アルバム部門(クラシック以外)でもギリアン・ウェルチの『The Harrow & The Harvest』(トップ10には入れなかったけどこれも良かった)と並んでノミネートされているくらいだから音も素晴らしい。さあ次作はどういうアルバムを届けてくれるのだろうか。

My Top 10 Albums of 2011


#2: El Camino - The Black Keys (Nonesuch)

BlackKeys_ElCamino.jpg前作『Brothers』(2010)で突然ブレイクして昨年のグラミーでも最優秀オルタナ・ミュージック・アルバム部門をはじめとする3部門を獲得、シーンを騒がせたオハイオ出身の2人組、ブラック・キーズ。前々作の5作目『Attack & Release』から例のデンジャー・マウスと組み始めてから、ここのところいい感じのグルーヴに乗ってきているようだ。前作からの「Tighten Up」のレトロな感じのルーツ+グラム・ロック的なアプローチは僕もいたく気に入っていってたのだけど、いかんせん2011年に入ってから購入したために2010年のトップ10に入れることができなかった。もしちゃんと2010年に聴いていたら間違いなくトップ10上位に来てたろうに。で、僅か1年の後にリリースされたこの『El Camino』、今回は「Tighten Up」だけでなく、全曲デンジャー・マウスが共作、プロデュースといういかにも腰の入った作品となった。当然のごとく、冒頭のレトロ・グルーヴ・ロック調満点のドドスカ・チューンLonely Boy」に代表されるがごとく、僕のように70年代ロックとR&Bグルーヴの大好きなロック・ファンとしては今回も思わず頭を動かさずにはいられない楽曲が満載で、デンジャー・マウスとのコラボが嫌いじゃない方には言うことない出来になっている。

BlackKeysOnRollingStone.jpgとにかく全11曲、このアルバムは正にiPod向きというか、外を歩き回りながらイヤホンでボリュームを少し大きめで聴くのがホントに楽しいアルバム。冒頭の「Lonely Boy」から「Dead And Gone」、Tレックスクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジが合体したような「Gold On The Ceiling」と続く3曲は一気に彼らの世界に突っ込ませてもらえるガンガンの流れ。そこから一転してアコギ一本で切々と歌う、おいおい急に調子が変わったな、という「Little Black Submarines」で違う方向に行くかと思いきや、次の「Money Maker」からはまた怒濤のレトロ・グルーヴ・ロックの楽曲群が押し寄せてくる。いやあこういう曲をライブでドンドコやられた日にはやたら盛り上がってしまいそうだな。ただこのアルバム、英米では評価がいろいろと分かれているようで、アメリカだと一番彼らに好意的なローリング・ストーン誌が12位に選んでるくらいで、SPINでは36位、ピッチフォークに至っては全くの選外。UKはもっと厳しくて、NME、Mojo、Q、アンカットと軒並み選外で全滅状態(ちなみに英米の音楽誌ではボン・イヴェールとかPJハーヴェイあたりが評価されているよう)。やはりいかにもなレトロ趣味とデンジャー・マウスのプロデュースの微妙なコマーシャリズムが、英米最先端の洋楽メディア誌には受けないのかもしれないね。でも、このアルバムは逆にそんな最先端の音楽誌が年間ベストに選ぶようなとんがったインディー系は苦手だけど、(何度もいうけど)レトロ・グルーヴや、R&B、グラムロック等の70年代を彷彿とさせるようなガツンとしたロックが聴きたい、と言う向きには無条件にお勧めできる作品だ

BlackKeys_Brothers.jpg前回3部門獲得のグラミー賞ではどうかというと、何故か今回はこのアルバム全くノミネートの対象になっておらず、ブラック・キーズは僅かにバディ・ホリーのトリビュート・アルバムの曲が最優秀ポップ・デュオ・グループ部門にノミネートされているのみ。一方でかのボン・イヴェールはレコード・オブ・ジ・イヤーとソング・オブ・ジ・イヤーを含む4部門にノミネートという注目度合い。このスポットの辺り方の年によるブレぐあいって一体何なんでしょうか。ともあれ、前作『Brothers』と「Tighten Up」がご機嫌だった方、このアルバムも大いにお薦めですので是非iPodにアルバムごとほうりこんで、テンションの上がらない月曜日の朝などに気分をアゲアゲにするのに是非お試しあれ

さあ、いよいよ1位まで来たな。(つづく)



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