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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
■2009年My Best Albums - #4
My Top 10 Albums of 2009
#4: 21st Century Breakdown - Green Day (Reprise)

GreenDay_21stCenturyBreakdown.jpg このアルバムの数少ない欠点の一つは、全18曲聴き通すと70分に及ぶ長尺で、真剣に向き合うと疲れてしまうこと。21世紀のアメリカにおける問題を描き出そうとする社会的メッセージ作を目指したのであればこれは下手をすると致命的な欠点になり得た。そしてこのアルバムの数多い優れた点の最たるところは、そうした長尺のアルバムを、一曲一曲を比較的短めに維持して(もともとほら、グリーン・デイってパンクだから。忘れてた?)早めのテンポで曲が移り変わっていく構成にしたことと、その曲のほとんどが一定以上の楽曲クオリティで、かつ健全なポップさを確保して洋楽ロックリスナーなら誰が聴いても(一部のへそ曲がりな音楽評論家や『Dookie』(1994)命!の時代感覚のややずれたグリーン・デイファンを別にすれば)楽しめるというレベルを維持していること。これは多くのロックレコードにおいて楽曲クオリティのばらつきが避けられないことを考えると実は大変なことだ。今回前作で優れたプロデューサー・ワークを発揮した今やシーンを代表するプロデューサー、ロブ・カヴァロと袂を分かち、かのブッチ・ヴィグニルヴァーナソウル・アサイラムスマパンガーベッジ等)にプロデューサーを任せたのが裏目に出ないかと懸念されたが、その心配も全くなかった。

 前作の『American Idiot』(2004)で当時のブッシュ政権を小気味いいほどまでにコケにしGreenDay_AmericanIdiot.jpgながらアメリカという国が直面している70年代80年代とは違う価値観が世界地政体系を覆いつつある、という問題を提示して見せてから、グリーン・デイというアーティストの表現スタンスは明らかに進化を遂げている。しかもこれが商業的成功のみならず(US・UK共にアルバムチャートNo.1初登場)、第48回グラミー賞では山作が最優秀ロック・アルバム賞、そしてシングル「Boulevard Of Broken Dreams」が見事レコード・オブ・ジ・イヤーを獲得するという形で評価を受けたわけなので、もう彼らが『Dookie』の頃に戻れないところまで来てしまったのは明らかだ。こうなってくると大向こうの期待に応えるレベルの作品を出し続けなければ、というプレッシャーがかかったことは容易に想像が付く。グリーン・デイ松井やイチローと同じ次元での自分たちの才能との戦いの次元に入ったといっていい。

greenday.jpg 前作から5年を待たなければいけなかったというのはそのプレッシャーの現れだが、そうやって発表された本作のクオリティは期待に見事に応えている。ケレン味たっぷりに演奏されるタイトルナンバーやピアノでビッグ・ナンバーっぽく始まって一転、ステージで絶対盛り上がるグリーン・デイ真骨頂の怒濤の展開にもって行く「Viva La Gloria」、まるでメロ構成がポール・マッカートニーを彷彿させる「Last Night On Earth」などなど、楽曲の出来というかソングライティングのクオリティはあっぱれだ。でも個人的にこのアルバムのベスト・トラックは、60分を超えてそろそろ聴き疲れた頃にドロップされる「21 Guns」だ。シングルにもなったこの曲は理屈抜きに僕の音楽的ツボを深層的なところでガンガン突いてくれる鳥肌曲。これをライブで機関銃のようにハードナンバーをやった後でいきなりポーンとやられた日には、ちょっとヤバイ。そして一度アルバムを聴いてこの曲が最後から3曲目にあることが判ると、2度目からはここにつながっていく楽曲の紆余曲折盛り上がりがまた違った形で楽しめるようになるから不思議なものだ。

 ラジオボイスの「Song Of The Century」でアルバムが始まって、同じラジオボイスのこの曲や「Viva La Gloria」の一節などこのアルバムの断片を含む「American Eulogy」(アメリカへの弔辞)でアメリカの現状に徹底的に悲観的な止めを刺したか、と思わせながら最後は「See The Light」で一応未来に希望をほの抱かせて終わる、というロック・オペラ的アルバム構成自体は予定調和のようにも見える。ただ繰り返すが前作の成功を踏まえてプレッシャーに応えてこのレベルの作品を、手堅くでもとても躍動感溢れクオリティ楽曲構成で届けてくれたビリー・ジョーと仲間達の仕事ぶりは評価に値するだろう。「グリーン・デイはここ5年同じような曲しか書いてねえからつまらん」という昔のグリーン・デイ・ファンの声も聞こえてくるが、それでいいのだ。同じような「クオリティの高い」楽曲を、このレベルのミュージシャンシップで届けてくれ続けるのであれば。


 今年のグラミーでは、本作が最優秀ロック・アルバム部門、「21 Guns」が最優秀ロックソング部門、最優秀デュオ/グループ・ロック/パフォーマンス部門と3部門にノミネートされている。主要3賞にノミネートされなかったことが腑に落ちないが、少なくともこの3部門は総なめにしてもらいたいもんだ。
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No title
個人的にはDookieの次に好きなアルバムになりました。
今日ライブ観てきます。
2010/01/24 (日) 13:42:05 | URL | mz #79D/WHSg[ 編集 ]
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