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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
■2009年My Best Albums - #3
My Top 10 Albums of 2009
#3: Wilco (The Album) - Wilco (Nonesuch)

Wilco_TheAlbum.jpg さていよいよトップ3です。3位は僕にしてみれば言わずと知れたウィルコのセルフ・タイトル・アルバム。あのラクダ(ラマという説もある)のジャケのやつです。ウィルコと言えば僕の好きなライアン・アダムスと共にここ10年くらいのオルタナ・カントリーというかアメリカーナというか、アメリカのカントリー、ブルース、ロック、フォークといったあたりを渾然一体と融合させた音楽スタイルの代表選手として頑張ってきた、ジェフ・トウィーディー率いるシカゴ出身の6人組。1996年に『Being There』で一躍認められたんだけど、僕は例によってというか音楽仲間のN坂君に教えてもらってその次の『Summerteeth』(1999)からリアルタイムで聴き始めた。もともと知る人ぞ知るアメリカーナの伝説的バンド、アンクル・テュペロが1994年に解散してその代表メンバーの一人だったジェフが結成したのがこのウィルコ。もう一つの分家バンド、サン・ヴォルトに比べてロック寄りのWilco_YankeeHotelFoxtrot.jpgアプローチだったが、その後レーベルと作品方向性で対立して大手のワーナーを離脱、『ブエナ・ヴィスタ・ソーシャル・クラブ』で有名なインディ系のナンサッチから、シカゴ音響派の雄、ジム・オルークと組んだ実験的なサウンドを含む名盤『Yankee Hotel Foxtrot』(2002)『A Ghost Is Born』(2004)を発表する、なんていう波瀾万丈の時期もあった。ちなみに僕は『Yankee...』の頃NYに駐在していて、セントラル・パークのSummer Stageという夏期アウトドア・ライブ・シリーズ・イベントで、この頃のウィルコを生で見るというラッキーな体験もしたこともあって『Yankee...』は未だに僕のウィルコフェイバリットだ。

Wilco.jpg その後2枚組ライブの『Kicking Television: Live In Chicago』(2005)を境にしてジム・オルークから離れたこともあってか、この間の『Sky Blue Sky』(2007)では複雑でやや実験的なサウンドからアメリカーナ王道系に戻ってきた感じがあった。まあそういう経緯を経ての今回のアルバム、しかもセルフ・タイトル作である。大体アーティストがセルフ・タイトル作を(しかもデビュー作じゃなくてキャリアの途中で)出す時、というのは何らかの意図があるのが普通だ。ビートルズしかり、ジェネシスしかり....あと思いつかないけど(笑)でも、大体これまでとちょっと方向性を変えてみたりしたい時に勝負の意味を込めているケースが多いんじゃないだろうか。で、このウィルコのアルバムはというと...いや、勝負というよりは、実に肩の力がすっと抜けたとても親近感のわく、それでいて一本筋の通った楽曲と演奏がズラズラと並んでいて嬉しくなってしまった。大体冒頭からセルフ・タイトル曲(「Wilco (The Song)」)だし。オープニングとしてふさわしく無骨ながら暖かみのあるミディアムナンバーのこの曲で、ジェフはこう歌い出す。「何だか自分のものじゃない人生を生きてるような気がするかい?/落ち込んでどうしようもない?/誰かに攻撃されて、背中をブッスリやられてるような気分かい?/じゃあこのこと、知ってほしい/ウィルコ/ウィルコ/ウィルコは君を愛してるよ、ベイビー」....そう、これがこのアルバムの全てを物語っている。ウィルコはこのアルバムの曲を聴いて、聴き手に気持ちよくなってもらいたいのだ。

 このメッセージはアルバムを通じて一貫している。あの「1, 2, 3, 4」のファイスト嬢との気wilco2.jpgだるくも気持ちのいいジェフとのデュエットが聴ける「You And I」も、明らかにメロディといい、ギターリフといい、ピアノの入り方といい、まんまジョージ・ハリソンの「マイ・スイート・ロード」じゃん!という楽しくてウキウキしてくる「You Never Know」も、ぐっとアーシーなリズム・セクションとジェフの裏返ったボーカルがメンフィス・サウンドを彷彿させて気持ちええ「Country Disappeared」も、そしてアコギとハモンドオルガンとペダルスティールの響きがナッシュヴィル的な「Solitaire」も、もうぜーんぶ全ての楽曲がとても素敵なポジティブなオーラに充ち満ちているのだ。それでいてなーんも難しいことはしていない。いやむしろ、週末のジャムセッションのテープの残りなんではないか、と思うくらい好き勝手気ままに演奏した内容をテープに落とした、という気の置けない感じが凄くいい。それでも最後はちょっと思索的になって、ラストナンバーの「Everlasting Everything」ではちょっとしんみりしたアコギのイントロからジェフはこう歌う。「生きとし生けるものは全て死ぬ/空に向かってそびえる建物もいつかは倒れる/でも永遠の愛が嘘だなんて言わないで/悲しいことだけど/物事には善し悪しに関わらず必ず終わりがある/全ては積み重ね/永遠の愛こそ君の持っていたもの/永遠に続く全てのもの/どんなものでも結局意味はなくなるもの」これだけほんわかにポジティブに来たのに最後でこういう虚無的なことを歌うのがジェフらしいのだが。でもこのアルバムの聴後感はそれでもとてもポジティブだ。なお本作は今回のグラミーから新設された最優秀アメリカーナ・アルバム部門ボブ・ディランルシンダの作品とともにノミネートされているが、僕は当然これが本命だと思っている。


 ウィルコはこの春、単独アクトとしては初めてでフェスへの参加を含めると通算2回目の来日を果たす。今からジェフ率いるウィルコの連中のインティミットな、ポジティブなオーラに包まれた演奏をライブで聴きにいくのがとっても楽しみだ。
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