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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
■2009年My Best Albums - #2
My Top 10 Albums of 2009
#2: BLACKsummers'night - Maxwell (Columbia)

Maxwell_BLACKsummersnight.jpg マックスウェルって、90年代以降のR&Bシーンでちょっとユニークな立ち位置を一貫して保持してきている。オールド・スクールなコブシの入った正統派R&Bシンガーでもなければ、アッシャーのようにマイケル・ジャクソンの直系的メインストリームR&Bシンガーでもない。最近のメインストリームにありがちなヒップホップ・テイストをちりばめて売りを狙う、ということもしてこない。眠そうな目をした風貌のアフロのお兄ちゃんが醸し出すのはむしろどっちかというとプリンスとかそっちの方のやや中世的かつ隠微な雰囲気で「官能的」という表現がしっくりくるイメージだ。実際ケイト・ブッシュあのナイン・インチ・ネイルズの曲をカバーしたりとか、あまりR&Bシンガーらしくない楽曲センスとそれでいて自分のキャラクターの魅力を最大限に抽出できるトータル感の高いサウンド・作品作りとの微妙なギャップが気になる、そんなアーティストとして認識してきたように思う。

 作品のクオリティの高さはだいたい一定してきた。デビュー作『Maxwell's Urban Hang Maxwell_UrbanHangSuite.jpgSuite』(1996)はレオン・ウェア(あの!マーヴィン・ゲイI Want You』で有名)とのプロデュースによる正にマーヴィンの世界を下敷きに、彼のしなやかな歌声とサウンドプロダクションがマッチした完成度の高い作品だったし、その後も是非生で聴きたかった『Unplugged』(1997)、『Embrya』(1998)、『Now』(2001)と5年ほどの間に標準以上の作品を出してきた。ただ作品を重ねるにつれ、あのファーストの神通力がさほど凄みを持って迫ってきてないかなあ、という不満があったのも事実。そして彼は長考に入った。前作からブランクを置くこと8年。そして昨年夏の終わりに、今後順次発表されるという、『BLACKsummers'night』『blackSUMMERS'night』『blacksummers'NIGHT』三部作の第一弾という意欲的なんだか冗談なんだかよー判らん(笑)、でも本人としては力が入っていることがこれだけでも判るこのアルバムが届けられたが、僕は正直言ってあまり期待せずに常連買い的な感覚で聴いてみた。

Maxwell.jpg 冒頭の「Bad Habits」イントロのティンバレスの音色とマックスウェルの全く変わらぬファルセットボーカルを聴いた瞬間、僕は思った。「初心に戻ったな」そう、このアルバム、ファースト以来久々にダウン・トゥ・アースなトラックに乗せてマックスウェルの官能のソウルの世界がマーヴィン・ゲイ的マナー(まさに『Let's Get It On』~『I Want You』あたりの流れ)で展開されるという、意欲作なのだ。トラック・楽曲の出来も良い。この曲のホーンセクションのリフといい「Cold」の70年代初期モータウン・サウンドを彷彿とされるコアなリズム・セクションといい、ビルボードR&B/ヒップホップチャートで14週間1位を独走したPretty Wings」のゆっくりと聴く者を解きほぐしてくれるようなメロディといい、カッコいいホーンリフをバックに、変リズムやさざ波のように後から後から波状攻撃でリフが押し寄せてきてカタルシスに持って行ってくれる「Help Somebody」といい、アルバムの2/3ほどまではあっという間に聴き進んでしまえるような力をこの作品は持っている。

 アルバム後半は前半に比べるとよりレイドバックした、マックスウェルお馴染みといえるセンシュアルなナンバーが続くが「Fistful Of Tears」のようにちょっとメロディにメリハリを効かせたナンバーやアコギで切々と歌う「Playing Possum」といった曲も織り込むあたりが軽い変化も与えていて、本作を何度も聞き込める作品にしている。そして、タイトルにもあるように、ジャンプナンバー的な作品、ムーディーなマックスウェル的トラック、静かなバラードなど、いろんな角度から「ブラックネス」を感じさせるナンバーで満載されたアルバムは最後70年代ニューソウル・ムーヴメントの頃を彷彿するようなインスト・ナンバー「Phoenix Rise」で幕を閉じる。


 次作はゴスペルにベースを置いた、しかしおそらくマックスウェルらしい料理を施した作品になるとのこと。8年の沈黙を破り、きれいにアフロを刈り込んで、自分の原点の一つであるマーヴィン・ゲイ的スタイルをもう一度取り入れた入魂とも言える本作品は、ニューヨーク・タイムズ誌の選ぶ2009年ベスト・アルバムに選出された。ブルックリン出身の彼に取ってこれほどふさわしい評価もないだろうし、これだけの充実作を届けてくれたマックスウェルの三部作第二弾には大きな期待を持っている。それまではこの作品の届けてくれる、ニューヨークの街角を思い出させてくれるブラックネスの世界に浸ることにしよう。

 さあ、あといよい一枚。頑張って今日中にアップしようっと。
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