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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
■2009年My Best Albums - #8 & #7
kesha.jpgいやあまたちょっと間が開いてしまってすいません。この間にレギュラー・チャートの方は1/2付のHot 100でジェイZ+アリシアの「Empire State Of Mind」をキシャ嬢「Tik Tok」が蹴落としてから既に4週目の1位をキープしているという状況。おまけにアルバムの方でも年末から6週連続1位と圧倒的な強さを誇っていたスーザン・ボイルおばさんを蹴落としてアルバム『Animal』が今週(1/23付)初登場1位、という、アリシアメアリーJもできなかったことをしでかしてます。この子、2010年の台風の目になるような気も。まあ1位に敬意を表して「Tik Tok」のPVでも見てやってください。結構最近これ耳についてきて、結構気に入ってるかも。

Kesha - Tik Tok - (Official Music Video) (HD)

さて、ちょっと止まってる2009年My Best Albumのカウントダウン、今日は一気に7位と8位をいきます。まずは8位から。

My Top 10 Albums of 2009
#8: Stronger With Each Tear - Mary J. Blige (Matriarch/Geffen)

MaryJBlige_StrongerWithEachTear.jpg 時は2009年師走。世間では48歳のスーザン・ボイルのアルバム『I Dreamed A Dream』が売れに売れてテイラー・スイフトの『Fearless』を抜いて年間最多売上アルバムになるんじゃないかとか、スーザン・ボイルが紅白に出るとかで音楽の話題は一身にこのスコットランドのオバチャンが集めていた頃、同時期にリリースされたアリシア・キーズの新譜『The Elements Of Freedom』に比べても全く日本メディアでは取り上げられずヒッソリと(でもUSでは初登場2位...ボイルオバチャンがいたからね(涙))ドロップされたのがこの女王メアリーJの2年ぶりの新作『Stronger With Each Tear』。2枚前の『The Breakthrough』(2005)の時にどこかに書いた記憶があるのだけど、このアルバムくらい以降、メアリーJのアルバムはいー感じで情念が少し抜けて円熟味と本格派R&Bシンガーとしての歯ごたえがミックスされた絶妙のパフォーマンスを見せてくれるように成ってきたと思う。あの久々の大ヒットになった「Be Without You」(2006年最高位3位)がそうだったし、かのアルバム以降はスターゲイトニーヨクリス・”トリッキー”・スチュアート+ザ・ドリームのコンビなどに音作りを任せるなど、全体的にメインストリームポップとのクロスオーヴァーを意識した(でも完全にはそっちに行ってない)音作りになってきた。コアなR&Bファンにはこのあたり眉をひそめる向きもあろうが、あの結婚に失敗し、パフ・ダディに捨てられドロドロ情念的に盛り上がった20代~30代の迫力もメアリーJなら、そこから一枚も二枚も成熟したR&Bシンガーとして皮がむけ、メインストリーム系の音にノリながらも圧倒的な存在感を見せている今のメアリーJも僕は支持したいと思う。少なくとも情念系の曲で埋め尽くされたアルバムよりもこうしたアルバムの方がより多くの(そして『What's the 411?』(1992)の凄さを知らない若い世代でも)リスナーがメアリーJの凄さを知ってもらえることの方が大事だ。ちょうど『This Is It』がきっかけでうちの息子とか若い世代が改めてMJの凄さを知ったように。

 で、今回の『Stronger With Each Tear』。タイトルを見て「ありゃりゃ、また情念の世界に逆戻りかよ」と思いながら聴き始め、冒頭のエイコンのプロデュースの「Tonight」や続くロドニー・ジャーキンス・プロデュースでかのドレイクをフィーチャーした、年齢差15歳(!)のコラボ曲The One」(そーいえばそういうタイトルのU2とのカバー・コラボあったな)あたりまではちょっと重たいのと、前作『Growing Pains』(2007)で今風サウンド路線がやや強めになってたのを思い出して「うーんエイコン、ドレイクってちょっとミスマッチかなあ」という違和感がむくむくと。でも4曲目のニーヨ・プロデュース、T.I.をフィーチャーの「Good Love」からは一転して『The Breakthrough』でファンを引きつけたあの華やかでかつ極太のメアリーJが!まるでハラリとモノトーンのドレスを脱ぎ捨て、華やかなドレスで登場した歌姫といっPreciousMovie.jpgた感じで、そのままノンストップでつながる「I Feel Good」そしてシングル曲の「I Am」といったスターゲイト作品で僕の満足度は一気に頂点に。メアリーJのしなやかで存在感のあるボーカルといい、プロダクションチームの彼女の魅力を心得た楽曲構成といい、後半は一気に盛り上がっていって聴く者の耳を離さない。特に80年代~90年代にかけてメアリーJと共に青春を過ごしたソウル・ラヴァー達にはたまらない内容。ただ盛り上がりだけではなくスチュアート+ザ・ドリームによるメアリーJらしい情念リリックの「Kitchen」を経て、最後はあのラファエル・サーディクの手による映画『Precious』(2009, 現在ゴールデン・グローブ賞3部門のノミネートされている、マライアも出演しているブラック・ムーヴィー)よりの匂い立つようなバラード「Color」をメアリーJがアーシーに、そして情念たっぷりに歌い上げてアルバムの幕を閉じる。

最初の3曲がちょっと若いリスナーを意識しすぎてちょっと全体から浮いているのが惜しいが、12月発表という土壇場とはいえ、同時期リリースされたアリシアの新譜や年初出たキーシャ・コールのアルバムなんかと比較しても、2009年のR&B作品では数少ない一押しできる出来だと思う。

My Top 10 Albums of 2009

#7: Before The Frost...Until The Freeze - The Black Crowes (Silver Arrow)

オール・オリジナルのロックのライブ・アルバム、というとかのBlackCrowes_BeforeTheFrost.jpgジャクソン・ブラウンRunning On Empty』(1978)とかが思い浮かぶ。オール・オリジナルでなくとも、オールマンの『フィルモア・イースト・ライヴ』(1971)とかピーター・フランプトンの『フランプトン・カムズ・アライヴ!』(1976)など、それまで世にあまり知られていなかった曲をライヴでやってブレイクしたアルバム、というのは作品クオリティの高い、いわゆる名盤が多い。しかしだ。ブラック・クロウズの場合、一時かなり人気を集めたが今はメジャー・レーベルからも切られてインディで頑張っているルーツ系ロック・バンド、という立ち位置だし、いきなり「オール・オリジナルの(しかも)2枚組ライヴ盤」と言われて、さすがのクロウズ・ファンの僕も俄に食指が動かなかったのは事実。彼らのこの前のライブ盤『Live』(2002)も良かったけど、あれは既出曲のライブで、曲の出来とかも判ってたわけだし。結局アルバムリリースは9月だったのに、意を決して買ったのは11月。

blackcrowes.jpg でも、冒頭一曲目の「Good Morning Captain」の最初数小節を聴いて、僕の不安は一瞬に消え去った。ファズのかかったギターのストローク、ディキシー・ピアノの音色、そして地面に音をおろしたかのような腹にずんずん響くリズムーそう、この曲調といい、リズムといい、そしたクリス・ロビンソンのいつになくしゃがれた、まるであのレヴォン・ヘルムが乗り移ったようなボーカルと言いーこれ、まるでザ・バンドじゃないの!後で聴いたところによると、実際にこのライヴ、NY州北部にある、レヴォン・ヘルム所有の納屋(!)を改造した会場で録音されたというから、音やボーカルがザ・バンドしているのも当然なのかも。しかしこの一曲一曲、最初の一音が鳴った瞬間にほわーっと、胸の中が熱くなるような感じは何なんだろう。まるで古くからの仲間達で集まって、昔話をしながら、時々そこらにある楽器を取り上げたヤツが奏でる音に和みつつ、ゆったりとした時を過ごしている、という感じがして、オジサン・ロック・ファンとしては真に至福の時が過ごせるサウンドと、演奏と、ボーカルと、楽曲がぎっしり詰められているアルバムなのだ、これは。陳腐な表現を許してもらえれば、アルバム全体にバーボンの香りが漂っているというか。例えば5曲目の「I Ain't Hiding」。いきなり冒頭からピョンピョン跳びはねるディスコ風ベースリズムで「何じゃこりゃ、まるでストーンズの『Emotional Rescue』じゃん。今更ロックバンド的ディスコやってみました、じゃないだろう」とこのアルバムで唯一イラッとする瞬間なのだが、これが後半にかけて単なるディスコ・リズムのロック曲から一気にブルース・ハード・ロック的なリフにとっても自然に飛び込んでいく瞬間、やられた、と思ってしまうこの心地よさ。ここまで仕掛けに凝ってなくても「Appaloosa」「A Train Still Makes A Lonely Sound」「Houston Don't Dream About Me」「And The Band Played On」と、往年の激しさはないもののいー感じでまったりとした、クロウズのイギリス南部とアメリカ南部のブルースやカントリー等々をごった煮にしたような真のルーツロック的なナンバー一つ一つが何回聴いても胸にしみてくるーうー気持ちええ。

 考えてみるとルーツ・ロックという(最近の言葉を使うとアメリカーナ、というべきか)音楽black_crowes_Illust.jpgスタイルは何ら新しい要素があるわけでもなく、基本的には1970年代のそれこそザ・バンドオールマンの頃からこっち、ほぼ同じ音楽スタイルでやられていることの繰り返しに過ぎない。ウィルコライアン・アダムスのように、近時代的なシンガーソングライター的アプローチでアメリカーナを料理して素晴らしいアルバムを作っている連中もいいが、クロウズがここでやっているのはそういう余計な味付けは一切なく、ステーキはソルト&ペッパーのみ!といった感じで伝統的なスタイルに徹し、その代わり高度のミュージシャンシップでもって自らの存在感を示しているということだと思う。そしてこんなバンドはそうそういない。聴き手を揺さぶってくれるレベルのパフォーマンスを、こういうスタイルでやってくれるバンドは。

 1枚目の『Before The Flood...』はそうした演奏満載であっという間に聴いてしまえるが、2BlackCrowes_UntilTheFreeze.jpg枚目の『...Until The Freeze』は実はCDではなく、このアルバムのウェブサイトにアクセスして、CDに同梱されているアクセスコードを入力してダウンロードするという、クロウズの音楽スタイルに似つかわしくないほど今的な手法で届けられる。面白い。サイトには、通常のmp3フォーマットの他、FLACという高音質のフォーマット(専用ソフトが必要らしいが)のファイルが用意されている。2枚目の『...Until The Freeze』は1枚目の7曲目「What Is Home」とかに共通するようなアコースティックな、曲によっては「Roll Old Jeremiah」とかCSNYとかを思わせるようなよりカントリー寄りの曲が9曲収録されており、いい意味でレイドバックした、ゆったりと聴ける演奏が満載されている。

BlackCrowes_SouthernHarmony.jpg 『The Southern Harmony and Musical Companion』(1992)がクロウズ初期の元気だった頃の傑作だとするなら、この2枚組ライブは、彼らのキャリア全体を通じて最もコンプリートなクロウズの魅力を内包した、別の意味での傑作だと言えると思う。忙しかった一週間の終わった土曜日の晩とかに、ゆっくりウィスキーをなめながらこのアルバムを聴くと一気に違う世界に持って行ってくれる...少なくとも僕に取ってはそういう特別なアルバムになった。で、どうやらこのアルバムの収録の模様を納めたDVDも出ているらしい。ううむ、そっちの方も買わないといけないではないか。

いかがですか?頑張って次の5位と6位も早めにアップしまーす。では。
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