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Life Is A Rock - 洋楽こそ我が人生
洋楽全般について、英米ヒット・チャートに登場有無に関係なく、お気に入りの洋楽作品についての独り言やコメントをつれづれに掲載します。「新旧お宝アルバム!」「恒例グラミー賞大予想」など定期コラムが中心です。洋楽 ファンサイト、meantime(www.meantime-jp.com)のスピンオフ企画としてお楽しみ下さい。
■2009年My Best Albums - #9
My Top 10 Albums of 2009
#9: The Blueprint 3 - Jay-Z (Roc Nation)

JayZ_Blueprint3.jpg思えば去年のグラミー賞授賞式でジェイZがいきなりコールドプレイと「Lost!」を競演して(パフォーマンス自体はクリス・マーティンの無様なボーカルで残念な出来だったけど)からこっち、ジェイZ復活の予感がなくもなかった。2007年にリリースした『American Gangster』も悪い出来ではなかったが、嫁さんのビヨンセが横で「Irreplaceable」を年間1位の大ヒットにしたり、『I Am...Sasha Fierce』(2008)をリリース、次から次にヒットを飛ばしてたりするのを見てると「うーむジェイZも頑張らんといかんとでは?」と思っていたところだったので、むしろ復活を期待していた、というのが正しい表現だろう。

そんな中で、新作が2001年と2002年にリリースされた『Blueprint』シリーズのパート3になる10RollingStone.jpgと発表されて期待が高まらないわけはない。何せ1作目の『The Blueprint』(2001)はかのローリング・ストーン誌が先頃発表した2000年代のベスト・アルバム100(ここをクリックすれば飛べます)の第4位(1位はレディヘの『Kid A』)に堂々ランキングされるなど、ヒップホップがそのエッジをやや失って極端にメインストリーム化してしまったこのデケイドで、正統派ヒップホップの代表作の名盤だったからね。昨年7月に一足先に届けられ、いきなりHot100の24位に初登場してきたシングル「D.O.A. (Death Of Auto Tune)」(最高位24位)は、折からポップ・チャートを席巻していたTペインカニエの曲などで多様されているオート・チューン(声にエフェクトをかけ、音程とシンクロさせた技法)を批判するという、ジェイZらしい矜持に溢れた内容とサウンドだったからよけい期待は高まった。

JayZAliciaKeys.jpg届いた作品はその期待を裏切らない出来だった。何より1曲目の「What We Talkin' About」から「Thank You」、上記の「D.O.A.」、リアーナカニエを従えての「Run This Town」そして彼がメイン・クレジットとしては初のナンバーワンヒットとなった(フィーチャリングでは過去3曲あり)、アリシア・キーズをコーラスにフィーチャーし、モーメンツの「Love On A Two Way Street」のピアノ・リフを見事にループ使いしたニューヨーク賛歌「Empire State Of Mind」(この曲のPVのカッコ良かったこと!)までの前半5曲までは、言わばジェイZの圧倒的な横綱相撲。このうち「Empire...」以外はカニエがいかにもジェイZのために音、作りました!といったNY正統派ヒップホップといった趣のトラックに乗って、堂々とした圧巻のフロウを聴かせてくれ「よっ!ジェイZ!」と声をかけたくなるほどの安定感が素晴らしい。中盤からは一転してヤング・ジージー、キッド・カディ、そして今一番活きのいいドレイクといった若手ラッパーたちとの競演を順々にこなし、それぞれトラックのスタイルは異なるものの、若手の力士たちのぶつかり稽古を難なくあしらいながらかつ自分の存在感を際だたせるという大横綱ぶり。アルバム終盤はカニエ(いかにもな変態サウンドの「Hate」)やファレル(こちらもネプチューンズらしいゴージャスなトラックに乗った「So Ambitious」)といったサウンドメイカーたちとのコラボを経て、静かながら段々盛り上がっていくロック系トラックに乗ったMr.ハドソンとのコラボ「Forever Young」で幕を閉じる。

もちろんジェイZのこと、リリックの内容も貫禄と矜持がそこここに伺え、「D.O.A.」でオートjay-z.jpgチューンに物言いを付けながら、「Thank You」では「最近のラッパーどもをやっつけてやろうと思ってたけど/やつら勝手に自滅しやがる」と半端なラッパーたちを痛烈に批判。「On To The Next One」ではMJオバマに言及、「A Star Is Born」では今に至るヒップホップの実力者たち(パフ・ダディ、Dr. ドレ、エミネム、50セント、ウータン、ローリン・ヒルそしてリル・ウェイン、ドレイクに至るまで)たちの功績を称えるなど、彼のコメンタリーはブラックベリーからケイティ・ペリーまでポップ/ヒップホップ・カルチャーを取り巻くありとあらゆる今の社会状況に渡っている。ジェイZナスと並んでクールなリリシストとリスペクトされる所以であり、英語の勉強も兼ねてリリックを読み込んで見るのも興味深い。


ことほど左様に完成度の高いアルバムながら、何故か今回のグラミーでは、最優秀ラップ・アルバム部門にノミネートすらされてないのはどうしたことかフロ・ライダのアルバムとかノミネートするなっつーの!)?しかし、本作からは最優秀ラップ・ソング部門では「D.O.A.」と「Run This Town」が、最優秀ソロ・ラップ・パフォーマンス部門では「D.O.A.」が、最優秀ラップ/歌唱コラボ部門では「Run This Town」が(ここも本来「Empire...」だと思うんだけど)それぞれノミネートされていて複数受賞が期待出来そうだ。デケードが改まった今、本来NYラップが進むべき方向を改めて指し示してくれる作品として、そして王者ジェイZの渾身作として、フロ・ライダとか聴いて喜んでる方々に是非聴いてもらいたい作品だ。
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コメント
コメント
No title
Jay-Zは、後世に語り継がれるべきアーティスト
私のベストアルバムの中にも、コレは入ってます。

D.O.A.(Death Of Auto-Tune)が出た時は、拳が上がりました。
2010/01/22 (金) 02:38:09 | URL | bojdoog #79D/WHSg[ 編集 ]
No title
グラミーには、次回(来年1~2月)へのノミネートが期待できるのではないでしょうか?
今回のノミネート対象は、08年10月1日~09年8月31日に世に出た作品らしいので(出典:Wikiの英語版)、先にシングルで出た D.O.A.やRun This Townは、今回の対象になりますが、アルバム自体やEmpire...は次回になるのかと。
2010/01/10 (日) 20:43:05 | URL | kubota #79D/WHSg[ 編集 ]
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